Mon 200113 今日も力作/ラストのセンターが迫る/上級A組、ますます順調  3903回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 200113 今日も力作/ラストのセンターが迫る/上級A組、ますます順調  3903回

 時の経過はマコトにスピーディであって、気がつけば年が明けてすでに2週間。「紅白歌合戦」も「ゆく年くる年」も、14日も前の思い出になった。年末のウィーンにしばらく滞在し、雪のないクリスマスに愕然としていた日々なんか、もうとっくに時間の彼方に消滅しようとしている。

 

 しかしもちろん、ワタクシはこの2週間を無為に過ごしたのではない。大学ラグビーだって準決勝と決勝、早稲田の2試合を繰り返し繰り返し観戦、全てのトライシーンを暗記したほどである。

 

 若い諸君、「天理 vs 早稲田」の準決勝と「明治 vs 早稲田」の決勝戦、この2試合から学ぶべきなのは、早稲田の選手たちの恐るべき集中力である。確かにラグビーエリートぞろいであって、才能も他に抜きん出ているが、その才能以上に目立っていたのは、選手1人1人の強烈な集中力ではなかったか。

 

 前半が終わって、得点は31–0。4トライで31得点も「お見事」の一語だったが、何より驚嘆すべきなのはディフェンスの集中力。小学校3年の冬からラグビーを見続けたワタクシとしても、ディフェンスしながらどこまでもグイグイ前進していく姿は、そんなに頻繁に目撃した経験はない。

(新A組の収録はますます順調。今週から「Part 2」に突入、あと4日、1月17日で完了する)

 

 日本史上ラストのセンター試験まで残り5日。センター試験が始まった頃がワタクシの予備校講師生活の始まりであるから、いやはや「最後のセンター試験」はあまりにも感慨深いものがある。

 

 昨年はセンター試験が終了した翌日、東京の某テレビ局に呼び出されて、新橋の貸しスタジオで取材を受けた。そのまた翌日の昼のワイドショーで1分ほど今井のトークが放送されたのだったが、「センター試験は次回で終わりになります」というマコトにつまらん発言だけに編集されていた。

 

 実はあの取材で今井は、あの当時なら驚くべき発言を連発していたのだった。

「どうせ大して変わりません」

「変わるのは、結局ネーミングだけだと思いますよ」

「国語の記述式なんて、出題も採点も無理ですよ」

「数学の記述式も、結局は見送りになりますよ」

「英語の民間試験ですか? 実現の可能性が見えませんね」

 

 オジサマの街♡新橋の古色蒼然とした狭苦しいスタジオで、そんなふうに語る今井の顔を見つめながら、ディレクターさんが苦笑していた。そんな発言をいくらしたって、放送されることはないに決まっているのだ。

 

 どうせ全てカット、切って切って切り刻んで、「センターは次回で終わりです」の部分しか残らない。今井もそれは重々わかっていたが、「私も話したいことを話しますから、どうぞお好きなようにカットしてください」と苦笑しながら言った。

 

 結果はまさにその通り、「お好きなようにカット」されていて、今井がホントに言いたかった部分なんか、影も形もなかった。そうなるのがわかっていたから、このブログでも出演予告を全く出さなかった。

 

 しかし諸君、もしもあの時ディレクターに先見の明があって、「コイツ面白いことをナンボでも言いまくるじゃないか」と思ってくれていたら、1年前のあのワイドショーは見事に1年後を言い当てた「伝説回」「神回」になっていた可能性だってあったのだ。

(研究社「高校英語研究」1995年7月号の特集記事はワタクシであった)

 

 それでもやっぱり今週末、記念すべき史上最後のセンター試験がやってくる。「記憶偏重」「思考力軽視」「テクニックで解ける」とメディアに酷評され続けたセンター試験に、全国50万人の青年たちが未来を賭けるのである。

 

 この1年、ワタクシは何度もこのブログに力作を掲載し、センター試験がどれほど練り上げられた素晴らしい試験だったかを書き続けた。センターは記憶偏重なんかではないし、思考力を十分に重視していたし、テクニックでなんか絶対に解けない問題が大半を占めていた。

 

 しかしやっぱりメディアの圧力は強烈だ。どんなテクニックで・どの科目の・どの問題が解けるのか、その証拠を一切示さなくても、「記憶とテクニックで解ける」と新聞&テレビが連呼すれば、作る側もせめてネーミングだけは変更しなければならなくなった。

 

 これほど酷評され続けた試験に将来を賭ける受験生諸君が、私は可哀そうでならない。しかし残りあと5日で、30年持ちこたえたネーミングだけは確実に終わりになる。

(研究社「高校英語研究」1995年7月号の特集記事にも「やがて音速を超える日」という言及がある)

 

 超ベテラン今井としても、毎年センター試験直前&直後にアクセス数が急激に増えるセンター関連記事をここに貼り出し、若い諸君の参照と熟読を期待することにしよう。

① Fri 081010 赤本には間違いが多いという噂で悩むな 過去問の正解で右往左往するな
② Tue 081118 入試直後に答え合わせをするな/試験後に群れて帰るな
③ Fri 081226 医師になりたくないなら、安易に医学部を志望するな(1/3)
④ Sat 081227 医師になりたくないなら、安易に医学部を志望するな(2/3)
⑤ Sun 081228 医師になりたくないなら、安易に医学部を志望するな(3/3)
⑥ Fri 090116 センター試験は大キライだ(1/3) 予備校の3学期と講師の悪夢
Tue 190115 センターあと2回/宇治興聖寺/お座敷の恐怖(京都すみずみ13)3786回

Sat 190119 里芋のセンター愛/地蔵院・浄住寺・松尾大社(京都すみずみ15)3788回

 

(研究社「時事英語研究」1996年5月号の今井特集記事。ここにもやはり「音速へのアプローチ」に言及している)

 

 1月6日にスタートした「A組・上級者養成教室」の収録は、本日13日も順調に進んだ。「成人の日」でハタビではあったのだが、英語科の担当者も制作スタッフも、ワガママな今井の収録に不平も言わずに付き合ってくれた。

 

 第1講が名古屋大学の長文問題だった他は、残りは全て京都大学と東京大学のリーディング問題が並ぶ。京都大学は下線部和訳が中心の難問ぞろい。東京大学はA4版の原稿にして3枚から4枚に及ぶ超長文の小説文がほとんど。これだけズラリと並べたら、「上級者養成」のサブタイトルに名前負けすることはないだろう。

 

 それを毎回必ず1問、余裕でこなしていくのである。長文の解説が途中で終わって「残りは次回に回します」なんてのは、百害あって一利なし。結局テキストを3分の2どころか半分ちょいしか終われずに、「量より質だ」「残りは破いて捨てろ」「解説プリントを配布します」などと開き直るだらしない姿は、前途有望な青年たちに見せるべきものではない。

(研究社「時事英語研究」1996年5月号。ワタクシの特集の中にはこんなレトロな「音速マン」が走っていた)

 

 本日で第11講が終了。驚くなかれ諸君、これだけ難問が勢揃いしても、今井は余裕の笑顔で解説を終え、正誤判定問題の補充問題もバリバリこなして、知的な雑談だって絶対に欠かさない。

 

「学部でこっそりダブルメジャー」の話、昨年このブログにも書いた「さい」や「服部神社」や「浦島太郎」の話(ブログ内検索で読んでくんろ)、見事なタイミングでそういうトークも挿入される。

 

 4半世紀を予備校講師として過ごしてきた今井として、やっぱり「A組」には特別の思い入れがあるのだ。予備校講師になって3年目の1994年、駿台予備校で初めて「特設単科をやってみませんか?」と学務課に声をかけられた時、即座に「では新聞の社説を速読する講座をやります」と躊躇なく答えた。それが「A組」の前身「ENGLISHFARM」だった。

 

 しかしやっぱり、無理があった。受験&受験で必死な諸君に「新聞の社説」と言ってみたところで、最初は見栄で食いついてきたとしても、すぐに「難しすぎる」「単語のレベルが違いすぎる」と言って、逃げの姿勢が目立つようになる。「要約なんて、私大志望者にはカンケーねえじゃん」という声も漏れ始めた。

(1996年の今井の単科「ENGLISHFARM」、第7講は受動喫煙の問題を扱った)

 

 代ゼミに移籍した直後にも、単科ゼミを2つ担当することに決まって、「中級レベルB組」は精読と文法を、「上級レベルA組」は長文速読をやることになった。今度は「社説」みたいな無理をしないで、パラグラフリーディングを前面に押し立てた。

 

 新聞でも雑誌でも、時間がないときにはまず見出しだけに目を通す。見出しで興味を持ったら、その記事の写真や挿絵や図表&グラフを眺めてみる。それでもまだ関心が失せなければ記事本文を読むが、やっぱり時間がないから、各パラグラフの第1文だけを拾い読みして大意を掴む。

 

 そういう読み方を受験の英語に応用すれば、「時間が足りない」「どうしても時間内に読み終えられない」「最後まで読むと最初の方をみんな忘れている」、そのたぐいのありがちな悩みに応えられると期待して始めた。

 

 というか、上記のような読書法は読書の基本であって。最初の1行目から「ひたすら構文をとって和訳」なんてのじゃ、読書はちっとも楽しくないじゃないか。

 

 しかし諸君、「構文さえ取れない」「日本語訳もできない」「単語も文法もあやふや」という生徒たちがほとんどの舞台で、この読書法は明らかに難しすぎた。あえて全文訳を省略したこの読解法に、不安ないし欲求不満を感じた生徒が多かったのも、ある意味当たり前であった。

(代ゼミでの「上級A組」もくじ。上級を名乗った割に控えめだ 1)

 

 これをきっかけに「今井は怪しいテクニックを押し付けようとしている」「洗脳される」と呟く者が出た。いやはや、もう20年近く昔のことであるが、思わぬヒール役が回ってきて、苦笑を禁ずることができないありさまになった。

 

 他に難関国公立用の「S組」とか、単語&熟語を記憶することに集中した「C組」という名の新しい講座を作っても、なかなか「テクニック」「洗脳」という悪いイメージを払拭することは出来なかった。

 

 だから若い予備校講師諸君も含めて、よく聞いてくれたまえ。「速読」という言葉をつかうのは、受験の世界では言わば「タブー」なのである。読解力が即効性をもって伸びなければ、たちまち「怪しいテクニック」「いんちき」「ダマされた」の悪評が蔓延する。

 

「諸刃のつるぎ」という言葉があるが、速読力なんか滅多なことでは身につかないのだから、「諸刃」なんてものではなくて、強烈に危険なヤイバはこっち側にしか付いていないと思った方がいい。

(代々木ライブラリー「今井のパラグラフリーディング」シリーズ。ベストセラーになり、スカパーでも90分授業 × 20回シリーズで放送された)

 

 というわけで諸君、今回の新しい「A組」は「今井の長い予備校生活の集大成である」ぐらいのチョー熱い思い入れが満ちているのである。素材は(たとえ京大&東大の問題ばかりだとは言っても)受験の世界のものにとどめた。社説とかコラムとか、「無理をしてるな」と思われるものは排除した。

 

 それでも実際に入試問題の出典をみると、「The Economist」だの「New Scientist」だの「The New York Times」だの、名門雑誌に名門新聞に掲載されたエッセイがほとんど。大学入試のほうが、時代に先行していたかつての「ENGLISHFARM」にグイグイ追いつき、追い抜いていったのだ。

 

 しかもそこに「予習では全訳をしてはならない」「ダウンロードした音声だけを3回聞いて大意をつかみ、設問に集中して設問だけを解いてきたまえ」という指示が出る。「この英文をそのままリスニングで出題されても、全くたじろがないようになりたまえ」「上級者とは、そのような余裕コキコキの存在だ」と喝破する。

 

 もちろんここに、今井独特の懇切丁寧で異様なほど理解できる授業がついてくる。「あれれ、全訳してこなかったのに、わかる&わかる、わかりすぎるぜ♡」の感激が止まらない。20年前に懸命に取り入れたパラグラフリーディングは一切ないけれども、受講生諸君の満足感はあの頃の2倍にも3倍にもなるはずだ。

(代ゼミでの「上級A組」もくじ。上級を名乗った割に控えめだ 2)

 

 その新A組収録も、あの4日で終了する。テキスト編集から数えれば、すでに6ヶ月が経過しているが、あとたった4日全力を尽くせば、ホントにホントに終わっちゃうのだ。

 

 その辺の計画にも、やっぱり今井独特の緻密さがあったのだ。「10年間3652回(うるう年2回を含みます)毎日更新」を達成したのは、自分の誕生日の6月26日を選んだ。記念すべき3900回が2019年の大晦日になるように更新の頻度を巧みに加減した。3901回は「謹賀新年」の挨拶ができるように、新年の初回にもってきた。

 

 同じように、4日後の1月17日、センター試験世代ラストの諸君がセンターの準備最終日を迎える日に、今井も「全講座リニューアル完了♡」「新A組収録♡完成」の日を設定したのである。

 

「オレは昨日で新時代への準備をカンペキに終えた」

「きっとキミたちも、センターの準備はカンペキだよな」

1月18日の朝、ワタクシは心の中で、受験生諸君に笑顔でそう語りかけたいのである。

 

1E(Cd) Kazune ShimizuLISZTPIANO SONATA IN B MINOR & BRAHMSHÄNDEL VARIATIONS

2E(Cd) Barenboim & BerlinerLISZTDANTE SYMPHONYDANTE SONATA

3E(Cd) Perlea & BambergRIMSKY-KORSAKOVSCHEHERAZADE

4E(Cd) Chailly & RSO BerlinORFFCARMINA BURANA

5E(Cd) Pickett & New London ConsortCARMINA BURANA vol.2

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