今月11月26日(日)オンライン健康セミナーを開催します。
おかげさまでお申し込みが増えております。
まだまだ募集しておりますので、読書のみなさまのご参加を心よりお待ちしております。
詳しい内容やお申し込み方法は、こちらのリンクをご覧ください。
以前、こんな記事を書きました。
細胞を構成するリン脂質やミトコンドリアの内膜が酸化による損傷を受けやすいかどうかで、長寿が決定するという
膜ペースメーカー理論というものです。
今回は、ネズミなどげっ歯類の中でも特に寿命の長いハダカデバネズミについて、
興味深い文献[1]を見つけたので紹介します。
ハダカデバネズミとは?
ハダカデバネズミはアフリカの一部に棲息するげっ歯類です。
体毛がなく、生涯を土に掘った穴の中の巣で過ごします。
環境変化が少ない地中で過ごしているため、
哺乳類でありながら変温動物であり、地中の低酸素にも耐性があります。
ネズミの中では長寿で、他のネズミと比べると約30年と、10倍も長生きします。
その調査をした文献です。
ハダカデバネズミの脳の特徴
ハダカデバネズミの脳では、様々な特徴があります。
それは、
- アミロイドβの前駆体が多いこと
- にもかかわらず神経変性疾患を発症しないこと
- 他のげっ歯類と比べるとコレステロールが多いこと
- 膜リン脂質のスフィンゴミエリンの飽和度が高いこと
- 脳にDHAが少ないこと
- 膜に酸化に強いプラズマローゲンが豊富に含まれていたこと
が挙げられます。
人間の場合、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患では、
アミロイドβやアミロイド斑(老人斑、リポファッシン)の蓄積が確認されています。
これは、アミロイドβの前駆体が何らかの要因で凝集し、細胞が機能しなくなるからです。
ハダカデバネズミの脳では、そのアミロイドβの前駆体が、他のげっ歯類よりも多いにもかかわらず、
アミロイドβの凝集の痕跡が認められませんでした。
そして人間の場合、コレステロール値の高さと神経変性疾患には相関性があります。
ハダカデバネズミは他のげっ歯類よりもコレステロール値が高いにもかかわらず、
神経変性疾患を発症しません。
さて、この理由を見ていきましょう。
なぜハダカデバネズミでは神経変性疾患がないのか
それはアミロイドβが過酸化脂質の影響を受けないからです。
そのヒントがハダカデバネズミの脳にDHAが少ないことが挙げられます。
DHAといえばオメガ3 脂肪酸です。
オメガ3 は多価不飽和脂肪酸(プーファ)で、脂肪酸の中でも最も酸化しやすい油です。
これまでの記事でお伝えしたように、神経変性疾患の要因となるアミロイドβは、
過酸化脂質による変質によって、形成されると考えられます。[2][3][4]
それが体内の鉄など金属と反応し、
リポファッシンと呼ばれるアミロイド斑を形成します。[5][6][7]
ハダカデバネズミにアミロイドβの前駆体が多くても、
過酸化脂質になりやすいオメガ3 が少ないことが、アミロイド斑を形成しない要因だと考えられます。
また人間の場合、コレステロールが酸化して変性することも明らかになっています。[8][9][10]
これは、コレステロールにプーファが結合することにより、
そのプーファが酸化してしまうことによって起こります。
(この文献には書いてありますが、一般健康情報ではここまで明らかにされていません)
プラズマローゲンについては、ミトコンドリアを酸化から守るために、
身代わりになってくれるタンパク質です。
プラズマローゲンが豊富だったということは、
やはりハダカデバネズミはプーファによる酸化に強いということになります。
現代医学では病気や認知症の原因を遺伝子やウイルスなどのせいにしていますが、
酸化しやすい油を大量に食べる食生活になってから急増しています。
なお、リポファッシンは形成されるほど取り除くのが難しくなります。
病状が進行してしまっている方にとっては、元に戻るのは厳しいかも知れないことも。
そうならない前に、プーファについて見直すのが重要です。
今月のオンラインセミナーでもプーファの酸化についてのお話をします。
ご興味があれば、是非ともご参加ください。
【関連記事】
【参考文献】
[1]Cholesterol-rich naked mole-rat brain lipid membranes are susceptible to amyloid beta-induced damage in vitro
Aging (Albany NY) . 2020 Nov 4;12(21):22266-22290.
[2]Promotion of amyloid beta protein misfolding and fibrillogenesis by a lipid oxidation product
J Mol Biol . 2008 Apr 4;377(4):1236-50.
[3]Free fatty acids stimulate the polymerization of tau and amyloid beta peptides. In vitro evidence for a common effector of pathogenesis in Alzheimer's disease
Am J Pathol . 1997 Jun;150(6):2181-95.
[4]Effects of free fatty acid on polymerization of islet amyloid polypeptide (IAPP) in vitro and on amyloid fibril formation in cultivated isolated islets of transgenic mice overexpressing human IAPP
Mol Med . 2002 Dec;8(12):863-8.
[5]Mini-Review on Lipofuscin and Aging: Focusing on The Molecular Interface, The Biological Recycling Mechanism, Oxidative Stress, and The Gut-Brain Axis Functionality
Medicina (Kaunas). 2020 Nov; 56(11): 626.
[6]Lipofuscin: a key compound in ophthalmic practice
Rom J Ophthalmol. 2021 Apr-Jun; 65(2): 109–113.
[7]Histology, Lipofuscin. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021.
[8]Disease Stage-Dependent Accumulation of Lipid and Protein Oxidation Products in Human Atherosclerosis
Am J Pathol. 2002 Feb; 160(2): 701–710.
[9]Oxidized Low-Density Lipoprotein
Methods Mol Biol. 2010; 610: 403–417.
[10] Covalent binding of oxidized cholesteryl esters to protein: implications for oxidative modification of low density lipoprotein and atherosclerosis
J Biol Chem . 2003 Jun 6;278(23):21040-9.
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