インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ
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2018-09-01 09:00:00

第250回 「世界一を目指す起業家粟田さん」

テーマ:コラム

過日、丸亀製麺で有名なトリドールの粟田さんと飲みながら、奥さんと二人で始めた創業の頃の話などを伺いました。現在一番の繁盛店はハワイのワイキキ店だそうです。以前、ワイキキのお店を訪ねた時には、40人を超える欧米人が列をなしていました。大きな釜で目の前でうどんを茹であげ、日本語で対応する仕組みは日本と同じ風景でしたが、並んでいる間にパフォーマンスが見られるのがあちらでは物珍しく、魅力だと話題になっていました。海外では常識のチップも必要なく、かけうどん1杯4ドルと圧倒的なコストパフォーマンスで、エビ天、アスパラ天、かぼちゃ天などのトッピングや、フライドチキンにケチャップをかけて、美味しそうに食べている人達で賑わっていました。

 

粟田さんは子供の頃に父親を亡くし、生計を立てるために始めた学生時代のアルバイトがきっかけで飲食に惹かれたとのことでした。「豊かになりたい」と奥さんと共に焼鳥店を開業し、その後立ち上げた「丸亀製麺」は爆発的な人気が出て、外食チェーン史上最速で500店舗を達成しました。現在1,575店となり、売上高は1000億を超え、株式時価総額も1000億を超える日本の外食事業を代表する企業に成長しています。

 

世界中の人々が集うグルメの激戦地で大行列をつくる米国ワイキキ店を皮切りに、タイ、中国、ロシア、台湾、韓国、インドネシアなどに出店し、現在海外では530店となっています。
和食は世界から注目される産業ですが、手頃な価格で、オープンキッチンで目の前の「臨場感」「できたて」「手づくり」が味わえる日本の食文化を活かしたビジネスモデルは、世界のお客さまから高い評価を得ています。

 

1970年代、ケンタッキーやマクドナルドなどのアメリカのフードビジネスが世界を席巻しました。それから40数年。日本でも様々な外食企業が誕生し、多くの企業が世界進出を試みていますが、世界の人々から愛されている企業は誕生していません。

 

「世界に誇れるおもてなしの心をもって、あらゆる国の文化、地域性を尊重した業態を展開し、日本発の外食のリーディングカンパニーを目指します」と、語っている粟田さんの志が実現するよう、応援していきたいと思います。

 

2018-08-01 09:00:00

第249回 「ホキ美術館」

テーマ:コラム

7月15日の日曜、千葉市のあすみが丘東にある「昭和の森公園」を臨むホキ美術館を訪ねました。
ホキ美術館は、ホギメディカルの創業者保木将夫さんが創設しました。この美術館は保木さんが収集した日本の写実絵画を主として専門に展示している、世界初の稀な美術館です。

保木さんとは、リクルート時代に仕事で出会いました。手術を行う医師や看護師が院内感染する医療事情を覆したいという思いで事業に取り組んだ、研究開発型企業ホギメディカルの創業者です。日本になかった医療用の滅菌商品を開発し、トップメーカーとして一部に上場し、決算発表が日本一早いことでも有名な企業を創り上げました。

保木さんは、「森本草介」氏の絵を海外で買ったことから、写実絵画のみ収集するようになり、これまで450点を超える写実絵画作品をコレクションしています。頑なに研究を貫いてきた経営者なので、写実的な表現をする作家の描く絵画に魅了され、写実絵画のみを集めるようになったのかもしれません。
美術館は2010年に開館し、保木さんが収集した450点の中から選ばれた150点程の作品が展示され、回廊型のギャラリーは、一対一で絵画とゆっくり向き合えるように設計されています。
写真は、一時を切り取りますが、絵画は画家が何年もの時間をかけて技術を埋め込み、理想を表現します。誰もが気軽にスマホで撮影できる今の社会だからこそ、研ぎ澄まされた人の技術力と創造力を体感できる写実絵画に多くの人が魅了されるのだろうと思います。
 

館長になってからは、「絵は景気のいい時は抽象画が流行り、不況になってくると写実画が描かれる。私は、景気に左右されることなく写実画の殿堂として、ホキ美術館を後世に残していきたい。写実の芽をさらに大きく発展させていくために、「ホキ美術館大賞」を設け、写実画家を応援していきたい」と語っています。
保木さんは、「自分の心に響く事、誰もやろうとしないこと、そして人のためになること」に拘り続け、「どこにもない事業」と「どこにもない美術館」を、日本に創ってくれました。 感謝!!

 

2018-07-01 09:00:00

第248回 「イノベーションの天の時」

テーマ:コラム

過日、埼玉の経営者の皆さんが集う会で、「人と企業のイノベーション」をテーマに講演をする機会がありました。
講演内容について、一部抜粋ですがご紹介させて頂きます。

『世界も日本も、デジタル・ディスラプションの進行によって様々な業態が破壊され、産業の構造が変わってきた。1995年~2005年に起きた変革を超えるAIによる産業革命が始動し、これまでにないイノベーションの機会が到来した。

イノベーションの語源は、20世紀初頭にオーストリアで活躍した、経済学者であり銀行頭取を務めたヨーゼフ・シュンペーターが、著書『経済発展の理論』の中で「経済成長を起動するのは異分野の起業家による新結合だ」と提唱したことだといわれている。

イノベーションを起こすリーダーの語る言葉には共通して、「時代の洞察」「マーケットイン」「不の解消」「人の役に立つ」「テーマの設定」「世の中に無いもの」「ハードとソフトの結合」「ストーリー」「モノマネはしない」「世界を席巻する」「独自の開発」「目標設定」「出逢い」「共創」「諦めない」「時間」「資金」「仲間」といった多くのワードが出てくる。
 

最近、私が注目するイノベーターに、ポーラ執行役員の末延則子さんや、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ社長の阪根信一さんがいる。末延さんは日本初のしわ改善効果を持つ薬用化粧品「リンクルショット」を開発し、リンクルショットは化粧品業界で2017年最大のヒット商品となり125億円を売り上げた。阪根さんは生涯375日の洗濯物を畳む時間を無くしたいと全自動洗濯物折り畳機「ランドロイド」や、無呼吸症候群の簡便治療機器「ナステント」などを開発した。二人とも世の中に無かったものを開発し、世界市場を見据えた素晴らしいイノベーションを起こしている。

 

二人は共通して、論理的な市場分析からの開発アプローチではなく、自らのセンサーで設定したテーマの実現に向けて、メンバーと共感を醸成し、開発目標を明確に掲げ、何処の誰と新結合するかの道筋を描き、諦めないでやり抜き共創に漕ぎ着け、イノベーションを起こしている。
20世紀は、人・モノ・金を集約し規模がものをいった経済社会だった。今の時代は、ペプチドリームやHEROZ・メルカリ・サンバイオといった「知」の力を持つ、小さな組織の企業が主役になってきた。』
こういった話をさせていただきました。

かつて経験したことのないハイスピードの変化の時代を迎え、これまでの延長では存続できません。
今が変革の天の時です。どんな時代にも通じる企業は、起業家が存在する会社です。経営者が社内起業家に機会を提供しバックアップすることが100年企業への第一歩となります。
 

2018-06-01 09:00:00

第247回 「紅いシリコンバレー 深セン」

テーマ:コラム

中国の紅いシリコンバレーといわれる深センに行ってきました。

経済特区となってわずか30年。鄧小平の号令により、人口30万人だった田舎街が、人類の歴史上比類のないスピードで1400万人の人工都市に変貌しました。バイクもゴミもなく、テンセントを始めとする高層インテリジェントビルが建ち並び、シェア自転車やスマホ決済、電気自動車が浸透している、若者が集う世界都市となっていました。

 

現地で働いているビジネスマンに話を聞きました。「大卒の給与は10万円、ITエンジニアは15万円、工場の工員は約8万円。バスの支払いからなんでもウィチャットペイの電子マネーで支払い、現金を使うことはない。皆夫婦共稼ぎで、子供は祖母に面倒をみてもらっている。都会の高層マンションは億を超え、普通の稼ぎでは住めない。自分は郊外で中古のマンションを買って住んでいる。新築は住んでみないと価値が解らないので、深センでは人気がない。中国全土から若者が集い、毎年新しい地下鉄の路線が通り、毎年人の流れが変わる。シェア自転車はGPSとインターネットが組み込まれ、スマホでチェックインし、どこで借りてどこで乗り捨ててもいい。この街は、退職後も住み続ける人は少ない。」とのことでした。

 

「世界の工場」として知られた深センは、GDPが香港を抜き中国で最も生活費が高い街として、金融とイノベーションの街に変化を遂げつつあります。三和人材市場に、中国全土から戸籍を持たない若者達の日雇い労働力を集めているものの、もはや安い労働力を提供するエリアではなく、90年代に作られた一部の工場は、郊外や内陸部、ベトナムなどに移り始めていました。

 

テンセントやHUAWEIを始めとする大手IT企業が集積する南山区のITパークには、巨大な高層インテリジェントビルが林立し、国の力で作り上げた広大な敷地内に、人材や資金の人工エコシステムが出来上がり、まさに中国のシリコンバレーエリアとなっています。

 

急速に発展した経済特区都市。過去を引きずっていない文化の無い人工都市。今も形を変えて、発展し続けているIT都市。目に映る巨大な高層インテリジェントビル群と、目に見えない人工エコシステムが創り上げた都市深センが、これからどんな姿に変貌していくのか見据えていきたいものです!

2018-05-01 09:00:00

第246回 「JNBニッポン新事業創出大賞の審査委員長に就任して」

テーマ:コラム

この4月、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)が主催する、ニッポン新事業創出大賞の「審査並びに表彰式典」の委員長に就任いたしました。

ニッポン新事業創出大賞とは、「新たな革新的な商品・サービスを市場に提供している企業や、それを支援し実績を挙げている企業や個人、そして、グローバルな事業展開で成長している海外進出企業を顕彰することで、我が国の経済・地域の活性化に貢献する」ことを目的としている賞です。今年で、13回目を迎える伝統あるJNBの活動です。

「アントレプレナー部門・支援部門」では、委員長として著名な松田修一氏、委員として各務茂夫氏、田子みどり氏、細川正直氏、野長瀬裕二氏、私とで選出、「グローバル部門」では、委員長として東出浩教氏、委員として村井振一氏、加藤雄一氏、深沢栄治氏とで選出することになります。

 

これまでの受賞者は、革命的新素材のストーンペーパーを開発し、世界展開をしている株式会社TBMを始め、多種多様の革新的な素晴らしい企業が受賞されています。

 

データ世紀の申し子といわれるフェイスブックは2004年の創業ですが、今では米国人の成人の10人に7人が使い、20億人の巨大な情報インフラになりました。時価総額50兆円を超え、日本No.1企業のトヨタ自動車の2倍強となっています。

21世紀に入ってから創業したフェイスブックを始めとするスタートアップ企業が、データ世紀への拍車を掛け、世界の産業構造を大きく変えています。
現在、世界にはUber、Airbnb、WeWorkなどを始め、200社近いユニコーン(未上場で、千億円規模の企業価値があるベンチャー企業)が存在しています。

 

わが国では、前回のコラムで取り上げたフリーマーケットアプリのメルカリが唯一のユニコーンといわれています。最近メルカリには、なんと一日に約100万点が出品され、フリーマーケットアプリの登場が新たな価値を創出し、日本だけでも8兆円近いリユース市場が劇的に変わりました。
リユース市場を席巻しているメルカリは、5年前の2013年に創業されたばかりのスタートアップ企業です。

1990年以降、米国や中国でのスタートアップ企業が、デジタル情報革命によって社会を変えるスケールの企業となり、その国や人々の富を築きました。一方、日本はバブル崩壊後の1991年から今日まで、世界に通じる企業は誕生しておらず、国際競争力を失っています。

かつての日本は、起業家精神旺盛なホンダやソニーといったスタートアップ企業の勃興によって、世界で類の無いスケールと速さで起業立国を築いた時代がありました。過日、メルカリのアプリが、世界で1億ダウンロードを突破しました。シェアリングエコノミー社会を牽引する期待が高まるメルカリに続く、可能性を持つスタートアップ企業を皆さんと共に、発掘していきたいと思います。

「ニッポン新事業創出大賞」に可能性のある企業を、是非ご推薦頂ければ幸いです!

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