晴れ時々ジャズ -8ページ目

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

お天気だった昨日、またまた田舎道を歩いていい汗かいてきました。往復約12キロメートルのウォーキングは、短過ぎず長過ぎずで、私ら中年夫婦にはちょうどいい距離でしたわ。

最初の休憩ポイントだった西飼神社です。





大江山の酒呑童子を征伐せよとの命を受けた源頼光らが出陣する際に、地頭の住民がここ西飼神社で太鼓を打ち鳴らして送り出し戦勝を祈願したとされる伝説が地頭太鼓として伝承されていて、現在は保存会の皆さんによってお祭の日に地頭太鼓が奉納されるそうです。
地頭太鼓を打つ時のフォームは、戦勝を祈る意味から、ブチ(バチ)を下から上へと打ち上げるとのこと。

検索してたら動画を発見したのでURL貼っときます。


http://www.youtube.com/watch?v=EcYxTlgOKWM


ぐるぐるピアノっていうのがあるんですけど、この地頭太鼓でやっているのは、ひょっとしてぐるぐる太鼓?なわけないか(笑)



神社を後にして坂道を降りる途中で「わー、奇麗なヘビ!」と撮影したのが、マムシより強い毒を持つヤマカガシの幼体だったと後で分かってびっくり。



とってもお洒落でカラフルですねー。幼体でも毒はあるんだろうか。






さて、ウォーキングの後の腹ごしらえは、予約していた海のすぐ近くにあるカフェ、Fon Din(フォン・ディン)。お目当ては、1日10食限定というタイ料理のランチです。このお店は、絵本サークルのメンバーSさんが教えてくれました。


こんな看板のある海沿いの駐車場に自動車を止め、





少し歩いて辿りついたお店は、普通の民家でした。





空腹の末にようやくありついたお昼ご飯。んー!おいしーっ♪



と、食べてから思い出して撮影(笑)


地元産の食材を使い、調味料にもこだわっているので、身体に優しそうです。


なんかここは、店の中というより気の置けない友達んちか自分ちに居るみたいでとってもリラックスしてしまい、ウォーキング後の心地よい疲れもあって昼寝しても許されるよねという錯覚に陥ってしまった私たち(笑)
だから眠気覚ましというわけじゃないけれど、ランチが美味しかったので食後のコーヒーも注文。






音楽大好き人間の私は、店内のBGMがとっても気になる。低いボリュームで流れていたのは、タイのポップスなのかな?お店のBGMのセンスがいいと、それだけで嬉しくなってしまう。

縁側の椅子席でお茶しながら、外を通りかかる猫を眺めたり、ツバメのさえずりを聴いたり、本棚の書物を読んだりして、ゆったりダラダラと過ごしました。


ちょっと隠れ家的な雰囲気があって、とっても寛げるカフェ、Fon Din。また行きたいな。


店主のブログはこちら。


http://fondin.jugem.jp/




私は近畿地方の日本海側に住んでいます。この辺りでは、秋から冬にかけての天候の急変を表す「うらにし」という言葉があり、「弁当忘れても傘忘れるな」という諺があります。太平洋側に比べて日照時間が少なく湿度が高いので、湿度計の針が40パーセント以下を示す日は一年のうち僅かしかありません。
何だかうっとおしく暗いイメージがするかもしれませんが、女性の美肌にとっては最高の土地でしょうし、実際に美人が多いと私は思っています。えー、私がではなく私のまわりに美人が多いという意味です。はい。

ついでに書きますと、ここは特に四季折々の海の幸が絶品なんです!当地は転勤族が多いのですが、ここを離れてもその美味しさが忘れられず、海の幸を食すという唯一の目的を持ってわざわざ遠くから何度も泊りがけでやって来る人がいるほどです。


あ、本日のお題から話がそれてしまいました。


こういう土地柄なので、晴れの日の主婦はとっても忙しい。快晴で空気が乾燥した状態が続いた先週のある日、「それーっ!」とばかりに家中の窓や戸や扉という扉を開け放して風を通し、お布団を日に干し、午前中いっぱいかかって掃除・洗濯・整理整頓に専念。

「やれやれ、すっきりしたなっ♪」と思っていたら、「あー、これこれ、一番大事なことを忘れたらあかんよ」という天からの声が。「なんやったっけ...?」と、しばらく考えたのち思い出しました。


それは、オーディオのメンテナンス。


そういえば見えるとこだけ奇麗するだけで、あとのことは一年くらいほったらかしになってた...。

「こら、あかんわ!」と、お昼御飯をささっと済ませ、午後は機材とオーディオラックやスピーカースタンドやその後ろ側の床や周辺の念入りなお掃除に突入。

次に、ケーブル類を全て外して雑巾で拭き、接点やプラグの金属部分を磨き、スピーカーケーブルの端末を切って新しくし、アナログプレイヤーのターンテーブルが水平かどうか確認してからトーンアームを調整し直して...と、思いつくことを全て実行に移しました。


一連の作業を終えてからリフレッシュしたオーディオで古いLP聴きながら飲んだコーヒーの美味しかったこと!

「次回のメンテナンスは、遅くとも秋には必ず実行するぜ...」と、反省も込めて固く心に誓ったアーティチョークでした。




*本日のオマケ


オーディオだけでなく人間もリフレッシュしようということで、快晴となり今年の最高気温も記録した先週の土曜日、田舎道を峠まで歩いて気持ちのいい汗をかいてきました。

春風に吹かれて歩きながら淡い春色に染まった山々に見とれ、小鳥や蛙の鳴き声を聴き、道端の野花を愛で、チョウチョやトンボが飛ぶのを眺めるのは楽しかったです。



水の引かれた田んぼに満開の八重桜が映って




日陰に咲くイチリンソウ




とある古民家で築山や池のある立派なお庭を拝見




田んぼの畔に咲くタンポポ




歩く夫の帽子でひと休みのイトトンボ






Stephane Kereckiの新譜が5月にリリースされます。アルバムタイトルでお分かりのように、ゴダールやトリュフォーなどの映画音楽を取り上げているようです。


■ Stephane Kerecki Quartet feat. John Taylor / Nouvelle Vague (Outnote Records)
Stephane Kerecki (b)
Fabrice Moreau (ds)
Emile Parisien (ss)
John Taylor (p)

Guest : Jeanne Added (vo)

http://www.stephanekerecki.com/  


この新譜では、サックスがMatthieu DonarierからEmile Parisienに、ドラムがThomas GrimmonprezからFabrice Moreauに交代してます。



いっぽう、今回の新譜には参加しなかったMatthieu Donarierは、4月に別のプロジェクトで新譜を出していました。Donarierとvan Veenendaalの出会いは2009年で、これがデュオとして初のアルバムと思われます。


■ Matthieu Donarier & Albert van Veenendaal's Planetarium / The Visible Ones (Clean Feed Records CF296)
Albert van Veenendaal (p, prepared piano, objects)
Matthieu Donarier (saxophones)


http://www.cleanfeed-records.com/disco2.asp?intID=449  


Matthieu Donarierのホームページ貼っとこ。


http://www.matthieudonarier.com/  


Albert van Veenendaal(蘭)は全く知らない人。ホームページ貼っときます。


http://albertvanveenendaal.nl/




Kartetの2作目Pressionと5作目のThe Bay Windowsは入手したものの、1作目、3作目、4作目を入手できずうかうかしているうちに、今年2月に前作から7年振り6枚目となる新譜が出たのでトォーッ!と飛びついて捕まえました。


Benjamin Henocq → Chander Sardjoe → Stephane Gallandとドラマーの交代だけはあるものの、ジャズのバンドとしては息長く活動してきており、今年は結成25周年だそうです。2011年にRadio Franceで行われたコンサートでは既にこの新譜の曲を演奏しておりますので、機が熟すのを待ち、結成25周年を祝う新譜としてリリースしたということなのでしょう。


一度聴くと忘れ難いほどの鮮烈な印象が残るKartetの演奏は、しかしながらたとえテーマがある場合でも調性感を避けた音作りのためメロディーラインが記憶に残りにくく鼻歌で歌えるような分かりやすさとは対極にあります。聴き手である私の音楽的な理解が及ばないという意味においてごくたまーに“わけわからん状態”になることも白状しておきます(笑)が、Kartetの作曲と演奏は一流であり納得のいく確かなものなので、この“分からなさ”もまた面白く聴けてしまう。私はKartetを聴くのが凄く好きですし、その実力を高く評価しています。アヴァンギャルドとは、まさにKartetのためにある言葉ではないでしょうか。


Kartetの創り出すサウンドには、常に調性を感じにくい不安定さの中に独特の美しさがあって、聴いていると何処へ連れて行かれるか分からない不安感と夢の中でさまようような不思議な感覚に包まれてしまいます。実験精神が旺盛であり、凝りに凝った変拍子や奇妙なオスティナートや難易度の高いユニゾンのキメを多用し、時にM-BASE色が濃厚となったり、入念に作り込まれた部分とインプロとが入り組みつつあるいは重層しつつ進行するなど、これらの手法がかなり高いレベルで独自の美学として確立されており、このバンドにしか創り出せないスタイルが完成しているんですね。
感心するのは、複雑さを極めた難曲であってもそれを聴き手に感じさせることなくさらりと(時には大らかと言えるほどに気楽な感じで)やってのけるところ。そんなKartetの演奏は、とってもクールで、知的で、格好いい!


器楽ジャズを本格的に聴き始めてからまだ12年ほどしか経っていない私ですけれど、なんでこういうジャズが好きなのか自分でもよくわかりません。私が音楽に求めるものが癒しとか心の安らぎではなくて、先の読めない意外性や驚きだったり刺激や興奮だからかもしれませんね。そして、この12年の間フランス中心にジャズを聴いてきたなかで気に入ったミュージシャンの追っかけをずっとしてきて辿りついた先で見つけた大収穫の一つがKartetであることは確かです。


Kartetに関連するページを貼っときます。


Hubert Dupont (b)のホームページより。
http://www.hubertdupont.com/Kartet.htm


こちらでは、音源のほかRadio Franceでのコンサートの動画(1:02:01)もあり、新譜の曲を演奏しています。アヴァンギャルドジャズに目が無いそこのアナタ、Kartetはチェックですぜ。
http://www.ultrabolic.com/kartet


新譜を含む6枚のアルバム情報。
http://ultrack.net/?page_id=157&lang=en


■ Kartet / Grand Laps (Songlines Recordings SGL 1605-2)
Benoit Delbecq (p)
Guillaume Orti (as)
Stephane Galland (ds)
Hubert Dupont (b)


入手先:Amazon(通販)

ウン十ウン年振りにピアノを再開すると決め、2011年3月1日にYちゃん先生のレッスンが始まってからちょうど3年が経ちました。テキスト4巻目の途中まで進み、難しくなるにつれて1曲仕上げるのに2カ月がかりてなこともありますが、そんなダメダメな私をいつも根気良く丁寧に指導してくださるYちゃん先生に感謝です。
最近、平行して練習していた2曲が同時に花丸を貰えました。私的には2曲ともいまひとつの出来だったのですが...「演奏の仕上がりに完璧を目指すとキリ無いし、先に進まれへんよ」と、ピアノ友達のKさんに言われておりますので、これでよしとします。


さて、本題。


私にとってのChick Coreaは、大人になってから聴いて衝撃を受けたRomantic WarriorとMad Hatterの人なのですが、そのChick CoreaがChildren's Songsというピアノ小曲集のアルバムと楽譜を出していたことを知ったのはつい最近のことでした。
さっそくYouTubeで全曲試聴してみると、これが私の好みにドンピシャじゃありませんか。No.1からNo.20までのどの曲にもこの人に特有のメロディーラインや和声感が生かされていて、特にNo.6やNo.12などは、Chick Coreaの個性が色濃く出ていますね。
偉大なジャズピアニストが書いた素敵な小曲集に出会えただけでなく、こんな私でも弾けそうだということでわくわくしてます。


No.1は、すやすや眠っている赤ちゃん。No.2は、よちよちと危なっかしく歩く赤ちゃんが最後の4小節で無事にお母さんの腕に抱きとめられて安堵する。No.5は、ダイナミックな中にも子どものあどけなさを表現しているかのようなメロディーライン。No.6は、自分の思い通りにならなくて泣きじゃくる子ども。No.7は、コロコロとあちこち動き回って夢中で遊ぶ子ども。No.14は、6歳くらいの子どもたちがちょっとした冒険に意気揚々とお出掛け中...。と、作曲者の意図とは全く関係なく勝手に情景を思い描いて楽しんでおりました。どの曲も魅力的ですが、一番のお気に入りはNo.3。シンプルなのに言葉では表現出来ないミステリアスで独特な美しさを持った曲ですね。


さあ、聴いてるうちにどうしても自分で弾いてみたくなりました。過去に全音から出ていた楽譜は絶版なので、手に入ったのは輸入物です。ペダルの指示が省略してあるので実際に弾いてみながら工夫する必要があることと、曲によっては記譜されていない装飾音や前奏があることも分かりました。
とりあえず一番お気に入りのNo.3だけはコピー譜にYouTubeで聴き取った装飾音や付け加えられたオタマジャクシを書きこんでからピアノでちょこっと弾いてみました。
この小曲集を自分で弾いて楽しむのもありですが、やはりYちゃんせんせに指導していただくことにしました。注文したCDが届いたら、YちゃんせんせにCDとコピー譜をお預けしてチェックしていただきましょう。


花丸2つ貰ったレッスンの日、Chick Coreaについて少し語り、Children's Songsの楽譜をお預けしてレッスンをお願いしてみますと、Yちゃんせんせは「アーティチョークさんにも弾けますから大丈夫」と言ってくださり、パラパラとご覧になっただけで「こういう曲がお好みなら、バルトークのミクロコスモスというのもありますよ」と楽譜(第5巻)を見せてくださいました。私の場合、Yちゃんせんせのように楽譜見た瞬間に頭ん中で音楽鳴らせませんので、これ書きながらYouTubeで第4巻~第6巻あたりを聴いてみましたが、曲によってはひどく無機的に感じてしまい(練習曲集だから?)、ミクロコスモスに関してはバルトークの良さが理解できませんでした。


Children's Songsの中に、レパートリーにしたい曲がたくさん見つかりました。ああ、嬉しいな。これでまた楽しみが一つ増えました。


Chick Coreaの曲を弾いてYちゃんせんせはどうお感じになるかな?

注文したChildren's SongsのCD、早く届くといいなー。



Chick Corea / Children's Songsを全曲いっぺんに聴きたいかたはこちらへどうぞ。


http://www.youtube.com/watch?v=mEoUuVBQjtI





*どうでもいいオマケ


一昨日の我が家で本当にあった中年夫婦の会話


私「チック・コリアっていう人、知ってる?」
夫「知ってる知ってる!」
夫「ジャズの」(うん、うん)
夫「有名な」(そうそう!)
夫「ギターの人やろ?」
私「...(涙)」


ここまで書いてたら急に、夫がチック・コリアと勘違いしてたジャズギタリストのことがもの凄ーく気になってきた(笑)夫がアル・ディ・メオラを知ってるとは思えんし。うーむ、いったい誰のこと?それにしてもチック・コリアに似た名前のギタリストが思い浮かばん。あーっ、まさか...チャック・ベリーとちゃうやろね?(笑)
今晩、夫が帰ってきたらさっそくきいてみよ。


(続きは今晩遅くか後日にこのページにて公開予定)


さ、アホなこと書いてんと、今からピアノ練習しよっと。




*どうでもいいオマケの続き


今日の我が家で本当にあった中年夫婦の会話


私「ねえ、チック・コリアと勘違いしてたギタリストって誰やったん?」
夫「名前忘れたけど、日本によく来てたフランス人の...」
私「フランス人?昔の人?」
夫「うん」
私「あ、ひょっとして、えーっと、クロード・チアリ?」
夫「そうそう!」
私「ギャハハハハッ!」(豪傑笑い)


私は、クロード・チアリって、名前だけしか知らんのですけどね。


私「そういえば、たしかボブ・ジェイムズのLP持ってたよね?」
夫「うん、コンサートにも行ったことあるよ」
私「へえー」
夫「マンハッタン・トランスファーが一緒に来てたなあ」
私「ほおー」


私はボブ・ジェイムズもマンハッタン・トランスファーもあんまりなので、それ以上は会話が続かない中年夫婦であった。


以上、ちっとも面白くなくてすみません(-"-)


アーティチョークは、ビッグバンドなどの大編成によるジャズ(コンテンポラリーに限る)も大好き。
で、ちょっと久しぶりにGrands Formats(フランスで2003年に創設された大編成ジャズバンド連盟)のサイトをチェックしてみた。


http://www.grandsformats.com/


今年は設立10周年(一年遅れの?)を祝ってGrands Formats主催のジャズフェスを5~6月の約40日間にわたりフランス内外で開催するんですと!


http://www.grandsformats.com/osez-le-jazz-panoramique-festival-decentralise-des-grands-formats/


2009年に24団体だったのが現在は37団体に増えてますし、これは凄いコトになりそうですよ。ひょっとして欧州のジャズ史に大きな足跡を残すユニークなフェスになるのでは?いやー、ワクワクしますねー。あ、なんだか急にフランスへ移住しとうなってきたわ(笑)ま、移住は無理として、せめてこのジャズフェスのDVDをドドーンと10枚組くらいで出してくれへんかしらん。頼むで。


さて、Grands Formatsに新しく加わった団体の中で特に注目したいのがPierre de Bethmannの新プロジェクトPierre de Bethmann Medium Ensemble。て、捻り無しそのまんまのネーミングやん(笑)ちなみに、Grands Formatsに加盟できるのは最低8人以上の編成だそうです。


http://www.grandsformats.com/Membres/pierredebethmannmediumensemble/


錚々たる12人のメンバーをここへ磔の刑(コピペともいう)にしとこ。


Pierre de Bethmann (p)
Chloe Cailleton (voix)
Stephane Guillaume (fl, ts)
Sylvain Beuf (ts)
David El-Malek (ts)
Thomas Savy (bcl)
Sylvain Gontard (tp)
Denis Leloup (tb)
Camille Lebrequier (frh)
Bastien Stil (tuba)
Simon Tailleu (b)
Franck Agulhon (ds)


アルバムは、Plus Loin Musicから4月にリリースされるようです。楽しみー。


http://pierredebethmann.com/fr/


Grands Formatsのサイトで他にもいろいろ探してみよっと。





*本日のオマケ


コミカル連弾:Big Tiny Little & Jo Ann Castle


http://www.youtube.com/watch?v=iWB_F0ZYd_A



新音楽監督Olivier Benoit (g)のOrchestre National de Jazzが、今年2月1日にデビューコンサートを行ったもよう。


Olivier Benoitについては、Circum-Discというレーベルから出ているアルバムを2枚購入していて、コンテンポラリーでロック寄りなところが気に入って今でもたまに聴いています。彼は、自己のバンドHappy Houseでアルバム2枚、作曲とギター担当のCircum Grand Orchestraでは2枚、またギターソロアルバムを出すなど、Circum-Discレーベルでは12作品に関わっています。
また、彼は2つのラージアンサンブルLa PieuvreとCircum Grand Orchestraを合体させたLa Pieuvre and Circum Grand Orchestraの作曲と指揮を務め(演奏はしてません)、昨年Feldspathというタイトルの2枚組アルバムを同レーベルから出したばかり。La Pieuvreのアルバムは手元に無いので編成は存じませんが、Circum Grand Orchestraのほうは管楽器5人とピアノ1人にギターとベースとドラムがそれぞれ2人ずつという編成。で、合体後のLa Pieuvre and Circum Grand Orchestraは管楽器の他にギター4、ドラム3、ウッドベース2にエレベ3、ピアノ1、キーボード2、ギター4、ヴォイス2(ポエトリーリーディングを含む)という非常に珍しい編成の32人という大所帯になってます。
私、Pieuvre and Circum Grand OrchestraのアルバムFeldspathは買ってませんよ。だって去年ここ見つけて連続鑑賞できたもん。


http://www.youtube.com/playlist?list=PL6dH_wJYjOvOud0nJm7-tJdHUlIbeqc6o


インプロ多めで、指揮者が演奏者に委ねつつ進行する場面も度々ありますので好き嫌いが分かれそうですが、思い描いていた音が自らの指揮によって演奏に表現されて行くというのは、きっと得も言われぬ快感だろうなーなどと思いながら面白く観てました。


さて、本題。
気になる新生ONJのメンバーにEric Echampard (ds)とBruno Chevillon (b)がいるじゃありませんか。キャーッ、嬉しーっ!(黄色い声)
あとは十把一絡げにしてONJ(2014-2017)のメンバー構成を貼っときます。メンバーのほぼ全員がパリに活動の拠点を定めて活躍中のミュージシャンばかりですな。


OLIVIER BENOIT (artistic director, guitar)
BRUNO CHEVILLON (artistic advisor, b, el-b)
ERIC ECHAMPARD (ds)
SOPHIE AGNEL (p, cordophone)
JOZEF DUMOULIN (key)
THEO CECCALDI (vn, va)
FABRICE MARTINEZ (tp, flh, sax)
FIDEL FOURNEYRON (tb, euphonium)
HUGUES MAYOT (Saxophones, clarinets)
ALEXANDRA GRIMAL (Saxophones)
JEAN DOUSTEYSSIER (cl, ts)


1作目は、EUROPA “PARIS”というタイトルで新設レーベルから5月26日にリリースの予定。その後、ドイツのメールスジャズフェスを始めとして各地をツアーするようです。ちなみに、2作目がEuropa “Berlin”で3作目がEuropa “Rome”とのこと。いったいどんな音になっているんでしょうか。とっても楽しみです!


■ L’ONJ OLIVIER BENOIT / EUROPA “PARIS”(ONJAZZ Records / L’Autre Distribution)


ONJのホームページは現在まだ制作途中で、このページではコンテンツにリンクしていません。


http://www.onj.org/


しかたがないので、裏口からこっそりと入ってみた(笑)
このページでメンバー全員のプロフィールをご覧になれますし、別のページに飛ぶことも可能です。


http://www.onj.org/lineup/

大好きなEric Echampard (ds)とBruno Chevillon (b)が参加してて前々から気になっていた4人組のバンドCaravaggioのセカンドアルバムを聴いてみました。これは凄かったです!
「これってジャズなん?」と問われても自信を持って「うん」と言えませんが(笑)傑作だと思うので書くことにしました。


簡単に言えば、緻密な構成を持ったアヴァンギャルドで実験的な音楽。ロック、インプロ、プログレ、ミュージックコンクレート、ゴシックホラー...と曲調は様々に変化し、全編にただならぬ雰囲気が漂っていてとても幻想的。また、音楽表現における強弱法と楽器音に電気的変調を施す手法と電子音とを巧みに用いており、場面によっては尋常でない激しさでこれでもかと盛り上がって迫力満点です。


私がこれまで聴いた音楽のうちで最も激しく刺激的でしかも美しい演奏が詰まった1枚。King CrimsonやPink Floydを聴いて育った人なら気に入りそうです。
間違ってもこれを小さい子や病人に聴かせたりしてはいけましぇん。小さい子なら「こわいよぉー!」と泣きだし、病人は再起不能になります。本作の正しい鑑賞のしかたは、決して誰にも邪魔されない日に部屋を少し暗くして独りで堪能する...というものでしょうな。
録音はLa Buissonneのスタジオなので音質は良いですが、私としてはバスドラのアタック感と重量感が少々物足りない。バスドラの録音て難しいんかなあ?


Samuel Sighicelliのホームページがありました。
http://www.samuelsighicelli.com/


ここでアルバム一枚丸ごと試聴できますぜ。
http://caravaggio.bandcamp.com/album/caravaggio-2


■ Caravaggio / Caravaggio # 2 (La Buissonne RJAL 397016)
Bruno Chevillon (el-b, b, electronics)
Benjamin De La Fuente (vn, mandocaster, tenor electric guitar, electronics)
Eric Echampard (ds, perc, electronics)
Samuel Sighicelli (hammond organ, sampler, korg, minimoog, syn)

入手先:Amazon(通販)

イギリスのバンドPartisansの4作目。メンバー全員知りませんが、試聴のうえ入手してみました。
2008年録音、2009年リリース。9曲のうちオリジナルが7曲でPhil Robson4曲、Julian Siegel3曲。Wayne KrantzとDuke Ellingtonが1曲ずつ。


ハードフュージョン、ジャズロック、ファンクといった路線ながら、作曲のセンスがとっても面白い。緩急自在にしてトリッキーな場面の多い楽曲を余裕でこなすPartisansの演奏は、尖っていてエネルギッシュでありながらも洗練されており、文句無しの超一級で聴き応えあり。スタンダードナンバーのPrelude to a Kissを素材に料理してラストに持ってくるのはいいけれど、よりによってスペイシーなテクノに仕上げてしまうなどという不埒をはたらいてて「あーあ...」という感じで面白い。そういえばこんな時、「いーやーやーいやーやー、せーんせーにー言うたーろー」ってはやしたてたなあ...と子どもの頃を懐かしく回想してしまった(笑)ま、とにかく、最初から最後まで一気に聴かせてくれる優秀な作品に出合えて久々にエキサイトしました。


4人のうち特に気に入ったのがGene Calderazzo。スピーディーで手数が多く華やかなドラムが演奏をぐいぐいと引っ張っているのが良く分かるんですね。他のパートを決して邪魔することなく立体的で多彩なフレーズを次々に繰り出しながら音楽に彩りと広がりを与えている頭脳的ドラミングが格好良過ぎる!そのうえ隙あらばソロを煽りまくり、涼しい顔して要所要所をキメまくり、「どや!」ときたら「いやはや、まいったでござるー」とひれ伏すしかありません。


6曲目だけがゆったりとしたテンポの静かな雰囲気で、アルバムのいいアクセントになってます。あとはハイテンションで疾走感のある曲が揃ってます。これ聴きながら高速道路ドライヴしたらきっと爽快とちゃいますか。こんど遠出する時、聴いてみよっと。


ここでアルバム丸ごと全部連続試聴出来まっせ。
http://babel-label.bandcamp.com/album/by-proxy


Partisansのホームページ。新譜が今年の春に出るようですね。
http://www.partisans.org.uk/


■ Partisans / By Proxy (Babel Label BDV 2983)
Phil Robson (g, el-g)
Thaddeus Kelly (b, el-b)
Gene Calderazzo (ds)
Julian Siegel (ts, ss, bcl)


入手先:Amazon(通販)

とっくに届いてたドングリは6個。(6)は未聴。


(1) ■ The Syndicate / File Under Zawinul (Hunnia Records HRCD 1201)
(2) ■ Mathias Eick / Door (ECM Records ECM 2059 175 7979)
(3) ■ Mozdzer Danielsson Fresco / Polska ((ACT Music + Vision ACT 9557-2)
(4) ■ Barbacana / Barbacana (Babel Label BDV 13118)
(5) ■ Partisans / By Proxy (Babel Label BDV 2983)
(6) ■ Caravaggio / #2 (La Buissonne RJAL 397016)


(1) こんなのが出てたのね! Emile ParisienとThierry Eliezが参加。
(4) どういう訳かこれまで私のアンテナに触れることがほとんどなかったUKジャズ。Babel Labelは、1994年設立の英国のジャズレーベルで、100近い作品をリリースしています。本作にSylvain Darrifourcq (ds)が参加してなかったらこのレーベルを知ることはなかったでしょう。
(5) メンバー全員知りませんでしたが、Babel Labelのサイトで試聴して購入を決めたPartisansのおそらく4作目(2009年作品)。これがとっても気に入ったので記事に書きます。
(6) お目当てはEric Echampard (ds)。ジャズというよりロック寄りの実験音楽を演奏していると思われる4人組。