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晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

ちょっと遅くなってしまったけれど、ライヴに行ったので思い出しながら書いてみます。


スケジュールの関係で私が行けるのはツアー最終日の11月11日のみでした。最初、一人で行こかしらん...そやけど、前日までのハードスケジュールをこなし、往復3~4時間の運転で帰宅が真夜中ってのはいかにも辛い...といってお一人様でお泊りもなあ...と思っていたら、海外出張でほとんど家に居ない夫が東京出張のため一時帰国し、再び海外へ飛ぶ日がちょうどライヴと重なることが判明。そこですかさず「夫道連れ大作戦」を開始しましたら「ピアニスト、美人やで」の一言で出発日を変更し、妻の道楽に付き合ってくれることに(笑)


私のお目当ては、長らく渡米していた清水勇博 (ds)。


彼の演奏を初めて聴いたのは、2004年8月8日に地元で行われた「赤煉瓦サマー・ジャズin舞鶴」でのこと。第1部に出演した全国一般公募優秀賞ユニットの石田ヒロキ&フレンズのドラマーが清水勇博で、オリジナル曲中心のけっこう硬派な演奏において彼のドラムは断トツに光っていました。まず、無駄な動きの無いしなやかなフォームに私の目は釘付け。そしてむちゃくちゃシャープでかっこいいドラムに始終聴き惚れていたという感じで、第2部の松永貴志トリオが始まっても上の空...というほどに彼のドラムは強烈でした。私が現在進行形の欧州ジャズを聴き始めてから2年ほど過ぎた頃で、新譜をたくさん聴きこんでジャズにどんどんのめり込んで行った時期でした。そんなときに聴いた清水勇博は、今調べてみたらまだ21か22歳という若さだったんですねー。


さて、あれから8年!(笑)


西山瞳もアルバムのParallaxも時間の都合で予習出来なかったけれど、ジャズのライヴは久しぶりなので嬉しい。雨の阪神高速を走行中、ナビのお姉ちゃんが故障車と事故車で渋滞だと告げるとほどなくノロノロ運転になりましたが、ようやく一つ手前で高速を降りるとハービスENTの駐車場へと無事に滑り込みました。


インターネット予約の備考欄でドラマーの様子が良く見える場所を希望していたのですが、他にも同じ希望が多かったそうで、真正面とはいかなかったもののけっこう良いお席だったかも。ミスターケリーズに来たのは2回目です。空腹だったので注文したお料理をパクつく。そうするうちに、狭いハコはいつの間にか満員の聴衆でギッチリ。


定刻10分過ぎにメンバー登場。「ようやくつかまえたぜ!」と、ドラマーを目で追う私。ピアニストの美人度を真っ先に確認する夫(笑)


ライヴは入替無しの2部制。
1stの1曲目は、このツアーのために書いた新曲だというRock Out。無調感と跳躍する音使いは、モンクとピエラヌンツィを足したかのような印象で、インプロの応酬に似た構成が続く。「なるほど、ツカミがこれね」と、なんとなく西山瞳のことを勝手に納得した私。新曲はこの他、何故かこのバンドのレパートリーには無かったというバラードあり、またどことなくプログレ調の曲もあり。1stでは、どの曲も良かったですが、ピアノの切なく甘いメロディー、スピード感のあるドラム、良く歌うベースが印象的なThe Other Side Of Midnightという曲も良い曲でしたね。


2ndでも硬質とリリシズムが入り混じる三位一体型でノリの良い演奏が続く。澄まし顔だけど演奏はちょっぴり男勝りのピアノ。西山瞳のメンバーへの合図は、弓型の細い眉をぐっと上げての目配せひとつでしたね。リズムを細分化したりアクセントを変えたりと忙しくそして遊んでいるかのように楽しげに、しかし鋭く切り込むように叩きまくるドラム。ベースもよく健闘していたけれど、音響のせいか聴き取りにくかったのが残念。バンドの方向性からでしょうけど、聴き手によっては小難しいと感じるかもしれない凝った曲もあって全体を通してとても聴き応えがあり楽しめました。


それにしても、西山瞳の作曲の腕はかなりのもんですね。見た目はたおやかで小柄でとても女性らしい人ですが、そんなイメージが吹き飛ぶほどにハードでハイテンション。が、ラストはガラリと趣を変え、素直で美しいメロディが軽やかに優しく歌うAprilis。こういう心落ち着く曲を演奏する時の西山瞳もまた良かったです。


アンコールは、この日唯一のスタンダード曲Softly, As In A Morning Sunrise。西山瞳の「最後まで運動会やります(笑)」の前置きどおり、テーマだけを借りて7/8拍子で疾走する全く別の曲になってましたけど、これも良かったです。


さて、お目当ての清水勇博のドラムは、それはそれはかっこ良かったんですよー!特に1stのラスト曲のドラムソロが聴きものでした。ときおり浮かぶヤンチャな笑顔もステキ。引き出しが多くて何でも叩けると感じたのは8年前の印象と変わらず。テンションも十分で華もある。西山の曲には清水のドラムがばっちり合っていて、彼でないと表現出来ないものが沢山あるのでしょうね。ただ、少々厳しいことを書けば、引き出しが多過ぎるせいか、曲全体の流れを捉えた時に散漫の一歩手前で踏みとどまっていると感じる場面が無きにしもあらず。また、テンポのゆらぎなどの遊び心が増した分、以前ほどのシャープさは薄れたように感じることも。
ということで、8年ぶりの清水勇博を確認しにここへ来た甲斐は十分にありました。


1stのあと、parallaxのCDを買って店を出たところで清水勇博さんを見つけ、休憩中に悪いかしらと思ったけれどお願いしてみると「喜んで!」とニッコリ笑って応じてくださいました。



晴れ時々ジャズ


今回でちょうど2冊目になったサイン帳は、フランスのクレールフォンテーヌ社のもので、ここには出せないけれど表紙がとっても奇麗なんです。私のお気に入りサイン帳の2冊目第1ページ目に、8年ぶりにしてようやくつかまえたドラマーの大きなサインが記されて満足です。


帰宅すると真夜中をとっくに過ぎてましたがその日はぐっすり眠りました。それはもう寝過ぎなほど。で目覚めたら8時半でした(笑)で、その日は、家でも仕事に忙殺されている夫を見かねて紅葉狩りへと連れ出し、帰宅すると、再び海外へと向かう夫のために愛妻弁当を作り、駅で熱い抱擁とキッス攻めにしといてから夫をお見送りしたアーティチョークでした(下線部に脚色あり)。


■西山瞳trio“parallax”
西山瞳 (p)
坂崎拓也 (b)
清水勇博 (ds)

11/11(日)Mr.Kelly's


西山瞳のブログからコピペしたセットリスト

1st
 Rock Out
 Cross Section Of Gray Cities
 The Other Side Of Midnight
 Pictures
 Al

2nd
 Shift
 Move
 Wright Flyer
 Flood
 Aprilis

En
 Softly, as in a morning sunrise

とっくに届いてたドングリだけでも書いとこ。(8) は未聴です。


(1) ■ ALDO ROMANO / CORNERS (Label Bleu LBLC 6615)
(2) ■ Guillaume De Chassy / Silences (Bee Jazz BEE 050)
(3) ■ Marc Ducret / Tower Vol.2 (Ayler Records AYLCD-119)
(4) ■ Zanussi Thirteen / Live (Moserobie Music Production MMPCD 078)
(5) ■ Simcock Garland Sirkis / Lighthouse (ACT Music + Vision 9525-2)
(6) ■ JBBG - Jazz Bigband Graz / Urban Folktales (ACT Music + Vision 9528-2)
(7) ■ Sonic Mechatronik Arkestra / Overunity (Moserobie Music Production MMPCD 047)
(8) ■ Andy Emler MegaOctet / E total (La Buissonne RJAL397014)
(9) ■ Sixun / Live in Marciac 2009 (Futur Acoustic F216)



(1) 京都のレコード屋さんで見つけた中古CD。これはなかなか良かったです。


(5) ACTのサイトで試聴してTim Garlandにオオッ?!と反応した私、そういえば、これまでイギリスのジャズには馴染みが無かったな。


(6) コレの入荷遅延で、一緒に注文した分も二箇月待たされました。お気に入りのNguyen Leが参加。


(9) 前々から気になっていたフランスのジャズ・フュージョンバンドSixunを(9)と抱き合わせで購入。フランスのマルシアックで毎年開催されるジャズフェスJazz In Marciacの2009年のライヴを収めたCDとDVD(PAL方式)の2枚組。同内容なのでDVDのほうを鑑賞してみましたら、こいつぁー面白かったです!
今回初めて演奏をちゃんと聴いたのは、Michel Alibo (el-b)とPaco Sery (ds)。Sixunの演奏は、ジャズ・フュージョンを基盤にしつつアフリカ音楽やトラッドやファンクやロックの要素、強烈なリズム感とドライヴ感と半端じゃないテンションを伴っていて、バンドの一体感は凄いです。サウンドは緻密で硬派ですが決して陰気になっておらずむしろ陽気と感じるのは、それぞれのメンバーの根っこから来るものでしょうね。
6人全員が辣腕で、特にPaco SeryとStephane Edouald (perc)には感心しました。ステージでは鮮やかなキメ、技と技の応酬、ユーモアなどなど見せ場もいっぱいで、アーティチョークは画面に釘付け状態。笑ってエキサイトして大いに楽しめました。





*本日のオマケ



晴れ時々ジャズ


見返り美人ポニーの視線の先は、青い海。




ポーランドジャズライターのオラシオさん 監修による“チェシチ!レコーズ”が設立されました。オラシオさんは、アルバムのセレクトと解説執筆を担当されます。
オラシオさん、おめでとうございます!


記念すべき第一弾は、ミラ・オパリンスカ&ダグラス・ウェイツの『リュミエール』(8月8日発売)だそうです。
http://diskunion.net/portal/ct/detail/JZ120627-01


ミラ・オパリンスカのHPはこちら。
http://miraopalinska.com/



さてさて、オラシオさんのブログに「国名/地名入りタイトル名曲アーカイヴ!」 っていうアンケート企画があったので、“チェシチ!レコーズ”設立のお祝ついでに(失礼!)乗ってみました。本当は、オラシオさんの記事のコメント欄に書きこむべきなのですが、長すぎるので、とりあえずここで紹介することにしました。


ジャズのスタンダードには、国名や地名の入った曲が意外に少ない気がします。ParisやLondonのつく曲がいくつかとChinaのつく曲などもありますが、私としては好きというほどでもないです。


集めてみると凄ーく私的な名曲になりました。思い浮かんだ順に書いてあります。
■ 曲名 - アルバム名 - アーティスト名
という表示にして、曲の一部にはリンクを貼りました。御用とお急ぎでないかたは音楽をお楽しみください。




一番最初に思い浮かんだ曲がこれって、自分でもどうかと思うが(笑)
大作曲家グリーグの名曲「ペール・ギュント」を引用したりしてチョケまくるZappa。地名入りの曲は、この他にMontanaがありますが、こっちのほうが好き。

YouTube見てたら、Alan Zavodのソロが凄過ぎてゲラゲラ笑ってしまった。
■ Let's Move To Cleveland - Does Humor Belong In Music ? - Frank Zappa
http://www.youtube.com/watch?v=zfSfhnbV2YA



次がこれ。
私的にはBlack Dogについで二番目に好きな曲かな。ポリリズムの持つ循環するイメージが好きなんですね。

■ Kashmir - Physical Graffiti - Led Zeppelin
http://www.youtube.com/watch?v=k_zHRXSa0KQ&feature=related




新しい歌詞が付けられ、スタイリッシュなブラック・コンテンポラリー・ミュージックとして生まれ変わっているNihgt In Tunisia。
この曲には御大Dizzy Gillespieが参加。アルバムの参加メンバーも豪華。
■ And The Melody Still Lingers On (Nihgt In Tunisia) - What Cha' Gonna Do For Me - Chaka Khan

http://www.youtube.com/watch?v=9ZEMoXjl-Xg



クルト・ワイル(独)作曲のオペラ曲。
歌詞が凄いので、Tierney Suttonみたいにお上品なシンガーは絶対に歌わんでしょう(笑)この曲を表情豊かに溌剌と豪快に歌い上げるDee Deeは、そういえばブロードウェイミュージカル出身でござった。本アルバムThis Is Newは、豪華メンバーによるアレンジ最高のクルト・ワイル曲集。これのDVDは私の宝物です。
■ Alabama Song - This Is New - Dee Dee Bridgewater




こいつぁー渋い。渋すぎるっ!本アルバムのメンバーも豪華。
■ Georgia Rose - Alone Again, Naturally - Esther Phillips




古ーいヒット曲。
オラシオさんはご存じないでしょ。このアルバムは持ってません。

■ Do you know the way to San Jose? - Bossa Rio - Bossa Rio
http://www.youtube.com/watch?v=BdcJf9rACHM




これも古ーいヒット曲。
やはりオラシオさんはご存じないでしょ。この曲は歌詞が謎ですね。Eaglesは好きではなかったので、このアルバムも持ってません。Californiaのつく名曲は70年代に多い気がしますが、これにしました。レゲエのリズム、切ないヴォーカル、哀愁のギターソロ。
■ Hotel California - Hotel California - Eagles




レナード・バーンスタイン作曲によるブロードウェイミュージカル「ウェストサイド物語」より。

中学1年生の時に映画館で観て、その音楽に激しく感動し、夢中になりました。全曲が素晴らしい!
■ America - West Side Story - OST

http://www.youtube.com/watch?v=Qy6wo2wpT2k




兄弟による超絶ギターデュオ。
初めて聴いたときは、「ピキッ」とか「キュッ」っていうノイズが全く無い完璧さにびっくりした。
■ Alma Brasileira - Alma Brasileira - Sergio and Odair Assad


Alma Brasileiraは、もともとHeitor Villa-Lobosが書いたピアノ曲だそうで、YouTubeに本家本元の演奏がありました。やはりいい曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=V5j9gYb4aI8




最後は、レオン・ラッセルの書いたラヴソング。
え、サハラは地名とちゃうって?まあ、そう固いこと言わんと、聴いてみてねっ。

■ Snowfall On The Sahara - Snowfall On The Sahara - Natalie Cole
http://www.youtube.com/watch?v=KgAfeG2QRxs



以上でございます。
オラシオさん、トラバさせていただいてもええかしらん?









久々のブログ更新でござる。

今日は、大のお気に入りEmile Parisienが参加している新譜について書いておきます。



Emile Parisienが、ポルトガル出身のベーシストHugo Carvalhaisの2作目となるリーダー作に参加してます。
余談になりますが、Tim Berne (as)が参加してる1作目も気にはなっておりました。私は、前にTim Berneのリーダー作聴いて彼の演奏にインテリジェンスを感じていたんですね。「音も奇麗やなー」と聴いてると、共演者には暴れるだけ暴れさしといてその真ん中で「ハッハッハ!」と笑いながら仁王立ちしてるBerneさんを思い浮かべ、ニヤリとした私でした。
Hugo Carvalhaisの1作目購入は、Emile Parisien参加の新譜を聴いてから決めましょ。


■ Hugo Carvalhais Trio 2 / Particula (Clean Feed CF253)
Dominique Pifarely (vn)
Emile Parisien (ss)
Gabriel Pinto (p)
Hugo Carvalhais (b)
Mario Costa (d)

http://www.cleanfeed-records.com/disco2.asp?intID=403


Hugo Carvalhais Trio + Emile ParisienのYouTubeがありました。長い演奏だったらしく途中を端折って、4分半過ぎてからEmile Parisienが登場。

Hugo Carvalhais, Mario Costa, Gabriel Pinto, Emile Parisien - Live @Casa da Musica 2010
http://www.youtube.com/watch?v=X-1Lf10_u9c


こちら、PART 2とあるのは、上の続きなのか?

Hugo Carvalhais, Mario Costa, Gabriel Pinto, Emile Parisien - Live @Casa da Musica 2010 - PART 2
http://www.youtube.com/watch?v=2XvLkwRy_nM




Emile ParisienがDaniel Humairのカルテットにいることは前から知っていたのですが、9月にアルバムが出るようです。


■ Daniel Humair Quartet / Sweet & Sour (Laborie Records LJ 19)
Daniel Humair (ds)
Emile Parisien (ss, as)
Vincent Peirani (acc)
Jerome Regard (b)

http://jazz.abeillemusique.com/CD/Jazz-Blues/LJ19/0810473014158/Laborie-Jazz/Daniel-Humair-Quartet/Sweet--Sour/cleart-61823.html


Vincent Peiraniって誰?というかたは、是非こちら↓をご覧あれ。

Michel Portal invite Vincent Peirani a Europajazz
http://liveweb.arte.tv/fr/video/Michel_Portal_invite_Vincent_Peirani_a_Europajazz/


トータルで一時間ちょいかかりますのでお時間のあるときにどうぞ。しかしこの人たちときたら特に後半、そらもう凄いことになっとりましてね。軽ーい気持ちで鑑賞し始めたら面白いのなんのって、最後の最後まで目が離せませんでしたわ。




意外なところでLeila Olivesiの二枚目にもEmile Parisienが参加してます。
Attention Fragile ! ていう謎のレーベルなので、日本には入って来ないかも。Leila Olivesiの初リーダー作がなかなか良かったので、これも気になっております。


■ Leila Olivesi / TIY (Attention Fragile !)

Leila Olivesi (p)
Yoni Zelnik (b)
Donald Kontomanou (ds)
Manu Codjia (g, 7, 8, 10)
Emile Parisien (ss, 8, 9, 10)
Niko Coyez (fl, perc, 2, 9)

http://www.citizenjazz.com/Leila-Olivesi,3466711.html



以上の他、JEAN-PAUL CELEA (b)のトリオにいたり(アルバムが出るかどうかは不明)など、多方面での活躍が目立つEmile Parisien。ジャズの最重要アーティストとして、今後もその動向を追って行きます。


*どーでもいいオマケ


子どもの頃は一日中遊びまくっても時間はたっぷりとあったのに、今では日が暮れるのがあっという間に感じるのは何ででしょう?今年もいつのまにか半年が過ぎてしまったので少し振り返ってみましょうか。


1月 急にお仕事が忙しくなってきてジャズの新譜を聴く暇もなかったり、


2月 気象台が始まって以来の豪雪と格闘するも目的地まで辿り着けず「雪のバカーッ!」と叫んだり、ラリックの花瓶を割って落ち込んだり、


3月 お薬なんか絶対に飲むもんかっ!と、それはそれは厳しい食事制限を自らに課したところ、えらく元気になって検査結果も良好となり、一年間診てもらった医者から「もう来なくていいよ」と言われ快哉を叫んだり、


4月 友人と出かけたラ・フォル・ジュルネびわ湖のコンサートにてムソルグスキーの「禿山の一夜」を聴いて感動したり、ピアノの上達に年齢による限界を感じたり、


5月 鹿児島の薔薇苑でたくさんの薔薇を愛でたり、息子その2と京都三大喫茶店巡り&美術館巡りをしたり、実家の墓参りに行った大阪で妹と一緒のショッピング&食事が久しぶりだったので凄ーく楽しかったり、


6月 毎夕、蚊に噛まれそうになりながら庭の植木と格闘したり、そうこうするうちにお仕事がますます忙しくなって元気な私もさすがに疲れてきたり、


7月 けっこうなお値段の猫ちゃんフィギュリンをネットでエア買いしてみたり、Andy Emler MegaOctetの新譜を「トリャーッ!」と気合いで注文したり...


てな感じでござった。
それと、今はピアノに向かってる時間が多い分、ジャズの新譜を買う数も聴く機会も以前よりぐんと減りましたね。最近、特に行きたいと思うライヴも見つかりませんので、今の私は生の音楽に飢えておりまする。



涼しげな緑陰のオマケをどうぞ


晴れ時々ジャズ





EMILE PARISIEN QUARTETが、昨年12月にLaborieのスタジオでレコーディングを行いました。通算3作目となる新譜は、同レーベルより今春リリースされる予定です。きゃーっ、めっちゃ楽しみー!!


今やEMILE PARISIEN QUARTETを聴かずしてフレンチジャズの“今”を語ることは不可能なのでは?現代ジャズシーンの先端を行く最高にして最強のカルテットだと私は思ってます。
ジャズ史に残る傑作だと勝手に決めてる第2作目ORIGINAL PIMPANT (Laborie Records LJ 07)のDVDでライヴの模様を鑑賞する度に私がいつも感じるのは、まるで極上のミステリを読んでいるかのようだということ。つまり、無意味な言葉や文章が一切無く、そのひとつひとつに意味があり、ストーリーは完璧でありながらも、そのプロセスは興奮と驚嘆の連続で、最後には感動とともに全てが腑に落ちるというエンディングが待ち受けているんですね。もうなんべん鑑賞したか分からんほどなのでアドリブソロのフレーズもほとんど全部覚えてしまってますが、その鋭く研ぎ澄まされた音楽を聴く度に、何故かいまだに鳥肌が立ってしまう。
いま私が最も注目しているEMILE PARISIEN QUARTETを、誰でもええから日本に呼んでくれへんかしらん。


■ EMILE PARISIEN QUARTET / CHIEN GUEPE (Laborie Records)
EMILE PARISIEN (ss)
JULIEN TOUERY (p)
IVAN GELUGNE (b)
SYLVAIN DARRIFOURCQ (ds, perc)



詳しくは、リニューアルされたホームページで。


http://www.emileparisienquartet.com/







ピアノのレッスンを再開してから10箇月が過ぎ、テキストの3冊目に入ったところです。
音域が広くなるにつれて、動体視力の必要性を感じています。重音ってのは意外に難しいもんですな。脱力も難しくて、まだまだ余分な力が入ってて柔軟な手首になってないし、左手薬指はドンクサイままやし、小指ときたら鍵盤を押さえてない時は余分な力が入ってるくせに、ここぞというときに力を出せない。特に左の小指。
これまで技術的なことについてはYちゃん先生から「アーティチョークさんはスタッカートとペダルが上手ですね」と褒めていただきましたが、本当の意味は「おぬしのスタッカートとペダルはまあまあじゃが、あとは全然なっとらんっ」(注:乙女なYちゃん先生は決してこのような言葉づかいをなさいません)ちゅうことで、他に褒めるとこが無いのだと解釈してます(笑)
てな感じで、克服すべき課題も習得すべき技術も山ほどありますが、こうなったからにはやれるところまでやるしかありませんっ!(鼻息)


さて、季節が巡り冬になって気づいたことを二つほど。


冬は何するにも寒く、当然ピアノを弾くのも寒いです。


1) まず、椅子が冷たくて座れません(笑)
2) 手が冷たくて指が動きにくいのも困る。
3) さらに、鍵盤が冷たいと指まで冷えてくるんですね。これについて乙女なYちゃん先生曰く「鍵盤にヒーター入ってたらいいのにと思います。誰か作って欲しい」だそうです(笑)


上記に対しては、


1) 椅子の座面には、三つ折りにした赤ちゃん毛布がちょうど具合がよろしい。ピアノを置いてある部屋は、急激な温度変化を避けるためにデロンギのオイルヒーターを24時間つけっぱなしにして寒くない程度の15度を保つようにしています。
2) 手の冷えは、身体を温めることにつきますな。家の掃除で身体を動かしてから練習に入るとか。ショウガ入りホットドリンクとか。まあ、手が冷えててもお構いなしに弾いてしまいますけど。
3) 鍵盤が室温になるように蓋は開けっぱなし。ヒーター付鍵盤の開発はありえない(笑)


というのが現状です。


寒さとは直接関係ないですが、やはり姿勢は凄く大事ですね!どのような演奏においても上体をしっかりと保つためには、両足をちゃんと床につけておかないといけませんし、時には足を踏ん張ることも必要になってきました。フローリングの床にスリッパですと滑りやすく安定しませんしペダル操作もしにくいです。ヒールと踵のあるルームシューズが欲しくなってきました。


ところで、私の手は小さいです。
身長も手足の長さも足の大きさも普通ですが、何故か手ぇだけ小さい。オクターブ和音は普通に上から弾いてもちゃんと届きませんので、鍵盤の前方から攻める(笑) 曲の最後によくあるチャラララ~ン♪っていうアルペジオ(て呼ぶのかな?縦の波線が付いてるやつ)も、手の小さい私にとっては難しいもののひとつです。
そもそもピアノは西洋人の体格に合わせて作られた西洋の楽器なので、手の小さな日本人(特に女性)にとっては不利ということに最近になってようやく気づいた私。身体的なものはどうしようもありません。だから手の小さい人は、手の大きい人には決して分からない苦労をピアノでたくさんしてるはず。
マイダーリンからは、上達したら僕のためにスコット・ジョプリンのジ・エンタテイナー弾いてくれというリクエスト貰っており楽譜も一応は手元にありますが、私の小さな手でオクターブ奏法という難題をクリア出来るかどうか、じぇんじぇん自信ありません。いや、無理です。(ダーリン、すまぬ)


...てことで、本日のオマケはこうなりました。


アーティチョーク「あの道具にイグノーベル賞を!私もあんなのが欲しいよ~」(本音)
Yちゃん先生「なんじゃと?こんなこと書いてる暇があったら練習せいっ!」(注:乙女なYちゃん先生は決してこのような言葉づかいをなさいません)


*本日のオマケ(大笑い&手の小さいピアノ弾きなら激しく共感 : YouTube / Rachmaninov had big Hands)


http://www.youtube.com/watch?v=ifKKlhYF53w




いつもここに来てくださる皆様、今年一年ありがとうございました。現実生活が多忙だったので2箇月ほどブログ怠けてましたが、私はとっても元気ですので他事ながらご安心を。
来年は、諸事情により松の内が過ぎるまでブログの更新が出来ませんが、これからも大好なジャズのことやら、ピアノのことやら、アホなこと書いたりすると思いますので、その時は、バーチャルの世界で私と一緒に遊んでやってくださいまし。


あ、そうそう、とっくに届いてたドングリだけでも書いとこ。4個が未聴。


1) ■ PIERRE BERTRAND / CAJA NEGRA (Cristal Records CR 165)
2) ■ MICO NISSIM SEXTET / ORNETTE DOLPHY TRIBUTE CONSEQUENCES (Cristal Records CR 166)
3) ■ MAMADY KEITA & SEWA KAN / HAKILI (Cristal Records CR 170-71)
4) ■ ANNE PACEO TRIPHASE / EMPREINTES (Laborie Records LJ 13)
5) ■ AGA ZARYAN / LOOKING WALKING BEING (Blue Note / EMI Music Japan TOCJ-90071)
6) ■ ANTONIO FARAO / DOMI (Cristal Records / P-Vine PCD-93469)
7) ■ NICOLAS MASSON / DEPARTURES (Fresh Sound New Talent FSNT 394)
8) ■ ENSEMBLE SHANBEHZADEH, MATTHIEU DONARIER TRIO / ZAR - JAZZ & MUSIC FROM SOUTH IRAN (Buda Records 2763499)
9) ■ SYLVAIN LUC / ORGANIC (Dreyfus Records FDM36973)
10) ■ TROC / TROC 2011 (Universal Music France 277 693 0)


1) 大好きなPARIS JAZZ BIG BANDの双頭リーダーの一人PIERRE BERTRANDのリーダー作。メンバーには私のお気に入りが大勢。

2) 二重注文でござる。

3) 本作は、ライヴCDとフランスのジャズ祭に出演したステージの模様を収録したDVDの2枚組。全員知らないミュージシャンのアフリカ音楽ですが、はて?購入の動機が思いだせない。いや、そんなことはどうでもよい。本作のDVDに鑑賞用の椅子は不要です。一緒に歌って踊りまくれば楽しさ2倍。歌は現地の言葉で意味も分からんですが繰り返しばかりなので大丈夫。なあに、ダンスだって画面の中のお姉ちゃん達の真似して激しく髪振り乱し、腕振り回し、ステップ踏みながらデタラメでも何でもテキトーに踊りゃええのよ。それよりも、パーカッション持ってる人ならリズムの応酬に加わりたくなるのは必至。いやー、これは凄く楽しかった!前々からパーカッションには興味あったんですが、これ観てたら真剣にジャンベが欲しなりましたわ(笑)地元にパーカッション教室があれば通うのに!

5) は、本作のライナーノーツを執筆しているオラシオさんの音楽ライターとしての本格デビューを祝って入手。オラシオさん、おめでとう!

6) ANDRE CECCARELLI参加。しかーし!このCDの帯やP-Vineのサイトでは、私のお気に入りドラマーANDRE CECCARELLIの名前がアントニオ・チェッカレリとなっている。発音や表記の問題ではなくて名前そのものを間違えるのはアカンやろ(ーー;)
ANDRE CECCARELLIのカタカナ表記は、アンドレ・チェカレッリあるいはアンドレ・チェッカレッリかな。人名は難しいね。

8) MATTHIEU DONARIER(ts, ss, cl, bcl)のトリオが参加してるCDとライヴDVDの2枚組ということで購入。古楽器によるイラン音楽とジャズの融合(イラン音楽8:ジャズ2)といった感じかな。

9) ANDRE CECCARELLI参加。


*本日のオマケ


MAMADY KEITA & SEWA KAN / HAKILIのDVDと同内容のYouTubeがありました。

http://www.youtube.com/watch?v=GkvQoG3wDPQ



では、皆様、どうぞ良いお年を!



晴れ時々ジャズ

届いたのは1個です。
しかし、何故アマゾン河は一括注文した商品をまとめて送ってこない?1個だけなんて書くのめんどうやし、字数が稼げないじゃないか(笑)


1) ■PILC MOUTIN HOENIG / THREEDOM (Motema Music MTM-72)


このトリオは、来日公演を生で体験したんですよー。それはそれは怖いほどのテンションで最初から最後まで物凄いコトになっとりました、はい。たまたま私の隣に座った男性は、途中からずっと居眠りしてはりましたけど(笑)




*どうでもいいオマケその1(何故かここだけ常体で)


今日、上記ドングリを聴いている最中、珍しいことに京都にいる息子その2から電話がかかってきた。なんと、兎を拾ったという。河原で猫に追いかけられている兎を友達と一緒に保護し、息子の下宿に連れ帰ったのだとか。興味しんしんの母は、「え、兎?どんな色の?どのくらいの大きさ?それで、どうしたん?写真送ってほしい...」などとゲラゲラ笑いながら息子と話しているうちに音楽が終わってしまったので、上記ドングリはほとんど聴いていない。


下宿の部屋では、段ボール箱に新聞紙をひいて兎を中へ入れてやりセロリとニンジンを与えたが、兎はほとんど食べてくれず何故か新聞紙ばかり食べようとするので息子はとても困ったそうだ(笑)


段ボール箱の中で神妙に前足揃えてお行儀よくしている兎どん。まだ新聞紙は食べ始めていないようだ。


晴れ時々ジャズ



そこで、新聞紙を外したところ、今度はダンボール箱を前足で勢いよくガリガリと掘り始めたのだとか(笑)だからバスタオルをひいてあるのか?
それにしても、なにも兎ごときの餌をこんな几帳面さで賽の目切りにせんでも(笑)


晴れ時々ジャズ



息子は兎を持て余したのだろう。警察に電話してみると既に飼い主から届けが出ていたので、兎を警察署まで連れて行ったそうだ。兎は無事に飼い主の手に戻ってめでたしめでたしで終わったのだが、息子はこの一件で今日一日非常に疲れたと言っていた(笑)




*どうでもいいオマケその2(最近気になる人や書物)


気になる人 : JOHN ZORN

この人のやっているTzadikというレーベルには、怖くて近寄れないイメージがありますね。アルバムのジャケットなんて、もうむっちゃ不気味で恐ろしげなのばっかり。買ったこともなくちゃんと聴いたこともないけど、中身の音も怖そうじゃないですか?密かに「どんな音なんやろー?」と、興味しんしんだったりしますが(笑)
Tzadikのレーベルサイトはこちらでござる。


http://www.tzadik.com/


で、最近JOHN ZORNがクリスマスアルバムを出したそうで。何故だか知りませんが、今回だけはジャケがむちゃくちゃキュートなんで気になってしかたがない(笑)試聴したところ、特に怖い音では無く、フツー(?)でしたけど。
でも、私はたぶん買わないと思います。そんならここに書きなさんなと怒られそうですが、気になるものは気になるのでいちおう書いてみました。クリスマスアルバム収集家のすずっくさんは気にならないのだろうか?(笑)



気になる書物 : 『ショック・ドクトリン 上・下』(ナオミ・クライン著、岩波書店)

今日の新聞の書評欄で知った。さっそく図書館へ行って借りてこよっと。





うっとこの男前ピアノがいよいよホンキートンクピアノみたいになってきました。特にペダルを多用するゆったりしたテンポの曲では、気持ち悪い響きを我慢しながら弾くので耳が変になりそう。それから、音が狂うとピアノは猫化するということを初めて知りました(笑)特定の個所でニャーンと鳴くんですね。音が狂ったついでに(?)速いテンポのラグタイム弾いて遊んでみるのも一興ですが、今の私にラグタイムは弾けましぇん。


初回の調律のときのお話では、2回目の調律は6箇月後にあたる年末か年明けとのことでしたが、我慢して音の狂ったピアノで練習してると気持ち悪いので、本日、ちょっと早いけれど初回から約3箇月と2週間で調律をしていただきました。3回目は、6箇月後にあたる来年4月になるそうです。


調律が済んだばかりのピアノで、いつものように曲の練習に入る前の音階とコードを弾いてみると、G7てこんな響きやったんや!とびっくりするくらいに音が激変してました(笑)



*本日のオマケ(猫好き必見:YouTube)


古色蒼然としたピアノに向かって男性がラグタイムを弾いてます。音はヒドイが彼の演奏は素晴らしい。しかし、それよりも0:20あたりから登場する猫ちゃんがケッサク!!


http://www.youtube.com/watch?v=_InjTL7ITNw


2曲目の終わりで、もう一匹の猫が見えます。どこにいるか分かるかな?





3個とも未聴。


1) ■MICO NISSIM SEXTET / ORNETTE DOLPHY TRIBUTE CONSEQUENCES (Cristal Records CR 166)
2) ■GILAD HEKSELMAN / HEARTS WIDE OPEN (Le Chant Du Monde 274 2037)
3) ■CHICK COREA STEFANO BOLLANI / ORVIETO (ECM 2222 2779632)


1) 二重注文じゃが、かまわん。MICO NISSIMは全然知りませんが、STEPHANE GUILLAUMEの参加と試聴で購入。

3) お目当てはボラちゃん。私にとってCHICK COREAは、ROMANTIC WARRIORの人なので、最近のCHICK様の活動やアルバムについては知りません。しかし、この2人、いったいどんなことになっているんでしょうかっ???





*本日のオマケ(2年前の画像だけど)


滋賀県長浜市の黒壁スクエアで出会ったミニチュアダックスフント。名前はそらちゃんとはなちゃんですが、どっちがどっちやったっけ?右のピンクのバンダナ巻いてるコがはなちゃん?左のコはテリアとのミックスかと思ったらワイヤーヘアード種だそうです。


晴れ時々ジャズ