第18回 インキュベーションWORKS
最近、インキュベーションという言葉をよく聞くようになった。
インキュベーション概念は、体系的、既存研究の少なさからレポートがないが、これまでの活動を通じ、感じていることを、書いてみたい。
当社では、起業家とサポートするネットワーク個々人が、ゆらぎながら方向性を進化しながら探って、インキュベーションしている。
当社の社員だけでない様々な立場の、チームメンバーで成りたっている。
インターウォーズでは、人ネットワークは、気が合うからお互い自由に集うのであり、好き嫌いはしょうがないと思っている。
人と人とのつながりを広げていると、誰が,どの領域に強いか、自然にわかってくる。
目的に応じてどの人がキー・マン(ウーマン)となるのかが固有名詞で思い浮かぶようになってくる。
インパーソナル対パーソナルという次元をなす。
進化論的でパーソナルなネットワーク状の相互依存関係は、対等どうしの触れ合いとしての関係を維持しやすい。
充分、ベンチャー起業者の自助(セルフ・ヘルプ)精神とも両立しやすいものとなる。
インターネットは、情報のやりとりや検索は容易になったが、ある種の情報は対面(フェイス・トゥ・フェイスの)接触でなければ流れない。
人と人とが直接接触している間に、見慣れて情報にも意味が生まれないことがある。
イ鍵概念は、ネットワーキングによるヒューマンリソースを生かしたものだ。
人の往来のないところに、情報資源の往来はなく、関わったメンバーが、起業に参加してゆく、人の移動を伴なうことが、成功要因だ。
人が開放されるところに、創造エネルギーが生まれ、独自のソフトを作り出す。
米国で研究生導型大学付随のインキュベータが成功しやすいのは、大学の人間が起業家になったり、起業人が大学の研究者として戻ったりできるからだ。
ベンチャーキャピタルなどは、人材の派遣、斡旋等を、行いマネーと人とアライアンスなども行っている。
当社では、何でも自前という、スタンスはなく、起業の計画を実現していくには大きな資源が必要な場合、大手の企業とアライアンスを組むことが多い。
協賛組織に、会計事務所、ベンチャー・キャピタリスト、技術問題と会社設立に強い法律事務所、技術がらみの経営コンサルティング会社と、メンバーとして関わることもある
「必要なものは、日光、と、肥料」と考えている。
第17回 「社外取締役・アウトサイド・ボード・メンバー」
取締役とは、株主の任を受け、経営を監視するという機能を担うことが、役回りだ。
日本の取締役会は、現場の利益代表者で構成されている現状にある。
外取締役に就任しているが、取締役会は年に15回位開催される。
外資の企業では、ボード・メンバー(取締役)が社外の人間なのか社内の人間なのかという意識はなく、同じ経営の一員としてゴールを目指すのに内も外もない感覚だで運営されている。
商法上は社外取締役などという定義はなく、ボードは株主利益の代表として責任を果たす役割があり、時には、株主代表訴訟によって訴訟を受ける対象になる。
アメリカでは取締役会が株主の意向を受け、CEO以下経営陣(オフィサー=執行役員)を監督する立場に徹している。
ボードは株主の利害代表者であり、オフィサーは経営の実行部隊である。一方、日本では、多くの企業の取締役会において、ボードとオフィサー、 監督者と実行者が同一人物のことが多い。
取締役と執行役員では、本来役割が違うにもかかわらず、日本では執行の現場長職を手放さずに役員になるという人が多い。
意識の転換、各位のコンセンサスなしに取締役になってしまうからか、様々な矛盾が生じ、部下や自身の不祥事を、株主や社会に対して隠してしまい、しいては、大きなミスをおかしてしまう、最近の雪印乳業などの事件背景などには、こういったことがいえるように思う。
社外取締役、7つの仕事
アメリカにおける社外取締役の主な役割は ①CEOに対する相談役 ②世間の常識の伝授(Y2K、ERP、環境問題など)、③危機管理、④人事評価、⑤給与レベル/役員賞与、⑥企業の社会的責任、⑦戦略方向の確認、承認 などがある。
CEOという役割の人は、社内に相談役がいない。
入ってくる情報は圧倒的に社内や業界であり、しかもフィルターのかかった情報が入ってくる。
CEOは会社の中に世界があるため、外の社会の常識を知らない。
成功した創業経営者ほどその傾向が強い。自分で世界をつくって成功した分、自分の判断が常識ですべて正しいと思ってしまう。
社内にはその世界を信じているイエスマンしかいなく、そういった人しか残らないことが多い。
ボードはトップに対して、積極的にアドバイスしなければならなく、取締役会がフルに機能する瞬間とは、トップを含めた執行役員側が正常に機能してないとき、「いざというとき」の役割がある。
最近、米国では、多様化する経営問題に対応すべく、取締役会はいくつかの分科会に分かれ、財務委員会、人事委員会、監査委員会……といったテーマによって別途設けられ運営されている。
取締役は、ルーチンワークに時間を取られてしまうが、ルーチンワークをなおざりにすると「役員は何をやっていた」と株主代表訴訟で攻撃される。本当に戦略的なことを自由闊達に議論しようとすると、従来のボードでは不可能になってきている。
時間面ではルーチンワークによって制約を受け、メンバー構成ではバランスという制約を受ける。その中で自由闊達な戦略を存分に語り合うことは非常に難しい。
そこで出てきた考え方が「アドバイザリー・ボード」である。
商法上のボードとは別に、CEOの相談役としての機能、戦略専門のボードをつくるという考え方だ。
形だけの、社外役員でなく、流行でない本質の役割を明確にした社会と対応したボードが、経営を強く、継続発展事業を創るのだと思う。
第16回 「アライアンス」はベンチャー・成長の条件
このところ、スーパースターベンチャー企業が誕生し話題を呼んでいる。
こういった企業には、共通の企業戦略がある。
アライアンス」(alliance)だ。 もともと軍事同盟という政治的な意味で、使われてきた。
今日では「事業の提携」、「企業間の同盟」といった、相互補完的な企業同志、特にベンチャー企業同士のつながりを意味する。
企業が、それぞれの強みを生かして、弱いところは、相互補完し合い、限られた経営資源(人・技術・金・情報)を生かして、互いの目的を実現する同盟である。
合併でもなく、下請けでもない、単なる事業提携とも違う、小規模な企業が、大企業とのボーダレスの時代の中で、力強く優位に成長し続けてゆくには、アメリカのベンチャー企業のように、多くの企業とのアライアンスを組むことにある。
最近の実例で、地方の金型メーカーのT社。 大手自動車メーカー指定の金型工場である。
永年、自動車メーカーのボディや、ミッションの金型を作るメーカーと会社である。
今日の車販売状況による影響を受け、全体の工場の60%位しか、稼動していない状況下にあった。
インターネットを通じ、会社の紹介をしたところ、栃木のベンチャーメーカーから、「自社で○月までに、納品をしなければならない仕事があるので、共にやってもらえないか。」との連絡り、
T社の技術、生産力に目をつけ、まったくドメインの違う企業同志ではあるが、同盟を結び、結果、これまでにない、安定した事業を共創するに至った。
これまでに見受けられることのなかった企業間のつながりが、同業種だけに留まることなく、異業種間の企業同志を結ぶケースが日本にも生まれつつある。
アライアンスは、一過性の戦略ではなく、技術革新により、スピード経営が問われる今日の状況下では、重要な戦略だ。
どんな大手企業でも、数多くの分野での研究開発や、多地点をカバーする形で、生産、マーケティング、販売を、同時に行う事は、いくら人材や資金があっても出来ない。
今後、ソフト化に進化すればするほど、助長される。シェア競争でない、新たなバリューを創出してゆく企業が、今後成長してゆく。
ベンチャーのこれからの戦略は、信頼できる創造力を持った企業とダイレクトにつながる、アライアンスにある。
第15回 ボード
経営は、「経営チーム」によって意思決定される。
これまで、CEO、COO、CFOの3人の役割によって経営決断がなされ、それぞれの役割で事業を推進してゆいた。
最近のITの進化によって、これまでのチームの編成では、意志決定並びに事業を展開してゆけなくなって来ているように思う。
例えば、経営を軍隊に例えると、技術の目覚しい発展によって、武器に通じた人材、CTO的ポストが、ボードに入っていないとシナリオも決断もできない。
既存の常識や既存の体制は継続することは、危険ばかりではなく、自らの組織の未来をたつことも考えられる。
最近ではCDO『Chief distractive officer:最高破壊責任者(組織内の不要な業務や不要な部署を徹底的に統廃合、廃止などの破壊的な業務に取り組む責任者)、CSO『Chief Strategic officer:最高戦略責任者(中長期戦略を現状把握しながら策定し、実行する責任者)』CCO『Chief Communication officer:最高コミュニケーション責任者(組織内のコミュニケーションを円滑に行わせ、社内の意志や意見を潤滑に行うことの責任者)』CKO『Chief Knowledge officer:最高知識集約責任者(社内に流れる口に出さない、目に見えない知識を取りまとめて、組織に貢献できるよう取り計らう責任者)』などが、環境変化対応責任者的な役割として、各企業のエグゼクティブ・チームの中に生まれていっている。
「環境を見極める、そして、環境に最適化するには、どのような手法が考えられるか立案・実行する。」従来なら最高意志決定者が行ってきたことも、タスク分担し、チームで一丸となって解決していくことが最重要課題となっている。
経営は、環境適応業だ。
マーケットの変化にいかに適応し、対応してゆくかを予知し、事業デザインしてゆく、役割を担う、ボードメンバーが、必要だ。
第14回 三種の神器
当社のCAREERWOOSサイトで出逢った方には、、実績を解りやすく、説明させていただいている。
そして、何ができるか、何がしたいか、何を手に入れたいか?などを齟齬のないように、伺っている。
自分のキャリアの答えを求める方には、「自分の人生なのだから、マニュアルはなく、自分の意志で勝負してゆくものだ」伝えている。
ビジネスマンとして、最低限必要な能力として、インターネットは当然だが、自分の目や耳、手と同じように双方向で使いこなせる。
また、英語力が大切だ。 インターネット上の情報の70%以上が英語で蓄積されており、80%以上の情報が英語でやり取りされている。 世界の情報を受信することもできないし、ましてや情報を送信することができない。
そして、財務。金を調達し、運用する能力。 財務力は、ビジネスマンの人生を左右する。
低成長の時代には、以前のように給与が右肩上がりに上がっていくことはまずない。
稼ぎたいと思う人は、株式などで資産運用してゆくしかない。
高齢化社会の本格的到来によって、いま40歳のビジネスマンが年金を受け取れる年齢になった時、年金制度が破綻するといわれている。
資産・資金の調達および運用は、こらからは、個々のビジネスマンが、自分で考え、対応しなければならない。
例えば、車は、維持費も入れて、1ヶ月にだいたい5万円はかかる。1年間で60万円、10年で600万円だ。
人が車を持っているから車を買うのか、その600万円を貯めて、元本にして何かをはじめるのか、考えてから決めるべきだ。
車が必要なときは、レンタカーを借りれば、1日1万円もしない。
家も自分で買って借金を背負うのか、他の方法をとるのか、一生で何千万円の差が出る可能性がある。
資産をマネジメントする20年後、30年後の計画することだ。
コンピューター、英語、財務がこれからのビジネスマンに必要不可欠な「三種の神器」だと思う。