インタープレイ コンサルティング 株式会社  Blog -3ページ目

KPIの設定方法について 3  ~ROAベースの見える化指標展開


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前回の記事のおさらい

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KPIの設定は、「企業(組織)として目指す方向性


(目標)」を実現するための目標設定と状況把握、


および統制のために活用することが一般的。


しかし、現実には、「企業(組織)として目指す


方向性(目標)」が明確でない状況下で、


現状把握を行い、明らかになった問題の改善を


行うことを目的に見える化のためのKPI(指標)


整備を推進される場合も多く見受けられる。


このような場合、ROEやROAの改善といった


どのような企業においても「望ましい」とされる


目標を仮置きし、その良否の結果と要因を


見える化できる経営指標群をKPI(指標)体系と


して活用することが多い。




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デュポンシステムでは、ROEを起点に指標展開を


行っていますが、上記のような「状況把握と問題


改善」を目的とした見える化の仕組み構築では、


ROE以外にも、ROAを起点とした指標展開を


用いることが多いようです。



改善を目的にする場合、事業別や組織別といった


社内を細分化した単位での状況把握(問題把握)と


改善を想定されることが多いようです。ROEの


算定には、自己資本額が必要となりますが、


管理単位としたい事業別や組織別に資本額が


算定できるかどうかが課題となります。


過去の経験から見た場合、管理単位としたい


事業別や組織別に、資本や負債の額の確定は


困難(実現しようと思うと見える化以前の様々な


検討が必要)であるが、資産については


事業別や組織別にある程度算定可能ということは


多いものです。このような場合、ROAを起点とした


KPI設定(指標展開)による見える化の仕組みを


構築することが行われます。




では、ROAからのKPI(見える化のための指標)展開は


どのように行うのでしょうか。




たとえば、


ROA(総資産経常利益率) = 経常利益 ÷ 総資産


 ↓


経常利益 = 経常利益率 × 売上高


総資産 = 売上高 × 総資産回転率


 ↓


経常利益率 = 営業利益率+営業外利益率


売上高 = 価格×売上数量


総資産回転率 

 = 固定資産回転率 と 流動資産回転率


 ↓


営業利益率 = 売上原価率 と 販管費率


売上数量 = マーケットシェア × 市場規模


流動資産回転率 

 = 棚卸資産回転率 と 売上債権回転率



売上原価率 = 製造原価率 と 在庫変動費率


販管費率 = 販売費率 と 一般管理費率


棚卸資産回転率 

 = 製品回転率 と 仕掛品回転率 と 原材料回転率 




等々といった具合に、各指標を計算式として展開したり


その構成要素に論理的に分割していきます。




~ つづく ~




ITの戦略的活用について


弊社(インタープレイコンサルティング株式会社)では、


企業におけるITの戦略的活用のお手伝いを行って


おります。 ITの戦略的活用について、私の思うところを


すこし記載したいと思います。





企業では、ビジネスを成功させたり、成長させたりする


ためのポイント(勝ち方)について狙いを定め、


それを実現するために日々努力を重ねます。


たとえば、新製品を開発したり、製造や販売等


各種業務方法を見直したり、新たな人材を採用したりと


上記ポイント(勝ち方)を実現するための取り組みを


行っています。


このような「ビジネスを成功させたり、成長させたりする


ためのポイント(勝ち方)について狙いを定めること」が


戦略の策定であり、その実現のための製品開発や


業務改善、人材育成、IT構築や活用等々の様々な


取り組みが戦略的活動であると思います。



「戦略的」というと、「どこもやっていないことに挑戦する」


とか、「非常に高い目標にチャレンジする」という印象が


ありますが、そのように考える必要はありません。


戦略的であるかどうかは、「狙いを定め、その狙いを実現


するために必要なことか」ということであり、革新的かとか


目標の高さが問題ではありません。つまり、ITの戦略的


活用といっても特別なことではなく、重要なのは、企業が


求める狙い(戦略)と整合したITが構築され、活用されて


いるかどうかです。



上記のようなことは当たり前のように思われるかもしれ


ませんが、各企業の実際の状況をみると必ずしも


そうではありません。IT(情報システム)の


構築では、個別業務を整理し、抽出された業務要件を


実現するシステムを構築するという考え方が根強く


残っています。システム化の対象となる業務を理解する


ことは非常に重要なことですが、業務要件を中心に


捉えるがために、企業が実現しようとしている戦略的な


狙いとの関連や、それへの貢献などが見落としがちに


なってしまっているように思われます。




ITの戦略的活用を実現するためには、ITの企画段階に


おいて、ITおよびその対象業務の業務方法のみを


検討の対象とするのではなく、ビジネスの成長や規模、


事業の強み/弱み、商品/サービスの強化ポイント、


その強化策としての製品/業務方法/業務品質/


業務コスト、それを支える人材の状況、育成方法や


その期間等々事業全体のあるべき姿の検討を通じて、


そこで必要となるIT像を整理することが必要です。 



上記のような企業として狙い(戦略)の全体像を整理し


その実現に必要なITを構築、業務改善、人材育成等々の


他の取り組みと合わせてITを活用することができている


状態が、ITのあるべき姿、つまり戦略的活用が実現で


きている状態と考えています。



KPIの設定方法について 2 ~デュポンシステム

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前回の記事のおさらい

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KPIの設定目的とは


「企業として目指す方向性(目標)があり、その実現へ


むけて組織をコントロール(誘導)するため」



このため、KPIの設定は次のステップで検討を進める。



① 「企業(組織)として目指す方向性(目標)」を

   具体化する。


② その実現ポイントを明確にする。


③ 「企業として目指す方向性」「実現ポイント」の

   実現度合いを測るものさしを明確にする。


④ 「企業として目指す方向性」を測る物差しをKGI、

   「実現ポイント」を測る物差しをKPIと定義する。




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KPIの設定について、基本的な考え方は上記の


通りですが、実際の取り組みを見ると、必ずしも


上記のようなステップで検討がなされている


わけではありません。



たとえば、「企業(組織)として目指す方向性(目標)」が


不明瞭な状態でKPIの検討を志向される場合も


多く見受けられます。


この場合は、「企業(組織)として目指す方向性


(目標)」を実現するためにKPIを活用するのではなく、


KPI(各種指標)を通じて状況を見える化し、問題点を


明らかにすることで改善することができるということを


狙ってのことです。



このような場合に、検討に際して問題になるのは、


何をどこまで見える化するのかということです。


ビジネス上、業務上発生するすべてのことを指標化し


その状況を数値化して見える化するということは


現実的ではありません。ある程度ポイントを絞って


見える化する指標を定義することが必要です。


「企業(組織)として目指す方向性(目標)」という


観点で絞り込むことが本筋ですが、前述のような


場合は、それができません。


このような場合に「見える化指標セット」のひな形と


して使用するのがデュポンシステムです。



デュポンシステムとは、1919年にデュポン社によって


考案された財務管理システムです。デュポン社では、


経営改善の目標を自己資本純利益率(ROE)の上昇に


あると定め、そのためには、自己資本純利益率の


構成要素である売上高純利益率(収益性)、総資本


回転率(効率性)、財務レバレッジ(負債の有効活用)を


それぞれ改善しなければならないとしました。



さて、


自己資本純利益率は、次のように分解が可能です。



自己資本純利益率(当期純利益/自己資本)=


(当期純利益/売上高)×(売上高/総資本)×


(総資本/自己資本)。



個々の比率を改善することによって、その積である


自己資本純利益率が最終的に改善すると考え、


自己資本純利益率をKGI、展開された個々を指標を


KPIとして定義します。


さらに当期純利益を売上高、売上原価、営業費用、


一般管理費用等の各指標にさらに細分化し、


より詳細な状況の見える化を行うことを行います。



デュポンシステムでは、ROEをKGIとして指標を


展開していますが、個々の企業の状況によっては


ROAをKGIとして指標展開を行うことも多いです。




つまり、


「企業(組織)として目指す方向性(目標)」が明確で


ない場合には、ROEやROAの改善という「どのような


企業においても必要なこと」を方向性(目標)として


仮置きし、ROEやROAを起点とした経営指標群を


ベースに見える化の仕組みを整備することを行う


ということも行われます。




~ つづく ~


KPIの設定方法について  1


「KPIってどのように設定すればよいのですか」


「どのような指標をKPIとして設定すべきですか」との


質問を受けることが多々あります。



KPIの活用目的は、直接的には状況の見える化であったり、


組織への目標設定であったり、組織の評価のためで


あったりします。


なぜ見える化や目標設定、評価を行いたいのかと


いうと、企業として目指す方向性があり、その実現へ


むけて組織をコントロール(誘導)したいからです。




このため、「どのような指標をKPIとして設定すれば


よいか」の回答の要点は、以下のようになります。



第1に、「企業(組織)として目指す方向性」を


具体化し、その実現ポイントを明確にすること。


実現ポイントの検討にあたっては、ビジネスの


成功要因やそれを実現する(強化すべき)


業務プロセス上のポイントを整理します。




第2に、「企業として目指す方向性」「実現ポイント」を


測るものさしを明確にすること。そして、


「企業として目指す方向性」を測る物差しをKGI、


「実現ポイント」を測る物差しをKPIとします。




上記のようなことは頭では理解しているが、


具体的にどのように検討を進めれば、それが


実現できるのか、イメージができないという方も


多いようです。




これから何回かに分けて、良く使用される具体的な


検討方法の例について紹介したいと思います。




管理会計について雑感


ここ数年、日本でも最大規模のインフラ企業の


管理会計制度やシステムの要件検討に関与してきました。


これまでに製造業(アッセンブリ、プロセス)、商社、


サービス業などの管理会計制度の設計に関与してきましたが、


インフラ企業というのは他の業種にない独特の特徴がありますね。



業種毎に事業環境やビジネスにおけるポイントが異なり、


企業毎にその中でのポジショニングや強みが異なります。


管理会計制度の設計では、それらを踏まえ、


・既存の強みをより強化したり


・新たな強みを作り出すための取り組みを後押ししたり


するために状況把握すべき内容や着目点(KPI)を


整理することを行います。



導き出される状況把握内容や個々の着目点(KPI)は、


業種や企業毎に異なりますが、共通しているのは、


それらはすべて「こうありたい」「こうなりたい」という


経営の意思が具体化されたものであるということです。


逆に言えば、この経営の意思が明確でない企業は、


使える(有用な)管理会計制度を作ることに苦労される


ことになります。



それぞれ企業毎に異なり、一様にいかないところが


管理会計の面白いところです。