晴れ時々ジャズ -9ページ目

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

届いたドングリは、フランス産8個、イタリア産1個。(1) (8) 以外は未聴。


(1) ■ Polish Jazz Quartet / Near A Forest (Petit Label PL kraft 036)
(2) ■ Francois Verly Quintet / a fleur de l'eau (Petit Label PL kraft 033)
(3) ■ Yo5 / Yo5 (Petit Label PL kraft 016)
(4) ■ Le Gros Cube / Polar Mood (Yolk Records YOLK J2039)
(5) ■ Le Gros Cube / La Martipontine (Yolk Records YOLK J2021)
(6) ■ Quntet / Vents Dominants (Yolk Records YOLK J2023)
(7) ■ Jean-Charles Richard / Faces (Herrade H 001)
(8) ■ Antoine Herve / La Lecon de Jazz Wayne Shorter Jazzman Extraterrestre (RV Productions RVD112 RVC112)
(9) ■ Stefano Bollani / Portrait In Blue (Harvey Film)


(1) Emile Parisien参加作。オラシオさんから情報をいただいておりましたので、リリースされてすぐに捕獲しました。メンバーはAntoine Paganotti (ds)、Bertrand Ravalard (p)、Emile Parisien (ss)、Jean-Claude Oleksiak (b)で、ポーランドのKrzysztof KomedaとAndrzej Trzaskowskiの書いた曲を取り上げてます。これは素晴らしかったです!


(2) Andy Emler Megaoctetのパーカッション奏者でもあるFrancois Verlyのリーダー作。本作では、パーカッションだけでなくピアノやローズも担当しています。Antoine Banville (ds)、Denis Leloup (tb)などの気になる面々も参加。


(3) Yoann Loustalot (tp, flh)をリーダーとするピアノレスのクインテット。


(4) (5) は、(3) とともに5年越しの入手。


(7) セカンドアルバムを聴いて一発で惚れたJean-Charles Richardのおそらく初リーダー作。


(8) Jean-Charles Richard (ss)参加のCD+DVD(PAL方式)の2枚組。本日、ようやくDVDを鑑賞。こいつぁー面白かった。
Wayne Shorterがジャズ史でいうところのどんな時代に生きて、どんな活躍をして、どんな人生を送ったかを大雑把に語りつつ、Antoine Herveが実際にピアノを弾きながら1曲1曲のテーマメロディーの音使いやコードやモードやリズムについて解説してから、Jean-Charles Richardとのデュオで演奏して行くというもの。
映像(英語字幕付き)音質ともに良いですし、鍵盤を真上から見下ろす画面が上部に出ますのでAntoine Herveの指使いがはっきりと分かるようになっており、プロ、アマを問わずジャズピアニストにとってとても参考になる充実した内容ではないでしょうか。
二人の演奏は、美しく、繊細で、そしてダイナミック。

Jean-Charles Richardのソプラノサックスが目当てでしたが、やはり彼の演奏は素晴らしいの一言です!大満足。


(9) ボラちゃんのDVD(PAL方式)。たぶんドキュメンタリーです。




*本日のオマケは、ARTE Live Webより。


JazzBaltica : Mathias Eick Quintet (01:04:59)
http://liveweb.arte.tv/fr/video/JazzBaltica___Mathias_Eick_Quintet/
















へっへっへー。今日は珍しくのんびりとした日曜日で、な~んにもしないでダラダラと過ごしてます。とはいえ、ピアノの練習(朝の部)と食糧の買い出しと手抜き掃除だけはしたけど。


ダラダラといえば、何故か最近、リラックマが凄ーく気になる私。怠け者の私にはぴったりのキャラなんだわ。

しかーし!7月もスケジュール過密で、おまけに研修会が3回ってどういうことなん?たった今これを書きつつ、それもこれもM会長のせいだ。などと思っていたら、そのM会長から携帯に電話が!(タイミング良過ぎて泣けてくるわホンマに)しかも、せっかくのダララン日曜日だというのに、今からM会長がうっとこに来るという(来んでいいっ!)。


こんな日々だから自分にご褒美と称してドングリを取り寄せる口実(?)にはなるが、当分は聴く暇無いかもしれん(涙)


さて、とっくのとうに届いてたドングリだけでも書いとこかな。(2) だけ未聴。


(1) ■ Moster! / Edvard Lygre Moster (Hubro CD 2527)
(2) ■ Gilad Hekselman / This Just In (Jazz Village JV 570013)
(3) ■ Radio String Quartet Vienna / Posting Joe (ACT Music + Vision 9553-2)
(4) ■ Minino Garay / Gabriel (Acqua Records AQ 370)
(5) ■ Yoann Loustalot - Blaise Chevallier - Emile Saubole / Aerophone (Fresh Sound New Talent FSNT377)


(4) 1年以上待ってやっとこさ入手。メンバーが豪華なのよん。
(5) 気になるYoann Loustalot (tp, flh)の過去作品を聴いてみた。いやー、これはむちゃくちゃかっこよかった!編成はベースとドラムとのトリオですが、演奏レベルが高いので音が薄っぺらでない。新譜を聴いた時にも感じましたが作曲がユニーク。アドリブが決して甘美にならないところも気に入りました。やはりYoann Loustalotは要注目ですな。



*本日のオマケ(YouTube : Stefano Bollani & Banda Osiris - Quizas, quizas, quizas

http://www.youtube.com/watch?v=l4t4wnxMG7g


頭脳明晰で何でも弾けちゃう天才凄腕ピアニストのボラちゃん。そんな彼のおバカ・エンタテイナーぶりがその道のプロに認められ(?)、とうとう、本格コメディーバンドから共演依頼が来たということか。



MeTaL-O-PHoNeは、ヴィブラフォン&パーカッション、ドラム、ウッドベースのトリオ。この編成に惹かれたのと試聴で気に入ったのとで入手。Elie Durisは、Emiko Minakuchi Trioのセカンドアルバムに参加していたドラマーで、腕は確かだったと記憶しています。


本作は2009年10月にフランスのTheatre de Neversにて録音され、翌年10月にCoax Recordsからリリースされています。12曲全てMeTaL-O-PHoNeのオリジナル。録音は良好です。


特にリーダーを決めず力関係がほぼ正三角形をなしているトリオの演奏はそれはそれは素晴らしくて、各人のアドリブソロも音楽的センスが良い。ジャズにミニマルミュージックやヘヴィ/メタルを大胆に取り入れており、強烈なリズムと刺激的な金属音がとってもエキサイティング。曲調はダークで無調で時に激しく、時に瞑想的でミステリアス。ヴィブラフォン&パーカッション、ウッドベース、ドラムの3パートが入念に構築されているのと、ミニマルミュージックの手法を多用しつつも展開が読めない作りなのとで、楽曲はいずれも聴き応え満点です。


Benjamin Flamentは、ヴィブラフォンにディストーションやディレイをかけたり、音板にチェーン(かな?)のような小道具をセットして音を変化させたり、シンギングボウルなどのパーカッションでガムランに似た演奏をしたりと、ヘヴィ/メタルからアンビエントまでの金属音を幅広くしかもとことん追及してるなという感じ。
Joachim Florentのウッドベースは、超高音から低音までよく響く安定した音が出ており、アルコでもピッキングでもかなり高度な演奏を披露。それはそれは美しいベースソロに惚れ惚れと聴き入ってしまう。
「何でも叩けるぜ!」といった感じのElie Durisは、MeTaL-O-PHoNeの構築的でヘヴィ/メタルな音楽性にぴったりのドラマー。手数が多いうえにシンバルを多用しますが、かなりパワフルな場面でもうるさいと感じることが無く、私などは聴いていて快感すら覚えます。


それから、今年の9月には同レーベルよりMeTaL-O-PHoNeのセカンドアルバムが出るもよう。こいつぁー今から楽しみです。


このページで本作の試聴(アルバム全部)ができます。
http://metalophone.bandcamp.com/


こちらでは、今年9月に出る新譜 KRONOS より2曲が試聴可能。
https://soundcloud.com/#metalophone


Benjamin Flamentのホームページ。
http://www.benjaminflament.com/


Elie Durisのプロフィールはこちらで。
http://www.nemomusic.com/index.php/en/unveiling-en/622-elie-duris-en


YouTubeもいかが?
http://www.youtube.com/watch?v=6i_r6b_tX9Q


■ MeTaL-O-PHoNe / MeTaL-O-PHoNe (Coax Records COA 002 MET 1)
Benjamin Flament (vib, perc)
Joachim Florent (b)
Elie Duris (ds)


入手先:CDMANIAC(通販)

前々から気になってしかたなかったJean-Charles Richard (ss, bs)。ファーストアルバムは買い逃しましたが、ベースとドラムのトリオで出た新譜をようやく手に入れました。サックス奏者の実力が一番よく分かる私好みの編成で、曲によってソプラノとバリトンとバンスリ(インドの竹製横笛)を持ち替えています。ドラムはWolfgang Reisingerで言うことなし。とっても楽しみにしていたアルバムです。

最初に書いておきますが、Jean-Charles Richardは私の期待をはるかに上回っていて目が点になりました!そう、聴いたとたん一発で惚れてしまった...。「ふっふっふ、凄いヤツを見つけたぜ」と、ただちに彼をお気に入りソプラノサックス奏者の五指に入れることとし、さっそくこれを書いておりまする。
それから、じぇんじぇん知らなかったベーシストのPeter Herbertも同じくただもんじゃなかった。多用しているアルコ奏法が恐ろしく上手くてびっくり。この二人はきちんとクラシックを学んだに違いないと思っていたら、やはりそうでした。


本作は2011年2月にStudio Gimmickにて録音、2012年リリース。Jean-Charles Richardが8曲、Peter Herbertが1曲を書き、三者によるフリーインプロビゼーションが1曲の全10曲。


1曲目のTumulteは、バリトンでダイナミックに。ノリが良く分かりやすいかっこよさがあってツカミとしてはバッチリ。
2曲目のWienerはソプラノで。きちんと作曲された部分と中間部のフリーインプロとがあり、作曲された部分は無調で拍子やリズムが分かりにくくユニゾンや休符やキメが多用されている難曲。何が合図になってんのかさっぱり分からん阿吽の呼吸で見事に統率された演奏を聴かせてくれる。
3曲目のMisfit-Banditは、曲に甘さはありませんが明るいムードも感じさせて軽快です。優雅なベースラインに乗ってクリアな美しい音色で溌剌とソロを綴るソプラノ。ドラムの創り出すテンションも秀逸。
4曲目のLe relinquaire du bonheurは、ゆったりと静かで物悲しさを帯びた美しさの中に抑制された激しさも。音数少なくロングトーンを生かしたソプラノは、自在に変化する音色が絶品で表現力が素晴らしい。腹に響く安定したアルコ奏法のベースと繊細で縦横無尽なシンバルワーク主体のサポートも見事。
5曲目のNeige Graveは、アフリカ音楽的8分の12拍子でリズミカル。メロディーの素朴な趣が味わい深く、時折ソプラノが発する鳥のさえずりのような鋭い超高音に驚く。
6曲目のBengalisは、ベースとバンスリのデュオで牧歌的。会話しているかのような出だしからリズミカルに変化する。バンスリの柔らかく素朴で乾いた音色には軽妙な趣があってこれまたよろし。
7曲目のMyosotisは、バリトンでゆったりと繊細に。始終ルバートで静かな落ち着いた雰囲気があって心落ち着く。
8曲目のNaderは、4分の5拍子のオリエンタル調でエレガント。フレーズによってソプラノの音色が東洋楽器さながらに変化するので驚く。
9曲目のFirmamentは驚異的!電気的加工も多重録音も施さず、楽器の可能性を試すかのような実験的手法が最大の音響効果を上げている。バリトンの循環呼吸(かな?)によるロングトーン。それがホーミーのように共鳴しているところも。ドスの効いたアルコのベース。ドラ(どでかいシンギングボウルかも?)やチベタンベルなどのパーカッション。それらの音が、交互に現れたり太いロープのように一体となって曰く言い難い重低音を発したりしながら幻想的で神秘な世界を生々しく表現していて迫力満点です。
10曲目のTrait-Attraitは完全フリーインプロ。終わり方にしても何でこのようにビシッとキメられるのか分からない高度な演奏。


Jean-Charles Richardは、楽器のコントロールが凄くてびっくりです。テクニックを誇示すると音楽が台無しですが、決してそうならない。自由自在に音色を変化させられるだけでなく、実験的で冒険的もいえる特殊奏法、完璧なまでに滑らかなグリッサンド奏法などなど、確かな技術に支えられた表現力は絶賛に値します。また、作曲能力も言うことなしで、1曲1曲が丹念に創られていてセンスが良いと感じます。
先進的な現代感覚と民族音楽的な曲想とが違和感なく収められた本作は、録音も良好で聴き応え満点。美味しい曲と高度で驚きに満ちた演奏がギュッと詰めこまれ、丸ごと一枚なんべん聴いても面白い。こいつぁー傑作です!


蛇足ながら、先にちょっと触れたソプラノサックス奏者のお気に入りナンバー5を。


1  Sylvain Beuf
2  Stephane Guillaume
3  Emile Parisien
4   Matthieu Donarier
5  Jean-Charles Richard
番外 Paul McCandless


順位は関係なくてたんに私が知った順番です。1~5まで全員がフランス人なのはたまたま。PortalさんやSclavisさんらの大御所はあえて外しております。
Dave Liebmanはどないなっとんねん?と仰る向きもあろうかと存じますが、Liebmanさんの参加作は持っててもリーダー作は持ってませんので私に語る資格はありません。


御用とお急ぎでないかたは、Jean-Charles Richardのホームページへどうぞ。
http://www.jeancharlesrichard.com/


Wolfgang Reisingerのホームページ。
http://www.wolfgang-reisinger.com/


レーベルのページで本作の試聴ができます。
http://www.abaloneproductions.com/tout-les-albums/traces.html


■ Jean-Charles Richard Trio / Traces (Abalone Productions AB011)
Jean-Charles Richard (ss, bs, bansuri)
Peter Herbert (b)
Wolfgang Reisinger (ds)


入手先:Amazon(通販)



とっくに届いてたドングリ。(3) だけ未聴。


(1) ■ Jean-Charles Richard Trio / Traces (Abalone Productions AB 011)
(2) ■ Stephane Kerecki / Sound Architects (Outnote Records OTN 017)
(3) ■ Anne Paceo / Yokai (Laborie Records LJ20)
(4) ■ Mattias Stahl / Stahls Bla (Dragon Records DRCD 361)
(5) ■ OLA KVERNBERG / LIARBIRD (Jazzland Recordings 278 342 6)


(1) 前々から気になっていたJean-Charles Richard (ss, bs)の新作をようやく聴くことが出来ました。これは記事に書かねば。


(5) は、既に書きました。



昨日届いたドングリは奥の手を使って取り寄せました。全て未聴。


(6) ■ Renza Bo / ST (Petit Label coffret 001)
La danse du sourd
Le roi Obaz
L'oeil tranquille
Voronej
In vivo
(7) ■ Verona / La solitude du roi (Petit Label PL 029)
(8) ■ Francois Chesnel Quartet / Kurt Weill Project (Petit Label PL 019)
(9) ■ Marc Buronfosse Sounds Quartet / Face The Music (Abalone Productions AB 004)
(10) ■ MeTaL-O-PHoNe / ST (Coax Records COA 002 MET 1)
(11) ■ Jazz Live ! - Un panorama de la planete jazz en 10 documentaires (Archie Ball / Oleo Films ARCH 1201)


(6) 気になるピアニストFrancois Chesnelを聴くために入手。Renza Boが過去にリリースした5枚のセットなので、手持ちの1枚とダブってしまうが、かまわん。別々の購入よりもお得だし、2作は随分前に売り切れだし。箱に入ったボックスセットだと思ってたらリング綴じノートの形状でした。荷物を開けて見たたとたん「わぁ♪」と声に出して喜んだ私。シールドしてなかったし、ちょっと珍しいので公開しとこ。これは2003年に設立されたPetit Labelが2011年に初めて発売したセットです。


晴れ時々ジャズ

手書きの値札シールが直に貼ってある...。

固いボール紙に施されているのはシルクスクリーンのようです。そっけないプラケース入りと違って手作り感いっぱいでしかもオシャレ。なんか持ってるだけで嬉しなってくるわ♪(←土中保存せんとさっさと聴きなさいよ)


晴れ時々ジャズ

晴れ時々ジャズ

ポケットに裸で押しこんであるので盤面キズだらけかも。このレーベルのディスクは全てCD-Rです。


(7) 気になるピアニストFrancois Chesnelを聴くために入手。


(8) Francois Chesnelのリーダー作。個人的に注目してるYoann Loustalot (tp, flh)も参加。


(9) Jean-Charles Richardを聴くために入手。Benjamin Moussay (p, clavier)、Antoine Banville (ds)といった気になる面々も参加。


(10) ヴィブラフォンにベースとドラムのトリオ。ドラマーはEmiko Minakuhi Trioのセカンドアルバムに参加してたElie Duris。


(11) 9人の監督によって撮影されたフランス各地のジャズフェス10編からなるドキュメンタリーを収めた5枚組DVD(PAL方式)。出演者の総勢は15の国々の220人で、もちろんフランスのジャズミュージシャンも大勢。フランスの“今”を知る格好の材料となりそう。
うひひ...これほどの家宝級DVDを私が放っとくわけないやん。未開封ですがこれもノート綴じになってます。


出演者のクレジットを含む詳細なプレゼンテーション(フランス語だけど)は、コチラのPDFで。

http://www.oleofilms.fr/wp-content/uploads/2012/10/DVDjazzlive-.pdf


多彩で観応えたっぷりの関連リンクを貼っときます。おうちでジャズフェス、貴方もいかが?

http://www.my-jazzlive.tv/



クラシック音楽ファンで元ピアノ講師の友人Kさんが、「デニス・コジュヒンのこと、もっと知りたい」というので、24日に見つけたYouTubeを貼っときます。


2011年2月25日に東京の浜離宮朝日ホールで行われたデニス・コジュヒン ピアノ・リサイタルの模様です。54:47と長いので、お時間のあるときにどうぞ。


「ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.ⅩⅥ-49」 ハイドン作曲
                              
「超絶技巧練習曲から」            リスト作曲
  1.前奏曲                       
  2.イ短調                       
  3.風景                        
  7.エロイカ                      
 10.ヘ短調                       
 11.夕べの調べ                     
  4.マゼッパ 




YouTube / Denis Kozhukhin Piano Recital 2011. 02. 25


http://www.youtube.com/watch?v=hdEMmhWl3Qc  






クラシック音楽愛好家の皆様、ピアニストのDenis Kozhukhin(デニス・コジュヒン / 1986年 ロシア生まれ)をご存じでしょうか?


何も知らず偶然にYouTubeの音源(動画無し)


http://www.youtube.com/watch?v=zmcB38c6kq8


で演奏を聴いて、うわっ、これ誰?!と思ったのでググってみると、来日公演の演奏に感動して詳しくレビューを書かれているかたのブログに辿りつきました。このかたは、デニス・コジュヒンはバッハ、ハイドン、ショパン、リスト、ブラームス、ラフマニノフ、プロコフィエフ、リゲティ...と、どの時代のいかなる難曲においても技術と表現の深さの両面において完璧な演奏をする素晴らしいピアニストであると絶賛されています。

おおっ、そうなんや♪と、さらにデニス・コジュヒンについてリサーチして行きますと、今年の1月にアルバム(プロコフィエフ / ピアノソナタ第6番イ長調 Op.82 第7番変ロ長調 Op.83 第8番変ロ長調 Op.84)がリリースされたばかりというじゃーあーりませんか。
また、6月には東京でピアノコンチェルトを演奏するのだとか...。ソロ公演なら是非とも聴きに行きたいところですがピアノコンチェルトかぁ...と、迷っておりますが、アルバムだけは注文しておきました。プロコフィエフはチャイコフスキー以降の作曲家だから、ジャズ愛好家の私でも大丈夫。


御用とお急ぎでないかたは、デニス・コジュヒンのホームページへどうぞ。アルバム試聴や動画鑑賞も出来まっせ。


http://deniskozhukhin.com/




クラシック音楽のピアノ関連でもうひとつ。

昨年、ドキュメンタリー映画「ピアノマニア」が上映されましたが観に行けず残念でした。が、4月に日本語字幕付きDVDが出ます。これも予約注文済み。ピアノのYちゃんせんせと友人Kさんとの女子会でDVD観賞会しよっと♪


映画「ピアノマニア」のホームページはこちら。


http://www.piano-mania.com/




クラシック音楽関連をさらにもうひとつ。


今年も行きます!ラ・フォル・ジュルネ びわ湖 「熱狂の日」 音楽祭 2013。

「L'heure exquise / 至福の時」というタイトルで、19世紀からのフランスとスペインの音楽がテーマです。タイムテーブルも公開されましたので、さっそくプリントアウトしておきました。
私が気になるのは、Juan Manuel Canizares(フアン・マヌエル・カニサレス)のフラメンコギター。


カニサレスのYouTube貼っときます。


http://www.youtube.com/watch?v=2IRTxHpG798




さてと、今から、私の下手でダメダメなピアノの練習だっ!



ノルウェイジャズでも開拓するか。と、レーベルのサイトで試聴してすぐにピンと来たのが購入のきっかけです。気ぃついたら試聴を繰り返すこと20回以上。とにかく聴いてて気持ち良かったんですね。で、入手して聴いたとたん、あんだけ試聴しまくってたにもかかわらず1曲目でえらく感動してしまい、アルバム全編でそれはそれは鮮烈な印象を受けました。

リーダーのOLA KVERNBERGは知らんなと思っていたら、TRONDHEIM JAZZ ORCHESTRAのメンバーだったんですね。確か土中保存のドングリん中にそれが混じってるからあとで聴いてみよ(汗)メンバーのEirik HegdalとOle Morten Vagan以外は知らない人たちばかり。そのうえダブルカルテットにトランペットという9人編成ですからミュージシャンの聴き分けなどはちゃんと出来ませんし、本作の素晴らしさを言葉でうまく表現出来るかどうかも分かりませんが、書いてみることにしました。


Jazzlandといえばノルウェイで最も先進的なジャズレーベルで、フューチャージャズのイメージが強いかもしれません。が、本作のサウンドはアコースティックが主体であり、エレクトロニクスは音楽の美を創り出すための手段として必要最小限の範囲で用いられています。
バイオリン、ビオラ、トランペット、サックス2人、ベース2人、ドラム2人、という非常に珍しい編成に
よる演奏は、熱いアドリブソロやフリーインプロを楽しめるという点で紛れもないジャズなのですが、バイオリンとビオラがいてベースもアルコを多用していますので室内楽的な趣もあります。まるでメンバー全員が音の糸を紡いで創り上げる繊細で美しい織物のようだと感じるアンサンブルには強烈な印象があり、入念で緻密なコンポジションと誰にも似ておらず誰も真似出来ないであろう唯一無二の音楽性によって、普通のジャズとはかなり趣が異なっています。まあ、そもそも私がこうしてここに書くということは、普通のジャズなどではないわけですけども(笑)


本作は、8曲全てリーダーのOLA KVERNBERGによるオリジナルでプロデュースも本人です。彼の演奏と作曲はもちろんのことリーダーとしての力量も際立っており、実際に音に触れると、これらの曲にこの編成と人選は必然であったろうと想像が出来ます。それから、本作にBjorkの影響を感じてしまうのは私だけでしょうか?ま、それはさておき、ジャズとかポップスとかいうジャンルを越境したところで音楽の普遍的な美しさを持つ作品に仕上がっていて難解さも無いという点において、先ずはこのアルバムを高く評価したいです。


1曲目のLiarbirdの美しさを言葉で表現するのは難しいです。ルネッサンスの名画じゃあるまいしそんなこと言われても...と笑われそうですが、今にも天空から一条の光とともに天使(天女でもいいけど)が降りて来るんじゃないかと思えるほどの繊細極まる壮麗な室内楽的アンサンブルは感動ものです!バイオリン、テナー、トランペットが、優しく温かい音色でソロを綴って行くと幸せすぎて涙が出そう。
2曲目のBoogは、雄大なサウンド。優雅な宮廷音楽のようでもあり、そのオリエンタルなムードがたまらな
く良い。
3曲目のBuon'Animaは、嘆きと悲しみを表現しているのでしょうか。中間部はフリーとなりしだいに激しさ
を増す。
5曲目のViljeは、神々しいとさえ感じるほどの美しさと安らかさ。いや、もちろん行ったことありません
けどね、天国ではきっとこういう音楽が流れてるんとちゃうかなあ。トランペットソロの安定感抜群な丸みを帯びた音色のなんと柔らかで美しいこと。
やはり室内楽的な雰囲気を持つ6曲目のOleroは、ラベルのボレロを聴くのに似て、脈打つような一定のリ
ズムに乗せた同一メロディーの反復が続く中、楽器が入れ替わり立ち替わりしつつ趣が刻々と変化して行くのを味わう曲。
ジャズロック色の濃い7曲目のCobbは、ドラム大活躍にChris Squireが乗り移ったかのようなエレベ。テナ
ーソロも激しく盛り上がり、バイオリンソロ以降はまるでプログレのようじゃありませんか。後半ガラリと趣が変わってトランペットソロが入りさらにテンションが上がると鳥肌ものでっせー!この曲に限りませんが、Mathias Eickのトランペットの音色は実に美しく安定感が抜群で、そのうえ、瞬時にその音色をマットにも艶々にもいかようにも自在に変化させられるという技術に秀でていて凄いです。
8曲目のSpannungは、波打つような3拍子にエレクトロニクスを配したシンフォニックなサウンド。幻想的
で心安らぐといった感じでしだいに盛り上がりやがて静かに締めくくられる。


ちなみに、このアルバムは2011年にリリースされ、同年度のSpellemann(ノルウェイのグラミー賞)のジャズ部門で賞を獲得しています。公的機関がジャズを多方面からバックアップしているノルウェイでは、ジャズミュージシャンが育つ環境が整っているものと思われ、実際に優秀な若手ジャズミュージシャンを多く輩出していることから、今後もノルウェイジャズに注目せねばと思っています。


最後に、開設の3年後くらいから私がちょくちょく訪れて現在進行形ジャズの情報源として参考にしている有用なホームページがありますので、もうご存じのかたも多いでしょうけれど、この機会に紹介させていただきます。
http://www.grinningtroll.com/


本作とそのメンバーに関してはここに詳しく書かれていますので、ぜひ参考になさってください。
http://www.grinningtroll.com/pickup/pickup201105/pickup201105.htm


御用とお急ぎでないかたは、Ola Kvernbergのホームページへどうぞ。
http://www.olakvernberg.com/


Jazzland Recordingsのサイトで本作の試聴が可能です。
http://www.jazzlandrec.com/


■ OLA KVERNBERG / LIARBIRD (Jazzland Recordings 278 342 6)
Ola Kvernberg (violin, bass violin, viola, acoustic guitar, mandolin, double bass, piano, percussion, vocals)
Bergmund Waal Skaslien (viola, vocals)
Eirik Hegdal (soprano, sopranino and baritone saxophone, vocals)
Mathias Eick (trumpet)
Hakon Kornstad (tenor saxophone, flutonette, vocals)
Ingebrigt Haker Flaten (double bass, electric bass, electronics, vocals)
Ole Morten Vagan (double bass, vocals)
Erik Nylander (drums, percussion)
Torstein Lofthus (drums, percussion)


入手先:Amazon(通販)

ブログ、ほったらかしですんません。ううう...。


アーティチョークは元気です。下手なピアノも楽しく続けております。本日、YちゃんせんせのレッスンでTarantellaっていうお気に入りの曲にようやく花丸が貰えました。Tarantellaにもいろいろあるわけですが、私が花丸貰ったんは簡単で短い曲です。はい。よくは分かりませんが、アーティチョークのピアノは、おそらく初級の出口か中級の入り口あたりでウロウロしてる程度のレベルじゃないかと思います。


さて、とっくに届いてた12個のドングリだけでも書いときましょか。(8)(10)(12) は未聴。


(1) ■ NILS WOGRAM SEPTET / COMPLETE SOUL (Nwog Records)
(2) ■ EMILE PARISIEN QUARTET / CHIEN GUEPE (Laborie Records LJ15)
(3) ■ JEAN-PAUL CELEA / YES ORNETTE ! (Outnote Records OTN 016)
(4) ■ NICOLAS FOLMER & DANIEL HUMAIR PROJECT / LIGHTS (Cristal records CR195)
(5) ■ DANIEL HUMAIR / SWEET & SOUR (Laborie Jazz LJ19)
(6) ■ PARIS JAZZ BIG BAND / SOURCE(S) (Cristal Records CR202)
(7) ■ YOANN LOUSTALOT / DERNIERS REFLETS (Fresh Sound New Talent FSNT412)
(8) ■ NICOLAS MASSON / THIRTY SIX GHOSTS (Clean Feed CF163CD)
(9) ■ HUGO CARVALHAIS / PARTICULA (Clean Feed CF253CD)
(10) ■ SYLVAIN BEUF / ELECTRIC EXCENTRIC (Such Prod SUCH003)
(11) ■ YARON HERMAN / ALTER EGO (ACT Music + Vision 9530-2)
(12) ■ PIERRE DE BETHMANN / GO (Plus Loin Music PL4551)


(3) (5) (9) (11) は、EMILE PARISIEN参加。
EMILE PARISIENは今年の1月15日、共に最終選考に残ったBaptiste Herbin(何者?)とStephane Kerecki(要注目のベーシスト)を押さえ、2012年度のPrix Django Reinhardt (musicien francais de l'annee)を獲得しました。フッフッフ...彼ほどの人ならば、そしてこれまでの多方面での活躍ぶりを考えると受賞してあたりまえですわ。関連ページ貼り付けとこ。


EMILE PARISIENは知らんので顔だけ見とこかってかたはコチラ↓を。
http://www.laboriejazz.com/fr/emile-parisien-musicien-de-lannee-2012-prix-django-reinhardt-de-lacademie-du-jazz/


EMILE PARISIENはどーでもええから他に誰と誰が受賞したん?と気になるかたはコチラ↓をどうぞ。

http://academiedujazz.com/palmares.html


(7) じぇんじぇん知らないフランスのトランペット&フリューゲルホルン奏者です。購入の動機は、マイナーレーベルPetit Labelからリーダー作を出し、RENZA-BOというバンドのピアニストでもあるFRANCOIS CHESNELが参加して1曲提供もしていることから。で、ここまで書いて気ぃついたんですが、FRANCOIS CHESNELのリーダー作には、YOANN LOUSTALOTも参加してました。FRANCOIS CHESNELの演奏は、重厚で美しくセンスの良い和声感に特徴があって、個人的に凄く気になるピアニストなんですよね。Petit Labelは入手が難しいので、CHESNELのリーダー作は入手出来ておりません。
さて、もといっ!YOANN LOUSTALOTの演奏技術は確かで美しい音色。いい意味で色気がありつつクールな雰囲気でなかなかよろしいじゃありませんか。ふとTOMASZ STANKOを思い出してしまったのですが、よう見たらこのアルバムの1曲目のタイトルがpromnade avec Tomaszとなってました。全体に癒される音で聴きやすいアルバムですが決して軟弱ではなく、独創性のある作曲に才能を感じました。

http://www.yoannloustalot.com/


(11) お気に入りのEMILE PARISIENが参加しているからか、YARON HERMANのアルバムの中ではこれが一番好きかなあ。独特のユダヤ風味が少なくなったから(私が慣れてきたのか?)かもしれませんが。




*本日のオマケ(電車の中に猫:YouTube)


http://www.youtube.com/watch?v=DBvorfkpA74


こりゃ香箱座りで完全にリラックスしてますな。ニャンコのその後が気になりますが。




大のお気に入りEmile ParisienがDave Liebmanの後釜としてJean-Paul Celeaと演奏活動していたことは前々から知っておりました。で、早よアルバム出ぇへんかしらんとウズウズしておりましたので、オンラインに登場するやいなや「トオーッ!」と跳びかかってガシッと捕獲。
最初に書いておきますが、今回の獲物はとびきりの上物ですぜ。何しろこの3人ときたら、そらもう凄いんです。こいつぁー傑作だとはっきり言ってしまおう。当然、今年聴いたアルバムの第1位は確実。バランス、音質ともに録音が抜群に良いです。


本作は、全12曲中、Ornette Colemanが11曲。Jean-Paul Celeaのオリジナル(ベースソロ)が1曲。
アブストラクトな表現が大半を占め、完璧にユニゾったり、反応しあったり、ビシッとキメたり、スウィングするかと思いきやルバートになって聴き手を焦らしたり...と縦横無尽な感じがしてスリリングな展開が多いですが、かといって行き当たりばったりな演奏など一つも無く、洗練されたアレンジで入念に練られた跡がうかがえますし、非常にソリッドに構築されていて作品としての完成度も高い。三者ともに演奏レベルがとてつもなく高いうえに表現力も豊かで、美しいと感じる場面も多いです。
無駄な音が無くて全く隙が無いハイテンションな演奏なのに、超一流ミュージシャンの余裕が創り出す音楽だからでしょうか、聴いていて凄ーく気持ちが良いです。私は、本作を聴き終える度に、今までジャズという音楽を聴いてきてほんとに良かったなー、あー幸せっ♪て思います。しかし、この人たち、ライヴはもっと凄いんでしょうねー。


本作には長尺な曲が無く、最長でもLonely Womanの5分38秒で、3分未満が5曲もありますが中身が濃いために短さを感じません。どの曲も聴き応え満点ですが、特に気に入ったのは、寂寥感、孤独感を過不足無く繊細極まる演奏で表現して聴き手に訴えかけてくる6曲目のLonely Woman。それから、Emile Parisienのソプラノサックスが信じられないような不思議な音色を発していて驚かされる10曲目のAllotropes, Elements Different Forms Or Same。そしてアルバムのラストを飾るCosy Pentyは、とても複雑で、優しく美しくも力強いベースソロ。いやもう、お見事の一言です。


さて、私は、このブログでEmile Parisienのことを何度も絶賛してきましたが、彼の才能はもっともっと注目されるべきですね。本作を聴いて強く感じたことですが、彼は常に進化しているのでは?いろんなミュージシャンからオファーがかかるのも当然で、これからの活躍がますます楽しみですねー。


*オマケ
現在進行形のジャズミュージシャンが度々取り上げていることもあり、Ornette Colemanの曲に触れる機会はけっこうあったように思います。が、私、Colemanのアルバムは一枚も持っておりません。で、この機会にと思い、Colemanの原曲ってどんなんかいな?と、本人のアルバムから少しだけ試聴してみたんですが、いやはや、あれほどまでにヘンテコリンなジャズがあの時代に既にあったということにまずビックリ仰天!(笑)ひょっとして演奏、下手?とか、リズム感も無いんとちゃうか?とか、コードもへったくれも無い?とか、思ってしまいました(Colemanさん、ゴメンね)。
私にはOrnette Colemanの偉大さの程がよく分かりませんが、この人がいなかったなら本作のような優れた作品も世に出ないわけで。ということで、Colemanさん、ありがとね♪


■Jean-Paul Celea / Yes Ornette ! (Outnote Records OTN 016)
Emile Parisien (ss)
Jean-Paul Celea (b)
Wolfgang Reisinger (ds)


入手先:Amazon(通販)