Q&A 戦略的情報システム計画立案作業のリーダーシップ
Q&A第3弾として、cafe@永福さんのブログに記載されていた疑問点について
考えてみたいと思います。
まず、質問いただいている背景
「経営戦略に寄与するXXXX」や「自社のビジネスにイノベーションを引き起
こすXXXX」という点について、関心や現状そうできていないことへの問題
認識を持っている経営者は少なくありません。拙書では、その主たる手段に
情報システムを想定しています。
その一方で、「経営戦略に寄与する」や「自社のビジネスにイノベーションを
引き起こす」というのは、経営、ビジネスそのものの話ですから、主たる手
段を情報システムにおいたとしても、情報システムだけにとどまる話では
ありません。当然のことながら、組織や業務プロセス、人材採用、育成、
経営管理制度など情報システム構築以外の手段も合わせて見直しを行う
必要に迫られます。
拙書では、取り組みを推進するリーダーの役割をCIOに求めています。
役割を果たすためには、CIOは手段である情報システムの責任者としての
Chief Infomation Officerではなく、改革推進者としてのChief innovation
Officerになるべきとしています。
それを受けての質問
cafe@永福 さん
>> 本書で書かれているような情報システム以外の課題を含めた取り組み
>> に対して、情報システム部門がどのようにしてリーダーシップを発揮す
>> るのか?
私なりの回答
拙書で記載しているような戦略的情報システム計画の立案は、次のような
利用ケースを想定しています。
A 大規模システム開発の際に、開発するシステムの要件を経営戦略と
リンクさせるための具体的方法として活用する。
B 事業計画と連携したITマネジメントの具体的方法として活用する。
今回はBのようなITマネジメント体制の構築を行う場合を想定して回答した
いと思います。
まず、「どのようにしてリーダーシップを発揮するか」の以前に、どのような
状態にあればリーダーシップが発揮できうるのかを考えてみると、
① 経営陣の情報システムの戦略的活用に対する関心が高い。
戦略的システム計画の立案のような取組は、経営トップの積極的な関与
がなければ成功しません。経営者が高い関心を持っていることが必須と
なります。
② 情報システム部門の責任者が、役員あるいは経営会議などの意思
決定メンバー。
取組を進めるに当たって、経営戦略や事業戦略の策定、その推進状況の
管理や対策立案に関与できければ、当取組のリーダーは務まりません。
CIOに当取組のような役割を期待する場合、役員あるいは社内のハイレベ
ルの意思決定機関(会議体)のメンバーであることが必須です。
③ 現場の業務知識だけではなく、経営やマネジメントに関する実践的な
知識を持った作業メンバーが存在する。
取組の対象範囲は、システム開発だけでなく、経営計画の整理から業務
分析、改善案立案、業務改善、効果測定など多岐にわたります。1人で
すべての役割を果たす必要はありませんが、幅広い知識と経験が必要と
なります。そのようなメンバーを一定数揃えることが必要です。
④ 情報システムを事業戦略を実現するための有効なツールと認識し、
その事業戦略を実現する方法(情報システム開発を含めた各種取組)
の必要性と方法にについて社内で共通の認識が醸成されている。
実際の取組は③のメンバーのみで進めるわけではありません。経営陣や
事業責任者、事業部門のメンバーなども関与して取組が進みます。これ
らの多数の人に関与してもらうためには、事業戦略を実現するために有効
であるということと、それぞれが役割を果たすことが必要であるということに
ついて共通の認識をもってもらうことが必要です。
⑤ 情報システム部門が改革の支援者として頼りにされている。
リーダーシップを取る人(部門)は、同様の取組に対して実績を有し、社内
から信頼され、頼りにされていなければなりません。
等々が上げられます。
情報システム部門がリーダーシップを発揮して体制を築いていこうという
場合、CIOを中心にして上記①~⑤のような状態を作ることが大切になり
ます。いずれの場合も、急激に状況を変えることは困難で、多少時間が
かかることはやむを得ないと思います。大切なのは、性急にリーダーシッ
プを自分から取りに行くのではなく、CIOをはじめとする情報システム部
門が組織として、経営陣や事業部門から、「経営戦略の実効性を高める」
支援ができるということについての信頼と期待を獲得することです。経営
戦略と一体となったITマネジメントは一過性の取組ではなく、会社のマネ
ジメントの一部として継続して推進されるべきものであるため、CIO個人と
いうだけではなく、組織として運営できる体制を整えること、および全社的
に必要性が認識されることが大切です。
では、どのようにして上記の①~⑤の体制を整えていくかというと
・ いきなり全社のITマネジメント体制の刷新を図るのではなく、個別のシ
ステム開発の案件から着手する。
・ 個別のシステム開発案件での戦略的システム化計画の立て方を実
践することで、情報システム部門のメンバーが検討方法、取り組み内
容などの知識、スキル、経験を積む。
・ 個別のシステム開発案件で戦略的システム化計画の立て方を実践
することで、経営(事業)戦略から情報システムのあり方を検討し、実
現することでどのような効果があるのかについて、経営/事業側と認
識の共有化を図る。
・ 戦略的システム化計画の取組をうまく実現するためには、経営/事業
側、作業を行う情報システム部門や現業部門がどのような役割分担や、
責任をもって取り組む必要があるのかの、認識の共有化を図る。
・ 個別案件の積み重ねから戦略的システム化計画の必要性についての
認識の共有を全社的に広げる。その合意を元に、全社のマネジメント
体制の一部にITマネジメントを組み込む。
これらを進めていくに当たり、試行錯誤しながら進めていくのも一つの方
法と思います。しかし、一定の期間内に小さくとも成果を上げていかなく
ては、「意味がない」「効果がでない」のではないかという意見が出て、取
組を進めていくこともできなくなります。(成果とは、経営/事業上の期待
された効果を本取組にて実現することです。)
当初は十分な知識もスキルもない要員の中で、結果を出すことは難しい
と思います。人員を育てながら成果を出すために、コンサルタントを利用
するのも有効な方法です。コンサルタントに丸投げするのではなく、長期
的に一緒にITマネジメント体制を作る取組に参画させることが必要です。
当初はコンサルタントをCIOの補助と作業の主体とし、その配下に自社
要員をつけることで、経営/事業側への成果を出すことと要員の育成の
2つの目的を満たすことが可能です。その後、人員の育成状況を見つつ、
自社要員へ役割をシフトし社内体制を整備することが可能になります。
最後に
CIOとして情報システム部門の責任者が機能するためには、上記のような
体制を作るのは当然といえば当然なのですが、そうなっていない状況から
移行させるのは、本当に大変なことですね。
繰り返しになりますが、経営戦略と一体となったITマネジメントは一過性の
取組ではなく、会社のマネジメントの一部として継続して推進されるべきも
のであるため、CIO個人というだけではなく、組織として運営できる体制を
整え、その必要性について全社的な合意が必要です。人を育て、全社の
認識をあわせ、体制を整えるためには、時間はかかります。ローマは一日に
して成らずです。これはやむを得ないと思います。
私自身がコンサルタントなのでセールスチックに聞こえてしまいますが、
取組の中でコンサルタントを取組のリーダー的人材のように組み込んで
しまうことで短期的な成果を上げつつ、社内の人材を育成するという難しい
課題をクリアすることが可能になります。検討いただく価値はあるのでは
ないかと思います。
また、各社の状況により、CIOがCIOとしてリーダーシップを発揮するために
必要なことは異なるとも思います。このブログを読まれている方で、こういう
観点もあるというような指摘をいただければありがたいです。
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Q&A BSCでは「事業の継続性」のためのIT投資が評価できないのでは?
Q&A第2弾です。今回も前回に引き続きITビジネス&テクノロジーさんの
拙書に対するコメントから引用させていただきます。
>> バランスト・スコアカードの4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と
>> 成長)では、財務の視点が目標の最終的に行き着くところとなりますが、
>> これだけだと事業の継続性に関する視点が拾えない気がしますね。
>> 昨今流行の「SOX法」だの「内部統制」だのを契機としたシステム投資を
>> 分析するためには、また別の視点を設ける必要がありそうです。
事業の継続性ということを考えた場合に、「とにかく利益を出していれば
よい」という時代ではなく、内部統制やコンプライアンス、CSRということが
キーワードになってきています。本質的には昔からあったことではありま
すが、これらのことに対する社会からの要請が年々強まってきている
ように感じます。
「内部統制」「コンプライアンス」「CSR」などの体制を整備するためには、
非常に多くの費用がかかります。しかし、短期的視点で見た場合に、その
費用は、今いまの利益を得るための支出ではありません。
では、なぜ企業がこれらのことに着目し、少なくない費用を投じてまで
取り組むのかというと、事業を継続させていくための投資として必要で
あると認識しているからです。
例えば、いくら本業が順調であっても、社会問題となるような問題を引き
起こせば企業は事業を続けることはできません。「粉飾決算」「品質不
良」「環境汚染」「情報セキュリティー漏洩」などの問題を起こした結果、
倒産に追い込まれたり、上場廃止、他社からの買収などにあい、従来
どおりの経営を続けられなくなった企業も少なくありません。このような
ことを防ぐためには、社員に対する啓蒙や問題発生時に報告が上がる
仕組み、意思決定が適切に行われる仕組みなどを作りこむ必要があり、
その手段として情報システムが活用されることもあります。
本題ですが、そのような事業の継続性のための情報システム投資を
BSCで評価する場合にどのように表現できるかですが、ITビジネス&テ
クノロジーさんの指摘の通り、既存の4階層で表現するのは難しいように
思います。
BSCで情報システム投資の評価を行う場合、3年から5年先を想定し、
この情報システム投資が、3年後、5年後のビジネスにどのように寄与
するのかを整理します。このビジネスへの寄与を何で図るかというと、
利益であったり事業効率性であったり、財務の視点で表します。
一方で、「事業の継続性」というのは、もっと長い時間軸でみた話で
あり、3、5年先のための投資ではありません。また、そもそも収益の
ための投資ではなく、リスク回避のための投資という側面が強いと思
います。この点を踏まえて、BSCで事業継続にかかるシステム投資の
評価をするには、「財務の視点」の上位階層として「事業継続性の
視点」をおけばいかがでしょうか。
最終目標は、「10年、20年といった長期での事業の継続」であり、
そのために「利益をあげる」「各種事業リスクを低減する」の2点に展開
します。「利益をあげる」については、通常「財務の視点」の最上位目標
に記載する内容を用いて、そこから今までどおり財務の視点に経営課
題を展開します。
一方、「事業リスクの低減」については、想定される事業リスクの大きな
カテゴリを列挙し、そのリスクが発生した場合の被害内容を想定します。
(被害内容:信用毀損、対策費用発生、売上等のこち込み・・・等)
その各リスクカテゴリー毎に、そのリスクを顕在化させないための経営
課題を「内部プロセスの視点」で展開してはいかがでしょうか。
これにより、「事業の継続性」に関わる情報システム課題が、内部プロ
セスの視点の経営課題に関連させて定義でき、かつ、その効果は、上位
階層に定義した「リスク顕在化時の被害の低減、削減」として表すことが
できると思います。
また、「事業の継続性」に関わる取り組みは、目的としては非常に長期を
見据えた取り組みですが、今評価を行うべき取り組みに限定すると、数
年間の中で行う取り組みのはずです。このため、効果については、長期
的な視点で上記のように行う一方で、ここ数年間で取り組むべき範囲や
投資額については、その向う数年間の財務状況を踏まえてバランスを
取る必要があり、従来どおりの「財務の視点」で表現される財務内容との
対比で評価できるようにする必要があると思います。
参考: 事業継続を加味したBSCの拡張イメージ (jsox-bsc.pdf
)
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コンサルタントに必要なスキル
昨年6月12日に、拙書が「わたしが知らないすごい本は、きっとあなたが
読んでいる(スゴ本)」に取り上げられた後、アマゾンでの販売数が急激に
伸びたときのことを、「口コミ」
というタイトルでブログをかいています。
昨日からアマゾンで急激に売上が上がっているなと思っていると、またもや
「すご本」さんでした。今回は「いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読む
べき5冊」
として、
・「問題解決プロフェッショナル――思考と技術」
・「考える技術・書く技術」
・「組織の現場力を高める問題解決メソッド」
・「RFP&提案書作成マニュアル」
と共に拙書を紹介いただいております。
以前も驚きましたが、影響力のあるサイトというのはすごいですね。
さて、その記事の中では、コンサルタントが使う「手法」と「その徹底した
実施」にフォーカスをあて、コンサルタントがコンサルタントたる所以を
説明されています。
これはあながちハズレではなく、一部の層については当たっています。
一般の事業会社で、一般職層、管理職層、経営職層といた職格階層を
つくり、職格毎に役割分担が作られているのと同様に、コンサルティング
会社でも役割分担があります。私が所属していたコンサルティング会社
では、以下のような感じでしょうか。
パートナー : マーケットメイク、組織経営
マネージャー: プロジェクトメイク、プロジェクト管理、品質管理
(大型案件、難易度の高い案件では主作業者)
シニアスタッフ: 個別案件の主作業者
スタッフ : 補助作業者
「一部の層」について当たっているというのは、上記の中のシニアスタッフ、
スタッフ層が該当します。シニアを含むスタッフ層は、実作業者ですから
この「手法」とその「徹底した実施」が非常に大切です。しかし、マネー
ジャー層以上については、「手法」と「実施」だけではない別のスキルが
必要となります。
マネージャーの役割は、案件を作り、プロジェクトを立ち上げ、プロジェクトを
運営し、クライアントに約束した成果をあげることにあります。成果は、正しい
手法とその徹底した実施から生まれるのですが、それは正しい方向性を
与えられていることが前提となります。
つまり、お客様の抱えている問題や課題を適切に捉え、何に着目し、どの
ような対策を採れば、期待する効果が得られるかを「見定める」ことが何
よりも大切で、その役割を果たすのがマネージャー層以上です。
「手法」や考え方を理解し、それを徹底し手活用できるようになることで、
コンサルティング的な作業はできるようになると思います。ただ、「見定める」
力を身に着けないと、「すばらしい論理展開で、間違った答えを導き出す」
ことになりかねません。(実際、駆け出しのコンサルタントがこのような過ちを
よく犯します。若かりしころ、私も例外ではありませんでした)
「すご本」さんの書評では、拙書をSEからコンサルタントへという役割の
切り替えを行う際の参考図書としてあげていただいております。そのような
立場で仕事をすることになられた方には、「手法」だけでなく「見定める力」が
重要であることを頭の片隅にでもおいていただければなあと思います。
なお、この「見定める力」はどこから得られるかというと、センスと経験です。
センスがない人は、いくら経験を積んでも「見定める力」がつかないようです。
実際、いくらがんばってもマネジャーになれないコンサルタントというのは、
たくさんいます。
「すご本」さんではありませんが、このセンスを磨くためのお勧め図書としては
例えば、P・F・ドラッカーの「マネジメント」などが該当します。
この本で書かれている内容は、「経営の原理原則」であり、言い方を変えれば
「ごく当たり前のこと」です。しかし、この当たり前の原理原則が、経営にとって
どれだけ重要なことか。当たり前のことを当たり前のようにできないことが
最大の問題であることを認識することが大切です。何が当たり前で、どこが
当たり前から外れてきているのかが「見定める力」の基本だと思います。
その意味で、この本は、「見定める基準」を与えてくれる本です。
ご参考までに。
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Q&A 経営者のビジョンの是非について、どう考え、対処するのか?
世の中的にはゴールデンウィーク真っ最中ですが、私は今年もお仕事です。
例年、お正月は休みが取れる可能性が高いのですが、GW、お盆などに
ゆっくり休めることは少ないような気がします。これは、プロジェクト単位で
動くコンサルタントという仕事柄仕方がないのかもしれません。
さらに今年のGWは、子供が水疱瘡にかかってしまい、仕事もままらならず
状態で、GW後半に何とかして取り戻さねばと再度気合を入れなおしている
次第です。
さて、ネットで拙書の評価の検索結果を前回掲載しました。書評の内容を
見ていると、「こんな場合はどうするんだろう」的に疑問を書いていただいて
いる方もおられます。
例えば・・・
ITビジネス&テクノロジー
・経営者のビジョンの是非について、どう考え、対処するのか?
・BSCの4つの視点で捉えていると、「事業の継続性」に関する視点などが
抜け落ちるのではないか?
cafe@永福
・本書で書かれているような情報システム以外の課題を含めた取り組み
対して、情報システム部門がどのようにしてリーダーシップを発揮するのか?
・情報システム以外の課題を含めたプロジェクトを推進するとした場合、
現行の情報システム部門の要員に、それを推進するだけのスキルが
あるか?(不足するとした場合、どうするのか)
・仮に取り組みをスタートさせた場合に、検討した結果、課題の多くが
情報システム以外であった場合、情報システム部門はどのように対処
すべきか?(手を引くのか?)
これらの疑問点について私なりの回答を記載していきたいと思います。
もし、このブログを読まれている方で、他にも疑問や質問がありましたら
コメント、あるいはメールでご連絡いただければと思います。
可能な限り回答をさせていただきたいと思います。
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経営者のビジョンの是非について、どう考え、対処するのか?
--------------------------------------------------
ITビジネス&テクノロジー
>>経営者の描くビジョンを実現するための方法論を示していますが、
>>そのビジョンの是非についてはあまり問題にしていないようです。
>>要するに神様の言うことは絶対!みたいな?なかなかに現実に
>>即した前提ではあります(笑)
戦略的情報システム計画の立て方の最初の取り組みとして、経営(事業)
戦略の整理を行いますが、ITビジネス&テクノロジーさんの指摘されて
いる通り、拙書の中では、その提示された経営(事業)戦略の是非について、
検討するタスクはありません。
戦略的情報システム計画の「戦略の整理タスク」は、あくまで経営者の
方の考えている戦略を整理し、情報システム計画のインプットに使える
ようにすることが目的であり、その是非を議論する場ではありません。
なぜなら、戦略の評価は、戦略を実行した結果、ビジネスとして得られ
た効果で見るしかなく、立案された戦略を捉えて良い/悪いの議論は
意味のあるものと思えません。
しかし、だからといって経営者の方からヒヤリングした内容をBSCの
フォーマットに書き出して「はい、できあがり」というわけはありません。
戦略の良い/悪いは評価できませんが、戦略の検討の範囲や深さ、
検討の漏れの有無などを整理し、もう少し検討を加えるべき点が
ないかを確認することは可能です。
戦略をBSC形式で記載することで、漠然としたイメージでしかなかった
戦略が目に見える戦略に変わります。また、BSCを使うことで、戦略を
実現するための個々の構成要素(経営課題)とそのつながりが明確に
なり、漏れや論理的な矛盾の有無などが浮き彫りになります。
またさらに検討を進め、重要施策の整理を行うことで、戦略を実現す
るための取り組みに落とし込みます。誰しも経験があると思いますが、
頭で思っていたことでも実際にやろうと思うとできない、それまでの検
討の至らない部分が見えてくるといったことがあると思います。BSCで
整理した戦略から重点施策の整理を行う過程で、戦略として検討すべ
き課題の漏れなどが見つかることがあります。
戦略が良く検討されているから成功するとは限りませんが、立て方、
検討範囲、検討の深さなど戦略立案方法の形式面を確認することで
失敗する確率を少しでも減らすことはできると思います。
明確に「戦略を評価する」というタスクはありませんが、作業の中で
戦略の内容を確認し、より精度を高めるというフィルターはかかって
いると考えています。
「戦略の是非」という点についてやれるのは、ここまでが精一杯かなと
思います。
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拙書を様々なブログで取り上げていただきました その評価は・・・
ここのところバタバタとしておりましたので、更新が滞っております。
いろいろ書きたいことはありますが、考えを文章をまとめる時間が
取れない状態が続いています。
そこで今回は、私以外の方が書いてくださった拙書についての書評を
ネットで検索し、IT戦略やシステム化計画などに対しての関心の有無や
考えなど調べてみようと思います。
(書籍出版当初は、「評判はどうだろう」と興味津々で見ていたのですが、
その後いかがなものでしょうか)
ヤフー、グーグルで検索してみると・・・
結構コメントを書いてくださっている方がおられます。ちょっと驚きです。
uessay
http://goodsite.cocolog-nifty.com/uessay/2006/06/index.html
「シスアナの論文で実案件で勝負できるようなネタがない場合(僕もそう)、
この本をベースに、というか、この本を、そのまま論文の題材にして
受験したら反則かな。それぐらい良さそうな一冊。」
cafe@永福
http://d.hatena.ne.jp/ryos_cafe/20060627
「カッコイイxx理論とか出てこない。その代わりに「こんなにネタばらしして
もいいんでしょうか。」と思うほど業務改革の方法がステップバイステップで
噛み砕かれている。」
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/06/se4_dcc5.html
「システム改善施策のそれぞれが、業務運用をどう良くするのか、グランド
デザインのどこにどう効くのか、ひいては経営目標にどの程度寄与するのか、
それぞれのリスクと実現時期と代替案は…これらの疑問にロジカルかつ
数字つきで答えられない限り、ウンと言わない。
そんな「システム計画」があるのだろうか?
ある。それが本書。経営目標からトップダウンで作成する作り方 KnowHow が
具体的に述べられている。」
はてなブックマーク
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/06/se4_dcc5.html
上記「すご本」さんの記事に231件のブックマークがついています。
日刊 Chain Reading
http://plaza.rakuten.co.jp/chainreading/diary/200512030000/
「本書では、経営計画と情報システムの接点をつくるものとして、
バランス・スコア・カードを利用しています。なるほどこのような流れにする
と整合性がとれるのですね。」
インドアライフ
http://d.hatena.ne.jp/muranmuran/20060618
「これはなかなかいい本。タイトル通り、情報システム計画の立て方が
よくわかる」
@IT情報マネジメント ブックガイド
http://www.atmarkit.co.jp/im/news/books/backno/lifecyc.html
「経営効果を上げる具体的な手段として、情報システムの活用は重要だ。
事業戦略を核とした経営計画から、その戦略・計画に整合した情報シス
テムをいかに構築するかという方法論を紹介する。」
脳を鍛える大人のブログ
http://ameblo.jp/blogmkonno/entry-10012034476.html
「情報システムの開発に焦点をあてた書籍というのは多数出版されています。
また,情報システム計画の前提となる経営戦略に関しての書籍も
十分とはいえませんが,それなりに出版されていると思います。
しかし,その間の「情報システム計画立案」という部分を詳細に具体例を
挙げて説明した書籍というのはなかなかありません。この本,その数少ない
書籍の一つで,かつ良い本といえるものでしょう」
真面目に非常識なことを考える
http://d.hatena.ne.jp/toshihar/20060620
「物事を整理して考え、目的を達成するプロセスを教えてくれる。」
しふ~のブログ
http://d.hatena.ne.jp/sifue/20060723
「誰でもこのマニュアルに添ってシステムコンサルティングができるって所まで
落とし込んであるのでビックリです。」
ITビジネス&テクノロジー
http://d.hatena.ne.jp/bottleneck/20061024
「この本は経営者の描くビジョンを実現するための方法論を示していますが、
そのビジョンの是非についてはあまり問題にしていないようです。要するに
神様の言うことは絶対!みたいな?なかなかに現実に即した前提では
あります(笑)」
日々雑感
http://plaza.rakuten.co.jp/20060501/diary/200611190000/
「情報処理試験対策に読んだ本。
経営計画にマッチした情報システムをいかに構築するか、その方法論が
テーマで情報システム計画の立案方法が、各フェーズごとに具体的に
説明されている。午後対策には問題集なんかより、この本の方が役に
立った。また、各フェーズごとで作成するドキュメントの例は、実務でも
使えそうで上流工程でもめた前回のプロジェクトに入る前に読みたかった
なぁと思った。」
皆さん総じて好意的に書評を書いてくださっていますね。ありがたいことです。
ただ、ちょっと不安に思うのは、読んでいただいている方は、IT戦略やシステム
計画の立案にこれまでも携わっている方というよりは、今後そのような業務を
担当したいと考えておられる方が多いのではないかということです。
書籍なので物事を整理して書いておりますが、実際IT戦略やシステム計画の
立案業務に携わられると本に書いているほどスムーズに進まないものです。
経営者、IT担当者、事業責任者、システムベンダー、コンサルタントなど様々な
立場の人が関与し、それぞれの経験に基づく異なる観点や価値観にたって
議論するために、IT戦略を立てる目的を満たすような結論に行き着くことは
至難の業です。
何のためのIT戦略/システム化計画なのか、その効果を出すためには、何を
意思決定しなければならないのか、その結論に行き着くためには、何を調査、
検討し、何を明らかにする必要があるのか、それらの作業をどのように進める
のかなど、参加者の認識を合わせることが大切です。
役員や事業責任者の部長さんに本書を読んでもらって、それで認識の共有
化が図れるのであれば簡単ですが、そうそう読んでいただけません。
本書からポイントを整理して、その重要性をわかりやすく説明し、具体的な
作業方法など詳細はわからないまでも、そのようなことの必要性は理解いた
だき、進め方については「ファシリテートしてくれ」と指揮棒を渡してもらえるか
どうかが、成否の分かれ目です。
拙書をよんで、IT戦略立案やシステム化計画の立案にチャレンジしていただく
のは、非常にうれしいことです。ただ、油断されませんように!
追伸
書評を書いてくださった皆様ありがとうございます。
感謝の気持ちだけで何もできないのですが、書評の中で疑問点などを
あげていただいている方もおられますので、せめてものお礼として、私なりの
回答などを今後本ブログの中で記載させていただきたいと思います。
(ちょっと時間がかかるかもしれませんが、お許しを)
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