オラシオ主催万国音楽博覧会

自称「日本でただ一人のポーランドジャズ専門ライター」オラシオのブログです。「百文は一聴にしかず」をモットーに、世界有数の豪雪都市青森市から世界最先端の情報をお届けしています。出張CDコンサートのご依頼はaladyhasnoname@ヤフーまでお願いします。


テーマ:
http://www.empik.com/inside-city-slawek-dudar-quartet,p1087769352,muzyka-p

(LUNA MUSIC / CD337)

近年、ジャズとヒップホップやドラムンベースとの接近が様々なところでトピックとなっていますが、それはそれらの音楽の本場アメリカだけでなく、ヨーロッパも例外ではありません。
そんな中でもポーランドは、それらの融合が最もはかられてきた国でないかと思います。
今回はそうしたムーヴメントの中から一枚をご紹介。
比較的中堅?のサックス奏者スワヴェク・ドゥダルのセカンドアルバム『INSIDE CITY インサイド・シティ』です。

オープニングのタイトル曲からドラムンベースやメタリックでミニマルなロックのグルーヴを大胆に導入した曲調で「今の音楽」感が充満しています。
ゲスト参加のアルトゥル・レシツキ ARTUR LESICKIのギンギンギターも効いていますね。
リーダーのドゥダルのサックスは往年のフュージョンの大物プレイヤーを思わせる、きらびやかな張りを持った音色なので、曲によってはメロウでアーバンなサウンドに「あの時代の懐かしさ」のようなものを感じてしまう人もいるかも知れません。

最初に、ヒップホップやドラムンとの融合が近年盛んであると書きましたが、それだけではなく、その中にそれぞれの国の「民俗性」のようなものをさらに盛り込んでいるものが最先端になっているような気もします。
ロバート・グラスパー ROBERT GLASPERしかり、ティグラン TIGRANしかり。
そういう意味では、ポーランドの場合はピンク・フロイト PINK FREUDなんかがそうした「理想形」に最も近いでしょうか。

その意味で行くと、このアルバムはタイトル通り都会的な音楽で、一聴しても「ポーランドらしさ」を感じないという人も多いかも。
ですが、そこは随所にメランコリックな叙情を振りまくロベルト・ヤルムジェク ROBERT JARMUZEKのピアノに注目。
彼の繰り出すハーモニーには、古くからのポーランドジャズ特有の響きが隠し味としてひそんでいます。

ドゥダル自身の音楽は、さらっとしたタッチのサウンドと大掛かりではないものの気配りの行き届いたアレンジングが魅力だと思うのですが、それともう一つ、ピアニストの使い方がうまい。
アコースティックな方向性だったファースト『BRAND NEW WORLD ブランド・ニュー・ワールド』(LUNA MUSIC / LUNCD195)でも、グジェゴシュ・ウルバン GRZEGORZ URBANが演奏にアレンジにと大活躍でした。
特に、ウルバン編曲による「ラウンド・ミッドナイト」は従来の同曲のアレンジの路線を覆す「夜明けへの序章」のようなイメージを押し出したもので、出色でした。

本作に話を戻しますと、とにかく定評のあるポーランドプレイヤーらしいバリバリと切れまくるトーンで細かいフレイジングをものともせず吹き倒すドゥダル自身の演奏と、ビシビシ繰り出される鋭くとんがったリズムフィギュア、そして圧倒的に「現代」を感じさせる空気感とがタイトに絡まりあい、これもまた従来の暗く重いポーランドのイメージを覆すであろう洗練されたカッコイイサウンドになっています。
ポーランドがどうとかより、現代ジャズの佳作として、オススメです。
「今のジャズ」はなんかリズムの立ち方が違うんですよね。
本作を聴いても、一昔前の「リズムが立ってるジャズ」とグルーヴの触感、肌触りが全然違うのを感じることと思います。
ちなみに、ラストナンバー「EST」は現代ジャズを切り拓いたイコン的アーティストの一つ、エスビョルン・スヴェンソン・トリオ ESBJORN SVENSSON TRIOに捧げられています。
いいね!した人  |  コメント(0)
PR

テーマ:
ダブル・ブックド/ロバート・グラスパー

本記事は、柳樂光隆監修の話題のジャズ本『Jazz:The New Chapter』を下敷きとしています。ここで書かれている内容に興味を持たれた方は、ぜひ同書をお読みになって下さい。


『ブラック・レディオ』(以下BR)『ブラック・レディオ2』の連作で一世を風靡した現代ジャズ界の風雲児グラスパーの、オーソドックスフォーマットとエクスペリメントをつなぐミッシングリンクのような作品『ダブル・ブックド』を聴いてみました。
初めて彼がエクスペリメントを名乗ったアルバムでもあります。
ヴィセンテ・アーチャーとクリス・デイヴによるピアノトリオによる前半、ケイシー・ベンジャミン、デリック・ホッジ、デイヴとのエクスペリメントによる後半という二本立て(ダブル・ブックド)の構成になっています。
今、音楽界を揺らしに揺らしまくっているこの逸材が持つ音楽性を総合的に知りたければ最適な作品かも知れません。
私はどちらかと言うとアコースティックなフォーマットが好きな方なので、彼の「そちら側」はどういうサウンドなんだろう、と正直かなり興味がありました。
ヒップホップなど、ブラックミュージックとの強いつながりを言われる彼のことですから、こちら側でも相当に鋭角にリズムが際立ったメロディ作りをしているのだろうと予想していたので、イントロのライヴを模したMCの後にすっと流れ込んで来る旋律を聴いてかなり驚きました。
誤解を恐れずに表現するならば、非常に「薄味」の、都会的なセンスに満ちたヴォイシングも併せて、全編「さざ波」にような揺らぎを感じさせるメロディなのです。
その緩やかな揺れに身を委ねているとだんだんわかってきました。
彼のメロディは「フロウ」感覚なのだろうと。
普段東欧系の、比較的自己主張のはっきりした旋律を聴いている私にとって、ヒップホップのフロウはメロディと語りの中間をたゆたうような、凄く曖昧なものに聴こえるのですが、その時に抱く独特の浮遊感と似たような気分になるのです。
また、センテンスの一つ一つを切り離してみるととても華麗なピアノソロも、全体を通して眺めると唐突な間がところどころに挟まれ、ぶつ切りっぽい感じなのも面白いですね。
音の間に関する感覚には、独自のものを感じます。妙にフェイドアウトっぽい処理の曲が多いですし。
また、先ほどハーモニーは都会的な洗練があると書きましたが、しかし、随所に「アメリカの空・大地」を感じさせもします。
これが『Jazz:The New Chapter』中のインタヴューで山中千尋さんが指摘されていた、グラスパーが持つ「ゴスペル」っぽさに起因するのかどうかはわかりませんけれど。
さて、しかし、しかしです。
私は本作の前半を聴いて、ある意味一番強く感じたのは、以下のようなことでした。
これら一見「オーソドックス」な音作りを何作も経なければ、あの『ブラック・レイディオ』に辿り着かなかったのだな、という彼の道のりです。
きっと、レコーディングデビュー初期の頃から、BRのサウンドヴィジョンはたとえおぼろげながらにしても、今自分がやっている音楽と地続きになって見えていたはずです。
「地続き」というのがミソで、きっとそのヴィジョンと、本作の前半で聴かれるような音楽は、彼の中ではある意味「同じもの」なのかも知れず、きっと「BRのための下積みとして今これをやっている」という意識はなかったでしょう。
が、外側から見ると、彼もまたアコースティックでオーソドックスなフォーマットによる「通過儀礼」的なリリースを経て「普通のジャズもちゃんと出来る」というところを見せた上でBRの制作に踏み切ったように見える。
本人の、自己の音楽性に対するカテゴライズの意識の持ちようはどうあれ、その意味ではグラスパーは非常に慎重にことを進めて、BRの完成を成し遂げたように思います。
ちょっと文脈が違うのですが、故マイケル・ブレッカーはセッションプロジェクトの名盤『ブルー・モントルー』の超高速4ビートナンバー「アップタウン・エド」という曲でようやくにして「何だ、ちゃんとしたジャズも吹けるんじゃないか」と「評価」されたといいます。
すでに怒涛の演奏をパッケージしたアルバムを何枚も発表し、数々のスタジオセッションで名をあげていながら、です。
そしていわずもがなですが、これはもちろん「ジャズ言説」の中の話でもあります。
当のミュージシャン間では、当然彼の実力のほどは知れ渡っていたでしょう。
マイケルの話をここに出したのは、グラスパーは、マイケルの例に当てはめた場合、オーソドックスなサウンドを出来るということを見せる「手順」をすっ飛ばして『ヘヴィ・メタル・ビバップ』を発表するようなことは、慎重にも避けていたという気がするのです。
その辺のことが、BRで見せたトータルなサウンドセンスのある種の繊細さにつながっているように思うのです。
とは言え、本作後半で聴かれる「初エクスペリメント」はまだBRにくらべ、特に彼らのサウンドのキモであるドラマー、クリスの爆発が足りないように思いますし、指向性のパーソナリティはすでに一級品ではあるものの、やはりBR制作にはまだ距離があった段階だとも言えるでしょう。
そこにも、BRはベストのタイミングで作られたのだろうという、彼の緻密な計算がうかがえます。
BRの独自の開放感がうかがえるテイクとしてはやはりビラルの「オール・マター」ですかね。
本人の歌唱も含め、「現代世代によるジャズヴィジョン」が明確に見えてくるサウンドとなっています。
グラスパーはたぶん、この2本立てのどちらにも重心をおいていない。
彼にとってはどちらも同じことなのでしょう。
ただし、それを見せて行く「語順」は慎重に配置する、そういう音楽家なのだと思います。
前半のオーソドックスサウンドの中に垣間見えるヒップホップ世代の独自性は、あたかも旧共産圏国の、「検閲」を潜り抜けつつ確かに思想を忍ばせた高度な芸術を思い起こさせます。
「ちゃんとジャズが演奏出来る」というマッチョなジャズマナー検閲を軽やかに飛び越えた本作は、話題のジャズ本『Jazz:The New Chapter』(以下JTNC)の内容を端的に表現したような作品と言えるかも知れません。

さて、JTNCですが、きっと「私たちおじさん(おばさん)世代にはよくわからない」とか「これが今のジャズと言われても・・・」という意見がこれからどんどん出て来るように思います。
ちなみに言っておくと、私は監修者の柳樂氏と数歳しか違わない、微妙に同世代に入る人間だと思っているのですが、実は彼が言うような「僕ら」ではない。
つまり、その「僕ら」がコンセンサスとして持っている「ヒップホップ」や「アメリカンミュージック」などを私はほとんど通過していません。
なので、実感としては彼の言う「僕ら世代」に皮膚感覚では共感し得ないのかも知れません。
ですが、彼がこの本でやろうとしていることは「世代間闘争」ではないのだと思います。
上で触れたような「ある世代」「ある層」の読者の反応のようなものって、結局使われている言葉がそのまんまで、ここ数十年繰り返されて来ました。
それにより「若い世代」「ジャズリスナーじゃない人たち」がジャズへの参入をスポイルされて来たという事実の蓄積の提示が、この本におけるコンセプトの一つなのではないでしょうか。
なので、例えば先の都知事選で候補の一人である家入氏が「『僕ら』とか言って若者だけ囲いこんで世代闘争している場合か」と批判された、その文脈と同列に扱うのはちょっと違うのかな、と個人的には考えています。
「若者や非ジャズリスナー以外を排除したジャズクラスタの成立」ではなくて、「そもそもそういう人たち(若者&非ジャズリスナー)を交えてのジャズのプラットフォームが一度でもあったか」という問いかけをしているのでしょう。
なので、JTNCを読むにおいて「グラスパーが本当に今のジャズの代表なのか」の真偽を問うのではなく、「へ~、そうなんだ、こんなん知らんかった、聴いてみようかな」でいいのだと思います。
実際私は、ぜーんぜんカヴァーしてない範囲なので、まずそういう風に楽しんでいます。
ま、もちろん、色んな意見、批評をして行くのは自由なんですけれどね。
その輪の中に、これまでジャズを語る層として存在していなかった人たちがどんどん入って来ると面白いですね。
まずは、この本をそういう場が広がって行くための第一歩と、受け止めようではないですか。

Jazz The New Chapter~ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平 (シ.../柳樂 光隆

いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:
今回のジャズ批評特集は、四谷のジャズ喫茶いーぐるのマスター後藤雅洋さん、ジャズ評論家の村井康司さん、ローランド・カーク研究などで知られる林建紀さんによるジャズ史上の「ジャズ・ライヴ名盤100選」でした。
これまでのものとはイレギュラーなセレクションがあったり、3氏による対談などもあり、内容自体は面白かったのですが、ポーランドジャズライターとしてはちょっと首をかしげるところもありまして。
えーと、一言で言うと要するに「アメリカ以外のアルバム、少な過ぎるんじゃ?」ということですね(笑)。
あと、90年代以降から現在までの期間からのセレクションもとても少なくて、5枚くらい?
まあ時期的なトピックはさておき、ヨーロッパや南米など非米地域のジャズって、今や「汎世界音楽」と言ってもいいと思われるジャズという音楽にとって、その程度の影響力しか持っていないのかな、という疑問が私にはあります。
もちろん、こういう問題については「いや、これでも多過ぎるくらい」と感じる人もいるでしょうし「ジャズはアメリカの音楽なのだ」と言う人もいるでしょう。
個人差はたくさんあるのでしょうが、私はとりあえず「少ない」と感じてしまったので、まあカウンターオピニオンとして極私的な非米ライヴ盤の10選を挙げておきます。
あくまで私的なものなので、そもそもジャズ批評における3氏の選考基準と趣旨が全く違うじゃないか、というご指摘があれば、正直返す言葉はありません。
ただ、3氏とは全く違うアングルからのセレクションは、この音楽の広過ぎるシーンを俯瞰するのに少しは役に立つかも知れません。
私は結局、人に何か言えるほど詳しいのはポーランドだけなので、ポーランド以外の盤はかなりこじつけっぽいです。
要するにあんまり「ジャズ」じゃないのですが、しかし、世界規模で見た時どんな音楽がその国におけるジャズなのか、っていうことを考えるきっかけにはなるでしょう。
私にとってジャズとは「ジャズの語法やミュージシャンを導入しなくては成立しないポップス」の領域における「寄生音楽」としての要素が肝なので、そういうものがたくさん入っています。
他の国は他のスペシャリストの方たちにもぜひ挙げていただきたいと思います。
90年代以降のも誰か挙げて下さい。
まあ私のも基本的に90年代周りが中心なんですけれどね。
一応「歴史的価値」を省みた非米ライヴ10選も挙げます。
こっちはもっとこじつけです(苦笑)、浅はかな知識ですみません。

極私的10選

AO VIVO LIVE AT MONTREUX JAZZ FESTIVAL / HERMETO PASCOAL(BRASIL)

ジャズかどうかはさておき、ただただ世界遺産級の名演というべきでしょう。紛れもなく「ブラジル音楽」なんですが、このごった煮感にジャズを感じる人は多いでしょう。
FARAT(DVD) / ANNA MARIA JOPEK(POLAND)
これぞ「ジャズの要素がなければ成り立たないポップス」の最高峰。傑作。
3 NIGHTS / ZBIGNIEW NAMYSLOWSKI(POLAND)
ポーランド特有の凝り性と屈折したセンスが濃縮された天才ナミさんの3枚組ライヴ。彼が40年近くのキャリアでものしてきたオリジナルがどっさり。
LIVE IN SOFIA / LESZEK MOZDZER & ADAM PIERONCZYK(POLAND)
ライヴと言えばこれ。現代ポーランドジャズシーンを牽引する天才2人の若き日の邂逅。会場にマイク一本立てただけの録音で、全曲ノンストップのほぼメドレー状態で押しまくる名演。
AT A FERGHANA BAZAAR / ENVER IZMAILOV(UZBEKISTAN)
ウズベキスタンのタッピング大魔神、超絶ライヴ。これを本当に一人でやってるのかどうかという技術的な問題より、このサウンドそのものが凄いです。頭の中どうなってるんだろう。
THE ORACLE / MILCHO LEVIEV & DAVE HOLLAND(BULGARIA/ENGLAND)
たぶん本人たちはこれを挙げられるの快くは思わないんでしょうね(笑)。でも愛聴盤なんだからしょうがない。ブルガリアとイギリスの鬼才同士による日本ライヴ。ピアノ&ウッドベースのフォーマットによる演奏としては最高峰じゃないんでしょうかね。
ORIENT LIVE / TIMNA BRAUER & ELI MEIRI(ISRAEL)
LPでは2枚組で出ていたイスラエルの女性ヴォーカリスト入りグループのライヴ。サウンドはちょっとフュージョンっぽいんですが、明らかにイスラエルの民俗音楽っぽい部分もとりいれているし、とにかく圧巻の演奏です。イスラエルシーンはこのアルバムを聴いてかなり前から気になっていたんですが、最近はアメリカで大ブレイクですね。
MEN'S LAND / MICHEL PORTAL(FRANCE)
PANDEMONIUM / FRANCOIS JEANNEAU(FRANCE)

この2つは80~90年代のフランスシーンを牛耳っていた2大巨匠のライヴです。ポルタルの方はデイヴ・リーブマンやジャック・デジョネットらとのコンボ、ジャノーはフランスの若手の鬼才を一堂に集めたビッグバンド。どちらもフランスならではの「アメリカとは違うジャズ観」が濃厚に出た内容となっています。
S席コンサート(DVD) / 矢野顕子(JAPAN)
もう何をか況や。ユニジャンルポップスの最上の成果です。

歴史的10選

LIVE AT THE JAZZ JAMBOREE FESTIVAL 1961-1967 / KRZYSZTOF KOMEDA(POLAND)

東欧のマイルスと呼ばれたコメダのジャズフェス出演音源をまとめた3枚組。ところでじゃあ「西欧のマイルス」っているんでしょうか?西欧を飛ばして東欧の彼がそう呼ばれたってところに物凄く重要性を感じるのですが。
POLISH JAZZ VOL.37 ALL STARS AFTER HOURS / VARIOUS ARTISTS(POLAND)
いわゆるオールスターセッションものなのにとにかくひねってみないと気がすまないポラ人たち。「ソー・ホワット」も「ピース」も風変わりな演奏になっています。70年代前半の当時から、いかにポーランド人たちが確立した独自のジャズセンスを持っていたかよくわかる音源です。
NOT TWO / MILOSC & LESTER BOWIE(POLAND)
ポーランドの独自性は政治に「自由への希望」がさした時に必ずジャズが傍らにあったことです。50年代半ばと90年代初頭ですね。これは後者の雰囲気をパッケージした歴史に残る名盤。クラシックの素養バリバリのLESZEK MOZDZER レシェク・モジュジェルにフリーキーなMIKOLAJ TRZASKA ミコワイ・チシャスカ、パンキッシュなリーダーTYMON TYMANSKI ティモン・ティマンスキにアート・アンサンブルのレスター・ボウイが違和感なく同居し、それに熱狂する観客という不思議。
9-11.PM TOWN HALL / DANIEL HUMAIR,JOACHIM KUHN,MARTIAL SOLAL,MICHEL PORTAL,JEAN-FRANCOIS JENNY-CLARK,MARC DUCRET(FRANCE)
フランスシーンの天才たちがニューヨークに殴り込みをかけた記録。数十年かけて、欧州の国々が独自のジャズを培って来、それを自信を持って逆輸入させたプライドを感じさせるような切れ味の鋭い音が満載。
CONSPIRACY : SOVIET JAZZ FESTIVAL,ZURICH 1989 / VARIOUS ARITISTS(USSR)
旧ソ連のジャズもごった煮・てんこ盛り状態で凄まじく面白いのです。これはソヴィエト体制崩壊前夜の、スイス・チューリッヒにおけるソヴィエト・ジャズ・フェスの記録。土地が広大なだけでなく、音楽も果てしなく広く深いのだとよくわかります。
LIVE IN TALLINN / JAN JOHANSSON(SWEDEN)
LIVE IN HAMBURG / E.S.T.(SWEDEN)

以上2枚はスウェーデンの礎となったヤン・ヨハンソンと、北欧ジャズの突破口となったエスビョルン・スヴェンソンのライヴ。どちらも若くして亡くなりましたね。
GOURBET MOHABET / MILCHO LEVIEV & THEODOSII SPASSOV(BULGARIA)
シーンを牽引する天才と言われながらアメリカに亡命したブルガリアのミルチョ・レヴィエフの感動的な凱旋ライヴ。後半では、彼の次の世代のスターで、民俗楽器のカヴァル(笛)マスター、テオドシー・スパソフが参加。新旧の偉大なるマエストロの磁力に満ちた共演が聴けます。
MILAGRE DOS PEIXES AO VIVO / MILTON NASCIMENTO(BRASIL)
これを入れることには異論が続出でしょう。ブラジルのジャズならもっとあるだろう、と仰る方もいらっしゃるでしょう。でもあえてこれ。ミルトンはじめ、70年代初頭のブラジルの最先端のミュージシャンが集って凄まじい歌入りオケジャズをやっています。
KONCERT'98 / LAJKO FELIX ES ZENEKARA(HUNGARY)
さて、これも異論続出でしょう。ハンガリーの天才ヴァイオリニスト、ライコーの大傑作。フォーマットも聴いた感触も全くジャズではありませんが、この自在な「アクロス・ザ・ボーダー」感にジャズを感じないとしたらもったいないです。


以上でした。
ちなみにアメリカものでは、
CALIFORNIA CONCERT / CTI ALL STARS
DGQ-20 / DAVID GRISMAN
TORTURE NEVER STOPS(DVD) / FRANK ZAPPA
KEYSTONE 3 / ART BLAKEY AND JAZZ MESSENGERS
TEARS OF JOY / DON ELLIS ORCHESTRA
HEROES AND ANTI-HEROES / LEE KONITZ & GIL EVANS
PUBLIC THEATER / GIL EVANS ORCHESTRA
LOTUS / SANTANA(MEXICOか)

とか変なのばっかり挙げたくなるのでした(笑)
まあKURT ROSENWINKELのREMEDYとか、その辺のものも凄いですよね。
でもよく知らないのであえて挙げないでおきます。
他の方たちにお任せしますので、われこそはというかたはぜひバトンを受け取って下さい。
いいね!した人  |  コメント(1)

テーマ:
みなさま、今年もお世話になりました。

何だか色々激動の年でございました。

3月末日で働いている図書館の委託の現場主任を降り、ヒラになった上、週4日勤務に変えました。
ライター業を増やしたかったからです。

その甲斐もあり、今年は会員制の季刊俳誌『白茅』に連載のお仕事をいただき、また世界的なギタリスト内橋和久さんからは彼のプロデュースするポラ日インプロプロジェクト「今ポーランドがおもしろい#2」のポスターのテクストと情宣を依頼されました。

昨年に引き続きポーランド映画祭でもパンフレットへコラムの執筆をさせていただきました。
同祭のホームページの予告編や会場で流れる音楽の音源提供とか、ディスクユニオンさんと協力して行った関連フェアの付録小冊子の執筆もしました。

私がプロデュースする「チェシチ!レコーズ」は今年も2枚リリースすることが出来ました。春にギタリストのラファウ・サルネツキ『ソングズ・フロム・ア・ニュー・プレイス』、先月末にはピアノトリオRGGの『シマノフスキ』。
これからも良質な作品をリリースして行く所存ですので引き続きよろしくお願いします。

個人的な「激変」は何と言っても先月に負った足首の大ケガ。
くるぶしの下の腱の断裂でした。
そういう大ケガは初めてだったので最初は非常に落ち込みましたが、何とか完治まであと10日あまりまで来ました。

さて、来年の目標です。

とりあえずポーランド関連の本を出すつもりで、現在具体的に動いている最中です。
あと、いずれフィクションを書きたいと子どもの頃から思っていたので、そちらの方向でも頑張りたいですね。

というわけで残り3分あまりですが、今年もお世話になりました!
また来年もよろしくお願い申し上げます。

オラシオ
いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:
毎年暮れには「今年のマイベスト」投稿がネットワールドを賑わしますね。
私もご他聞に漏れず挙げてみようと思います。
基本的に順不同ですが、ベストワンだけはとにかく自分としてはぶっちぎりのものだったので、それをまず挙げます。

VESNA / BABOOSHKI

今年の、と言うかここ数年のベストと言ってもいいくらいに気に入っています。ポーランドとウクライナの民謡をヴォーカルジャズにアレンジした作品で、両国から一人ずつ女性ヴォーカルが参加していて、その彼女らがリーダーです。アレンジが素晴らしいとか色々音楽的にも触れるべきところはたくさんあるのですが、何と言ってもポップなのが良いです。BABOOSHKIはこれがセカンドなのですが、一枚目もまあまあでしたが本作でほんと化けました。
参考音源ようつべにあがってますので、試しに聴いてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=Xbvfzi5AoDk

それでは以下9枚どうぞ。
例によって年の後半はやるべきイヴェントなどが目白押しだったので、CDの購入がほとんど出来ず、不完全な「年間ベスト」です。
青は新作、赤は発掘音源系。
うーむ、われながら今年はかなり聴いていないですね・・・・

シマノフスキ SZYMANOWSKI / RGG(チェシチ!レコーズ)
MOMENTS / SLAWEK JASKULKE
NEAR A FOREST / POLISH JAZZ QUARTET
KOMEDA / OBARA INTERNATIONAL
JAZZ I ORKIESTRA / MICHAL WROBLEWSKI
ARYTHMIC PERFECTION VOL.1 - RITE OF SPRING VARIATION / JERZY MAZZOLL & TOMASZ SROCZYNSKI
ETHNO UGOR - JEDNA EUROPA WIELE KULTUR 2 / MERCEDES PEON,WARSAW VILLAGE BAND,AIRTIST & PABLOPAVO I PRACZAS


POLISH RADIO JAZZ ARCHIVES VOL.5 / ANDRZEJ TRZASKOWSKI
ROAD TAPES #2 VENUE / FRANK ZAPPA & MOTHERS
いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:
しつこいですけどみなさん、ポーランド映画祭2013、行ってますか~?
ちゃんとチェックしてますか?
http://www.polandfilmfes.com/

今日は今回のポラ映祭の20本強の作品のうち、脇役なども合わせると5~6本出ている「東欧のジェームス・ディーン」ことズビグニェフ・ツィブルスキ Zbigniew Cybulskiについて見所をご紹介します。

ツィブルスキと言うと何と言ってもアンジェイ・ワイダ(ヴァイダ)の超名作『灰とダイアモンド』の、最後に撃たれて野垂れ死ぬ若者マチェクの印象が強いですね。
確かにこの作品における彼の刹那的なムードを漂わせた青年像は鮮烈なのですが、私個人は最初観た時「そんなに演技巧くないような・・・・?何でこんなに評価されているんだろう」と感じたのも正直なところです。

しかし、今回の映画祭で集中的にたくさんの作品を観て、彼が登場するたびに驚きを隠せませんでした。
外国人美女とポーランド人青年の悲恋の物語『さよなら、また明日』での気弱な主人公、主役の少年の過酷な境遇に重苦しくひりひりした感情を逆撫でされる『沈黙』で現われるマチズモ全開の中尉。
ヴォイチェフ・イェジー(イェジ)・ハスの絢爛豪華な幻想絵巻『サラゴサの写本』で、次々と目の前に現われる色欲と死のにおいにまみれた障害に振りまわされる剣豪の息子。
名作『夜行列車』で未練たらしくヒロインをひたすら追って来る青年、などなど。

『サルト』はまだ観ていないのですが、どの役も全く違うタイプで、見せる表情も違い、特に脇役の時にそうなのですが、何と言うか登場してしばらくしてから「あ、これツィブルスキか!」と気づかされるくらい巧みに役にはまりこんでいるのですね。
人って色んな顔や外見があるようでいて実は結構似たり寄ったりなのですが、それを判別するのは大きなつくりの違いではなくて、凄く微妙な違いだということを彼はよく理解しているのではないでしょうか。
実際劇場販売パンフレットの中の遠山純生さんの解説では、『さよなら~』のヤヌシュ・モルゲンシュテルン監督は『灰とダイヤモンド』で成功した後だけに、ツィブルスキの演技がそれを引きずっていないか心配したけれど、杞憂だったということです。

今回の映画祭みたいに何作か重ねて観て初めて判る、彼のカメレオン俳優ぶり。
やっぱり彼は凄い俳優だったのですね。
しかし、亡くなったのが電車に飛び乗ろうとして失敗したって。
『夜行列車』で何度も電車にしがみついていたじゃないですか・・・・。
ツッコミ入れたくなっちゃいます。
映画大学に遅刻しそうになって何度もトラムから飛び降り、『不戦勝』でスタントなしで走る列車から飛び降りてみせたスコリモフスキのようにはいかなかったんですね。
今回のカメレオンぶりを知り、改めて早過ぎる死が残念に思えました。
どうでもいいですけど、ポーランド映画って本当にたくさん鉄道が出て来ます。
鉄ちゃんの方とかも観に来ると楽しめるのじゃないでしょうか。
この辺は「なぜ鉄道の登場シーンが多いのか」調べる価値もありそうです。

というわけでみなさん、この記事で挙げた映画ともども、ぜひぜひ彼の名演技やその他作品なんかも観に来て下さいね~♪
12/13までです!
いいね!した人  |  コメント(4)

テーマ:
みなさん、ポーランド映画祭2013、行ってますか~?
チェックはして気になってるけど、行ってないって方、絶対的に素晴らしい作品ばかりなので行った方がいいですよ♪
http://www.polandfilmfes.com/

さて、今回のプログラムではアンジェイ・ワイダ(ヴァイダ)の主要作を中心にしていることも話題の一つとなっています。
その中でも目玉は『大理石の男』『鉄の男』という「男2部作」でしょう。
ポーランドという国が政治的に非常な緊張に包まれていた時期にワイダが命を(監督生命を、ではなく文字通り人間としての命を)賭けて制作された両作のパワーは見る者を圧倒します。
ポーランド現代史を勉強してから観ると、さぞやひしひしと押し迫るものがあり、よりこの映画を楽しめるのでしょう。

しかしここではもう一つ違う視点からこの2つの作品を見てみる、というのを提案したいです。
たぶん、おおかたの「女性」は、私がここで提案せずとも自然とそういう角度から観ていると思います。

その切り口とは、ポーランドの名女優クルィスティナ・ヤンダ演じるヒロイン、アグニェシュカの女性としての変貌です。
アグニェシュカたん、『大理石の男』ではガンガン煙草を吸い、男を蹴飛ばす、偉い監督の車にエラソーな格好で足をかけメンチを切る、老撮影技師をこき使うなどなどパワフルな行動でやりたい放題です。
いわゆる「女性らしい女性」とは全くかけ離れています、じゃじゃ馬です。
近くにこんな女子がいたら怖いな~、振り回されそうだなあ。
でも、その彼女のエネルギッシュな行動がこの映画に絶妙のスピード感をもたらしています。
野心でギラギラする若い女性の真っ直ぐなパワーに爽快感を抱く人はきっと男女ともたくさんいることでしょう。
また、アンジェイ・コジンスキによるカッコいいジャズロックな映画音楽も、そんな彼女の「やったるで!」パワーをストレートに表現しているようで、特に冒頭のトラックはこの魅力的なヒロインの「困難が何ぼのもんじゃい!」みたいな負けん気が乗り移ったような気持ちいい高揚感があると思います。
(*ちなみに女声コーラス担当はポーランドの人気コーラスグループAlibabki アリバプキ)
過去と現在の映像が入れ子構造になり、何が本当なのか微妙にあいまいに描かれる構成は、作品作りを急ぐアグニェシュカの焦燥感を観客にも感じさせますが、全体として骨太な印象があるのは、やはりヒロインのどこまでも突き進むキャラクターゆえでしょう。
「鉄の女」と称しても良さそうなガンガンの押しっぷりです。

しかし、続く『鉄の男』では前作『大理石の男』の息子ビルクートと結ばれ子も産んだアグニェシュカがあっと驚くキャラとなって、物語の終盤に再登場します。
彼女はすっかり大人の落ち着いた女性へと変貌し、本作の裏・主人公とも言える旧知のアル中記者にその熱愛ぶりを語り、「彼に会った瞬間、この人の子を産みたいと思った」とまで言います。
いわゆる「女らしい女」への、あまりにも鮮やかな変貌。
そして、もともと重苦しいノリであった本作が、彼女のその変貌を観客に知らしめるあたりから途端に失速するように思えるのです。
人当たりもかなりやわらかくなり、シンプルなスカート姿で、まあいわゆる「女性としての魅力」というのは増したのかも知れませんが、『大理石』でのあの圧倒的なキャラ立ちを知っていると「え~、これってないよ!普通の女になっちゃったじゃん!」と感じちゃいます。
と言うか、誰もが(特に男性が)作り上げている「女性像」というのが一つの物語の中でこれほどつまらなく見える例もなかなかありません。
その「落差」はきっとこの2部作を続けて観ることでより鮮明に感じられると思うので、ぜひぜひ腰をすえて観て下さい。
アグニェシュカの変貌ぶりが、ワイダの意図せぬところで現代の日本社会に生きる私たちに物凄く深く考えさせるという効果を生んでいますし、また、いわゆる一般像としての魅力的なかわいい女性ではなくて本当の意味で規格外な女性キャラというのが物語においていかに大事なのか、ということもよくわかると思います。

上映の機会は12/9の朝11時からと、12/12の15時からの2回あります!
ぜひぜひ!
いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:

PMF 
今ポラ表 
今ポラ裏 

(↑の画像3枚のうち下2枚は「今ポラ」のオフィシャルフライヤーです。
わたくしオラシオがリード文と来日メンバーのプロフィールを書いております。
お手に取る機会がございましたら、どうぞ熟読して下さいませ!)


 
協力:Adam Mickiewicz Institute アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート

ポーランド発の、素晴らしい音楽イヴェントが10月下旬に行われますのでご紹介致します!
主催者の内橋和久さんより直接ご依頼をいただき、このプロジェクトに少し関わることになりました。
音楽先進国ポーランドからインプロ/オルタナ系の優れた演奏家を大挙呼び寄せ、日本勢と様々な組み合わせで即興演奏を展開するという実に実に刺激的で「未知のものに踏み込む楽しさ」に満ちたライヴプロジェクト「今ポーランドがおもしろい#2」。
01年に初めてポーランドで演奏した内橋さんは以後積極的にこの国のジャズシーンに関わって行くことになり、現地のミュージシャンとの共演盤などもあります。
2011年に行われた#1に続いて、2年ぶりの再開で、さらにスケールアップしています!

10/23-24新宿、10/26大阪、10/27京都での公演が予定されています。
日本勢はそれぞれの日でメンバーが変わります。
ライヴインフォは情報入り次第その都度付け加えて行きます。
オラシオもこの素晴らしいプロジェクトに便乗してCDコンサートのようなイヴェントをやるかも知れません。
その時はよろしくお願いします。

9/30追記
ジャズ批評サイト「JAZZ TOKYO」にジャズ評論家横井一江氏による内橋和久インタヴューが掲載されました。
話題はもちろん今回の「今ポラ」や彼の目から見た、ポーランドの音楽シーンの生の姿です。
今ポラへのワクワクをふくらまされるのはもちろんのこと、貴重なポーランドシーンのありようが語られた大変に興味深い内容となっていますので、ぜひご覧ください。

http://www.jazztokyo.com/interview/interview120.html

新宿公演 10/23-24

ポーランド勢

Jurek Rogiewicz ユレク・ロギェヴィッチ
& Piotr Domagalski ピョトル・ドマガルスキ


近藤等則と共演したショパンの「練習曲集」のヴァリエイション『Chopin Shuffle』で知られ、来日経験もあるピアノトリオLevityのリズムセクション。フラミンゴジャケのファーストは正統派ピアノトリオファンに人気が高い。
Jerzy Mazzoll イェジー・マゾル(cl,bcl)
90年代初頭、民主化直後のポーランドジャズシーンを華やかに彩ったミクスチュアジャズYassの中心人物であり、ヒーローの一人。長期間沈黙を続けていましたが、昨年から怒涛のリリースラッシュで見事復活!最新作はヴァイオリンのTomasz Sroczyński トマシュ・ストロチンスキと組んだストラヴィンスキー「春の祭典」のカヴァー『Rite of Spring Variation』。
Wacław Zimpel ヴァツワフ・ジンペル(cl,acl)
Mazzoll2世とも言えそうなヴァーサタイルで多才なクラリネット奏者。この人もご他聞に漏れずアルバムや参加プロジェクトが数多いワーカホリック。最新作はメインストリーム系のバンドSoundcheckのピアニストKrzysztof Dys クシシュトフ・ディスを迎えた『Stone Fog』。
Michał Górczyński ミハウ・グルチンスキ(cl,bcl)
クラシックレーベルDUXからバスクラ協奏曲の録音もリリースしている、超絶技巧の若手。他にも、ヒューマンビートボックスとのデュオユニットZooPlanや本プロジェクトの主催者内橋とのウィーンデュオライヴアルバムなど。
DJ Lenar DJレナル(turntable)
先鋭的なミックスセンスで高い評価を集めているターンテーブルの鬼才。アンビエントな居心地の良い音空間の中にざらついた違和感に満ちたノイズをひそませる手腕に、甘美な官能を刺激されること請け合い。ギタリストのRaphael Roginski ラファエル・ロギンスキとのデュオユニットSisters『The Mono』がオススメ。
Maciej Obara マチェイ・オバラ(as)
9月の東京ジャズ2013に、ポーランドの伝説的ジャズ作曲家Krzysztof Komeda クシシュトフ・コメダのカヴァープロジェクトObara Internationalで来日公演する現代ポーランドのアルトサックスを牽引する鬼才。Tomasz Stanko トマシュ・スタンコのユニットTerminal 7などにも参加し、次世代のスターとしての評価が確実に高まって来ている有望株。新設レーベルFor Tuneよりリリースされた上記Obara International名義の『Komeda』が最新作。
Dagna Sadkowska ダグナ・サトコフスカ(vln)
先鋭的なプログラムで知られる現代音楽クァルテットKwartludiumのメンバーの女性ヴァイオリニスト。最新作はライヴ音源も併録した同ユニットの『Kwartuludium & Scanner』(DUX)。

日本勢

23日「ちょっとエレクトリック・ナイト」
芳垣安洋(ds)
坪口昌恭(electric modified piano)
広瀬淳二(sax)
カール・ストーン(laptop)
吉田達也(ds)
内橋和久(eg,daxophone)


24日「かなりアコースティック・ナイト」
梅津和時(cl,sax)
坂田明(cl,sax)
八木美知依(箏)
高良久美子(vib)
田中徳崇(ds)
内橋和久(eg,daxophone)

料金は各日前売り3500円/当日4000円・両日通し前売り6500円/当日7000円
また23日の15時から(14時半開場)昼の部で内橋&グルチンスキのデュオライヴ(2500円・夜の部チケット持参の場合は500円引き)も行われます。
新宿ピットインのオフィシャルページはコチラ → http://www.pit-inn.com/topics_j.html

大阪公演 10/26

ポーランド勢
上記8人全員!

日本勢
内橋和久(eg,daxophone)
稲田誠(eb.wb)
半野田拓(?)
木村文彦(perc)

コーポ北加賀屋 http://coop-kitakagaya.blogspot.jp/
開場 19:00/ 開演 19:30/
料金3000円
〒559-0011
大阪市住之江区北加賀屋5-4-12

京都公演 10/27

ポーランド勢
Piotr Domagalski(wb.eb)
Waclaw Zimpel(a-cl)
Maciej Obara(as)


日本勢
内橋和久(eg,daxophone,etc)
中村哲也(eg,etc)
吉濱翔(laptop)

Zac Baran http://www.zacbaran.net/about.html
〒606-8392 京都府京都市左京区聖護院山王町18  メタボ岡崎B1F
開場19:00/開演19:30/料金2500円

いいね!した人  |  コメント(2)

テーマ:
ジャズの「一般離れ」がささやかれて久しいですよね。
でも、世界トップクラスの音楽先進国ポーランドでは、ジャズは若者にもとても人気があり、毎日のようにジャズの番組がテレビで放映され、数々のジャズフェスが開催されており、少なくともこの日本よりはるかに愛されている音楽だと言えるでしょう。
そうした音楽環境の立役者の最たるものが、来月前半に3度目の来日を果たすバンドPink Freud ピンク・フロイトです!
くれぐれもご注意、イギリスの名プログレバンドPink Floyd ピンク・フロイドではないですよ♪
ジャズにパンクやエレクトロニカ、ロック、ファンク、民俗音楽などの色んな要素をぶち込んでグイグイ腰に来るビートとポップなメロディ、恐ろしく複雑な曲構成をハピネスに満ちたパフォーマンスで駆け抜けるこのバンドは、若者に圧倒的な人気を誇り、ジャズ大国ポーランドの中でも非常に高い評価も得ている稀有なバンドなのです。
私は、「ジャズが非ジャズリスナーに聴かれるということ」のある種の理想を体現したのがこのバンドだと思っています。

Pink Freudについてはホームページもあります↓
http://www.pinkfreud.art.pl/

彼らについては、他にも詳しくご紹介下さっているブログがありますので、そちらもどうぞ!
Muzyka Polska ~ポーランド音楽が好き~
http://muzykapolskamuzyka.blogspot.jp/2013/08/pink-freud.html
http://muzykapolskamuzyka.blogspot.jp/2013/09/pink-freud.html

とにかく楽しいんだな、彼らのライヴは。
今回のライヴスケジュールは下記の通り。
それぞれリンク先でご覧ください。

10/9 Japoland Groove at 代官山UNIT
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2013/10/09/131009_pinkfreud.php

10/10 Heavy International at 渋谷nest
http://shibuya-o.com/nest/2013/10

10/12 at 原宿ngorongoro
http://www.ngorongoro.jp/


各メンバーについても紹介しておきましょう!

Wojtek Mazolewski ヴォイテク・マゾレフスキ
ベース奏者。ピンクの現リーダー。イケメンかつバカテク、ロックスターのムードを持つ稀有のジャズミュージシャンです。ピンクと並行して自身のクィンテットなど数々のプロジェクトで演奏する超多忙なアーティストでもあります。アメリカでも徐々にベース奏者としての評価が高まってきており、トランペット奏者Dennis Gonzalesとの共演盤なども録音しています。90年代前半から若者を中心に盛り上がったYASSというミクスチュアジャズから育った時代の申し子。

Tomasz Duda トマシュ・ドゥダ
えーと、トメクは残念ながら今回は来日しないようです。が、一応紹介。前衛音楽やエクスペリメンタルなインプロヴィゼイションシーンでも高い評価を得るバリトンサックス&フルート奏者。「そちら系」のアルバムに数多く参加しています。ひたすら明るい若者ノリの他の3人にくらべ、知的で物静かな風貌ですが、アヴァンギャルドな音響を吹きまくりピンクサウンドに独特の毒を加えている、なくてはならない存在なのです。

Adam Milwiw-Baron アダム・ミルヴィフ=バロン
トランペット。お父さんはポーランドジャズシーンのカリスマの一人、サックス奏者のPiotr Baron ピォトル・バロン。ゴリゴリスピリチュアルモードで爆走する父Piotrのバンドと、現代風のサウンドの最先端を走るこのピンクをかけもちし見事にプレイを使い分けている、今のポーランドシーンのキープレイヤーの一人。お話したところでは、お父さんを大変に尊敬しているそうです。

Rafal Klimczuk ラファウ・クリムチュク
ピンクが複雑な曲構成をものともせず、観客をダンサーと化す陽性のグルーヴで突っ走り続けられるのは、このラファウの素晴らしいドラミングがあるからこそ。確かなテクニックを軸に常にロックスピリットに溢れたビートをバンドサウンドに与え続けるところは、イギリスの超絶プログレバンドGentle GiantのドラマーJohn Weathersに似ているかなあ。話してみるとムッチャいい人で、その人柄がプレイに表れているようなドラマーですね。
いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:
ポーランドヴォーカル界最高のスターの一人ANNA MARIA JOPEK アンナ・マリア・ヨペクが通算5度目の来日を果たします。
10/5ブルーノート東京で、たった一夜だけのスペシャルライヴを行うのです。
初めての方のために、今回はANNA MARIAを初めとしたバンドメンバー全員の紹介をしたいと思います。
えっと、最初に言っておきます。
今回のコンサートの最大の肝はドラムのスーパーテクニシャンCEZARY KONRAD ツェザルィ・コンラトだと私は思っています。
世界トップクラスのウルトラテクニックと啖呵を切るような壮快かつ豪快なドラミングが持ち味の、ポーランド最強のドラマーなのです。

ブルーノート公演についてはこちら↓
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/anna-maria-jopek/

また、今回プレライヴとして、代官山のレストランAnjinで30分程度のミニライヴとサイン会も行われるそうです。
そちらの情報は↓
http://tsite.jp/daikanyama/event/002406.html


Anna Maria Jopek アンナ・マリア・ヨペク
ヨーロッパのポップスコンペティションEurovisionにデビュー曲「Ale Jestem」で出場を果たし未来を嘱望されるポップスターとしてポーランドシーンに登場しましたがすぐジャズやトラッドを取り込んだ独自のサウンドへと方向転換、同国トップクラスのジャズミュージシャンたちと共演した『Bosa』や2枚組ライヴ『Szeptem』などを発表。現代ジャズ界が生んだ最高のワールドクラス&ジャンルレスアーティストPat Metheny パット・メセニーとの共作『Upojenie』で世界のファンの心を鷲掴みにしました。その後愛知万博で初来日。Branford Marsalis ブランフォード・マルサリス、Richard Bona リチャード・ボナ、Sting スティング、Gonzalo Rubalcaba ゴンサロ・ルバルカバらトップレヴェルの音楽家との共演・録音を重ねる一方で、小曽根真とのコラボ『Haiku』や彼の作品への参加、度々の来日など日本との距離も縮まっています。
代表作は『Farat』『Upojenie』『Polanna』などなど。
ホームページはこちら。日本語版もあるよ↓
http://www.annamariajopek.pl/

ちなみに、彼女の来日については私とは違う角度から詳しく紹介して下さっている方がいらっしゃいますので、併せてお知らせしておきます。この人も凄い人だなあああ~
Muzyka Polska ~ポーランドの音楽が好き~

Krzysztof Herdzin クシシュトフ・ヘルヂン
現代ポーランド最高のピアニスト、作編曲家の一人。ジャズに留まらず、オーケストラ編曲やポップス作品のプロデュースやアレンジ等々、その活動は非常に多岐に渡ります。デビュー作はドラムのJacek Pelc ヤツェク・ペルツの『City Jazz』。ポーランドの生ける伝説Zbigniew Namyslowski ズビグニェフ・ナミスウォフスキのバンド卒業生。マルチプレイヤーとしても桁外れの才能を持ち、Jopekのライヴでも民俗楽器の笛やパーカッション、ユーモラスなスキャットなどもこなし観客を楽しませてくれる真の天才です。
代表作はポーランドの映画やドラマの名曲をカヴァーした『Seriale,Seriale』やCezaryとの壮絶なバトルを演じた『Live in Tygmont』。
ホームページはこちら↓
http://www.herdzin.com.pl/

Marek Mapiorkowski マレク・ナピゥルコフスキ
ポーランドのギタリストの中でも特に評価の高い素晴らしいテクニシャン。親しみ深い風貌とちょっぴりユーモラスな足バタバタダンスから繰り広げられるマジカルで超絶技巧のフレージングにはきっと圧倒されるはず。トータルなサウンドヴィジョンと飛翔感を併せ持ったリーダー作『Nap』『Wolno』は共に国内で多数の賞に輝いた名作。以前Jopekバンドのコーラス担当だった美貌のシンガーDorota Miskiewicz ドロタ・ミシキェヴィチが彼の多重録音ギターとほとんど二人だけで作り上げた『Ale』も素晴らしい作品となっています。Cezary,KubiszynとのハードフュージョントリオKonKubiNapのライヴ盤もオススメ。
ホームページはこちら↓
http://www.mareknapiorkowski.com/

Robert Kubiszyn ロベルト・クビシン
物静かで知的なナイスガイにして、現代ポーランド最高の両刀ベース奏者の称号を欲しいままにする天才ミュージシャン。ベースソロによる美しいイントロから壮大なサウンドスペクタクルが広がって行く唯一のリーダー作『Before Sunrise』を初め、近年の国内の重要作にはほぼ全て参加しているようなモンスタープレイヤーです。鋭敏な耳と正確無比なフィンガリング、ポーランド人らしい躍動するリズムセンスを併せ持つその天才ぶりが買われ、Clarence Penn クラレンス・ペンらを擁したハーモニカ奏者Gregoire Maretのヨーロッパツアーバンドの正式メンバーに抜擢、Maretのアルバムにも一曲参加しています。
ホームページはこちら↓
http://www.robertkubiszyn.com/

Cezary Konrad ツェザルィ・コンラト
おそらくポーランドジャズ史上最高最強のドラマー。Vinnie ColaiutaとBilly Cobhamを足して2で割るのではなくかけたかのようなポリリズミックで変態的超絶テクニック、サウンドに喧嘩を売っているかのような猛烈なダイナミクスを突きつける独自のスタイルで、間違いなくドラムシーンで世界最先端を進むスーパープレイヤー。スタジオミュージシャンとしても引っ張りだこで、非常に数多くの名盤に参加しています。絶対に絶対に生で聴くべき!
ホームページはこちら↓
http://www.cezarykonrad.com/

Piotr Nazaruk ピォトル・ナザルク
固い結束を誇るJopek人脈の中でも古くから彼女を支えて来たサポートメンバー。優しい声質のヴォーカルに加え、フルートや弦楽器など巧みなマルチプレイでサウンドを彩ってくれます。Pat Metheny BandにおけるPedro Aznar ペドロ・アズナールみたいな重要な存在だと思って下さい。


さてさて、見に行きたくなりましたか?
私見では、Jopekは「セクシー」や「幻想的」ではなく大変にエモーショナルなシンガーだと思っています。
そして、自国の伝統音楽や母語をとりわけ大事にしていることにも注目です。
近年、自国のものであれ他国のものであれ、伝統音楽の要素を濃厚に、かつ非常に洗練された形でアップ・トゥ・デイトさせた音楽が躍進していますが、彼女の音楽もその波の中に含まれるべきものだと思います。
個人的にはMaria Schneider マリア・シュナイダーとの共演盤を作って欲しいのですが・・・。
彼女のサウンドは、それくらい「汎世界音楽」となり得る不思議な魅力に満ちています。
そんな彼女の「エモーショナル」さはきっとライヴでないと伝わりません。
とにかく巣晴らしい音楽が聴きたい方は、ぜひぜひお越し下さい。
いいね!した人  |  コメント(0)

[PR]気になるキーワード