晴れ時々ジャズ -32ページ目

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

私事ながら、12月は大切なイヴェントを2つ控えていることもあって何かと気忙しいことが多いです。当ブログの更新も滞りがちですが、すずっくさん のブログを拝見しておりますと、すっかりクリスマス一色ではありませんか~。う~む、うらやましいぞー。
そこで私は思いました。「私もクリスマスのCDを買おう。それも飛び切りジャズなヤツをな。気分だけでもクリスマスになるのだ!」と。
ちょうどすずっくさんとこで少し話題になっていた1)が気になったので調べてみますと、これは新譜なのですね。知らないミュージシャンばかりなのですが、私の大好きなWHAT CHILD IS THIS ? という曲も入っていますし、某所で試聴してみるとエエ感じでしたので注文してみました。すずっくさんとこではDVDの画像が出ていますね。DVDを買ったほうがよかったかしらん。
1) ■NILS LANDGREN / CHRISTMAS WITH MY FRIENDS (ACT Music+Vision ACT 9454-2)
2) ■TOMMASO - RAVA QUARTET / LA DOLCE VITA (C.A.M. Jazz CAMJ 7746-2)
3) ■VIT SVEC TRIO / KEPORKAK (Arta Records F 10131)
2)は、ずっと以前に注文したのにいっこうに届かないので、別のとこに注文して買ってしまったぞー。もう、時効です。
3)は、発売当時から気になっていたのですが、なんとなく買いそびれていました。動物ジャケには弱いのです。たとえそれがクジラのシッポでも。
というわけで、今日届いたドングリは3個でした。
NICOLAS FOLMER(生年不詳ですが、おそらく30歳かそこら)は、フランスの若手トランペッターではピカイチの存在です。とにかくこの人のトランペットはコントロールが抜群で、その点ではイタリアのFABRIZIO BOSSOに迫る勢いです。アドリブの上手さときたら、どこを切り取っても美メロ曲の一つや二つはすぐに出来てしまうのではと思うぐらいで、センス抜群の華麗なフレーズが泉のごとく次から次へと湧いて出て来ます。もちろん作曲とアレンジの腕も超一流。辣腕ぞろいのメンバーで完成度の高かったNICOLAS FOLMERのファーストアルバム I COMME ICARE (Cristal Records CRCD 0409)(当ブログの記事はコチラ )が、2005年度のDJANGO D'OR(Nouveau Talent)を受賞したのも当然ではないでしょうか。彼の才能は、もっともっと注目されてよいのではと思います。

さて、本作はNICOLAS FOLMERの2作目にあたります。あれ?録音年月日とスタジオの表記がどこにも無いですね(前作もそうでした)。リリースは2006年です。12曲全てNICOLAS FOLMERのオリジナル。4ビートスウィングは部分的にチラリと出てくるだけ。硬質でスピード感満載のファンク調、ゆったりしたバラード調、なぜか1曲だけムード歌謡ふう(?)(^▽^;)などの曲がありまして、聴き応えのある作品になっています。ピアノにPIERRE-ALAIN GOUALCH(1973年生まれ)、ドラムスにSTEPHANE HUCHARD(生年不詳)とくれば、私などは聴く前から嬉しくなってしまいます。ベースのJEROME REGARDと、ドラムスのTHOMAS GRMMONPREZは初めて聴く名前。
曲の印象を簡単に書きましょう。
いや~、もう1曲目のPABLO DE CARACASからめちゃくちゃカッコええです。アルバムにはクレジットされていませんが、PIERRE-ALAIN GOUALCHはピアノの他にFender Rhodes(かな?)も同時に弾いていて、アドリブなんかオラオラ度高しってな感じ(なんじゃそら)で痺れまっせ~。ゴツゴツしたベースもなかなかに凄く、硬質でタイトなアンサンブルがカッコイイ。
2曲目のKALEIDOSCOPEは、スピード感と緊張感が漲り、思わず体が動いてしまうのです。複雑なリズムパターンでグルーヴするSTEPHANE HUCHARDのドラムスも冴えまくり!
6曲目のMEDDYは少々複雑でトリッキーです。頭で納得して体がリズムに乗るまでに少々時間が掛かってしまいました。何でやろ?今でも乗られへん時があります(;^_^A しかし、めっちゃカッコイイ曲なのです!
7曲目のKACHANIEは、リズム隊だけが変幻自在にテンポを変えるところが面白い。PIERRE-ALAIN GOUALCHのバッキングが光っております。
8曲目のFRENCH TOUCHは、爽やかなムードで軽やか。暖かい音色で歌うトランペットがステキ。ここでもついついSTEPHANE HUCHARDのドラミングを聴いてしまう私。
10曲目のLES MOCOTSもトランペット栄えのする良い曲ですね。リズム隊が空間を生かしたバッキングでソロを引き立てています。
どれもホントにいい曲ばかり。

ただ、一つだけわがままを申しますと、本作でSTEPHANE HUCHARDが叩いているのは4曲だけなのが不満です。試しに、2曲目のKALEIDOSCOPEと11曲目のKALEIDOSCOPE ALTERNATE TAKEという同じ曲で、ドラムの演奏だけを聴き比べしてみましょう。例えばアクセントの付けかた一つとっても、STEPHANE HUCHARDがいかに優秀なドラマーであるかがよーく分かります。全曲をSTEPHANE HUCHARDが叩いていたなら、本作はさらに素晴らしくなっていたはず。
PIERRE-ALAIN GOUALCHは、概ね硬質なフィーリングで、たまに拳骨も繰り出したりもします。11曲目のKALEIDOSCOPE ALTERNATE TAKEのアドリブソロなど、思わずニヤリ。
フレンチジャズシーンの行方が気になるかたでしたら、NICOLAS FOLMERは、絶対にはずせないトランペッターですぞ~。
おおっ、今回の記事も短い!めでたい!(笑)

本作は、ココで一部だけ試聴出来ます。
http://www.cristalrecords.com/index.php?id_rubrique=229&id=350

■NICOLAS FOLMER / FLUIDE (Cristal Records CRCD 06-03)
NICOLAS FOLMER (tp) & (p) (on 12)
PIERRE-ALAIN GOUALCH (p, ) (exept 12)
JEROME REGARD (b)
THOMAS GRMMONPREZ (ds) (3, 5, 6, 7, 9, 10, 11, 12)
STEPHANE HUCHARD (ds) (1,2, 4, 8)
入手先:HMV(通販)

当ブログでぜひご紹介したいお医者様がいます。

今年の10月に奈良県で「寺崎クリニック」 を開業され、地元の医療に貢献なさっている寺崎豊博さんです。寺崎さんは、「寺崎クリニック」 を開業されるまで京都府の舞鶴赤十字病院で泌尿器科の部長としてご活躍なさっていました。

「寺崎クリニック」 の診療科目は、内科、泌尿器科、皮膚科です。
インフルエンザ予防接種は、奈良市在住の65歳以上の方は1000円(今年から予防接種通知書は送付されなくなりましたのでご注意ください)、一般の方は2000円です。
「寺崎クリニック」 は、近鉄「奈良」駅を南へ徒歩10分のところにありす。

==== 「寺崎クリニック」 の診療方針 ====

 「寺崎クリニック」のモットーは「和顔愛語」です。長年手術をさせていただいて参りました医師として、また介護や緩和医療を学んできた経験から「痛みや苦しみをいかに和らげて差し上げられるか」はこれからの私のテーマとなります。幸福が全ての人の望みであるとすれば、その望みを妨げる最大の要因は病気や病気に起因する苦痛だと考えます。すべての人々がいつまでも「優しい顔で愛情深き言葉で互いに接する事」ができるように努力したいと考えます。この精神の基として義父も実践し続けた緒方洪庵の「医戒」を揚げました。」
                                    *「寺崎クリニック」のホームページより

「寺崎クリニック」 について詳しくは、↓こちらのホームページをご覧ください。
             http://www.myclinic.ne.jp/tsmm12638/pc/


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以下にエピソードも交え、寺崎さんの人となりを私なりに少し語ってみたいと思います。


私が寺崎さんに初めて出会ったのは8年前の1月のことです。寺崎さんと私は、偶然に、地元で行われた松尾葉子指揮による『第九』演奏会に合唱で参加した後、同じ日に地元のM合唱団の門を叩きました。M合唱団が週一の練習で使っている会場の外で鍵が開くのを待っているとき、お互いの簡単な自己紹介をし、寺崎さんからはお名刺をいただきました。気さくな感じで好感の持てる人だなと思ったのをよく覚えています。

同年の春に行われたM合唱団の合宿で、昼間の猛練習(?)が終わると夜はお楽しみの宴会となり、寺崎さんと私は席が向かい合わせとなりました。そのとき、話題が出身地や年齢のことになりまして...
寺崎:「アーティチョークさんてどこの生まれ?」
アーティチョーク:「○○県です。」
寺崎:「わ、僕と一緒や。」
アーティチョーク:「そうなんですか~。私、○○県立○○病院で生まれたんです。雨降りの日曜日に。」
寺崎:「え?僕が生まれた病院と一緒やん。」
アーティチョーク:「ほんまですか?偶然ですねえ。」
寺崎:「当時、○○県のあの辺は、他にあそこぐらいしか病院がなかったから、そんなに凄い偶然ではないと思うけどね。」
アーティチョーク:「ところでね。私と、ピアニストのKさんと、ソプラノのHさんは同い年なんですよぉ~。」
寺崎:「ほほう。で、何歳?」
アーティチョーク:「○○歳。」
寺崎:「僕も○○歳。」
アーティチョーク:「えーっ!?」
寺崎:「ひょっとして、誕生日いつ?」
アーティチョーク:「○○月○○日。」
寺崎:「僕、○○月○○日。」
アーティチョーク:「てことは、私と寺崎さんの誕生日って4日しか違わへんてことですね。」
寺崎:「うん。」
アーティチョーク:「ええーっ!?ほんなら、私ら、新生児室の隣同士のベッドでオギャーオギャーって泣きあいしてたかもしれへんということですか?(笑)」
寺崎:「その可能性は非常に高いね(笑)」
アーティチョーク:「これって、もの凄い奇遇とちゃいます?おんなじ病院の隣同士のベッドで泣きあいしてたかもしれん赤ちゃんが、おじさんとおばさんになって、○○県○○市から遠く離れた○○市の合唱団で一緒に歌ってるやなんて!!」(と、こんな具合でキャーキャーと盛り上がりながら、合宿の夜は更けていくのでありました...)
これ以来、寺崎さんと私との距離がぐっと縮まったような気がしました。

たまにお仕事に関するお話をちらりと伺うこともあったのですが、勤務医で特に腕のいい医師というのは激務を強いられるものなのだなあと私は思ったものです。寺崎さんは週一回の練習も欠席がちでしたが、努力家なので歌の自己練習も怠らず、演奏会(年間を通して7回以上)には極力出演してくださいました。寺崎さんはバスで私はアルト。歌うときの2人は離れていますからお互いの声を聴く機会はほとんどありませんでしたが、一度カラオケで寺崎さんの歌を聴いてびっくり、上手いのなんのって、もうプロ並みですよ!テナーの声域まで軽くカバーする音域の広さにも感心したものです。

また、寺崎さんはレクリエーション行事にも大変協力的で、当団にとっては欠かせないちょっとした逸材的存在だったのですよ。たとえば、合唱団のクリスマスパーティーで「白い巨塔」の財前教授の愛人役をしてくださったことがありました(財前教授の役は私でした)。着物を着てカツラを着けメイクアップした寺崎さんのお姿は、忘れようと思っても忘れられるものではありません(笑)そのときの写真が何枚か手元にありますが、何度見てもプッ!と吹き出してしまいます。スキャナを使って当ブログに写真をアップしてもいいのですが、「寺崎クリニック」の患者さんが減るといけませんので(笑)
ほかにもやはりクリスマスパーティーでソプラノのHさんの脚本による「冬のソナタ」ならぬ「冬のそんなあ...(汗)」(←大作だぜ!)のヨン様役(このときの私は黒子&小道具係)。これはたくさんの合唱団が集まって毎年行われる府下合唱団交歓演奏会のパーティーでも再上演となりましたが、大受けだったようです。「キャー♪」という、おば様たちの黄色い声があちこちから飛んでましたから(笑)
「マツケンサンバ」の松平健の役も板についていましたっけ。このときは振付指導も寺崎さんだったのです。あの時のクリスマスパーティーも楽しかったな~。寺崎さんと私は、なぜか毎年のように一緒にクリスマスパーティーの実行委員を仰せつかっていましたね。今となっては懐かしい思い出です。
でもでも、寺崎さんという貴重な逸材がいなくなった当合唱団のレクリエーションは、これから一体どうすればいいんでしょう(笑)クリスマスのときだけでもいいですから、寺崎さん、M合唱団に帰ってきてくださいますか?(マジです)

寺崎さんのお人柄を一言で申しますと明朗闊達。常にユーモア精神と他人への思いやりを忘れない人だと思います。いつも私の横で歌っているアルトのSさんも、こう仰っていましたよ。
「寺崎さんは、お医者さんなのに、控えめでちっともエラぶったところがないのよね。歌も上手いし、面白いし。あの人が団からいなくなるのは寂しいし、団にとっても痛手やわ~。」
寺崎さんは当合唱団のみんなに好かれていたと思います。寺崎豊博さんのお人柄は、私も保証いたします!

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奈良県にお住まいのジャズファンのみなさん!

いや、別に奈良県以外のかたでも、ジャズファンでなくてもよいのですが...。

「晴れ時々ジャズ」の紹介を見て来院しましたと仰る患者さんの場合は初診料が無料に、ということにはなりませんけれど、地域医療に貢献する「寺崎クリニック」 の寺崎豊博先生をどうぞよろしくお願い申し上げます!


本作はドイツのレーベル、ACT Music+VisionでYOUNG GERMAN JAZZにカテゴライズされている作品のひとつ。ピアノがMICHAEL WOLLNY(1978年生まれ)、ウッドベースがEVA KRUSE(1978年、ハンブルグ生まれ)、ドラムスがERIC SCHAEFER(1976年生まれ)のトリオで、[em]というのがユニット名のようです。本作は[em]の2作目にあたります。この3人の演奏を聴くのは初めてと思っていましたら、MICHAEL WOLLNYは、ずっと前に入手していたドイツ人ドラマーKAI BUSSENIUSのリーダー作
■KAI BUSSENIUS TRIO / THIS TOWN (Mons Records MR 874371)
に参加しているピアニストだったのですね。これ↑はスタンダードを主としたストレートアヘッドな演奏で、どなたにも聴きやすい正統派ジャズ作品です。

さて、本作は2005年9月と2006年2月の録音。15曲全てがオリジナルで、MICHAEL WOLLNYが3曲、EVA RUSE が4曲、ERIC SCHAEFERが6曲、3人によるフリーインプロヴィゼーションによる演奏が2曲。
編成はアコースティックなピアノトリオですが、出てくる音は刺激と興奮に満ちて凄く面白いです。もちろんMICHAEL WOLLNYのピアノもKAI BUSSENIUS TRIOのときとはまるで別人のようなドライな感覚。アクロバティックでジグザグした演奏はスピードとエネルギーに満ちてエキサイティングでかっこいい。演奏はレベルも高く、現代感覚に溢れた緻密で複雑な楽曲をダイナミックに表現していて実に素晴らしいです。スローテンポな演奏においても、あえて美しいメロディを避けるかのようなシリアスに瞑想する雰囲気で、表現力の多彩さもハンパじゃないと感心しました。また、抽象表現も少なくありませんが無味乾燥ではなく、楽曲に起伏が多くメリハリが効いておりスリリングで聴き応え満点。アルバム一枚まるごと楽しめました。
ピアノのMICHAEL WOLLNYの演奏テクニックもさることながら、ドラムスのERIC SCHAEFERもなかなか凄いんじゃないでしょうか。また、ウッドベースのEVA KRUSEは女性だそうですが、全編を通じて演奏に軟弱さは微塵もありません。アルコ奏法も多用していますが確固たる技術に支えられたもので、ドスの効いた素晴らしい演奏を聴かせてくれます。このトリオは相性も抜群で、随所で息の合ったところを見せつけてくれます。
アルバムのラストでは、ついにMICHAEL WOLLNY君のタガが外れてますね(笑)まるで山下洋輔とJEAN-MICHEL PILCを足して2で割ったみたいなパフォーマンスには思わず吹き出してしまいました(笑)ピアノ線切れるんちゃうかと一瞬心配になりますが、もちろんメチャクチャをやっている訳ではありませんし、こんな凄いの、誰にでも演奏出来る訳ではありません。
聴き手を選びそうな内容ですが、私はこの作品とても面白いと思いました。
こちらのページで一部試聴も出来ます。
*今回は曲ごとの印象を書かなかったので、珍しく短い文章になりました。めでたい(笑)

■[em] WOLLNY, KRUSE, SCHAEFER / [em] II (ACT Music+Vision ACT 9655-2)
MICHAEL WOLLNY (p)
EVA KRUSE (b)
ERIC SCHAEFER (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)

*これは、2006年10月28日付で記事にしていたものを再公開しています。


最初、Nocturneレーベルのウェブページで本作のジャケットを見ただけで判断して無視していたのですが、何の気なしにパーソネルを確認してみましたら、FRANCOIS MOUTIN(1961年12月24日、フランスのパリ生まれ)とARI HOENIG(1973年、フィラデルフィア生まれ)が参加しているではありませんか!慌てて“ヒズマスターズヴォイス”のマルチバイ割引を利用して注文したしだいです(笑)う~む、見逃さなくてよかったー。

リーダーのTIGRAN HAMASYAN(1987年7月17日、アルメニア共和国のギュムリ生まれ)は、2歳の頃からことのほか音楽に興味を示し、ほかのどんな玩具よりもTape Player(おそらく初期ウォークマンのこと)とピアノがお気に入りだったそうで(ここまではよくある話)、なんと、3歳にして自分の弾くピアノ伴奏(3歳のお手々はちいちゃいぞ)に合わせて、ツェペリン、パープル、ビートルズ、クィーン、サッチモの曲を歌いまくっていたという。想像すると可愛らしくて笑える光景ですけれど、なんとも凄いエピソードではありませんか。
そんなTIGRAN HAMASYANは、2006年度のセロニアス・モンク・コンペティション(非営利のジャズ教育・振興団体「セロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズ」が主催する新人ジャズミュージシャンの登竜門)のウィナーとなっており、現在はL.A.で研鑽を積んでいるとのこと。セロニアス・モンク・コンペティションについて詳しくはコチラをご覧ください。
http://www.monkinstitute.com/

さて、本作は、2004年12月にL.A.で録音されたTIGRAN HAMASYANの初リーダー作。最初に述べた最強のリズム隊のほかに、名前を聞くのも初めてのBEN WENDEL(L.A.生まれ)、ROUBEN HARUTYUNYAN(生年不詳、やはりアルメニアの人?)という面々。全10曲のうちHAMASYAN作曲が5曲。アルメニア民謡が4曲。COLE PORTERが1曲となっており、曲によって編成も変わります。
録音当時、TIGRAN HAMASYANはたったの17歳に過ぎなかったということになる訳ですが、ちょっと俄かには信じられない。とにかくピアノが上手いのなんのって、高度な演奏技術、フィーリングとセンスの良さには思わず舌を巻くほど。もちろん作曲の腕も確かで、アレンジも全曲を担当しており、オリジナル曲の半端でないカッコよさときたら、あのMOUTIN REUNION QUARTETも真っ青になるほど。また、アルメニア民謡を主題にした曲で見せる表現力の豊かさと美しさは、もう感動もので、それをちゃんと自分のものにしてしまっており、母国アルメニアへの誇りとその音楽に寄せる愛情が伺えます。ジャズを主体にしてはいますが、アルメニアの民族音楽の美しさと、コンテンポラリーで先進的でフレッシュな感性が融合した、複雑で豊かな音楽性を見せていて、正直「こらまた凄いのが現れよったなー。」と驚きました。もしかして、彼は天才?

まずはオリジナル曲の印象を書いてみましょう。
1曲目のWORLD PASSIONは、ARI HOENIGの気合が充満した鋭いスティック捌きに続いて、どこか中近東あたりのスパイスがほどよく効いたスピード感溢れるハードボイルドなテーマへ。BEN WENDELのソプラノサックスが加わってがっぷりと4つに組んだ堅固なアンサンブルといい、そこかしこに仕掛けられたアイディアといい、TIGRAN HAMASYANのピアノのジャジーで中近東(?)なフィーリングといい、この曲のかっこよさといったら!後半のソプラノサックスのソロも聴きもののひとつ。ああ...いきなりこんなの聴いて痺れてしもたら、明日から社会復帰出来へんかもしれん(笑)
2曲目のWHAT DOES YOUR HEART WANTも民族的香りをちりばめたテーマが美しく、力強く、かっこいい。唸りながらソロを展開するTIGRAN HAMASYANのソロのかっこよさ、バッキングの上手さ、そしてFRANCOIS MOUTINの繰り広げる縦横無尽の早や弾きベースソロが凄いのなんのってアナタ、もう目ぇが点になりまっせ。トリオ+ソプラノサックスによる緊張感みなぎる1曲。
5曲目のPART 2 : ETERNITYは、BEN WENDELのテナーサックスが主役。トリオによるハードでかっこいいリフに乗って、BEN WENDELがテナーでソロを延々と吹きまくる。が、決して単調にはなっていないところはさすがなのです。
アルメニア民謡を主題にした曲では、
3曲目のTHESE HOUSESは、哀愁たっぷりの美しいメロディにまず心惹かれます。ここで聴かれる独特の音色を持った笛がアルメニアの民族楽器、ドゥドゥク(アルメニアに古くから伝わる民族楽器)なのでしょうか。哀愁に満ちた優しい音色に耳を傾けますと、異国の砂漠や遠くに連なる山々といった、まだ見ぬ美しい自然の風景に思いをはせてしまいます。
6曲目のTHE RAIN IS COMINGは、トリオによる演奏で、爽やかに突き抜けた明るさに交錯する哀愁、軽快さと力強さを併せ持つ曲。
7曲目のMOTHER'S LAMENTは、TIGRAN HAMASYANのピアノとROUBEN HARUTYUNYANのドゥドゥクによるデュオ。このような深い悲しみを静かに、しかし、胸をえぐられるような愁訴でもって表現したMOTHER'S LAMENT(母の哀歌)とは、我が子を亡くした母親の嘆きの歌でなくてなんでありましょう。それにしましても、ドゥドゥクという民族楽器は、なんと哀しく切ない音色が出るのでしょうか。コントロールも抜群の美しい音色のドゥドゥクは何度聴いても涙です。
8曲目のFROSEN FEETは、一転してROUBEN HARUTYUNYANの吹くズルナ(中近東~バルカン地方を中心に広く使われる民族楽器でダブルリードの木管)のけたたましく響く高音といっぷう変わった音階が面白い。
COLE PORTER作曲の9曲目、WHAT IS THIS THING CALLED LOVEは、どこにもそれらしきメロディが見当たらず、「えっ、これのどこが?」と、少々焦りました(笑)スピード感に溢れたARI HOENIGのブラシワークも素晴らしいですが、FRANCOIS MOUTINの早弾きソロも凄い。終盤、ARI HOENIGのドラムソロとなり、例のトーキングドラムふうパフォーマンスでかっこよくキマリ!フュージョンふう4ビートジャズとでもいえばよいのか、こんなに面白くてスリリングなWHAT IS THIS THING CALLED LOVEは初めて聴きました(;^_^A

アルバム一枚の隅々にTIGRAN HAMASYANの持てる豊かな才能が遺憾なく発揮された素晴らしい作品で、その完成度の高さは、TIGRAN HAMASYANが17歳にしてすでに一流のジャズプレイヤーであり、作曲家であることをはっきりと示しています。卓越したテクニックとセンスと音楽的な勘の鋭さで、凄腕のMOUTINやHOENIGらと互角に渡り合う様は聴いていて爽快そのもの。若くして稀有な才能を持つピアニストTIGRAN HAMASYANの初リーダー作の録音に臨んだFRANCOIS MOUTIN、ARI HOENIGらが「よっしゃ。ほんなら、いっちょ、本気出したろかい!」と、ついつい、いつもより少しだけ張り切ったらこんな凄いのが出来ちゃいましたという感じ。いやはや、恐れ入りましたー!<(_ _)>

御用とお急ぎでないかたはTIGRAN HAMASYANのHPをご覧ください。
       http://tigranhamasyan.am/

BEN WENDELのHPはこちら。
       http://www.benwendel.com/

ARI HOENIGのHPはこちら。
       http://www.arihoenig.com/

FRANCOIS MOUTINを紹介するページはこちらです。
       http://moutin.com/Francois.html

*どうでもいいオマケ
ふう~...本作のあまりの凄さには思わずエキサイトしちゃいました。TIGRAN HAMASYAN君もやはり弾きながら唸っておりますね。唸るピアニストは演奏が上手いという法則は、やはり正しいのです。
若きTIGRAN君の才能に乾杯!(私、一滴も飲めないけど)そして、唸るジャズピアニストばんざーい!!

■TIGRAN HAMASYAN / WORLD PASSION (Nocturne NTCD 394)
TIGRAN HAMASYAN (p, el-p)
BEN WENDEL (ss, ts)
FRANCOIS MOUTIN (b)
ARI HOENIG (ds)
ROUBEN HARUTYUNYAN (duduk, zurna)
入手先:HMV(通販)

めっちゃ気になる新譜をいくつか。

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ナマズさんとこで紹介のあった盤です。KARL JANNUSKA、DARRYL HALLの両名は無名かもしれませんが、私はこの二人、特にKARL JANNUSKAはなかなか良いと思っています。

■MICHAEL FELBERBAUM / SWEETSALT (Fresh Saund New Talent FSNT 275)
MICHAEL FELBERBAUM (g)
DARRYL HALL (b)
PIERRE DE BETHMANN (p, Fender Rhodes)
KARL JANNUSKA (ds)
http://jazz.abeillemusique.com/produit.php?cle=24367

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PIERRE DE BETHMANNに関しては、2007年にNOCTURNEレーベルからILIUMの3作目がリリースされるようです。詳細は不明です。
http://www.pierredebethmann.com/?page=bands&band=1

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これは近々、澤野さんとこからリリースされる予定です。

■STEPHAN OLIVA / MIROIRS (Minium)
http://www.miniummusic.fr/disques/miroirs.html

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Jazz & Drummerのnaryさんに教えてもらったのですが、ARI HOENIG(ds)がDREYFUSレーベルと契約。リーダー作が出ました!JEAN-MICHEL PILC参加。
■ARI HOENIG / INVERSATIONS (Dreyfus Records)


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そのJEAN-MICHEL PILCの新作は、2007年春にDREYFUSレーベルからリリース予定。
■JEAN-MICHEL PILC / NEW DREAMS (Dreyfus Records)
JEAN-MICHEL PILC
MARK MONDESIR (ds)
THOMAS BRAMERIE (b)
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ERIC LEGNINIの新譜が2007年の1月末にリリースされるようです。来年3月末あたりに来日かも...なんて書いてありますが本当かなあ???
http://www.french-music.org/tpl_news.php?reportage_id=1963

この新譜は国内盤でもリリースされるようで、タイトルはBIG BOOGALOOとなっています。レーベルはLABEL BLEUなのでしょうか?
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1204556




第2回ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2006の催しのひとつ、STEFANO BOLLANI QUINTETのライヴを聴いてきた。
会場となった時事通信ホールは、こじんまりと200席あまり。ステージ下手側にピアノ(YAMAHA)のSTEFANO BOLLANI。上手側にドラムス(Pearl)のCRISTIANO CALCAGNILE。中央奥にウッドベースのARES TAVOLAZZI 。中央手前の向かって右側にクラリネットのNICO GORI(美味しそうな名前だ)。左側にサックスのMIRKO GUERRINIという配置。演奏したのは全てアルバム I VISIONARI からで、アンコールを含めて全部で6曲(たぶん)、1時間ぐらいのステージだったと思う。

登壇し、聴衆の拍手に笑顔で応えて一息つくなり、ボラちゃんがボケを一発。

STEFANO BOLLANI 「えーと、ここは確かブラジルだったよね。うん、ブラジル人がいっぱいいるもん(と客席のほうへ手の平を差し出すしぐさ)。えーと、ポルトガル語の挨拶は...。」
MIRKO GUERRINI 「おいおい、ここはニッポンだよ。ニッポン!僕たちは今、トウキョにいるのっ!」(怒っている)
STEFANO BOLLANI 「あ、ここ、トウキョなの?ホントに?そいつぁーうっかりしてたな~。」
MIRKO GUERRINI 「ったく、しっかりしてくれよな、ボラちゃん。前にも来たことあるだろ、トーキョに。ニッポンのお客さん、ヘソ曲げて帰っちゃったらどうすんだい。」
STEFANO BOLLANI 「ニャハハッ、僕みたいにツアーで世界中を飛び回ってるとつい混乱しちゃって。んじゃ、改めまして、コニチハー!!」(と屈託のない笑顔でご挨拶)

実はイタリア語なのでよく分からず、上記はほとんど想像だが(;^_^A まあ、こんな感じで軽く聴衆の緊張を解してくれたボラちゃんは、例のふわふわカールの髪を無造作にポニーテイルにし、白っぽい長袖の襟付きシャツ、ラフなズボンに鋲のいっぱいついた黒いベルト、革のスニーカーといったいでたち。
ツッコミ役(?)が板についてるMIRKO GUERRINIは、立派な体格と立派なお腹の持ち主。
知的で物静かなNICO GORIは、スレンダーでなかなかの男前。
メンバーのなかでは飛びぬけて年長と思われるARES TAVOLAZZIだけは、アルバム I VISIONARI 録音時のメンバーではないけれど、BOLLANIとは数多く共演してボラちゃんとのデュオ作品もある気心の知れたベーシスト。
CRISTIANO CALCAGNILEは、面立ちといいヘアスタイルといい、ちょうどJEAN-PIERRE COMOをひとまわり若くしたような感じ(笑)
それにしても、ステージ上のジャズミュージシャンて、なんでいつもこういう地味~な黒っぽい服装なのか?もう少しお洒落してもよさそうなものだが。ドラマーのCRISTIANO CALCAGNILEは“AH UM”という大きな文字がプリントされた半そで黒Tシャツだし(何でジャズドラマーはいつも決まって黒の半そでTシャツなのか?謎だ!)ベーシストのARES TAVOLAZZIも黒い長袖Tシャツ(それも無地の洗いざらし)だった。

演奏は私の予想どおり、LA SICILIAで始まった。イタリアントラッドふうの流れるような牧歌的メロディが印象的な、ゆったりとリラックスして聴ける曲。気楽なムードではあるけれど、演奏に軟弱さは一切無くメリハリが効いている。CDよりずっとゆるやかなテンポで演奏しているように感じた。

確か1曲目が終わったところでボラちゃんがメンバー紹介をしたが、名前が聞き取れたのはARES TAVOLAZZIとNICO GORIだけで、サックス奏者とドラマーの名前が全然分からなかった(笑)うーん、これは困ったと思ったが、帰宅後、アルバムにクレジットされていた名前でGoogleのイメージ検索をしてみると、顔と名前が一致して難なく解決(笑)こういう時、イメージ検索は実に便利なんである。

2曲目は、IL FIORE CANTA E POI SVANISCE。概ねは3拍子ながら、異なる二つのメロディが同時進行し、変拍子を伴い、意表をつく激しいアクセントが入るというけっこう複雑なテーマを持つ楽曲だが、ぴたりと息の合った演奏はさすが。CRISTIANO CALCAGNILEの少々手数の多いドラムスもなかなか良いと思った。

3曲目は、VISIONE NUMERO UNO。陰鬱で少々アブストラクトな趣。特に、ドラムスティックを立ててヘッド(あるいはリム?)に直角に押し当てながらゆっくりと円周運動させ、グイーンというか、キーンというか、なんともいえない不思議な金属的摩擦音を出しているのが面白かった。
と、ここまではアルバム I VISIONARI のA1~3の曲順どおり。

が、これ以後、私の記憶は曖昧だがお許しいただきたい。曲順はあやふやだが、4曲目はANTICHI INSEDIAMENTI URBANIだったかな?激しいビートと、うねるベースが印象的だが、メロディの端々にトラッド風味が感じられる曲。ボラちゃんとARES TAVOLAZZIの二人が顔を見合わせ、「ババババッ、ババババッ、ババババッ、バーーン」とリズムを口で唱えて楽しそうにリズムを合わせていたのが印象的だった。

またまたボラちゃんとMIRKO GUERRINIのコント(?)が始まった。今から、僕たちでイタリア語の歌詞を日本語に訳すから、会場のみんなも一緒に歌おうよということらしい。
ボラちゃんがイタリア語の歌詞をワンフレーズ「♪Mi chiamo Franco」(♪ミ キャモ フランコ)と歌うと、今度はMIRKO GUERRINIが紙切れに書かれたのを「ワタシノォ ナマエハァ フランコォ デース」と、たどたどしく読み上げるという具合。要するに、歌詞は全て「ワタシノォ ナマエハァ ○○ デース」という繰り返しのようだ。滑稽な共同作業が一段落すると、今度はボラちゃんがイタリア語で全歌詞をペラペラと早口言葉のごとく一気にまくし立て「さ、皆さんも一緒に歌ってね。」って...そんなもん、私らに歌えるわけないやん!(笑)
このQUANDO LA MORTE VERRA' A PRENDERMI は、ドタバタ喜劇みたいなユーモラスな曲調で、ところどころに管楽器のブキャ、とか、ビャーッというユーモラスな雑音が入り、そのほかの楽器もいろんなところで思いきりヘンテコリンな音を発する。歌はメンバー全員による陽気なコーラスで、とても楽しい。客席からは手拍子も。

アンコールは何だっただろう?間違っているかもしれないが、アルバムでいうとBの3、VISIONE NUMERO DUEだったかもしれない。どこか子守唄を思わせる優しいメロディのゆったりとした曲だったことは覚えている。
イントロはごくごく静かな雰囲気で、ボラちゃんのピアノに合わせてMIRKO GUERRINIがピアノの弦を弾いて繊細で可愛らしい音を出すというものだったが、そのうちボラちゃんがピアノの上に置かれていた紙(楽譜?)をマイクの近くでグシャグシャ、バリバリとやって面白そうにふざけ始めると、見咎めたMIRKO GUERRINIがつかつかと戻ってきてボラちゃんの手から紙をサッと奪い取り、「もう、ボラちゃんたら!ちょっと油断してるとすぐ遊び始めるんだから。はるばるニッポンまで来たというのに、もうちょっと真面目に演奏してよね、ホントにぃ。」(怒っている)という感じで、ポイッとステージの端っこへ投げ捨ててしまった。ボラちゃんは、一瞬、オモチャを突然取り上げられた幼児のような悲しげな表情になるが、すぐに気を取り直し、そこらにあったタオルをマイクの前で一心に振り回すが、紙みたいな楽しげな音は出てこない(笑)紙のバリバリいう音、私はいいと思ったんやけどなー。
こんなふうに面白いパフォーマンスで聴衆を笑わせてくれるとても楽しいステージだった。

ステージの雰囲気は楽しいものだったが、もちろん曲自体はどれも単純で気楽に演奏出来るようなものではなくて、けっこう複雑である。いわゆるバップフィーリングというものは前面には出てこないけれど、イタリアントラッド色が濃厚で、その上にラテン、タンゴ、クラシック、現代音楽が複雑に交錯する独特の世界。だけど、聴き手が感じようと思えば、ジャズがちゃんと感じられる音楽になっていたと思う。

演奏は各人とも本当に素晴らしかった。なかでもボラちゃんが一番楽しそうに演奏しているように見えた。時には、げんこつや肘打ちを素早く繰り出したりもするやんちゃぶり。が、フロントがソロの時は、ピアノの音量に細心の注意を払い、ちょっぴり真剣な顔を鍵盤にぐっと近づけて繊細なバッキングをつけているのがとても印象的だった。
NICO GORIは、クラリネットが主で、たまにバスクラに持ち替えるが、綺麗な音が出ていたと思う。何度か熱いソロを聴かせてくれて、そのたびに聴衆から大きな拍手をもらっていた。
MIRKO GUERRINI はテナー1本だったが、超高音までなめらかで、よどみなく力強いソロを聴かせてくれた。フロントの二人は相性も良く、息の合ったところも見せてくれて、なかなかのテクニシャンだったのではないだろうか。
ベースのARES TAVOLAZZIだけが譜面台を使っていたが、もともとのメンバーではなく来日のために加わったからかもしれない。だが、そこはやはりヴェテランらしく余裕の素晴らしい演奏をしてくれたし、彼の穏やかな表情には年季というものが感じられた。曲によってはけっこう自由奔放な弾き方もしていたように思う。
JEAN-PIERRE COMO似のドラマーCRISTIANO CALCAGNILEは、手数の多いドラミングに加えて、鈴のいっぱいついた紐を振り回す、シェイカーを振る、カウベルを叩く、ほかにも名前の分からないパーカッションを演奏しなくちゃいけないのでとっても忙しい(笑)始終真剣な表情で口元を真一文字に結び、常に一所懸命という感じの彼は、それぞれの曲の雰囲気に合ったとても良い演奏をしていて好感が持てた。

開演前に、ホール内での録音はもちろん、写真撮影などは禁止というお達しが放送されていたので、今回のライヴについては開演前の会場の写真さえもも無い(T_T)
終演後のサイン会も無かったのです。さびしーっ!

御用とお急ぎでないかたはボラちゃんのHPをご覧ください。
http://www.stefanobollani.com/

ボラちゃんのお守り役 MIRKO GUERRINIのHPはこちら。
http://www.mirkoguerrini.com/

こちらはNICO GORIのHP。
http://www.nicogori.com/


*追記(11月22日)
忘れてました!
I VISIONARIのウェブ・サイトは↓こちら。
            http://www.ivisionari.net/
分かる人の分だけでも生年月日と出身地を書いておきましょう。
  STEFANO BOLLANI(1972年12月5日、ミラノ生まれ)
  MIRKO GUERRINI(1973年、フィレンツェ生まれ)
  NICO GORI(1975年9月13日、フィレンツェ生まれ)
  CRISTIANO CALCAGNILE(1970年6月3日、ミラノ生まれ)

出演 : STEFANO BOLLANI QUINTET
STEFANO BOLLANI (p)
MIRKO GUERRINI (ts)
NICO GORI (cl, bcl)
ARES TAVOLAZZI (b)
CRISTIANO CALCAGNILE (ds, perc)
日時 : 2006年11月3日(祝) 午後3時45分開演
会場 : 時事通信ホール(東京都中央区銀座)

地元で30年活動を続けているビッグバンドでピアノを弾いているYちゃんに、もうすぐ行われる定期演奏会のチケットを買いたいと頼んでいたところ、家まで持って来てくれました。
そうしたらね、彼女はこんなにステキなお土産を持ってきてくれましたよ。
 クリックで拡大します
か、可愛らし過ぎる!
木の切り株の上でドングリを抱えて嬉しそうにしているリス。う~む、まるで私みたいじゃないですか(笑)
地元のケーキ屋さんで買ってきてくれたんだそうです。リスのほかにウサギ・バージョンなどもあるとか。今度行ってみよっと。
撮影のため、ラッピングをはずしましたが、この切り株の中には全て種類の違うクッキーが詰まっていて、透明なセロハンと黄色とオレンジのリボンで綺麗にラッピングしてありました。めっちゃ気に入ったのでお部屋に飾っています♪
Yちゃん、ありがとね。
コーヒーとケーキでお茶しながら、彼女といろんなお話をしました。その時、「ビッグバンドあるで~」と、かけていたのがこれ。久しぶりに聴きましたが、エエ感じです。
■PARIS JAZZ BIG BAND / MEDITERRANEO (Cristal Records PJBB 02)
そのうち当然のように、ジャズはどんなのが好き?という話になり、ベーシストとのデュオなどもよく演奏する彼女なので、「こんなん、どう?」とかけてあげると
■TERJE GEWELT / HOPE (Resonant Music RM 13-2)
彼女、えらくお気に入りの様子。「そんなら、これも好きなんちゃう?」と出してきたのが、
■TERJE GEWELT / INTERPLAY(Resonant Music)
■CHRISTIAN JACOB TRIO / STYNE & MINE(Wilder Jazz)
■THE CHRISTIAN JACOB TRIO / CONTRADICTIONS (Wilder Jazz 0601)
■TIERNEY SUTTON / DANCING IN THE DARK (TELARK)
■TIERNEY SUTTON / SOMETHING COOL (TELARK)
■TIERNEY SUTTON / I'M WITH THE BAND (TELARK)
ほとんどがスタンダード曲なので彼女の好みに合っているということで、7枚とも彼女に貸して差し上げました。
そういえば、ずっと前に「これ、凄いで~。」と言って彼女に
■JEAN-MICHEL PILC / WELLCOME HOME (Dreyfus)
を貸してあげたら、BILL EVANS命な彼女の好みではなかったようで、悪かったなーと、反省したことがありました。なので、今回は私、ちょっといいことをしたかもです(笑)
Yちゃん、定期演奏会聴きに行くから。頑張ってねー(^O^)/
最近手に入れたドングリです。でも、リスさんは多忙なのでドングリをじっくり味見する時間がありません(T_T)

monakaさんに推薦していただいた銀座の山野楽器で拾ってきたドングリ。
1)■BELMONDO, YUSEF LATEEF / INFLUENCE (B Flat Recordings 6124872)
2)■PAOLO FRESU, URI CAINE / THINGS (Blue Note 0946-369284-2-5)
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こちらは、帰宅したら届いていたドングリ。

3)■NICOLAS FOLMER / FLUIDE (Cristal Records CRCD 06-03)
4)■NICO MORELLI / UN [FOLK] ETTABLE (Cristal Records CR 117)
5)■FRANCIS LOCKWOOD / NOBODY KNOWS (Label Ames AM 5002)
6)■STEFANO DI BATTISTA / VOLARE (Label Bleu LBLC 86613)
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1)は、注文して1年以上経っても入荷しないので拾ってしまった。もう時効です。本作は、LES VICTOIRES DE LA MUSIQUE 2006を受賞しています。B Flatのドングリを置いているとは、山野楽器もなかなかやるな。
2)は、すずっくさんが記事に書いていらっしゃいましたね。
3)は、フランスの辣腕トランペッターの2作目。
4)は、1曲だけANDRE CECCARELLIがゲスト参加。
5)と6)は、凄腕ドラマーのBENJAMIN HENOCQがお目当て。
夫の書斎を掃除しようと、床に散らばった新聞、雑誌、脱ぎ捨てられた靴下(∋_∈) などを拾い上げ、ふと雑誌に目をやると、ニコニコ顔したヒゲのおじいさんと目が合ってしまいました。なんとなく懐かしい感じのそのお顔は...
なんとJOE ZAWINULではありませんか!?
「青二才禁止! 55歳以上限定!!人生最後のメンズファッション雑誌が創刊」
と表紙に書いてありますね。凄い惹句です(笑)我が夫もようやくファッションに目覚めたのでしょうか?あ、ダーリンはまだ55歳にはなっておりませんけれども。
これは『Z(ジー)』という雑誌の2006年12月号で創刊号です。それにしても、アナタ様が何故このようなところに?と問いかけてみても、JOE ZAWINULは優しい目でこちらを見つめるばかり。が、目次を見て納得しました。p.134に彼のインタビュー記事が4ページに渡って載っています。夫がこの雑誌の何がお目当てで買ったのかは不明ですが、JOE ZAWINULのインタビュー記事でないことだけは確かです!(笑)
おそらく『Z』という雑誌名にちなんでJOE ZAWINULが創刊号の表紙を飾ったのでしょうね。それでしたら次号はFRANK ZAPPAあたりいかがでしょう(インタビューは無理ですが)。それとも、けっこう親日家らしいBOJAN ZULFIKARPASICなど、良いのではないでしょうか。私なら絶対買いますけどね(笑)竜宮社出版の皆様、ぜひご一考願います。それから、JOHN ZORNとかね...演奏は一回も聴いたことないですけど(;^_^A
“ Z ”のつくミュージシャンって、ほかに誰がいましたっけ?
雑誌名『Z』には「人生最後のメンズファッション雑誌」ということでアルファベットの最後の文字である“ Z ”と、そのほかにもう一つの意味がありそうです。
え~とね、お爺さんの「ジー」(笑)え?違うって?
WEATHER REPORTのファーストアルバムと一緒に記念撮影だぜいっ!
 クリックで拡大します
私はJOE ZAWINULのファンではありませんが、ファンの皆様は本屋さんでご覧になってみてはいかがでしょう。