「病や不幸とどう向き合えばよいのか④ 五井先生の「消えてゆく姿」と甲田先生の「症状即療法」 | Yokoi Hideaki

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五井先生の「消えてゆく姿」の教え

五井昌久先生の教えの中心は「世界平和の祈り」です。

 

世界人類が平和でありますように
日本(にっぽん)が平和でありますように
私達の天命が全うされますように(わたくしたちのてんめいがまっとうされますように)
守護霊様 ありがとうございます
守護神様 ありがとうございます

 

私はこの世界平和の祈りを甲田光雄先生から教えて頂きました。

甲田先生のことは以下のブログに書きました。まだお読みでなければこちらもご覧ください。

 

「病や不幸とどう向き合えばよいのか」② 甲田光雄先生と舩井幸雄先生、そして世界平和の祈り
https://ameblo.jp/institutejpn/entry-12323589893.html


  これまで繰り返し述べてきたように、この世界平和の祈りは、雑念、妄念を心から離し、祈りという統一行によって仏教の空観と同様の効果を得、霊性(心)開発、更に神性開発を行うための祈りです。

 

そして、五井先生が世界平和の祈りを行うに際しての心構えとして強く勧められたのが、人生に起こる不幸や病気を「消えてゆく姿」と観ずる(見る、考える)ということです。

 

ここ数回のブログで人生の幸、不幸をはじめとして人生に起こるあらゆる苦悩は潜在意識が創り上げている、ということを書いてきました。

その潜在意識は過去から現在に至る想念行為の積み重ねによって創り上げられたものです。

 

潜在意識はちょうどテープレコーダーのようなもので、顕在意識が行う想念、行為をどんどん記録してゆきます。そして潜在意識には本人がそれと認識していないような、幼児期の体験、さらに何世にもわたる過去世の想念行為が正確に記録されています。

 

だから、今まさに考え、言葉にし、行っていることが、新たな記録として潜在意識にインプットされているのです。

現在の言葉や思考、行動がネガティブなものなら、それは結果として好ましくない現実を引き寄せる原因をつくっていることになります。

(潜在意識の働きについては本文の最後に参考まで五井先生の言葉を紹介しますので、後ほど読んで下さい。)

 

しかし、それが理屈、頭で判っていても人は、不幸、不運が続けば、一層ネガティブ思考に陥りがちです。このマイナス思考に陥りがちな悪習から、人を救うために五井先生が「発明」「発見」されたのが「消えてゆく姿」です。

五井先生が定められた 白光真宏会の教義、「人間と真実の生き方」にはこうあります。

 

『人間は本来、神の分霊(わけみたま)であって、業生(ごうしょう)ではなく、つねに守護霊、守護神(しゅごじん)によって守られているものである。この世のなかのすべての苦悩は、人間の過去世(かこせ)から現在にいたる誤てる想念が、その運命と現われて消えてゆく時に起る姿である。いかなる苦悩といえど現われれば必ず消えるものであるから、消え去るのであるという強い信念と、今からよくなるのであるという善念を起し、どんな困難のなかにあっても、自分を赦(ゆる)し人を赦し、自分を愛し人を愛す、愛と真と赦しの言行をなしつづけてゆくとともに、守護霊、守護神への感謝の心をつねに想い、世界平和の祈りを祈りつづけてゆけば、個人も人類も真(しん)の救いを体得出来るものである。』

 

この教義には五井先生の教えの3つの柱、①世界平和の祈り、②消えてゆく姿、③守護の神霊への感謝が判りやすく説かれています。

世界平和の祈りを、一切の苦悩を消えてゆく姿と観じながら、守護の神霊の加護に感謝をささげつつ、行うことが、霊性開発、神性開発への近道であり、直道なのです。

 

この教義にある様に、人生における苦悩とは過去世から現在にいたる誤てる(あやまてる)想念(の記録の集積である潜在意識)が運命になって現れて、消えてゆくときに起こる姿なのです。

 

そして、五井先生が「現れれば必ず消えるものであるから」とおっしゃっているように、過去の想念行為(原因)がその結果としての現実の幸不幸(結果)としてに現われたら、その原因は消えてしまいます。

 

その消えてゆく不幸を掴んで、悲嘆、悲観を繰り返してしまうと、テープレコーダへの録音と同様に、また潜在意識に同じことを繰り返し、場合によってはより強く記録することになります。

 

その悪癖、悪習慣から脱する心構え、態度が「すべては消えてゆく姿」と強く認識することです。

 

そして、同時に「今から良くなる」という善念を起こせば、好ましい現実を引き寄せる記録を潜在意識にインプットすることが出来ます。

 

この五井先生の「消えてゆく姿」の教えの効果を理解するために参考になるのが西式健康法の「症状即療法」の原理です。

 

西式健康法の基本原理「症状即療法」の考え方

私の手元に甲田光雄先生が顧問をされていた「少食健康法友の会」の会誌「健康の科学」があります。甲田先生の奥様が送って下さったものです。

 

その第87号(2002.9.3)に甲田先生の2001年8月の健康合宿での講演の記録があり、その後半で甲田先生は「症状即療法」の考え方について判りやすくお話しされています。

 

そこで、少々長くなりますが、以下に引用します。

 

西式健康法では症状即療法と言うんですね。これは健康法を知る上で大きな問題です。我々が経験するいろいろな症状は単なる病気か、それともそのままで療法なのかということです。

これをはっきりしないことには治療法が定まらない。(中略)西式健康法は症状即療法と見ているのです。

 

仏典では煩悩即菩提としていますが、煩悩即菩提というのが真理であれば、それはそのまま症状即療法ということではないのか。(※煩悩即菩提=人生における悩みや苦しみがあって悟りもあるということ)

 

症状が病気であれば煩悩即地獄で煩悩即菩提ではないではないか。そんなばかなことがあるのか。

そこで皆さんにはっきりと、症状というのは本当に療法なのかまたは病気なのか考えて頂きたい。


例えばインフルエンザで38度5分の熱が出た。そこでお医者さんに行って薬をもらった。その薬を飲んで3日間熱が下がらなかったら、たいていの人が医者を変えます。


「あの医者はだめだ」「こっちに行って早く熱が下がる薬をもらおうじゃないか」と。それは熱をちょっとでも早く下げたいからです。


そこで開業する先生も人気を取らなければいけませんから、なるべく早く熱が下がる薬を使います。昔だったらアスピリンだった。この頃はアスピリンを使わない。ジグロヘナクナトリウム(ポルタレン)またはメフェナム酸(ポンタール)、このような強力な解熱剤を使います。

 

そうするとどうなるかというと脳をやられる。脳症。ひきつけを起す。そして死んでしまう。ライ症候群です。このようなことで命をとられる人がいかに多いかということです。

 

ところが熱がでるということは、入ってきたインフルエンザのウイルスをやっつけるために、インターフェロンが作られているんです。
「インターフェロンを作るために熱が出ているのか。それはありがたいな」。なんで喜ばないのか。

 

熱が出るということは脈が早くなる。脈が早くなるということは、血液循環が良くなる。そうすると血液循環が良くなって、体の中の毒素を早く出してくれる。また手足の末端に血液が滞っている。その血液は炭酸が多い。酸性になっていく。それを脈を早くして、早く心臓に戻す。そうすると酸性の足がアルカリに変わっていく。
 

「ありがたいな。そうしたら熱は療法だな」。だから西式健康法では熱が出たら喜べと説く。だから脚はん療法(きゃはんりょうほう)をやって熱を上げる。バケツに湯をくんで足を両方入れて、熱い柿茶飲んで毛布かぶってびしょり汗をかく。

 

発熱は必要な症状だ。これが療法と考えるから。そうすると足のむくみ、毒素が全部でていく。ばい菌も全部消毒される。その結果熱が自然に下がる。

 

それなのになぜ冷やすんですか。上げなければいけないのをなんで冷やすんですか。こんな見当違いの療法をやっていて本当に健康になれるか。このように症状は療法か病気かの判断によってとる態度が全然違うんです。

西式では脚湯法(きゃくとうほう、あしゆほう)があります。ときに真夜中に電話がかかってきます。

 

「先生今39度5分なんです。体がカッカしてます。どうしましょうか」「これから湯を沸かしてバケツに入れて、足を両方入れて、熱い柿茶飲んで毛布かぶってびっしょり汗をかけばいいんです」と説明します。

 

それで患者さんは脚湯法をやるんですね。しかしこちらは一銭のお金にもならない。そんなことをするよりも、注射一本打った方が儲かるのですがね。真夜中の電話で脚湯法教えても「先生ありがとうございました」という一言ですね。


まっ、これからの時代は患者さん自身が本当の医療は何かということをしっかり理解しなければいけない。自分で健康をめざす。こちらはその水先案内人ですかな。このように症状が療法か病気かということを解ることがたいせつです。

 

痛みでもそうですよ。腰が痛くなった。すぐにお医者さんの所へ行って「この痛みとって。注射一本たのみます」と言い、注射打って痛みが無くなって喜んでいるわけです。しかし痛みのある筋肉というのは血液の循環が悪くなっている。血管が狭まっている。


そこに老廃物、毒素がたまっている。我々の体は血管を広げるわけです。体がプロスタグランディン(生理活性物質)を出して、血管を広げて血液の流れを良くして、そこの老廃物、毒素を取っていく。

 

ところが血管が広がって血液の流れを良くするため、副交感神経を刺激するので痛みが強くなる。

 

その痛みというのを病気と見るから、注射で痛みをとる。注射して痛みはとれたけれどプロスタグランディンの生成を抑える薬ですから血管が狭まります。そのため血液の流れが悪くなります。老廃物は出ません。痛みはとれたけれど病気は治らない。さてどちらがよろしいですかな。


そうすると痛みというのはじつは療法だ。ところが日本では3000万人の人が痛み止めを使っているわけです。アメリカでもどんどん使っています。アメリカで年間に1万6500人がその副作用で死んでいる。

 

このような薬を使っていていいのかどうか。これは鎮痛剤です。NSADIS(非ステロイド性抗炎症剤)です。このような物を使ってどうなるのか。

 

例えばリュウマチの患者さんが「痛い痛い」というのでこの薬を使うんです。そうすると薬を飲むとプロスタグランディンができなくなりますから、胃の中の血管も狭まります。胃の中の血液の流れが悪くなります。そのため抵抗力が落ちる。そうすると胃潰瘍になる。


この薬のせいで胃潰瘍になる。鎮痛剤を飲んでいる人は胃潰瘍になり易いんです。リュウマチ財団で1008人の患者さん、三ヶ月以上鎮痛剤を飲んだ方のアンケートをとった。その4分の1が胃潰瘍です。このような怖いものを鎮痛剤といってなぜ飲むのか。なぜ痛みを喜ばないのか。

 

症状即療法と症状即病気とは全然違う医学的立場ですね。先程O-157の話をしましたけれど、1996年の大事件(O-157による食中毒)の時に、下痢をした患者さんに対して下痢止めを使った。

 

その結果治りが非常に悪かった。下痢をするから腐った腹の中がきれいになるんです。それを止めてしまうから腹の中が腐ってしまうんです。治る病気で死んでしまうことになるわけです。下痢をしたら、水を飲んでどんどん下痢をさせるというのが正しい療法です。


まだまだ色々なことを申し上げたい内容がいっぱいあります。喘息、肝臓病とか鈍重腎臓とか。これら全てが症状即療法でよくなる。だからこれからは煩悩即菩提。症状即療法でゆけるのです。

 

この両輪でもって21世紀は本当に健やかになる。皆さんが元気で生きていけるということです。その大きな原動力として西式健康法がある。これをやっていけば肉体が健康になるだけでなく、精神面でも救われて悟ることができるとお伝えしたい。

 

天風師の説く「症状即療法」

このブログでその思想を紹介している中村天風師も「病気とは何か」についてこのようにおっしゃっています。

病のときにね、まず第一番にこう考えることが必要なんだよ。頭痛がしようと、腹を下そうと、こう考える。「病というものは、自分を丈夫にしてやろうとする天の恵みの力が働いてるときだ」と。

 

どうだい、全然あなた方と考え方が違うだろ。人間は病がなかったら、すぐ死んじまいますよ。まだわからないかい?
 
それじゃあね、あなた方が何か食べたとする。顕微鏡にかけて分析して食ってるわけじゃねえから、変なものを食べて、それで病が出ない体だったらどうする?


食べたものの中に、もしもばい菌やたちの悪い微生物が入っていたとする。そのとき吐きもしないりゃ、下しもしなかったら、そのままその中毒で死んじまうじゃないか。

ところが、ありがたいかな、腐ったものを食ったり、良くない「菌」の入ったものを食えば、たちまち胸がむかついてきて、吐くわ、下すわ、そりゃのたうち回って、その病毒と体が戦ってくれて、治るまでは苦しむ。苦しんで、治る。

 

それを考えたらありがたいと思わないかい。まだ私を生かしておきたい、丈夫にしてやりたいという思召しが天にありゃこそ、この体の中のすべてのものを健康的にしようがために、こうして、手をかえ品をかえて、この病毒を出すお力を働かせてくだされているんだ。


「この熱、この痛み、これは自然治癒軍が活動して、おれを丈夫にしようがために働いている活動だ。あゝありがたい。」というように考えるようになさい。熱がでれば、神棚にお燈明をあげてお礼を言やいいんだよ。「もっと出ろ!」ってくらいの気持ちでいることだ。
 

更に東洋医学の基本認識「万病一元、血液の汚れより生ず」(すべての病は血液の汚れ=血中の老廃物、毒素が原因)を踏まえて、こうも仰せです。

とにかく、癌であろうと、何の病であろうと、一番忘れちゃならないことは、血液を純潔に清淨ならしめること、そして、その方法をしょっちゅう、普通に生きてる場合でも忘れちゃいけないんだ、ねえ。何の病でも血液が汚いんだ。

 

風邪ひとつだってそうよ。血液がきれいだったら、風邪ひかないのよ。あなた方は寒さに当たると風邪ひくと思ってるが、違うんだもの。

 

寒さに当たって体力が弱ると、体の中のばい菌が猛威をたくましくするんだが、そのときに血液がきれいだと、ばい菌先生、暴れようにも暴れられなくなっちまう。それが、血液が汚いと暴れ出すんだ。すると、すぐ熱が出てきたり、頭が痛くなったり。

 

もっとも、そのときの熱というものは悪い熱じゃない。ばい菌の暴れたやつを、できるだけ弱らせちまおうと思って熱が出てくる。
 
だから、風邪ひきでも熱の低いやつは困るんです。いつまでたっても治らねえんだもん。四十度ぐらいの熱だというてえと、一週間、十日で治っちまう。出るんだか出ねえんだかわからない、まるで、けちんぼが買い物に行ったときみたいにだね、いつ測っても七度五分か八度ぐらいで、ひと月もふた月も丹念に風邪ひいてる人がいる。


そういう人は、いつでもね、もう一遍カーッと熱出させてやります。一遍もとへ返らなきゃだめ。それで一気に治しちまわなきゃだめだ。

 

更にこうもおっしゃっています。

考えてごらん、あなた方。どんなできものでも、それが痔であろうと、ニキビでも、体の中の病的物質が、いいかえれば、病毒が体の外に出ようがためにその現象が出てきたんだ。

 

だから、おできができたら、「本当にありがたい。うれしい」と思いなさい。体の中の悪いものが外に出てくれるんだもん。

そういう腫物の類を電気の針で焼いたり、メスでもって切ったりする人があるけども、これは病毒の出口をふさいでしまうことになる。


また、出口の出を悪くすると、その恐るべき病毒は体のどこかの部分にたまってしまう。そういうやつは体の中にいられない身分なんですから、何とかして出ていこうとして、いつかは必ず、組織の一番食い破りやすいところへ行って悪さをするんだ。

 

だから、痔を手術した人は大抵三年、五年のうちにどこかに病をわずらってくるだろう。
 
真理の上から考えると、体の中の病毒がいろいろな状態や方法で体の外へ出てくれようとしている働きのあることは、本当に造物主に対する感謝をあらわさなきゃならない。

 

そうだろ、こういう作用があればこそ、我々はこうして刺激の多い世の中に、とにかく生きていられるんだからね。

素人においては、一時の病の苦痛や悩みから何とかして一刻も早く逃れたいという気持ちで一杯になる。この苦しみ、この熱、この痛み、何とかして早く治りたい…そう考えるのがあたりまえではあるけれども、さあそこなんだ。

 

痛んだり、悩んだり、苦しかったりするから病だ。それをね、感じると同時に、一日も早く治してしまおう…これがいけないんだよ。歯ひとつ痛んだって、痛む原因があるから痛むんだ。痛むだけ痛ませて治さなきゃ治らないんだ。途中で痛みをとめたら最後、大変だ、ねえ。

一時押さえの手段、方法、それをあなた方は悪いと思わずやってる場合が多いんですよ。それも、お医者さんがやるんだから。この頃は、一時しのぎに、非常に強い薬を注射したり、強い薬を飲ませたりします。とくに抗生物質の乱用というのは、民族の健康の上に本当に真剣に考えなきゃならない大問題だ。

 

天風師が述べられていることは甲田先生がおっしゃっている「症状即療法」と全く同じです。

 

「症状即療法」と「消えてゆく姿」
この甲田先生、天風師のお話は、五井先生の「消えてゆく姿」の教えを正しく理解する助けになります。

 

上に書いたように病気に対する正しい認識は、「病気の症状がそのまま『療法』である=病気は良くなるための必須のプロセスである」ということです。

 

同様に不幸、不運、病といった人生の苦悩も、本当は運命好転の良くなるプロセスです。

丁度、痛み、炎症、できもの、腫物などがその原因である毒素や老廃物を症状として現し、その上で排毒(毒を出す=デトックス)してゆく=消して行き、良くなってゆくプロセスであるのと同様に、不幸、不運も潜在意識にある過去の誤った想念、行為の記録(毒素)が正に「その運命となって現れて消えてゆく時に起こる姿」なのです。

 

病気が過去からの不摂生によって溜め込んだ老廃物や毒素に原因があるように、不運、不幸も過去から潜在意識にため込んできた想念行為の蓄積によって生じるものです。(勿論、幸運、幸福も同様です)

 

そして、現れたということは、症状即療法と同様に、運命転換の良くなるプロセスである、と考え、今から良くなる、と前向きに捉えて、今、この瞬間から、潜在意識に善き想念行為を記録してゆけばよいのだ、と教えて下さっているのです。

 

それが人間と真実の生き方の後半のこの部分の意味です。

「この世のなかのすべての苦悩は、人間の過去世(かこせ)から現在にいたる誤てる想念が、その運命と現われて消えてゆく時に起る姿である。いかなる苦悩といえど現われれば必ず消えるものであるから、消え去るのであるという強い信念と、今からよくなるのであるという善念を起し、どんな困難のなかにあっても、自分を赦(ゆる)し人を赦し、自分を愛し人を愛す、愛と真と赦しの言行をなしつづけてゆくとともに、守護霊、守護神への感謝の心をつねに想い、世界平和の祈りを祈りつづけてゆけば、個人も人類も真(しん)の救いを体得出来るものである。」

 

深刻な不幸や病気の真っ只中で、これをよくなるプロセスだ、と心から思える人は多くないでしょう。

 

だから不幸や病気の苦しさ、悩みも全て世界平和の祈りに投げ込みなさい、そういう思いを持ったまま、世界平和の祈りに飛び込んでしまいさい、と五井先生はおっしゃっています。

更に私に荷物を預けてしまいなさい、ともおっしゃっています。

 

こうして世界平和と自他の天命の全うを祈り、さらに守護の神霊への感謝を行う「世界平和の祈り」を日常に習慣化すれば、知らず知らず、潜在意識に善き想念行為を金の文字で記録し続けることになリます。

 

世界人類が平和でありますように
日本(にっぽん)が平和でありますように
私達の天命が全うされますように(わたくしたちのてんめいがまっとうされますように)
守護霊様 ありがとうございます
守護神様 ありがとうございます

 

「消えてゆく姿で世界平和の祈り」という五井先生の教えは西式健康法の「症状即療法」を更に深めたものと言って良いでしょう。

 

背腹運動と世界平和の祈りを同時に行う

だから甲田先生は最後のご著作の「少食の実行で世界は救われる」で五井先生と世界平和の祈りを紹介され、こう述べられたのです。(同著、第四章からの引用です。)

 

この世界平和の祈りを説かれた神人であり、また聖者でもあられる五井昌久先生によって筆者は開眼させられたのであります。


それまでどうしても壁にぶち当って、それを乗り越えることができず悩んでおりました。筆者もまた業の深い人間ですから、その業がどうしても浄まらず消えてゆかないため、絶望に陥っていたわけです。

 

それでは親鸞上人の教えに従って、この罪深いままで阿弥陀如来様の慈悲によって救いとっていただくよりほかに道はないのかと思っていたのです。

それが五井先生によって、ここに道があるよと教えていただいたのですから、これほどありがく、幸せなことはない。本当に感謝の気持ちでいっぱいになってしまうではありませんか。


よし、この世界平和のお祈りを西武健康法の背腹運動を行なうときに一緒にやれば、その効果は一層高まるに違いないのです。


背腹運動を行なうことによって交感神経と副交感神経とが完全に調和し、潜在意識への受け入れ態勢が充分できているところへ世界平和を心の底から念ずるお祈りをし、お願いするのですから、念ずれば花開くで、その念願は力強く潜在意識にインプットされるでしょう。

そこで、お祈りをする準備をまず始めるのですが、それは次のように行ないます。


①まず第一に、西先生がすすめておられますように、背腹運動をしながら、よくなる、よくなる、よくなる……との自己暗示を五分間くらいしっかり行ないます。


②その次に五井先生から教わった世界平和のお祈りに移るわけですが、背腹運動中ですからお祈りの全文を唱えることは少し無理です。それで、背腹運動中は簡単に、世界が平和に、世界が平和に、世界が平和に……とお祈りしながら後半の約五分間行ないます。


③それから、本番のお祈りに移ります。
背腹運動は約10分間で終わりますが、その結果、自律神経の交感神経と副交感神経とが完全に調和するでしょう。

 

このとき潜在意識の受け入れ態勢ができておりますから、世界平和のお祈りがその潜在意識にインプットされるのに絶好のチャンスなのです。

 

背腹運動は西式健康法の六大法則の一つです。

ネット上に動画も含めてアップされているので、興味のある方はそちらをご覧ください。

 

甲田先生の講話、つづき「ぜひ背腹運動の実行を」
先に紹介した2001年8月のご講話の最後で甲田先生はこの背腹運動についてもお話になっていますので講話の最後の部分を引用、紹介します。

 

(煩悩即菩提、症状即療法の両輪でもって21世紀は本当に健やかになる。皆さんが元気で生きていけるということです。その大きな原動力として西式健康法がある。これをやっていけば肉体が健康になるだけでなく、精神面でも救われて悟ることができるとお伝えしたい。)につづけて〜

 

このすばらしい実践の道を具体的に実感出来るのが背腹運動です。背腹運動を朝晩30分づつやっていきましたら、このことが本当にわかります。これは世界一の健康法だと。

 

この良さがわかったら止められませんよ。33個の背骨がばらばらになる。このばらばらになった気持ちは日本晴れです。肩の懲り、首の痛みも全部とれてしまう。皆さん、この背腹運動だけでも覚えて朝晩まじめにやってください。


3年間やったら生まれ変わったようになります。背骨33個がばらばらになるということが、どんな素晴しいことかわからなければ人様に健康法を説く資格はないですよ。

 

よくテレビなどでいろんな健康法の話をしておられるけど、「あなた背骨がばらばらになった経験があるか」と、尋ねてください。自分の背骨がばらばらになることを知らないで、その効用を知らないでどうして健康法を説く資格があるのか。これがわかったら本当に病気を治すことができます。皆さんもうそか本当か一度やってみてください。


そしたらそれにつれて手相が変わってきます。どんどん手相が変わります。背骨の頚椎5番、6番、七番。胸椎1番、2番。そこから出ている神経が手のほうにきています。だから変わってくるのです。

 

この骨が整ったら手相が全部変わってきます。手相を見てもらって、「あなたは生命線が薄いな」とか「短いな」とか「消えている」とか「運命線がないからあまり運命よくない」とか「太陽線がよくない」そんなことを言われて悲観している方は、背腹運動をやって変えてみてください。おもしろいほと変わります。


そうすると西式健康法は健康になるだけでなく運命まで変わるとわかります。今晩手形をとって、5年の内にどれだけ変わっているかやってみて下さい。「こんな気持ちのいいものを5年間やってきて、本当に幸せだな」と思いますよ。宿便も全部出てしまいます。断食とかで苦しまなくてもこれだけで出てしまいます。時間はかかりますが。


胃腸の働きが変わりますから。その上また運命まで変わります。こんなに気持ちのいいものを止められるか。この背腹運動を熱心に続けて5年間経てば、「あなたはもうやらなくていいです」と言っても絶対止めませんな。影でかくれてでもやる。そうなったら死ぬまでずうっと健やかになりながらやりますね。(笑)


できたらみなさんも西式健康法を死ぬまでやっていただきたい。そうして本当に幸せな一生をつかんでください。これをお願いしまして私の話を終わらせていただきます。どうも長い時間聴いていただいてありがとうございました。

(2001年8月25日、健康合宿での甲田先生ご講話)

 

背腹運動の時間ですが、先に紹介したご著作の中で10分とおっしゃっていますから、理想は講話にある30分として、10分の背腹運動にも素晴らしい功徳、効果があるという甲田先生のお言葉です。

 

本気で甲田療法に取り組まれる方には世界平和の祈りと背腹運動を是非実行してください。

肉体と共に潜在意識の大掃除にも大きな効果があるからです。

 

世界平和の祈りの行い方
https://ameblo.jp/institutejpn/entry-12315473722.html

 

ここで前述した潜在意識の働きについての五井先生のお話を引用、転載しておきます。五井昌久著「霊性の開発」からの引用です。

顕在意識、つまり今意識し、想念するということは、どういう理由で、意識し、想念するのか、というと、その対象物、柿なら柿を、今迄に見たことも聞いたこともなくては、柿と意識することは出来ない。柿を見ながら、それが柿とわかるのは、過去において、一度以上柿を見たか、その色や形を誰かに聞いて知っているからに違いありません。


そう致しますと、過去に記憶されていた柿というものの、色や形が、今見た瞬間に、心の表面に浮び上がってきて、柿、とわかるわけです。
こう考えてきますと、今、意識し想念することは、過去の意識想念、潜在意識と普通呼ばれている、ひそんでいる意識想念が、ある対象物や、事柄にひき出されて、表面に浮び上がってきて、改めて、顕在意識想念となってその対象物を意識し、事柄を想念するということになるのであって、顕在意識だけで、独立して、ものを意識し、想念することは出来ないということになります。

 

現在三十歳の人なら、この世に誕生して三十年間の間の想念行為による体験が、表面の意識や想念の奥にひそんでいて、自分の出番を待っているわけです。もっと深くいえば、三十年プラス過去世の体験が、顕在意識の奥に積み重なってひそんでいるわけです。
そして、表面に顕われているこころは、ほんの僅かであって、ひそんでいるこころは、その何億倍も、何兆倍も、いや、どれだけの積み重ねであるかわからぬ程に、積み重なって、ひそんでいるのです。

ですから、人間にとって、この潜在意識、ひそんでいるこころは、実に重大な問題になってくるのです。
どうして重大かというと、潜在意識にある想念が人間の運命を決定する、とまで極言出来るからです。

現在、如何に自己の心を菩くし運命をよくしようとして、思考し活動したとしても、潜在意識に、自己を不幸に導いてゆくような、暗い想念、反逆の想念、もっとくわしくいえば、物に執する想い、不幸を肯定する想い、憤怒や、妬心や、傷心や、怠惰な怨いがあったとするならば、そうした想念の積み重なりだけの不幸や、欠陥が必ず、この世の生活に現われてきて、なかなか幸運をつかめなかったり、自己の欠陥を直すことが出来なかったりするのです。


潜在意識は、奥から表面へ、動力の車輪が廻わるように、自然的に回転していて、表面の心、顕在意識や行為に現われると、その想念行為が、また再び、奥へ入ってゆき新しく潜在意識となってゆくのであります。
今の心では、怒ってはいけない、と怒りを否定しながら、相手にひきずられて怒ったりするのは、その人が、今、現在怒りを発したのではなく、相手の想念の波に潜在意識の怒りの想いが引き出されて、今の怒りとして爆発するわけなのであって、潜在意識に怒りの想いのない人、あるいは少い人は、相手の怒りを誘発する想念の波に引き出される怒りの想念がないか、あるいは少いので、表面の想念行為に怒りが現われないということになるのです。


人間という者は、ある最短限の一瞬は、確かに空(無心)、または空に近い状態にあるのですが、次の瞬間には、外界の対象物、あるいは、内面の想いの動きで、空が破れて、何かを見、聞き、感じ、思考している者なのであって、その感じたこと、想念したこと、思考したことが、その人の潜在意識にそのまま入って、その人の未来の想念行為の一つとなって、運命をつくってゆくのです。
 

一人の人間の晩年における運命は、壮年時代、青年時代、少年時代、幼年時代、そして赤児以前の過去世の想念行為を寄せ合わせた、答えが、そこに出ているわけなのであります。今、不幸のままに死んでゆく一人の老人は、自己の過去の(過去世も加えた)想念行為の答をそこに現わしてこの世を去ってゆくのでもって、その辺を知って逝くか、知らずに逝くかでは、その人の幽界における進化に大きな開きが出来てくるのです。

 

であるが故に本当の幸せをつかむには何よりも潜在意識の大掃除が必要になるわけです。

その事を書いたのが以下のブログ記事です。

 

霊性心開発の方法⑤ 「潜在意識の大掃除」五井昌久先生と中村天風師の教えの要諦
https://ameblo.jp/institutejpn/entry-12387418341.html

 

宜しければこちらもご覧ください。

 

今日のブログがお役に立てば幸いです。

 

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https://ameblo.jp/institutejpn/entry-12183107000.html

天の声を聴く 中村天風師のインドでの悟り
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世界平和の祈りの行い方
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「病や不幸とどう向き合えばよいのか」① 中村天風師と五井昌久先生の教え
https://ameblo.jp/institutejpn/entry-12194681611.html

「病や不幸とどう向き合えばよいのか」② 甲田光雄先生と舩井幸雄先生、そして世界平和の祈り
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「病や不幸とどう向き合えばよいのか」③ 病気の原因と対処法
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体験談①至高体験と妖怪との遭遇で知ったこと
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体験談②守護の神霊の存在を確信した山本印店との出会い
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体験談③守護の神霊の働き、「人間万事塞翁が馬」とその後のこと
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