企業のIT力ランキング
日経コンピューターの昨年から行われている企業の
IT力ランキングの今年度版が先日発表されました。
第2回のTOP10
順位 昨年順位 企業名
1 -- 松下電器産業
2 -- トヨタ自動車
3 56 大和証券グループ 本社
4 9 住友電気工業
5 3 セブン-イレブン・ ジャパン
6 -- キヤノン
7 2 日立製作所
8 43 損害保険ジャパン
9 12 東京海上 日動火災保険
10 1 リコー
今年度の順位と昨年順位を比較すると、順位が大きく
変動していることが見て取れます。わずか1年で企業の
IT力がこれほど大きく変動するのではなく、評価項目が
変わったために変動したということです。
第1回調査の評価項目は、次の7点でした。
IT投資の管理
システムの全体最適化
品質・プロジェクト管理
ユーザー・サポート
IT部門の組織づくり
システム企画
運用・保守
一方、第2回調査の評価項目は次の8点でした。
経営層とIT部門が一体化している
人材を育てるのがうまい
IT投資の管理が徹底している
ベンダー選定がうまい
利用部門とのコミュニケーションがうまい
先進技術を積極的に取り込む
システムの機能が充実している
システム運用やセキュリティ管理が優れている
評価の内容を見てみると、その多くが「ルールがさだめら
れているか」「制度があるか」「XXXが導入されているか」と
いうものになっています。成果がでているかどうかという
ことではなく、成果を生み出すであろう仕組みが整って
いるかで評価がなされています。
企業におけるITの利用は、事業における成果を得るための
手段であるため、IT力の良否は、ITによる事業に対する成果の
有無で測られるべきです。つまりKGIですね。
その最終の成果を得るために、実現すべき課題が様々有り、
それらが上記の昨年の7項目、本年度の8項目の評価項目の
整備状況と言うことでしょう。つまり、KPIですね。
今行われているIT力調査は、IT力を実現するための手段の
整備状況の評価になっており、IT力そのもの(ITの事業における
効果)の評価がなされていないように感じます。
IT力そのものを表現することの難しさ、異なる事業を横並びに
して評価するための共通の指標作成の難しさは、承知はして
います。それを承知の上で、なぜこのようなことを指摘するかと
いうと、ITproの記事の中で、以下のような記載がありました。
>> 「企業においてITの重要性が増しているのに、相変わらず
>> IT部門の地位は向上しない」。本特集の取材を通じて、記者は
>> 改めてこう実感した。IT力が高い結果となった上位企業の
>> IT部門には、「当社のIT活用はライバル企業よりもこんなに
>> 進んでいる」と経営層や利用部門にアピールする材料として
>> 「企業のIT力」ランキングを活用してもらいたい。
経営層にせよ、利用部門にせよ、仕組みの整備が出来た/
できていないで評価されているわけではなく、業績で評価が
なされます。そのような立場にある側から見ると、仕組みの
整備ができているかどうかではなく、「事業に対してどれだけ
成果が出せたのか」という視点でIT部門を見ています。
だからこそ、IT部門が企業の中で重要性を認識され、重要な
役割を果たすためには、前述のKGIを上げなければならないし、
そのためのKPIは、KGIを上げるために有効なことであることが
認識されなければならないと思います。
それがうまくできてきないがために、「企業においてITの重要性が
増しているのに、相変わらずIT部門の地位は向上しない」という
ことになっていると思います。
それをなくして、IT力ランキングで上位になりましただけでは
あまり説得力がないのではないかと感じます。
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主催する「経営に貢献するITのあり方」や「ITの戦略的活用」に関して
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日々思うこと、旅行記、グッズ紹介など、その他の記事の一覧は、
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CIOマガジン CIOこそBPMの牽引車たれ
CIOマガジンの12月号にタイトルのような記事が掲載されて
います。
内容的としては、
業務のIT化が進み、SCMやCRMなどの様々なITツールが
進化したことにより、CIOが改革のイニシアチブを取る方が
よいのではないかという意見が増えてきているとのこと。
USでの事例の紹介を通じて、CIOが如何にBPMプロジェクトを
牽引すべきかを探るとの記事でした。
国際CIO学会での話を踏まえ、先日私もブログでこのテーマに
ついて記載しましたが、なかなか難しいテーマですね。
記事の中でも、様々な方の意見が引用されていますが
CIO主導肯定派
・組織横断的に業務を把握しているIT部門が主導すべき
・ビジネス部門は木を見て森を見ずになりがち。客観的な
視点を持ち、目先の利害にとらわれないIT部門が主導する
方がよい。
・社内でビジネスプロセスの重要性を理解しているのはIT部門。
・モデルの解析、構築、最適なソリューションを探すことについて
最も長けているのはIT部門。
ビジネス部門主導肯定派
・業績責任を負う部門が主導すべき
・ITスタッフがビジネススタッフと同じぐらいの深度でビジネスを
理解することはありえない。
・新しいITを導入しても、ビジネス部門がその変化に適応しようと
せず、失敗した例が多い。
上記の引用されている意見を見ても、一概にどちらが適切とは
言えません。
記事の中で「IT部門がBPMをリードできない理由など何もない。
問題は、他部門がそれを許すかどうかだ」との意見が紹介されて
います。
従来は、ビジネス部門が主導することがほとんどであったという
状況を踏まえると、非IT部門の人たちは、今でもビジネスプロセスの
改革は、自らの問題であり、自らが主導して行うべきものと考えて
いることがほとんどだと思います。
ツールを挿入すれば改革が成し遂げられるということではなく、その
ツールを使いこなして初めて改革の成果が得られるということを
考えると、もっとも大切なのは、ビジネス部門の人員のチェンジ
マネジメント(意識改革)だと思います。
このチェンジマネジメントのリーダーシップを、どちらが主導権を
とれば実現しやすいかは、改革の内容や大きさ、それぞれの
組織の状況、事業部門責任者やCIOなど個人のスキル、力量
などに大きく影響を受けるように感じます。
CIOは、何が何でもIT部門やCIOが主導権をとるということでは
なく、状況を見定めて、今回はイネーブラーに回る、今回は
主導権を取るというように、改革実現に最適な役回りを果たす
ことが必要であるように感じます。
その見極めができる、適切なリーダーシップを発揮できるので
あれば、実質的にCIOが改革のイニシアティブを取っていると
いうことになるのではと思います。
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経営と時間軸と評価
ITproの記事をつらつらと見ていて目が付いたのは、『半数以上が
「人材の早期育成が困難」と回答,IBCSが調査結果を発表』 という
記事でした。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Research/20071207/289087/
中身を読んでみると、タイトルどおりで、人材育成が思うように
できていない企業が多いという調査結果がでたとのことでした。
話はちょっとずれるのですが、
このブログは、ITの戦略的活用について検討するブログで、
その中のテーマとして、如何に経営に貢献するITを構築するか
とか、そのためには、ITの投資対効果を分かりやすく経営者に
説明できなければならないがどうするか、などをテーマとして
います。
このような件を考える際に、よく経営と時間軸、そして評価に
ついて考えます。
経営というものを考える際に、中、長期的視点に立った戦略、
短期の事業計画やマネジメント、日次等のそのときそのときの
指導など、様々な時間軸の事柄を同時並行的に執り行って
います。また、役職階層でいうと、上位になればなるほど
長期的で、大きな範囲(組織)、および大きな業績責任を
追うこととなります。
また、その責任を果たすことをドライブする社内の仕組みは
人事評価制度であり、責任項目を評価項目に据えることで
責任を追うべき人に責任を果たすことを促します。
ITに関して言えば、既存システムの機能面の変更や保守に
該当するようなものは、短期的な結果を求めるものであり、
短期的な業績責任を追うべきマネージャーが責任を追うべき
事項であると考えられます。一方、事業戦略の実現のために
必要となる情報システムの開発などは、中期的な視点に
立った競争優位の実現等、トップマネジメントが責任を負う
べき事項です。
これを評価の観点から見ると、上記のマネージャやトップ
マネジメントの評価項目には、業績についての項目があり
ますが、ITの活用状況/結果についての評価項目は、ほと
んどの場合ありません。ITは業績を上げるための手段の
一つであり、業績を上げるためにどのような手段をとる
べきかは、状況により異なることから、評価項目としてITの
活用状況/結果が組み込まれていることはほとんどないの
だろうと想定されます。
これは、KGIを設定しているが、KPIは設定していないような
ものです。KGIを達成するためにはKPIの達成が必要であるが、
KGIを達成するのにどのようなKPIの達成が必要なのかが
不明瞭なのでKPIを設定していない。あるいは、どのような
KPIを使用するかは本人に任せているので、KPIは管理して
いないというのと同じことだと思います。これで、果たして
KGIが実現できるのかというと、よろしくないように思いますが、
いかがなものでしょうか。
一方、人材育成については、ITと同様に業績などのKGIを実現
するためのKPIに該当する事項であるように思います。ただ、
ITに比較すると、まだKPIとして評価項目に人材育成が定義され
ている場合も多いのではと思います。それでも、調査結果にある
ように、その実現が図られていないのは、KPIに該当する基準が
「管理職を育成すること」といったように、漠然としたものになって
おり、具体的にこのようなスキル、能力をもった人材が何人と
いったレベルで明確にされていないからではないでしょうか。
結局、責任を負うべき時間軸の中で、業績などの最終責任
(KGI)を実現するために、具体的に何が必要か(KPI)を明確に
描くことができ、その実現で評価がなされなければ、なかなか
物事を実現するのが難しいのではないかと思います。
上位役職になればなるほど結果責任だけ負えばよいということ
ではなく、拙書にあるような「KPI鳥瞰図」のようなものを明確に
描き、KGIだけでなくKPIについても評価項目とするようなマネ
ジメントのあり方(KPIマネジメント)が必要ではないでしょうか。
この記事を読んでいて、ITの戦略的活用を実現する難しさと
同じような臭いを感じました。
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ベンチャー企業支援で何を行っているのか2
先日「ベンチャー企業支援でなにをおこなっているのか」に
ついて記載しました。その中で、ベンチャー企業がコンサル
タントを活用する理由として、第3者の視点を入れることで
事業計画に客観性を持たせ、精度を上げるということを
述べました。
また、コンサルタントを活用する別の目的としては、人材の
不足を補うということがあげられます。通常、スタートアップの
企業では、スタートアップメンバー以外にスタッフがいないことも
よくある話です。
行うべきこと、行いたいこと、膨大な作業があるわけですが、
それをやる人員は非常に限られています。また、量だけの
問題ではなく、必要となるスキルや知識などが、スタートアップの
メンバーでカバーできればいいのですが、多くの場合そうでは
ありません。自分でできる範囲で、時間はかかるが勉強しつつと
いう場合が実際には多いと思います。
しかし、先日のような外部からの出資を受けて事業を展開する
場合、その展開スピードを確保することも非常に重要になって
きます。このような人材・人員のミスマッチ・不足を解消し、事業
展開の時間を稼ぐ手段としてコンサルタントを活用することが
あります。
米国などでは、アーリーステージからベンチャーキャピタルが
投資を行い、その資金を使い、如何に早く事業を立ち上げるか、
成功に導くかが求められるとのこと。そういう状況と比較すると
日本のベンチャー企業、特にアーリーステージに置かれている
企業への支援体制は、乏しいといわざるを得ませんね。
追伸
一昔前のシリコンバレーのベンチャー企業の息吹が感じられる
書物としてお勧めです。面白いです。
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ベンチャー企業支援で何をおこなっているのか
私のもっとも得意とコンサルティングテーマは「ITの戦略的活用」の
ためのITプランニング(システム化計画立案)や、それを実現する
ためのIT投資マネジメント体制の構築などです。
アーリーステージにあるベンチャー企業の場合、上記のような
コンサルティングが必要かというと、ほぼ不要です。
ビジネスモデルも十分に固まっておらず、業務プロセスも
作っては改善しという状況で、ITへの投資は時期尚早なことが
ほとんどです。(ITでコアコンピタンスを作るようなビジネスの
場合は、違うかもしれません)
そんなアーリーステージにあるベンチャー企業に、私がどの
ようなお手伝いをしているかと言うと、取組が進むことで段階的に
支援内容は変わっていくのですが、まず最初は「事業計画の立
案」の支援です。
ビジネスを進めていく上で、適切な計画を立案し、それに基づ
いて取り組みを進めることは、非常に重要です。マネジメントの
基礎となる事業計画の重要性は、ベンチャー企業に関わらず
どのような企業でも共通です。
しかし、ベンチャー企業にとって事業計画の立案は、マネジメント
以外に、資金調達のためという重要な役割があります。
事業を成長させるためには資金の確保が必要です。スタート
アップメンバーの自己資金で十分な資金が確保できる場合は
いいのですが、事業内容によっては、それなりの資金が必要で、
他者からの投資を得ることが成功の条件となる場合もあります。
アーリーステージにあるベンチャー企業にとって資金調達は
非常に難しい作業で、銀行からの借り入れ、ベンチャーキャピ
タルからの投資などは難しい状況です。このため、調達方法は、
多くの場合エンジェルといわれる個人投資家から投資を得ることが
中心となります。
個人投資家から投資を得るためには、進めようとしているビジ
ネスが如何に魅力があり、成功の可能性が高いものかを説明で
きなければなりません。その説明材料が「事業計画」です。
スタートアップのメンバーも事業計画を立案していることが
ほとんどです。そこにコンサルタントが関与する意味は、想いが
先走りがちになるスタートアップメンバーに、第3者であるコンサ
ルタントが入ることにより、計画内容に客観性を持たせることです。
事業に対する想いが何よりも大切なことは疑いのない事実ですが、
投資家は、さらにビジネスとしての成功の確率を求めます。その
厳しい目に耐えうる事業計画を立案することが、資金を得ることにも
繋がりますし、さらに事業そのものの成功のためにも有益なこと
です。
ITの戦略的活用においても、事業戦略の整理とそれを実現する
ための施策(IT以外を含めたインタンジブルズの構築のための
施策)の整理が重要になっています。スタートアップ企業の事業
計画立案は、戦略の整理より立案そのものにより近くなりますが、
基本的には同じような検討を行うことになります。
この領域の私の経験やスキルを、ベンチャー企業のスタートアップ
メンバーに使っていただいています。
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