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晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

早いもので、今年もいよいよ今日で終わりです。うわっ、あと3時間しかない!(;^_^A
そこで、2006年に聴いたジャズの新譜のなかから、私的ベスト10を選んでみました。
実は、すでに手元に届いているけれど未聴のままの新譜がけっこうあるのですが、それは来年ということになります。
*並べ方はランダムで、特に順位は決めておりません。画像↓はクリックで拡大します。
 
*左上から右へ順に1)~6)           *左上から右へ順に7)~10) 残りの2枚は旧譜です。
*クリック↑で当ブログの記事へ飛べます。
3)のLIVE IN PARISは、おそらく、ジャズのライヴとしては名盤に数えてもよろしいのではないでしょうか。お正月にもう一回、大音量でじっくり聴いてみよっと♪
6)のERIC LEGNINI TRIOは、楽しい雰囲気に満ち溢れたアルバムで、大好きな一枚。
9)のALBORAN TRIOは、試聴してビビッときたので聴いてみたら大当たりでした。これを記事にしましたら、東京にお住まいのイタリア人のかたからコメントをいただき、びっくりしました。

10)のEMIKO MINAKUCHI TRIOは、聴けば聴くほどに素晴らしいですね!ブログに書いた後もヘヴィローテイションで聴きまくっていました(実は今日も2回)。彼女はとても将来性のあるジャズピアニストだと思います。今後も要注目ですぞー。
いずれも、家で聴くだけでは飽き足らず、運転中にも繰り返し聴いていた愛聴盤ばかりです。ベスト10に選ばれなかった盤にも良いものがたくさんありました。
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旧譜からも2枚だけ選んでみました。2枚とも人から薦められて聴いたもので傾向は全く違いますが、どちらも素晴らしい作品です。
今年も素晴らしいジャズ作品にたくさん出会えて幸せでした。
CHRISTOPHE WALLEMME(1964年パリ生まれ)は、モーリシャス人の母とフランス人の父を持ち、一時期インドにも滞在していたことがあるそうで、本作に見られるインド音楽への傾倒は、彼のそういう生い立ちからきているようです。前作TIME ZONEのワールドミュージック的趣向は、PRYSMの音楽性とは随分違っていたので意外に感じたのですが、これで納得しました。
本作は、2006年に録音、リリースされたCHRISTOPHE WALLEMMEの2作目です。参加ミュージシャンのうちSTEPHANE GUILLAUME、MININO GARAY(アルゼンチン出身のパーカッション奏者)、NELSON VERAS以外は知らないのですが、STEPHANE GALLANDはどっかで名前見たような...。
全11曲のうち10曲がCHRISTOPHE WALLEMME作曲で、インド色が濃厚に打ち出された曲が多めですが、かっこいいフュージョンふうの曲もあります。とにかく全編に渡ってリズムがタイトでもの凄く躍動感があり、音楽を聴いているという実感に浸れて楽しいです。本作ではインドの民族楽器を含めてたくさんの楽器が用いられており、曲あるいは場面によって編成も変わりますが、各人の演奏スキルは高く、緻密でよく計算されたアンサンブルはまとまりも良いので、気持よく演奏にのめり込むことが出来ます。
3曲目のNAMASTEは、カホンやガタム(インドの民族打楽器で、見た目はただの素焼きの壷なのですね)などのパーカッションを効かせたインド色濃厚なナンバーで、管楽器による掛け合いが素晴らしい。
5曲目はTANDOORI GROOVEというタイトルからして凄いですが(笑)、演奏のほうも負けずに凄い。芳醇、重厚かつ躍動感漲るサウンドは、ゴージャス極まる「踊るマハラジャ」的エンタテインメントの世界(笑)ブレイクの後、おそらくこの曲で用いられていると思われるタブラ、カンジーラ、ガタムによる超人的なアンサンブル(何であんなに早く叩けるのか!?)が聴きもの。
7曲目のREFLECTIONは、もともとPRYSMで演奏されていた曲ですが、こちらもかっこよさでは負けておりませんで、ダイナミックな演奏は聴き応え満点!こちらはインド色はありません。
9曲目のTROUBLE TIMEもかっこええですな!7曲目と同様にインド色はほとんど無くフュージョンぽい演奏。MATTHIEU DONARIERのテナーソロがなかなかに健闘しており、手数の多いSTEPHANE GALLANDのドラムスも光る。
このほかにリラックスして聴けるゆったりめの曲もあり、全体を通して質の高い聴き応えのあるアルバムに仕上がっていると思います。
本作でお気に入りの曲は7と9。初めて演奏を聴いて個人的に注目したのは、ギターのEMMANUEL CODJIA、ドラムスのSTEPHANE GALLANDですね。

御用とお急ぎでない方はCHRISTOPHE WALLEMMEのホームページへどうぞ。
         http://www.christophewallemme.com/

■CHRISTOPHE WALLEMME / NAMASTE (Bee Jazz BEE 016)
CHRISTOPHE WALLEMME (b)
EMMANUEL CODJIA (el-g)
STEPHANE EDOUARD (dholak, ghatam, indian percussions)
STEPHANE GALLAND (ds)
STEPHANE GUILLAUME (ss, fl, bcl, handclapping)
guests
MATTHIEU DONARIER (ts, ss)
PRABHU EDOUARD (tabla, kanjira)
MINNO GARAY (cajon, caxixi, handclapping, vo)
THOMAS DE POURQUERY (as, ss)
NELSON VERAS (g)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)
そろそろ私も、今年聴いたアルバムのベストテンなるものを書かなくてはと思っているのですが、なかなか決まりません。今年中に書けるだろうか(-_-;)

今日届いたドングリは2個でした。
■NGUYEN LE / PURPLE (ACT Music+Vision ACT 9410-2)
■JEAN-MARC FOLTZ, BRUNO CHEVILLON / CETTE OPACITE (Clean Feed CF 045 CD)
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上記ドングリとは全く関係がないのですが...
一時期、ポストカードをコレクションするのに熱心だったことがあります。ポストカードは、出来れば同じデザインのものをコレクション用と実用で2枚以上買っていました。が、今は集めるのをやめております。
バーコードのせいです。
あの醜悪なバーコードなるものは、全てのデザインを台無しにしてしまうのです(∋_∈)
切手は、気に入ったデザインを見つけたときに買っておきます。今時は電子メールでほとんどが事足りるのですが、ポストカードや封書を使うこともありますからね。
今日、郵便局でこんな可愛らしい切手を見つけました。

  クリックで拡大
50円切手5枚にシール7枚が付いていて、あんまり可愛らしいので3シートも買ってしまいました(^▽^;)
クリスマスのデザインもありましたよ。
本作は、パリで活躍する日本人ピアニストEMIKO MINAKUCHI(水口 恵美子)、フランス人ベーシストHUGO CECHOSZ、イタリア人ドラマーFRANCESCO PASTACALDIのトリオによるファーストアルバムで、リリース(録音年月日は不明)は2005年です。
強豪ひしめくジャズの本場であり、おそらく聴き手も恐ろしく耳が肥えているであろうフランスのパリを活動の拠点に定め、オリジナル曲を中心にしたアルバムをリリースする日本人ジャズミュージシャンが何人いるのかは存じませんが、これまでそういう例はあまり聞かなかったような気がします。いつもチェックしているフランスのABEILLE MUSIQUEというディストリビューター(配給元)のサイトに本作を見つけて興味を持ったことを覚えていましたので、試聴のうえ入手してみました。

全9曲のうち、美空ひばりの歌唱であまりにも有名な「りんご追分」を除き、全てEMIKO MINAKUCHIのオリジナル。優しく美しいメロディを生かした楽曲の数々に、瑞々しく繊細で詩情豊かな演奏表現を見せると同時に、エネルギッシュでエモーショナルな一面をも発揮し、静と動をしなやかに行き来しています。

1曲目のFRAGILITEから素晴らしいではありませんか。イントロのピアノはごく静謐に、やがて軽やかで美しいメロディが現れ、演奏がしだいに躍動感とスピード感を増して行くにつれ、何だか不思議なパワーをもらえるような、勇気を与えられるような、そんな気分にしてくれます。アルバムの最初にふさわしい、何か素晴らしいことが起こりそうな予感のするダイナミックで爽やかな印象の曲。FRANCESCO PASTACALDIの小気味良いドラムも◎。
2曲目のACACIAで聴かれるピアノの瑞々しさと繊細さはどうでしょう。静かで優しい自然の懐に抱かれるような気持がします。素朴なメロディでありながら、ピアノのアドリブは内に秘めた情熱を感じさせます。
3曲目のPOUR TOIは、明るく美しいメロディ。日曜の午後にゆったりと寛いでいる気分。FRANCESCO PASTACALDIのドラムにもスポットが当たりますが、この人の演奏、エエわ~。
4曲目のLE CIELは、ベースのアルコとピアノのユニゾンが素敵。ちょっぴりせつなく甘酸っぱいメロディが印象的。こんな曲を聴きながら、ゆったりとした気分に浸れたら幸せ。
5曲目のRINGO OIWAKEは、奇をてらわないストレートな歌い口。全体を通して繊細、優雅な演奏でありながら、中間部はけっこう情熱的に盛り上がる。
6曲目のKIMは、可愛らしく美しいメロディを溌剌と歌い上げる彼女のピアノが何度聴いても素晴らしい。眩しい青空を見上げ、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだときのような清々しさで躍動的に盛り上がる。FRANCESCO PASTACALDIのドラムスも光っています。
7曲目のLA MAISON DE HARAは、どこか祈りにも似た詩情豊かなピアノで、静かな雨降りの午後の情景を思わせます。
8曲目のJEUXは、アルバム中最も無調寄りの曲です。このようなアグレッシヴな演奏においてもハーモニーのセンスに彼女の美意識が伺えるような気がします。ここでもやはりドラムが光っています。というか、私好みの演奏なのですね~。
9曲目のTOUT MON POSSIBLEは、優しいメロディを素直に歌っています。

本作は予想をはるかに上回る素晴らしい出来なのです。ピアノが主役ながら、トリオは常にアンサンブルを重視する傾向にあり、各人の力量、バランス、相性ともに申し分ありません。何度聴いても飽きることがなく、ずっとこればかり聴いていました。EMIKO MINAKUCHIのピアノにはヒューマニズムを感じ、聴き手はどのような演奏においても置いてきぼりをくらうことがありません。アルバムタイトルに「KOKOLO」とあるように、本作を聴き終えるころには感動とともに満ち足りた気分になっている自分に気がつきます。8曲目などでは、タイム感をもっと磨けば、彼女のピアノはさらに素晴らしくなるのではないかなと思いました。
それから、ドラマーのFRANCESCO PASTACALDIには個人的にちょっと注目です。スネアのアクセントといい、小気味良い音で決まるリムショットといい、その他いろんな点でこの人は実に私好みの演奏をしてくれるのです。またベースのHUGO CECHOSZもなかなか良いですね。アルコ奏法も何曲かで披露しています。

余談ですが、このアルバムは、私が生まれて初めて自分で買った邦人作品ということになります。日本人がリーダーのアルバムなので、本来ですとカテゴリは“その他のジャズ”になるのですが、ジャズの本場パリを活動の拠点に選んだ彼女に敬意を表し、本作を“フランスのジャズ”に入れました。

それから!
いつも美形女流ジャズピアニストの演奏ばかり聴いて鼻の下伸ばして喜んでいるオジサマがた。そう、ア・ナ・タのことですぞ。 EMIKO MINAKUCHIには作曲の才能がありますし、ジャズピアニストとしても大きな可能性を秘めているのではないかと私は思っています。次の作品がリリースされたら、私は迷わず購入いたしますよ。フランスで頑張る日本人女性がリーダーの、爽やかで詩情豊かなピアノトリオ、いかがですか?

御用とお急ぎでないかたはEMIKO MINAKUCHIのホームページをぜひご覧ください。バイオグラフィーは日本語で読むことが出来ます。全曲試聴も出来ますよ。
             http://emikotrio.free.fr/fr/

*どうでもいいオマケ
ふっふっふ...。EMIKO MINAKUCHIは、実は唸るピアニストだったということが分かって嬉しい(笑)
  1.「ユニゾってますね」的唸り声:ちゃんとピアノの演奏とユニゾンになっている唸り声。
  2.「ご機嫌ですね」的唸り声 : 本人はきっとユニゾンのつもりだが、
    実際にはぶら下がっていたり大きく音が外れている唸り声。
  3.「もしもし、悪夢にうなされてますか?」的唸り声 : ピアノの音とは全くかけ離れた、
    悪夢にうなされているかのような唸り声。
  4.「救急車呼びましょか!?」的唸り声 : 明らかに尋常ではなく、一刻を争う場合の唸り声。
彼女はレベル2.と3.の間ですね。やはり唸るピアニストってエエもんですなあ~♪
唸るピアニストばんざーい!そして、パリで活躍するEMIKO MINAKUCHI、頑張れー!!

■EMIKO MINAKUCHI TRIO / KOKOLO (Musica Guild MG 0514)
EMIKO MINAKUCHI (p)
HUGO CECHOSZ (b)
FRANCESCO PASTACALDI (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)

珍しく息子の付き合いということで家族3人で京都へ行ってきました。今回の京都行きの目的(芸術鑑賞です)については、ブログに書いてくれるなと息子からクギを刺されておりますので書きません(笑)が、拾ってきたドングリだけ記録しておきましょう(全て未聴)。
 
1)■STEPHAN OLIVA / MIROIRS (Minium 6130152・MIN 008) (タワレコのポイント利用で2100円引き)
2)■LARRY GOLDINGS / QUARTET (Palmetto Records PM 2115) (JEUGIAのポイント利用で1000円引き)
3)■PAAL NILSSEN-LOVE / TOWNORCHESTRAHOUSE (Clean Feed CF 041 CD)
4)■WIBUTEE / PLAYMACHINE (Jazzland Recordings 0602498668177)
5)■JONAS KULLHAMMAR QUARTET WITH NORBOTTEN BIG BAND / SNAKE CITY NORTH (Moserobie Music Productions m.m.p CD 031)
6)■JONAS KULLHAMMAR QUARTET / PLAYS LOUD FOR THE PEOPLE (Moserobie Music Productions m.m.p CD 009)
 
1)は新譜です。澤野さんとこで12月22日に発売になったばかり。
2)もいちおう新譜です。ジョンスコさんのアルバムに参加していたオルガン奏者ということで拾ってみました。
 
3)~6)は京都のPARALLAX RECORDS(パララックス・レコード)で拾ってきました。
4)は、私、全く知らないのですが、お店のかたが薦めてくださったドングリで、電化MILES+ORNETTE COLEMAN的ジャズトロニカだそうです。ジャズトロニカって???和製英語ですね、きっと(笑)
 
パララックス・レコードは、JEUGIA京都三条本店をさらに西へ行き、三条通と御幸町通の角にある1928ビル(旧毎日新聞社ビル)にありました。地下へ続く狭い階段を降り、CAFE INDEPENDANTS(カフェ・アンデパンダン)の薄暗い店内を横切ってその奥にあるこじんまりとしたお店です。

取り扱いレーベルがけっこうマニアックで興味深く、ざっと見た感じでは、アヴァンギャルド、エレクトロニカ、現代音楽が中心ですが、なぜかHIGH FIVE QUINTET / JAZZ DESIRE(国内盤らしい)なんかも置いてありました。目に付いたレーベルは上記の他、ACT Music+Vision 、ECM 、DRAGON などで、日本人アーティストのコーナーや中古LPもありました。おそらくフリージャズ愛好家にはまちがいなく気に入っていただけそうなラインナップ(かな?)。

私は、初めて行ったのですが、お店のかたはとても気さくな感じで店内も明るく好印象でした。お値段も良心的なのではないでしょうか。盤によっては店内で試聴も可能です。
関西にお住まいのジャズファンのかたは一度覗いてみてはいかがでしょう。

 
PARALLAX RECORDS(パララックス・レコード)のホームページはこちら。
      http://www.parallaxrecords.jp/

 

monaka さんの奥様がパリのCD屋さんで店員さんに薦められてお買い上げになったという新譜を、私も聴いてみたくなって入手してみました。
2006年の10月にリリース(録音年月日は不明)された、EMILE PARISIEN(1982年生まれ)、IVAN GELUGNE(1976年、フランスのトゥールーズ生まれ)、JULIEN TOUERY(1982年生まれ)、SYLVAIN DARRIFOURCQ(1979年、フランスのオルテッズ生まれ)によるアコースティックのワンホーンカルテットです。
全く知らない人達ですが、4人とも只者ではないですね!素晴らしく統制の取れたリズム隊と、コントロール抜群な木管的音色でよく歌うサックス(アルト、ソプラノ)によるカルテットのソリッドなアンサンブルは聴き応え満点で、随所で息の合ったところを見せ付けてくれます。

全8曲オリジナルで、EMILE PARISIEN作曲が3曲、JULIEN TOUERY作曲が2曲、あとは4人の作曲によるもので、欧州らしい鋭角的でユニークな音づくり。凝った構成の長尺でシリアスな曲がほとんどでアブストラクトになったりもしますので、分かりやすく親しみやすいとは言えないかもしれません。ですが、1曲のうちで様々に表情を変えるものが多く、随所にアイディアが光っていますし、何をおいても4人の演奏が斬新で刺激的なので、私は大変面白く聴くことが出来ました。
では、お気に入りの曲について印象を簡単に。
1曲目のPOUPEE RUSSEからして、もうなんともいえずスリリング!4ビートはこの曲で部分的に演奏しているだけです。
2曲目のLE CLOWN TUEUR DE LA FETE FORAINEは、物語を感じる展開がユニークで、いっぷう変わった趣の曲です。哀愁を帯びたズンチャッチャッ、ズンチャッチャッでサーカスのピエロ登場かと思うと、一転してひどく暗黒なムードへ...。突如として轟音が響き、曲はさらに緊張感を増して行きますが、始終只ならぬ雰囲気が漂っております。
4曲目のPITET LE FIL ROUGEは、1:49という小曲ですが密度の濃い演奏で凄く面白い。始まりはユーモラスですが、一転してダークなムードからアブストラクトへ。
5曲目ESKALは、16:05という本作では一番の長尺曲で、様々に表情を変えるメリハリの効いたアンサンブルは聴き応え満点です。特に終盤、11拍子でダイナミックに盛り上がるところなんぞはエキサイティングでかっこええのなんのってアナタ。SYLVAIN DARRIFOURCQのドラムスが光る!
6曲目からラストまでは切れ目なく続きますが、最高なのが7曲目のAU REVOIR PORC-EPIC。4人が一体となって繰り広げる緩急自在にしてスリリングな演奏にエキサイトしまっせー。綿密に練られ構築された複雑な楽曲を阿吽の呼吸でこなす高度なアンサンブルといいインタープレイといい素晴らしいの一言で、思わず身を乗り出してしまいます。特にSYLVAIN DARRIFOURCQの縦横無尽のドラミングが凄い。
ラスト、8曲目のL'AMANTE RELIGIEUSEにおけるEMILE PARISIENの表現力には光るものがあると思います。
彼ら4人はまだまだ若いですが、これほどの実力ですと今後の活躍がますます楽しみです。
ドラム好きな私にとって、本作のメンバーの中では特にSYLVAIN DARRIFOURCQの存在がむちゃくちゃ気になります。本作でSYLVAIN DARRIFOURCQが見せる多彩なテクニックには多くの可能性を秘めているように感じました。非常にソリッドでコントロールの効いた縦横無尽のドラミングには、ここぞという見せ場と抑制の使い分けが巧みになされており、彼抜きでは本作はこれほどの完成度を見せなかったに違いありません。卓越したテクニックと豊かな表現力を併せ持つ素晴らしいドラマーだと感心しました。
御用とお急ぎでないかたはEMILE PARISIEN QUARTETのホームページをご覧ください。
         http://www.emileparisienquartet.com/

■EMILE PARISIEN QUARTET / AU REVOIR PORC-EPIC (LABORIE Records LABORIE LJ 03)
EMILE PARISIEN (as, ss)
JULIEN TOUERY (p)
IVAN GELUGNE (b)
SYLVAIN DARRIFOURCQ (ds)
入手先:HMV(通販)
先日、三宮で見つけたドングリは一個です。ドラマーのLAURENT ROBINの演奏が良いという記憶があったのと、ジャケに見覚えがあったのと、フランス人アーティストの曲がたくさん入っているようだったので拾ってきました。運転しながらの帰り道に聴いていました。
■SERGE FORTE TRIO / LA VIE EN BLEU (Ella Production EP 20011)
先日届いたドングリで、全て未聴です。

1)■EMIKO MINAKUCHI TRIO / KOKOLO (Musica Guild MG 0514)
2)■CHRISTOPHE WALLEMME / NAMASTE (Bee Jazz BEE 016)
3)■PIERRICK PEDRON / DEEP IN A DREAM (Nocturne NTCD 399)
4)■JEAN-PIERRE COMO / L'AME SOEUR (Nocturne NTCD 390)
5)■MICHAEL FELBERBAUM / SWEETSALT (Fresh Sound New Talent FSNT 275)
6)■ANTOINE HERVE / ROAD MOVIE (Nocturne NTCD 391)
1)はフランスで活躍する日本人女性ピアニストのトリオ。1曲を除き全てオリジナルのようです。試聴もしてみてちょっと興味を持ったので聴いてみようと思いました。実を申しますと、このアルバムは、私が生まれて初めて自分で買った邦人作品ということになります。
6)のANTOINE HERVEというピアニストに関しては特に思い入れがあるわけではないのですが、FRANCOIS MOUTIN(b)、ARI HOENIG(ds)、STEPHANE GUILLAUME (as, ss, fl)が参加とくれば聴かないわけにはまいりません。御大MICHEL PORTAL(ss, bcl)もトップにクレジットされておりますぞ。

私事で恐縮ですが、お陰さまで12月のイヴェントその2も無事終わりました。が、ほっとする間もなく、すでに師走も後半に突入です。幸いなことに今年はまだ風邪をひいていませんが、そういえばここ10年ほど、風邪というものをひかなくなったような気がします。ウィルスを寄せ付けない丈夫な身体になっている、つまり免疫力が上がっているということなのでしょうか?それとも、まさか、とうとう本当の“バカ”になってしまったとか?(;^_^A

来年の手帳の表紙です。2007年はどんなスケジュールが書き込まれるでしょうか。

アトリエ澤野スペシャル JEAN-PHILIPPE VIRET TRIOのコンサートへ行ってまいりました。ライヴリポートなどという大層なタイトルを付けておりますが、いつものように大したことは書けません(^_^;)




昨年出来たばかりという兵庫県立芸術文化センターは、大、中、小のホール 、本格フレンチレストランなどを擁し、たっぷりした空間を生かした瀟洒な建物です。正面エントランス中央には大階段、右手にエスカレーターがあり、階段とエスカレーターの間のフロアには色といい形といい“おたふく豆の煮物”にそっくりの巨大なオブジェが一個転がってました(笑)


 兵庫県立芸術文化センター正面

木をふんだんに使用した小ホールは、417席でステージを客席が取り囲むアリーナ形式。最前列のお席ですと出演者との距離は3メートルぐらいでしょうか。とてもステキなホールです。音響の良さそうな内装といいキャパといい、ここでしたらPA無しの生音で演奏を聴くのも可能なのではと思いましたが、いろんな事情でそういう訳にもいかないのでしょう。けっこう空席が目立ちましたが、東京公演ではどうだったのでしょうか。


 開演前のステージ

*写真撮影に際しては許可をいただきました


最初の1、2曲目あたりはけっこう繊細な印象の演奏が続きましたが、3曲目あたりからしだいにトリオの演奏が一体となるのを感じました。聴衆は一心に聴き、プレイヤーはけっこうリラックスという感じだったような気がします。
演奏中のJEAN-PHILIPPE VIRETは、常に沈着冷静で熱くなるということがないのですね。難易度の高そうな演奏も涼しい顔でこなしているといった印象で、アルコの上手さなどは、やはりさすがだと思いました。MCをするときのJEAN-PHILIPPE VIRETは、いかにもジェントルマンという感じでしたね。
そんなVIRETとは対照的に、ANTOINE BANVILLEがピアノのEDOUARD FERLETに鋭く反応してフレーズを繰り出すときの表情といったら、もう楽しくて楽しくてしようがないといった感じのニコニコ顔なのです。そんなアイコンタクトを受けたピアニストのFERLETも「まったくしょうがないヤツだなあ」といった感じで笑い返しているような気がしました。CDで聴いている限りではシリアスな印象の曲が多いだけに、ライヴで見せるBANVILLEのそんな表情を知ることができて面白かったです。また、BANVILLEはおっちょこちょいなのかどうなのか、FERLETの繊細なピアノの最中にうっかりパーカッションを持ち上げてチャラチャラ音を出したときには、顔を見合わせたVIRETと一緒に苦笑いしてました。パーカッションも鈴とかカラカラ音の出る楽器(こちらからは見えなかったので正体が分からず)など使用していましたが、面白いなあと思ったのが拍子木です。ジャズのライヴで拍子木というのは初めて見ました(笑)アップテンポで演奏が激しくなると、ベース音が埋没してしまうのが少々残念でしたが、これは仕方ないことなのかもしれません。
EDOUARD FERLETのピアノは、タッチにしろ演奏にしろ抑制されているなあという印象を受け、肘打ちにしても激しいのはしませんでしたね。この人もあまり熱くなるということがないような気がしましたが、気のせいでしょうか。

今回のライヴで少々意外だったのが、アドリブ奏者をたたえる拍手が一切無く(というか、そもそもそういうタイミングもなかったような)、指笛ピーピーや掛け声などがひとつも出なかったことです。もともとこのトリオの曲の構成や演奏がそういったことを誘発しない性質だからかもしれないのですが。だからという訳ではありませんが、CDでは体験出来ない“何か”や“興奮”のようなものをライヴに期待する者としては少々物足りなかったかなあという感じがしないこともなかったです(^_^;)
とはいうものの、JEAN-PHILIPPE VIRET TRIOの演奏そのものは素晴らしかったので、ハードスケジュールを縫って聴きに行けたのは幸いでした。

コンサートは20分の休憩を挟んだ2部制で、小ホールを出たところに演奏曲目が張り出してあったので書いておきましょう。

第1部
MADAME LOIRE
PAR TOUS LES TEMPS
LE BATARD
TROIS JOURS DE TREVE
A PLUS D'UN TITRE

第2部
PING-PONG
IODE 131
UNE VIE SIMPLE
DERIVES
ZAZIMUT

アンコール
SILENT NIGHT (traditional)

CD売り場で「CDを買わないとサインしてもらえないのでしょうか。このトリオのCDは全て持っているのですが...。」とスタッフに質問していると、代表取締役の澤野さんが横から「別にCD買わんでもサイン会の列には並んだらええねん。CDよりサイン帳にサインする方が、アーティストにとってみたらむしろ嬉しいもんなんとちゃうかなあ。」と言ってくださいました(澤野さんて、やはりいい人ですよね~)。でも、一応持っていないCDを買って列に並びました。

左はEDOUARD FERLET参加のユニットのCDです。彼らがこのツアーのために持参したもので、日本ではライヴ会場でしか販売していないアイテムだそうです。



夫がサイン会の様子を撮影してくれました。


 アーティチョークの下手な英語を理解しようとしているANTOINEさん


 笑ってくれた

 ニコニコ顔でサインしてくれました

サインの上に「MATANE」と書いたのに思わず笑ってしまったら、JEAN-PHILIPPE VIRETは握手のときに、いたずらっぽくウィンクしてくれました。キャッ♪(笑)


 

EDOUARD FERLETのサインの上には何て書いてあるのでしょうか???3つの力強い“点”には彼の几帳面さが現れているような気がします(笑)




ANTOINE BANVILLEは、サインを書いてからしばし考え、その下にちゃめっぽく曲線を付け足すと私のほうを見て「フフフ」と笑ってくれました。




*オマケ

先日記事に書きましたが、ANTOINE BANVILLEがリーダーのユニットILLINXについて「CDはいつ出るのですか?」と質問してみたところ、残念なことにその予定はないとのことでした。でも、彼は自分のことに関心を持ってもらえたことを喜んでくれたようで、とびきりの笑顔を見せてくれました。

御用とお急ぎでないかたは、JEAN-PHILIPPE VIRETのHPへどうぞ。
http://www.viret.com/

EDOUARD FERLETのHPはこちら。
http://www.ferlet.com/

こちらは兵庫県立芸術文化センターのHP。

http://www.gcenter-hyogo.jp/


出演 : JEAN-PHILIPPE VIRET TRIO
JEAN-PHILIPPE VIRET (b)
EDOUARD FERLET (p)
ANTOINE BANVILLE (ds)
日時 : 2006年12月15日(金) 午後7時開演
会場 : 兵庫県立芸術文化センター 小ホール (兵庫県西宮市)

お陰様で12月のイヴェントその1である、M合唱団創立50周年記念演奏会&祝賀会が無事終了いたしました。が、今週もなぜか怒涛の忙しさが続きます(T_T)
コメントなど大歓迎ですが、もしもお返事が遅くなりましてもお許しくださいね。
昨日はイヴェントその1の疲れのためか、出来上がった洗濯物をカゴに入れたまま干すの忘れてたり、夕飯なんか炊飯器の予約設定を間違えて危うくおまんまの食い上げになるところでした(^▽^;) おまけに、シャンプーの後にドライヤーをかけたら髪がゴワゴワに...。トリートメントを間違えたらしい(笑)私、頭に何つけたんやろ?
昨日はそのほかにも、アホな失敗をたくさんやらかしておりましたが(笑)今日は復活しております。ま、年末ですし、火事とか交通事故だけは気をつけようと思います。
え~と、先日届いたドングリだけでも書いておきましょう。でないと、これさえも忘れてしまいそうやから(-_-;)
1)■T.R.E. / RIFLESSI (ABEAT Records AB JZ 043)
2)■EMILE PARISIEN QUARTET / AU REVOIR PORC-EPIC (LABORIE Records LABORIE LJ 03)
3)■DANIEL MILLE / LES HEURES TRANQUILLES (SARAVAH SHL 2075)
1)と2)は新譜です。
3)は可愛らしい猫ジャケ♪
3)はお気に入りのDANIEL MILLEですから納得ですが、上の2つはどういう理由で注文したんやったっけ???届く頃にはすっかり忘れております(;^_^A おそらく試聴でもしてビビッと来るものがあったんでしょう。はあ~...。




検索でめっちゃ気になる面子のページに辿り着きましたので、ここに書き残しておきましょう。
こちら↓はANTOINE BANVILLEがリーダーのユニット、ILLINXのホームページ。
ライヴ音源もたっぷりと試聴出来ますので、お時間のあるかたは是非お楽しみくださいね。
THOMAS DE POURQUERY(as, ss)は初めて名前聞きますが、演奏を聴く限り只者じゃないですな!!
ILLINXのアルバム出ないかなあ。

■ILLINX
ANTOINE BANVILLE (ds) 
MARC BURONFOSSE (b) 
THOMAS DE POURQUERY (as, ss)