鉄剤の使用が危険な理由 | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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2023.6.12 フェロトーシスについて修正しました。

 

日本では貧血と診断されると、鉄剤を出されるのがお決まりのようです。

また貧血だと思いこんで、鉄サプリを服用されている方もおられるかと思います。

その他に、鉄鍋や鉄瓶など鉄を使用した調理器具をお使いの方もおられると思います。

 

 

これまでにも鉄に関する記事はいくつか書いてきましたが、鉄はとても危険な金属です。

今回は鉄と脳の病気について紹介します。

 

 

 

鉄が脳に溜まる!?

パーキンソン病は、手の震えや歩行困難など、運動障害が起こる病気です。

日本では、指定難病に登録されています。

中脳にある黒質という部分の神経細胞が減少することで、発症すると言われています。

 

 

そのパーキンソン病では、鉄が脳に沈着されているのが確認されています。[1]

 

 

鉄は、1日でも野ざらしにすると錆びてしまうように、反応性が高い金属です。

そして鉄は、身体の中の活性酸素と結びついて、

更に最強の活性酸素であるハイドロキシラジカルを形成します。[2]

 

 

人間の身体には、ハイドロキシラジカルを消去する方法がありません。

また、鉄は細菌の増殖も促進します。

そのため身体は、鉄を守るように、ヘムタンパク質に包んだり、フェリチンにして貯蔵します。

 

 

しかしながら、フェロトーシスという過剰鉄によって起こる細胞死によって、フリー状態の鉄が血中へと放出されます。[3][4]

 

 

またハイドロキシラジカルは、現代型の食生活で過剰になりやすい、多価不飽和脂肪酸(プーファ)の酸化を促進します。

 

 

鉄によるハイドロキシラジカル生成によって、神経細胞障害が起こることが示唆されています。[5]

 

 

アメリカでは、食品に鉄が混ぜてあります。

その鉄を強化した乳児用ミルクと同量の鉄をマウスに与えたところ、中脳の神経変性が進行しました。[6]

マウスの脊椎にクエン酸第一鉄を注射したところ、中脳の黒質の脂質過酸化が急速的に増加しました。[7]

 

 

一方でマウスに鉄のキレート剤を投与したところ、脳内の鉄レベルが低下し、ハイドロキシラジカルや脂質過酸化反応も低下しました。[8]

 

 

この一連の結果から分かるのは、

鉄の無秩序な摂取が危険だということです。

 

 

鉄は特に、プーファの存在下でプーファを酸化させ、

それがタンパク質と結びつくことで、老人斑(リポファッシン)を形成します。[9][10][11]

 

 

リポファッシンはあらゆる組織に沈着し、その組織の機能を失わせます。

また炎症の火種となり、脳にできれば脳疾患のリスクが増え、

臓器や皮膚にできればがんのリスクが増え、

心臓にできれば突発性の心停止のリスクが増えます。[12]

 

 

実際に加齢黄斑変性症(AMD)では目にリポファッシンが蓄積されていることが確認されています。[13]

 

 

リポファッシンがアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病と密接な関係があることが示唆されています。[14]

 

 

リポファッシンは一度できてしまうと、炎症を起こして取り除けなければ、取り除くことが困難になります。

ですので、鉄の過剰な摂取とプーファの摂取には十分気をつけましょう。

 

 

貧血は、甲状腺機能低下の一つの症状です。

エネルギー代謝を高めることが貧血を改善するための近道です。

 

 

【関連記事】

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考文献】

[1]Parkinson's disease and iron

J Neural Transm (Vienna) . 2020 Feb;127(2):181-187.

 

[2]Oxidative Stress and the Homeodynamics of Iron Metabolism

Biomolecules. 2015 Jun; 5(2): 808–847.

 

[3]Ferroptosis: Role of lipid peroxidation, iron and ferritinophagy

Biochim Biophys Acta Gen Subj . 2017 Aug;1861(8):1893-1900.

 

[4]Ferroptosis: past, present and future

Cell Death Dis. 2020 Feb; 11(2): 88.

 

[5]The role of iron in brain ageing and neurodegenerative disorders

Lancet Neurol. 2014 Oct; 13(10): 1045–1060.

 

[6]Increased murine neonatal iron intake results in Parkinson-like neurodegeneration with age

Neurobiol Aging . 2007 Jun;28(6):907-13.

 

[7]Manganese: a transition metal protects nigrostriatal neurons from oxidative stress in the iron-induced animal model of parkinsonism

Neuroscience . 1998 Aug;85(4):1101-11.  

 

[8]Desferrioxamine and vitamin E protect against iron and MPTP-induced neurodegeneration in mice

J Neural Transm (Vienna) . 1997;104(4-5):469-81.

 

[9]Mini-Review on Lipofuscin and Aging: Focusing on The Molecular Interface, The Biological Recycling Mechanism, Oxidative Stress, and The Gut-Brain Axis Functionality

Medicina (Kaunas). 2020 Nov; 56(11): 626.

 

[10]Lipofuscin: a key compound in ophthalmic practice

Rom J Ophthalmol. 2021 Apr-Jun; 65(2): 109–113.

 

[11Histology, Lipofuscin. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021.

 

[12]Myocardial lipofuscin accumulation in ageing and sudden cardiac death

Sci Rep. 2019; 9: 3304.

 

[13]Retinal Ultrastructure of Murine Models of Dry Age-related Macular Degeneration (AMD)

Prog Retin Eye Res. 2010 May; 29(3): 169–190.

 

[14]Vicious cycle of lipid peroxidation and iron accumulation in neurodegeneration

Neural Regen Res. 2023 Jun; 18(6): 1196–1202.

 

 

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