晴れ時々ジャズ -18ページ目

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

2008年9月号と10月号と11月号をいっぺんに書いとこ。

9月号No.595の表紙は、WAYNE SHORTER。私にとってはWEATHER REPORTの人であり、V.S.O.P.の人かな。





10月号No.596の表紙は、ベーシストのVICTOR WOOTEN、STANLEY CLARKE、MARCUS MILLER。何でこの3人なの?と思ったら、S.M.V.としてTHUNDERっていうCDをリリースしていたんですね。VICTOR WOOTENだけは顔と名前が一致せず、演奏も聴いたことが無いです。もしもVICTOR WOOTENとRICHARD BONAが並んで座ってたら、おそらく私には見分けがつかんでしょう(笑)
私にとってSTANLEY CLARKEは、RETURN TO FOREVERの人。ん~、MARCUS MILLERねえ...。あ、そうそう、むか~し、何を血迷ったのかリーダー作を一枚だけ買ったことがあるのを思い出しました(;^_^A 





11月号No.597の表紙は、フランスのプログレッシブロックバンドMAGMAのドラマーCHRISTIAN VANDER。今号では、MAGMA結成40周年(近々ボックスセットも発売されるらしい)ということで18ページにわたってMAGMA特集が組まれております。ナゴヤハロー さんならきっと泣いて喜んでくれることでしょう(笑)





届いたのは、一個だけです。Amazonで一緒に注文していた来年の輸入カレンダー(猫と犬の2つ)だけが先に届いて、発売が延期になったCDはあとで別に届いたのですね。

■JEAN-MICHEL PILC / DISCOVER (Dreyfus Records)

しかーし!!
届いたのをよーく見ると新譜ではないことが判明。ショックです。

■JEAN-MICHEL PILC / NEW DREAMS (Dreyfus Records FDM 46050369052)
■JEAN-MICHEL PILC / LIVE AT IRIDIUM, NEW YORK (Dreyfus Records FDM 36 677-2)

今回届いたドングリの「DISCOVER」は、前にリリースされていた上記2枚が一緒にパックされたものでした(T_T)
これまでに、ドングリをダブって買ってしまったことは何度も経験していますが、自分の不注意ですからしかたありません。しかし、こういう形でダブって買ってしまったのは初めての経験です。だいいち「DISCOVER」などという新譜と勘違いしてしまうタイトルはけしからん。それとも、ろくに確認せずに注文した私が悪いんでしょうか。
う~ん、なんだか、納得がいかない(-_-;)



*オマケ

  ポップコーン売りの自動車
「ううむ、こいつぁー凄いっ!!」と、最初に吠えておく(笑)
彼の名前は、MARC BOUTILLOT(読みはマルク・ブーティヨでいいのか?)。彼は間違いなく逸材です。
別のアーティスト名で何気なく検索してMARC BOUTILLOTのリーダー作にたどり着くまで、彼のことは全く知りませんでした。もしもそれがピアノトリオだったとしたら、私はその時点で興味を失っていたかもしれません。しかし、彼がピアニストではなくクラリネット&バスクラリネット奏者であり、ピアノ抜きのトリオで全曲オリジナルを収録していたことで、がぜん興味がわき、本作のレーベルLe Petit Labelのページで1曲試聴しただけでノックアウトされてしまったのでした。

本作は、11曲全てがMARC BOUTILLOTのオリジナルで、2005年9月21日と22日に録音されています。アルバムタイトルの「... ET ALORS !?」は、「SO WHAT ?」と同じ意味。ただ、ディスクはCD-Rで、それだけが残念でなりません。無漂白再生紙の二つ折り紙ジャケットには、絵本を思わせるシンプルで洒落たイラストが印刷されています。しかし、重要なのは内容です!演奏は、そらもうエライことになっとります。緻密に練られた複雑な楽曲、聴き応え満点のインプロビゼーション、作品としての完成度は非常に高く、曲によって緩急の対比も鮮やかで、聴いていてちっとも飽きません。ついでに書きますと、CD-Rということで音質には全く期待していなかったのですが、意外にも録音状態は良好です。
MARC BOUTILLOT(1967年9月13日生まれ)とSEBASTIEN BELIAH(1979年生まれ)は初めてですが、FREDERIC DELESTRE(1971年生まれ)は、PIERRE-STEPHANE MICHEL / RAYON VERT (Sketch)や、SYLVAIN BEUF TRIOS + / MONDES PARALLELES (Cristal Records)に参加していたドラマーで、演奏レベルは高かったと記憶しています。

1曲目のTOURNAHOCは、鮮烈です。変拍子とポリリズムと4ビートが入り組んだテーマ部分をほんの少し聴くだけで、この3人が只者でないことがお分かりになると思います。後半のフリーインプロビゼーションも非常にスリリングで、濃密なインタープレイに思わず興奮。
2曲目のVLADIRは、ミディアムテンポの4ビートで、ごくごく気楽な雰囲気のストレートなジャズフィーリング。この曲におけるMARC BOUTILLOTのバスクラは、1曲目で超絶技巧を披露していたのと同じ人物とは思えないほど大らかに歌っていて朴訥とさえ思えるほど。トリオの演奏もけっこうリラックスした感じになっています。
3曲目、タイトル曲の... ET ALORS !?は、楽しくユーモラスなムードではあるものの、これまた少々奇妙で独特なメロディーラインを持つ一筋縄ではいかないテーマ。中間部はさらに強烈な変拍子となり、拍のずらしも煩雑に繰り返され、シリアスでM-BASE的なかっこよさのなか、クラリネットソロがエキサイティングに盛り上がり、爆発するドラムソロがロックしてるのには思わずニヤリ。
4曲目のSANTIは、ゆったりとしたテンポで夕暮れを思わせるちょっぴり切ないメロディー。力まず気楽な感じの演奏に心がなごみます。ベースソロもいい音が出ていて◎。
5曲目、TRAFICのベースソロはビート感が素晴らしく聴き応え満点で、けっこうな速弾きが縦横無尽に展開しつつクラリネットソロへの受け渡しも完璧に決めている。ドラムの好サポートも光っています。
7曲目のLA BOSTAは、これまた奇妙な中近東ふうのメロディーを持つテーマ。やがて、ドスの効いたベースが同フレーズを繰り返すなか、クラリネットとドラムの緊密なインタープレイが繰り広げられる。これだけでも聴き応え満点ですが、実はその先が凄かった。今度はバスクラの同フレーズの繰り返しをバックに、アルコとピッキングを交えながら最高にアバンギャルドで尖りまくったベースソロがスリリングにドラマティックに展開され、しかもそれが非常に生々しい音!ベースファンとオーディオファンに聴かせたら、両者とも泣いて喜びそう。
9曲目のTRACKも奇妙でユーモラスなテーマメロディーです。でもでも、これは、変過ぎますよ!感じたまま言えば、まるで盆踊りをアップテンポにしたような(笑) はっきり言ってこのテーマはイモなのですが、しかしね、やはりMARC BOUTILLOTさんは凄かった。バスクラの表情豊かなアドリブソロが徐々にヒートアップし、どりゃーっ!という感じでダーティーに暴れて吠えまくったかと思うと、とうとう狂ったかのようにぶち切れたじゃありませんか!ところが力尽きたのかぶち切れたあとは息も絶え絶えという感じになり、大丈夫か?と思ってたら、次のベースソロがけっこうスリリングな速弾きでまたまたエキサイト。すると、ここでようやく酸素マスクで元気を取り戻したBOUTILLOTさんが再登場。イモ全開なアップテンポの盆踊りで落とし前をつけましたとさ。
10曲目、DIFFICILE A DIREのいかつい感じのテーマは、エネルギッシュにダッシュした演奏がぴたりと止まって再びダッシュの繰り返しという、言わば「ストップ・アンド・ゴー」の手法。と、書くと簡単そうですが、実際は「ストップ・アンド・ゴー」の箇所にはこれといった規則性が無くアップテンポなのでかなりの難曲です。トリオによる阿吽の呼吸と絶妙なアーティキュレーションと凄まじいまでの集中力によるソリッドなアンサンブルは、ただただ完璧!としか形容のしようがなく、ブレイクで残響を聴いているときの緊張感がまた快感(笑) やがて、ちょいと気取ったハードボイルドなブルースっぽさを覗かせておいてから、バスクラによる縦横無尽の目くるめくアドリブソロへ。怒涛のごとき叩きまくりのドラムソロもちょっとした聴きものになってます。
11曲目のLATITUDEは、一転してごくごくゆったりとしたテンポ。これはアルバムのラストを飾る「おやすみなさい」の音楽なのでしょうね。さびしく悲しげなメロディを静かに綴って行くバスクラの深い音色がまるでベルベットのような感触で、聴き手を優しく包んでくれるかのようです。

MARC BOUTILLOTは、その作曲能力、アレンジ、楽曲に込められたユーモア、超絶な演奏技巧、豊かな表現力、即興における閃き、一種独特のユニークな音楽的センス、と、どれをとっても素晴らしいの一言で、全く文句のつけようがありません。何と言ったらいいのか、MARC BOUTILLOTというアーティストは、怖いほど私の好みにバッチリとはまり過ぎてます(笑)
あとの2人も実力ある一級のプレイヤーですよ。難曲をものともせず見事なサポートぶりで、リーダーに負けず劣らずの聴き応えあるソロを聴かせてくれる。SEBASTIEN BELIAHのベースは、びっくりするほどいい音が出ていますしビート感も抜群でアルコも達者。速弾きのソロなんてちょっとFRANCOIS MOUTINみたいになってます。ドラマーのFREDERIC DELESTREは、けっこう手数が多くて迫力もあり、間違いなく優秀なジャズドラマーです。しかも多彩な技を持っていて、それこそ何でも叩けまっせという感じがして頼もしい。

ここで本作の1曲目と3曲目だけ試聴出来ます。途中までしか聴けませんが、ご興味がおありでしたら是非お聴きになってみてください。
http://www.petitlabel.com/pl_010.html

MARC BOUTILLOT TRIOのホームページ。試聴は重いです。
http://www.marcboutillot-trio.com/

MARC BOUTILLOTのMYSPACEのページ。ここでもいろいろと試聴可。
http://www.myspace.com/marcboutillot

MARC BOUTILLOTの活動は多岐にわたっていますが、1987年の結成当時からSEXTUOR DE CLARINETTES BAERMANNというクラリネット六重奏団のメンバーでもあります。試聴も可。
http://sextuor-baermann.com/

SEBASTIEN BELIAHのホームページ。
http://sebastien.beliah.free.fr/

FREDERIC DELESTREのMySpace。
http://www.myspace.com/fredericdelestre

Le Petit Labelのホームページはこちら。
http://www.petitlabel.com/

■MARC BOUTILLOT TRIO / ... ET ALORS !? (Le Petit Label - PL010)
MARC BOUTILLOT (cl, bcl)
SEBASTIEN BELIAH (b)
FREDERIC DELESTRE (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)

今回届いたドングリは、新譜が4、旧譜が2、とっても珍しいフランス盤が4の合計10個です。 8) と 9) 以外は全て未聴。

1) ■EVGENY LEBEDEV / 102 DAYS (SoLyd Records SLR 0380)
2) ■ADAM BIRNBAUM / TRAVELS (Smalls Records SRCD-0036)
3) ■MARKUS SCHIEFERDECKER / STEREO SOCIETY (Jazz4ever Records J4E 4790)
4) ■NILS WOGRAM & ROOT 70 / ON 52nd 1/4 STREET (Intuition INT 34232)
5) ■NGUYEN LE / THREE TRIOS (ACT Music + Vision ACT 9245-2)
6) ■E_L_B PETER ERSKINE_NGUYEN LE_MICHEL BENITA / E_L_B (ACT Music + Vision ACT 9289-2)
7) ■FRIX / LIVE IN NIKSIC (Le Petit Label PL004)
8) ■FRIX / GIRLS INSIDE (Le Petit Label PL008)
9) ■MARC BOUTILLOT TRIO / ... ET ALORS !? (Le Petit Label - PL010)
10) ■RENZA-BO / LE ROI OBAZ (Le Petit Label PL 013)

7) ~10) の4枚は、Le Petit Labelというフランスの極めて弱小なインディペンデントレーベルです。私が、「MARC BOUTILLOT TRIOがどーしても聴きたいのっ!」と、だだをこねたら「ハッハッハ、任せときなさい」と、キャットフィッシュレコードさんが、フランス盤に強い日本の業者さんから取り寄せてくれました。
Le Petit LabelのディストリビューターはImprojazzのようですが、フランス国内においても大手のFnacやAmazonでの取り扱いが無く、PARIS JAZZ CORNERなど一部のショップでのみ入手可能。バリバリのフリージャズから、ノイズみたいなの、インプロ、ニュージャズ、60年代ハードバップふう...と作品によってスタイルは様々ありますが、いずれもアーティストのオリジナル曲主体のようですし、商業主義にはあえて乗らず、セルフプロデュースによりアーティストの創造性を重視した作品を世に出すことを使命とするレーベルのようです。


さて、コーティングしていない無漂白再生紙で作られた二つ折りの紙ジャケットから苦労して取り出した盤を見てみると、なんと残念なことにCD-Rでした(まあ、予想はしていましたが)。しかしながら、Le Petit Labelの作品群は総じてレベルが高いようですし、MARC BOUTILLOT TRIOという無名ながらも素晴らしく優秀なアーティスト達を擁してもいますので、宝探しのような楽しみがあって面白い。レーベルのコンセプトといい、音楽的な質の高さといい、私にとってはなかなか興味深いレーベルなので、今後も注目したいと思います。

Le Petit Labelのホームページはこちら。作品によっては「なんじゃこれ?」っていうのもありますが(笑)
http://www.petitlabel.com/

Le Petit LabelのディストリビューターImprojazzのページ。
http://pagesperso-orange.fr/improjazz/


*本日のオマケ


  姫りんごの鉢植え






本作は、2001年録音で2003年にSons Of Soundからリリースされています。全9曲のうち7曲がリーダーのMIKE HOLOBERのオリジナルで、2曲がスタンダードとなっています。
レーベルも初めてならMIKE HOLOBERというピアニストも全く知りません。TIM RIESとWOLFGANG MUTHPIELの名前と担当楽器だけおぼろげながら記憶にあります。BRIAN BLADEなら知ってるもんね~と思っていたら、なんと全然違うドラマーと勘違いしてました(笑) ということで、私がちゃんと知ってるのは、欧州アーティストとの共演もあるSCOTT COLLEYだけです。

1曲目のCANYONは、静謐で美しくも雄大なスケール感のあるテーマにイマジネーションが喚起され、アップテンポで盛り上がると、そのままぐんぐんと演奏に引き込まれてしまいました。各人のアンサンブル、ソロともにレベルが高く、初めて聴くBRIAN BLADEのドラムにはすぐに釘付けに。MIKE HOLOBERのバッキングも光っていますねー。アレンジも良く、静と動のメリハリが効いて聴き応えは満点です。
2曲目のANSEL'S EASELは、軽やかな雰囲気でありながらちょっぴり切なさのある素直で美しいメロディがステキ。優しく暖かい音色のテナーが◎。良く歌うベースソロも聴き応え満点でピアノソロもステキ。多彩な技で好サポートのBRIAN BLADEも光る。
3曲目のHEART OF THE MATTERでは、静かで雄大な空間の広がりを感じる音作りが印象的。優しく綺麗なテーマメロディをソプラノが柔らかな音色で丁寧に綴ってゆき、やがてアドリブソロに入ると次第に熱く盛り上がりを見せ、ギターのソロもベースラインも◎。この曲では、リーダーのMIKE HOLOBERはテーマもソロも受け持たず完全に脇役に徹しているのですが、綺麗な響きを生かしたバッキングの付け方などなどとても印象に残りました。作曲、アレンジともに秀逸で、聴き応えのある演奏に仕上がっています。
4曲目のSAME TIME, SAME PLACEは、少々複雑でかっこいいテーマ。急速調の4ビートで、ギターやソプラノのソロもイケイケで熱く、MIKE HOLOBERのピアノソロも◎。それにしてもスピード感抜群で演奏をぐんぐん引っ張って行くBRIAN BLADEのドラムが凄いなあ。
また、少々ダークで重々しいスローテンポな5曲目のROC AND SOFT PLACEや、8分の6拍子で軽快に駆け抜け、明るく爽やかなムードを持つ6曲目のSPINも良いですね。
あの~、突然で恐縮ですが、アーティチョークはテナーがテーマメロディを受け持つスローバラードがもの凄~く苦手です。だって、ほら、アナタにも一回ぐらい経験あるでしょう?まるでムード歌謡みたいな演奏でゲンナリ(∋_∈) というようなことが(笑) でも、7曲目のIN SO MANY WORDSは許せちゃうのだ。テナーは素直に歌ってるし、ピアノはソロもバッキングも綺麗だから。
それから、正直を申しますと、最後の2曲のスタンダードはいっそのこと無いほうが統一感があって良かったのではと(私は)思いました。

リーダーのMIKE HOLOBERのピアノは、まず、詩情豊かで美しい演奏が印象的。アグレッシブな場面で目が点になるほどの超絶技巧を披露するというわけではありませんが、モーダルな場面でもトゲトゲせかせかしたところが無く演奏に品性があってとても好感を持ちました。また、彼は本作のリーダーでありながら前面に出ることは少なくてTIM RIESやWOLFGANG MUTHPIELに主役を譲る場面が多いと感じたのですが、綺麗な響きをもつ実に多彩でアイディアに富んだバッキングに音楽的センスと手腕が発揮されています。優れた作曲能力に加えアレンジのセンスが抜群で丹念な音作りになっており、各人の演奏レベルも高度で聴き応えは満点です。

それから、BRIAN BLADEっていう人は、ドラマーとして実にいい仕事をする人なんですねー!ソリッドで隙が無く、多彩な技でもって静と動にかかわらずどんな演奏でもがっちりとサポートしているので存在感は抜群。決して出しゃばることが無いし、と、もう聴いてて凄~く気持ちいいです。もしもBRIAN BLADEの演奏が好きでないという人がいたとしたら、その人はおそらくドラムという楽器が好きではないのだと思ってしまったほど。で、少し調べてみたら、BRIAN BLADEの新譜が出てるじゃありませんか。こいつぁー気になるなぁ~。

今回は、ジャズ友のNさんがくださった盤が予想以上に良かったので、新譜ではありませんが書いてみました。NYジャズにもこんなにステキな作品があるんですねー。知ってるつもりで別人と勘違いしてたBRIAN BLADEのことを本作でちゃんと知ることが出来たのもラッキー(笑) Nさん、ありがとうございました!
SCOTT COLLEY
BRIAN BLADE
http://www.brianblade.com/

■MIKE HOLOBER / CANYON (Sons Of Sound SSPCD 016)
MIKE HOLOBER (p)
TIM RIES (ts, ss)
WOLFGANG MUTHPIEL (el-g)
SCOTT COLLEY (b)
BRIAN BLADE (ds)
今日、妹が新しい子猫(♀)を連れてきました。名前はトラ。女の子なんだからもっと可愛らしい名前をつけてあげればいいのにー。
妹の家には先住猫のチー太 がいます。新入りのトラが「チー太姐さん、遊ぼ♪」と近寄っても、「うるさい子だね。あっちへお行きっ!」と猫パンチで追い払われたりして全く相手にされなかったそうですが、今では2匹仲良く追いかけっこして遊んでいるそうですよ。

さっそくトラちゃんの可愛らしいポートレイトを撮影しようとしたのですが、3ヶ月の子猫なのでちっともじっとしていません。たくさん写したのですが全てブレブレかピンボケで、マシなのはこの1枚だけなんです(;^_^A




トラちゃんは1時間ほどそのへんで飛んだり跳ねたり走り回ったりして遊んでいたのですが、昼食の最中、なんや脚がツンツン痛いと思ったら、トラちゃんたら一所懸命に爪立ててジーンズ履いた私の長い脚(ほんまか?)をロッククライミングしてるじゃありませんか。トラちゃんは私のひざの上にたどりつくと少しモゾモゾしてすぐに丸くなって寝てしまいました。ああ、なんという警戒心の無さよ。いや、それとも、人間をたんに「暖かくて寝心地の良いひざ」ぐらいにしか思っていないのか?(笑)
それにしても、子猫の体温とかすかな重みをひざの上で感じていると、しみじみと幸せな気持ちになってくるのは何故でしょうか。あ、よー考えたら今が絶好のシャッターチャンスやん!そやけど、このままの状態ではカメラに手ぇが届かんわー(笑)
ということで、眠っているトラちゃんを起こさないようにそーっとシャギーラグの上に移してからパチリ。
ちょうどこのとき、猫大好きな高2の息子が部活から帰宅。カバンを置くや否やトラちゃんにぐっと顔を近づけ、半ばうっとりした表情でトラちゃんの寝姿を飽かず眺めておりました。



この次は、可愛らしいお顔をちゃんと写してあげるからね、トラちゃん。


今年の3月にフランスのCristal Recordsより発売されたPARIS JAZZ BIG BANDのDVD「PARIS 24h LIVE」は、PAL方式なのでパソコンでは視聴可能ですがうっとこにあるオーディオシステムでは再生不可能。当然、国内ではどこも取り扱っていませんでした。しばらくウジウジしてたんですけど、どーしてもコレ観たい。そやけど、パソコンのちっちゃい画面でチマチマ観るのはイヤ!アーティチョークは、テレビの大画面とオーディオのスピーカーで堪能せな気がすまん!
という訳で、「PARIS JAZZ BIG BANDを大画面とオーディオのスピーカーで堪能するぜ大作戦!」を開始したのは今年6月のことでした。DVDはいつも頼りにしているキャットフィッシュレコードさんで注文すると3ヶ月で手に入り、さあ今度は再生環境を整えねばと、この一週間は鼻息荒く意気込んでいたんです(ブヒヒ~ン!)。

オーディオ&ヴィジュアルの、Aはなんとなく理解しているつもりでも、Vについては知らないことが多すぎるので自分なりに少し調べてみましたら、だいたい以下のようなことらしいんですね(違っていたらすまん)。

・ 日本で製造発売されるDVDのリージョンは2。ヨーロッパで製造発売されるDVDのリージョンも2。
・ しかし、日本で製造発売されるDVDの映像方式はNTSC方式で、ヨーロッパはPAL方式。
・ 日本で製造発売されるテレビの映像方式はNTSC方式に対応しているため、普通のDVDプレイヤーでPAL方式のDVDを再生することは不可能。

ということで、要するに映像方式の違いという問題を解決しなくてはならないらしい。

さらに、

・ リージョンフリーDVDプレイヤーというものがあるらしいが、これを使用すると映像方式の違いという問題も自動的に解決するもんなんやろか?
・ 手持ちのDVDプレイヤーに別売りの変換機を接続するというテもあるらしいが、リージョンフリーDVDプレイヤーと同様に名も無いメーカーの製品ばっかりやん。
・ 大阪のでんでんタウン(東京の秋葉原みたいなとこ)のオーディオ専門店へ行って探さなアカンかな~?

などと、しばらくあれこれと悩んだ末、ふと思いついてパイオニア、ソニー、パナソニックなどの国内主要メーカーのHPで現在販売中のDVDプレイヤーについて調べてみましたら、再生機能しか持たないDVDプレイヤーは主力商品ではないらしく、どこのメーカーでも製造している機種が少ないんですよねー。それにしても、国内主要メーカーが製造する国内向けリージョンフリーDVDプレイヤーが見当たらない。と不思議に思っていたところ...

日本ビクターのHPで発見!DVDプレイヤー(リージョンフリーではない)が1機種だけ製造販売されており、PAL方式からNTSC方式へ自動的に変換する機能を内蔵しているという。これ だっ!

けっきょく普通に近所の電気屋さんで注文して3日で手に入ったの(^▽^;) 難しく考えすぎて悩んでた割にはあっさりとけりがついて、なんだか拍子抜け(笑)

で、ついに本日、「PARIS JAZZ BIG BANDを大画面とオーディオのスピーカーで堪能するぜ大作戦!」は大成功!
まず、本編の画面がフルサイズだったのでこれはとっても嬉しかった。映像も綺麗。音質も悪くありません。最初は場面の切り替えが煩雑すぎるかなと思いましたがそれもすぐに気にならなくなり、あとは夢中になってしまい画面に齧り付かんばかり!何しろ大好きなフランス人ジャズアーティストが目白押しなんですから、楽しくないはずがないですわー。そらもうウハウハ笑いながらノリノリで最後まで一気に堪能いたしました(^_^)v
ふぁ~、こいつぁー面白かったぜー。いや~、満足、満足(^◇^)

数は多くありませんが、フランスのジャズCDにはDVDとセットになっているものがあります。

1) ■BAPTISTE TROTIGNON / SOLO II (Naive NV 805611)
2) ■ORCHESTRE NATIONAL DE JAZZ / ELECTRIQUE (Le Chant Du Monde 274 1516)
3) ■NILS LANDGREN / CHRISTMAS CONCERT WITH MY FRIENDS (ACT Music+Vision ACTDVD 9901-9 )
4) ■FLORENCE DAVIS / FRENCH SONGS (Cristal Records CR 125)

うっとこにあるのはこれぐらいかな。これからはこういうのも普通に楽しめるのね。
クリスマスの季節に、すずっくさん お薦めの 3) を観るのが楽しみでーす。


*本日のオマケ





届いたドングリは6個でした。全て未聴。

1) ■ARI HOENIG / BERT'S PLAYGROUND (Dreyfus Records FDM 46050369192)
2) ■ANDRE CECCARELLI / LIVE SUNSIDE SESSION (Cristal Records CR 136.37)
3) ■TRIO GRANDE & MATTHEW BOURNE / UN MATIN PLEIN DE PROMESSES (De Werf W.E.R.F.069)
4) ■ROBIN VERHEYEN QUARTET / PAINTING SPACE (De Werf W.E.R.F.070)
5) ■DANIEL YVINEC / THE LOST CROONERS (Bee Jazz BEE 023)
6) ■PARIS JAZZ BIG BAND / DVD PARIS 24h LIVE AU TRABENDO (Cristal Records CR127)


3) メンバーで知っているのはLAURENT DEHORSだけですけどね。
De Werfのウェブサイトで一部試聴できまっせ。
http://www.dewerf.be/

4) BILL CARROTHERS(p)、REMI VIGNOLO(b)参加なのよん。
これも一部試聴が可能。

6) これは、「PARIS JAZZ BIG BANDを大画面とオーディオのスピーカーで堪能するぜ大作戦!」です。フランス産DVDはPAL方式なので、パソコンかPAL方式対応DVDプレイヤーでないと再生できません。PAL方式対応DVDプレイヤーを使用する場合、テレビ画面の映像方式の違いという問題もクリアしなくてはならないようです。今年中には再生環境を整えるつもり。それまでは本盤を観るのはガマンして土中で保存しとくの。
と、こんなこと書いてるけど、あっさりと日本でライセンス盤が出たりしてね(笑)


こちらはとっくに届いていたドングリ。6) は未聴。

1) ■HENNING SIEVERTS / SYMMETRY (Pirouet Records PIT 3022)
2) ■MARIA KANNEGAARD / MARYLAND (Moserobie Music Productions MMP CD 059)
3) ■SERGIO GRUZ TRIO / CARROUSEL (SG 001)
4) ■GILAD HEKSELMAN / WORDS UNSPOKEN (LateSet Records)
5) ■HIGH FIVE / FIVE FOR FUN (Blue Note / EMI Music Italy 50999-227843-2-2)
6) ■DANIELE SCANNAPIECO / LIFETIME (Picanto Records PIC 011)

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一泊で福岡へ行ったことはすでに書きましたが、福岡といえばキャットフィッシュレコードだぜ!
ということで、博多区のホテルでチェックインを済ませるとタクシーで真っ先にお店へと向かったのです。
いつも通販利用ですからメールのやりとりだけでお互いの顔は見えませんが、実際にお店に伺ってみますと、お店にいらしたのは気さくな感じの話好きなご夫婦で、会話も楽しく弾み時間があっという間に過ぎてしまいました。店内は適度に雑然とした感じが妙に居心地よかったです。もしも私が近くに住んでいたなら、しょっちゅうお店に通いつめ、用も無いのに長居してお仕事の邪魔ばかりしてしまいそう(笑)と思ってしまいました。
お店で手に入れたドングリは5個。全て未聴。

7) ■JAZZ ORCHESTRA OF THE CONCERTGEBOUW featuring JESSE VAN RULLER / SILK RUSH (55Records FNCJ 5526)
8) ■SHUSAKU YAMANO TRIO featuring JOE MARTIN & BILL STEWART / THE STARTING POINT (Shoozz SH 1983)
9) ■CHOLET KANZIG PAPAUX TRIO / UNDER THE WHALE (Altrisuoni as 189)
10) ■JOERG REITER TRIO / SIMPLE MOOD (Atelier Sawano AS 018)
11) ■COUNT BASY AND HIS ORCHESTRA / APRIL IN PARIS (UCJU-9081)

7) これはまだ棚に収まっておらず、「ほら、そこそこ」というご主人の指示により、梱包用(?)古新聞の下に隠れていたのを奥様が取り出してくれたホヤホヤの新譜です。これじゃ探しても見つからんわ(笑)
8) BILL STEWART (ds)とJOE MARTIN (b)参加。福岡で活躍するギタリスト山野修作の新譜(NY録音)。
11) は、国内盤LP。なんとなく古いのが聴いてみたいということで。

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アーリーレコードという中古専門店にも行ってみました。
壁面の一番高いところにディスプレイされた高級オリジナル盤が、なんと220,000円!たとえ買えたとしても、怖くて針下ろされへんかったりして(笑)
ここで4個のドングリを入手。全て未聴。

12) ■MAURICE VANDER TRIO / DU COTE DE CHEZ SWING (Night And Day NAD 1002)
13) ■STEFANO BOLLANI / VOLARE (Venus Records TKJV-19116)
14) ■STEFANO BOLLANI / BLACK AND TAN FANTASY (Venus Records TKJV-19123)
15) ■ANDRE CECCARELLI / FROM THE HEART (Verve 529 851-2)

12) は、輸入盤LP。豪快にスウィングしまくるMAURICE VANDERのピアノを聴くのは楽しい。
13) 14) はCDで持ってますが、CDは材質の特質上経年変化が激しいいということなので、今のうちにLPを買っておこうと。90歳のおばあちゃんになってもBOLLANIを聴く(笑)
15) これももちろん持っていますが、この際だから入手しとくのだ。


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福岡の博多で行われる○○の総会に出席する夫が「一緒に来る?」と言うので、「私も行く!」ということになり一泊で福岡へ。午後7時からの総会に出席するのは夫だけなので、福岡の街で夜通し放し飼いとなった私は例によってジャズのライヴを楽しむことにした。




1月に行ったTHE MOSTのライヴでは何だかピンと来なかった石井彰(p)。金澤英明(b)は名前さえ知らず。石若駿(ds)は北海道出身の中学生(ほんまか?)らしい。ということで、まぁ普通に楽しめればいいかなという感じで気軽に出掛けてみたのだが、いやはや、コイツがまた実に面白くてエキサイティングなライヴだったのだ!
会場は福岡市中央区のNEW COMBO。二階建ての古い民家を改装したと思われる一階に狭いステージがあり、30人も入れば満員になりそうなこじんまりとしたお店で、スタッフの皆さんも親切で感じが良かった。この日の観客は女性が7名に男性が6名だったかな?

さて、オープニングはオーネット・コールマンの曲で結構スリリングなフリーインプロを展開、続いてスタンダードナンバー、と、ここまでは椅子にもたれて「ちょっと緊張してるのかな?しかしお若いの、なかなかやるのう(荒削りな部分があるにしても)」という感じで石若駿の演奏を見ていたのだが、3曲目からは、思わずぐっと身を乗り出して彼のドラムにぐんぐんと惹き込まれてしまった私。MONKのEPISTROPHY(かな?)、それからNARDISと聴いていくうち、徐々にエキサイトする私の頭の中で「天才」の二文字がチラリと浮かんだのは一度や二度ではなかった。

石若駿のドラムは文句なくかっこいい。多彩なフレーズでアイディアに富んでおり、ときにはスリル満点に、ときにはユーモラスに、それに何より、演奏にワクワク感があるのが嬉しいではないか。メリハリがあり、キメもばっちり。十分にスピード感のあるドラミングで演奏を引っ張っていたし、石井彰のピアノを煽っているとさえ感じる場面もあった。非常に瞬発力のあるシンバリング(一瞬TONY WILLIAMSの名前が頭をよぎる)、正確な足捌きによるバスドラとハイハット(オモテのはずなのに何の必然性もなくいつのまにかウラになってしまうというよくある現象(笑)も彼の場合は皆無)。ポリリズムも難なくこなし、綺麗に決まるスネアのロールも気持ちいい。曲や場面によってスティック、マレット、ブラシ、素手の使い分けも。
特筆すべきは、リズムをキープするベースとはあえて同調せず、石井彰のピアノに鋭く反応しベースとドラムには微妙なズレが生じる形で実にスリリングでエキサイティングかつ変幻自在なパフォーマンスをやってのけ、そういう場面でもトリオの演奏は決して一体感を失っていなかったこと。ここまで音楽的冒険心に富んだ面白いドラムが聴けるとは正直思っていなかったので、これには本当にびっくりしてしまった。いや~、何という快感!(笑)


石井彰の紹介によると、石若駿は現在、東京藝術大学付属高校打楽器科の一回生(16歳)だということだ。そう遠くないうちに彼は次代を担うジャズドラマーのホープとして巷で騒がれるようになるのではないか(私が知らないだけで既に騒がれているのかもしれないけど)。石若駿には、ぜひとも作曲も学んでいただき、オリジナル曲で勝負出来るジャズドラマーとして成長していってほしいものだ。




あの夜、福岡のNEW COMBOに居合わせた人たちは幸せだ。ここではドラマーの石若駿のことばかり書いてしまったけれど、石井彰トリオの演奏は、まさに三位一体といった感じで本当に素晴らしかった。たまたま出掛けた福岡でこんなに面白いライヴを体験した私は、本当にラッキーだった!
石井彰トリオは、只今九州ツアーの真っ最中で、私は初日のライヴを聴いたことになる。昨日と今日は鹿児島、明日は福岡へ戻り、明後日から二日続けて熊本というスケジュールだ。お時間のあるかたは、石井彰トリオのライヴに足を運んでみてはいかが。

*どうでもいいオマケ
石若駿君と話したのは少しだけだったが、彼は謙虚な感じのする礼儀正しい少年だった。素晴らしい演奏を聴かせてくれたしサインも貰ったので、アーティチョークは彼にぜひとも一杯奢りたいところだったが、まだ未成年だということを思い出し、止めておいた(笑)あ、でも、アイスクリームなら奢ってあげても彼のお母ちゃんには怒られなくてすむから良かったんじゃないかな?今度会ったとき、まだ未成年だったら、ぜひともアーティチョークにアイスクリームを奢らせてくださいね(笑)

御用とお急ぎでないかたは、石井彰のホームページへ。九州ツアーのスケジュールもチェックできますぜ。

出演:石井彰トリオ
石井彰 (p)
金澤英明 (b)
石若駿 (ds)
日時 : 2008年8月21日(木) 午後8時20分開演
会場 : NEW COMBO(福岡市中央区)