家族はお互いを理解し合えるという幻想に惑わされると苦しくなる | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

ブログにお越しいただきありがとうございます^^

 

ASD(自閉症スペクトラム)当事者

女係長 鹿島じゅんです。

 

私の発達障害に関する診断結果

コチラです。

 

専門家でも見分けるのは難しいと言われる、

発達障害と愛着障害。

 

自分は本当は発達障害ではなく、

愛着障害なのではないかと思い振り返った、

私の愛着障害に関する生育歴

コチラです。

 

*******************

 
昨年の11月、週末に母と2人で、
娘夫婦のところまで遊びに行った時のことは、
以前のブログに書かせていただいていて。
 
そのブログの中で、
 
お互いの幸せのために、
無理に相手(母)に近づくことはしない
 
という、
私の家族との付き合い方のスタンスを、
ブログを読んでくれている皆さんに、
伝えさせていただいたのだけど。
 
実はこのスタンスにたどり着くまでには、
激しい葛藤がありました。
 
だって私は、、、
 
自分が努力すれば、
家族(母)と理解し合えるという幻想を、
信じていたから。
 
(恐らく発達障害があり、
私に人として酷いことをし続けていた父には、
期待していませんでした)
 
でもね。
 
私はワザと、
他の子と違う言動をしようなんて思っていなくて、
母親に好かれる子供になりたくて、
母親の望む普通の子供のように振る舞うために、
自分を押し殺した時期もありましたが、
結局、
今でこそ、
発達障害という言葉が世間に広まって、
人と違う言動を行う子供に対して、
"療育"という対応が、
とられるようになりましたが、
私が子供の頃は、
発達障害という言葉は無かったし、
そのため現在、
ASDの可能性が極めて高いと、
精神科医師から言われている私は、
周囲の大人達から、

ちょっと変わった子供

という評価を受けていて、
そのちょっと変わった部分は、
昔の人達の発達障害に対する知識の無さから、

親の育て方が悪い

と言われいたため、
私の母が私の育て方に悩み、

「お前のことは理解出来ないから、
もう、放っておくことにする」

私に言ったのは、
今にして思えば、
私に対する、
母からのSOSだったのかもしれません。

小学生だった私に、
母のその気持ちを受け止めることは出来ず、
自分の唯一の味方を失ったと、
私が感じることになっただけでしたが。


そのため私は、
小学生の時にはすでに、
自分に精神的虐待だけでなく、
性的虐待まで加えていた父親と、
母親に愛されることを諦めた子供でした。


でも、だからといって。

親に不幸になって欲しいなどとは、
思いませんでした。

私が思ったのは一つだけ。

私はこの家族の中では幸せになれない
 
ということ。

だから私は親を憎んで離れたのではなく、
自分と家族との幸せのために、
精神的、物理的距離を、
家族からとったのでした。

私が50年近い人生をかけて、
自分の原家族(生まれ育った家族)から、
学んだこと。

それは、、、
 
家族だからといって、
どんなに頑張っても、
感性の違いは合わせられない
 

ということ。

では縁を切ることの出来ない自分の家族と、
お互い理解し合えないままで、
どう付き合っていけばいいのか?

私がたどり着いた答えは、
 
相手の感性を否定せずに認める
 
ということでした。
 
例えば私は、
母を車に乗せて走っていた時に、
とても美しい夕陽をみて、
感動したことがあったのですが。


私が自然の美しさに、
神様の存在さえ感じて感動していたその光景に、
一緒に車に乗っていた母は、
夕陽の眩しさから、

「ギャッ!!」

と叫び声をあげて、
眩しくて目を開けていられないから、
早く夕陽が沈めばいいと言いました。

私はその言葉を聞いて、
自分の感動を邪魔されたように感じて、
心の中では不快に思っていましたが、

「大丈夫?」

と、
母を心配する言葉をかけました。

以前の私なら、
このような母の態度に対する不快感を、
母への嫌悪感に変えてしまっていましたが。

自分がASDだと受け入れたことで、
自分の感性が少数派だと知ったことにより。

家族だからといって、
お互いを理解することを諦める

ことが出来るようになったため、
上辺だけでも心配する態度がとれるように、
なったのでした。

家族でも感性の違う個々の人間


そう思えば相手を理解出来なくても、
自分にとって不快な態度を取られたとしても、
受け流すことが出来るようになりました。

だから、もし。

このブログを読んでくれているあなたが。

自分の家族の、
思考や言動、感性が好きではないのなら、
あなたが合わせたり、
受け入れたりしなくてもいいのです。

もし、自分と違う言動に対して、
不快感を持ったとしても。
 
決して相手を攻撃したり、
自分が間違っているのだと考えたりせずに。

この出来事をこの人はこのように受け取るのだな
 
と認めること。
 
それだけで、きっと、
あなたの心の波は凪いでいきます。

そこには、
ASDで少数派の感性であるから悪いとか、
定型発達者で多数派の感性だから正しいとかの、
優劣があるわけではなく、
 
たんに感性が違う
 
という事実だけが存在しています。
 
家族だからといって、
必ず相手のことが理解できる訳でも、
感性が似てくる訳でもないのです。
 
だから。
 
ASDのあなたが家族と仲良くなれないのは、
あなたが他の家族と違っているだけで、
あなたが悪い訳じゃない。
 
アスペルガーや、
自閉症スペクトラムといった言葉が、
まだ一般的に知られていない頃に、
幼少期を過ごした、
昭和生まれのASDさんの中には、
過去の私のように、
家族の中に理解者がおらず、
居場所が無くて、
人と違う自分を責めて育ったASDさんが、
きっといると思う。
 
だから、改めてもう一度言うね。
 
家族でも他人である以上、
価値観や感性は違っていて当たり前
 
全く考えが同じ人なんて、
定型発達者同士だってあり得ないのだから。
 
あなたは過去の私のように、
家族ならいずれ分かり合うことが出来ると、
大きな誤解をしていませんか?
 
同じ環境で生活したり育ったりしているから、
価値観や感性が似てくる可能性が高いだけで、
 
家族だから相手を理解出来ていて当たり前、
仲良く出来ていて当たり前、
ではありません。
 
あなたは家族と同じ環境に育ったけれど、
家族と同じ考え方や感性を持たなかった、
そしてあなたの家族は、
自分達と違うあなたの考え方や感性を、
受け入れてくれなかった、
ただそれだけのこと。
 
ただ、それだけのことなのだけれど。
 
人は自分達と違う者を排除して、
似た者同士で集まるという習性を持っており、
それは家族間でも行われます。
 
これがね、
私のように軽度のASDさんが、
愛着障害を同時に抱えてしまう理由、
なんだと思う。
 
何の力もない子供が、
親から(無意識にでも)排除されたら、
例え空気を読むのが苦手なことだったとしても、
親の顔色を伺って育つようになるよね。
 
でも、そんな風に相手に合わせて、
愛されたいと必死になっても、
それが上手くいくとは限らないし、
上手くいったとしても、
決して"あなた自身"を、
愛してくれてる訳じゃない。

きっと、寂しさはますます加速していくから。
 
まず、自分が自分の、
1番の味方になってあげよう。

人のことは、それから。
家族のことは、それから対処していけばいい。

まず、あなたが。

あなた自身に、
救いの手を差し伸べてあげて下さいね。