慰謝料請求までの経緯
夫の不倫相手に慰謝料を請求した私の
「慰謝料請求体験談」をはじめから読む
第9幕 不倫相手と裁判！結審③
～裁判上の和解と既判力～
夫の不倫相手である女（被告）に対する
不貞慰謝料請求裁判。
和解期日を目前に控え、
私は本棚からポケット六法を引っ張り出し
改めて不貞慰謝料の請求と法との関係
について考えていた。
不貞慰謝料を請求するための根拠は
前回の記事にも書いたとおり
「民法」にある。
刑法ではなく民法を根拠にしているので
起こしている裁判は刑事裁判ではなく
民事裁判だ。
この民事裁判について規定しているのが
「民事訴訟法」になる。
和解というのは、
当事者の合意によって争いを解決すること。
その和解も、大きく分けて
「裁判外の和解」と「裁判上の和解」
の２つが存在する。
私が判断を迫られているのは
「裁判上の和解」。
民事訴訟法第267条によると…
裁判上の和解には、確定判決と同等の
効力があるとされている。
民事訴訟法 第267条
和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載
したときは、その記載は、確定判決と同一の
効力を有する。
つまり。
万が一、被告が和解調書に記載された
賠償金を支払わなかったとしたら、
私は被告の財産を差し押さえ
強制執行の手続きをとることができる
ということ。
また、民事訴訟法第114条1項に
既定されている既判力も
そのひとつではないかと私は思った。
民事訴訟法 第114条1項
確定判決は、主文に包含するものに限り、
既判力を有する
既判力とは…
民事訴訟法上、裁判が確定した効果として
同じ当事者間で同じ事項が後日問題と
なったとしても、裁判で示された判断に
反する主張をすることができず、
裁判所もこれと抵触して裁判をすることが
できない、というもの。
既判力について、
私は弁護士からは何も言われなかった。
調べてみると
既判力を裁判上の和解に認めるかどうか
の判断も、判例は分かれているようだ。
私が和解案に入れた
「本件に関し」という一文は、
既判力における
「同じ当事者間」で「同じ事項に関し」
争うことができないというのと
同等の意味合いだと思う。
和解の場合は、これを入れなければ
私と被告の間にある全ての争いが終了する
ことに「合意」したことになってしまうから。
私は今回裁判で主張した不貞についての
解決のみ合意しただけであって、
それ以外については被告との間で
何も合意していない。
和解は双方が何に合意しているかを
明確にする必要がある。
だから、私は「本件に関し」を入れた。
今回主張した不貞の事実以外では
また被告と争うことができるように。
民事訴訟法第114条1項を
反対から解釈すると…
同じ当事者間であっても
同じ事項でなければ
裁判を起こすことができる
ということもになるのだからね。
法律は、
そこに書かてれいる文字だけでなく
このような反対解釈をすることも
可能なのだ。
(つづく)
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