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飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

Hです。

 

実習の学生さんが2週間勉強されました。

漢方の勉強会に参加されていることもありますが、それ以上にプレゼンテーションや質問などが的確で即戦力としてご一緒できそうなほどでした。感想をお寄せいただいたので掲載します。

 

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医学部5年生のGと申します。
この度、大学のクリニカル・クラークシップの一環で飯塚病院・漢方診療科にて実習をさせていただきました。

私は普段、東洋医学系サークルで主に中医学を勉強しているため、
日本漢方を主とする飯塚病院の漢方診療科の内容についていけるだろうかと最初は緊張していました。
しかし、先生方が毎日のレクチャーで漢方の考え方についてステップを踏んで教えてくださり、
数日経った頃には緊張はすっかり消えていました。

実習の中で特に素晴らしい体験だったのは、脈、舌、腹診を学べたことです。
子供さんから高齢の方まで、先生のお手本や所見をもとに2週間毎日診察をさせてもらいました。
特に腹診所見に関しては、私にとって文字でしか知らない情報であり
初日は診察しても先生の所見をメモするので精一杯でした。
しかし、毎日脈を取り、舌を観察し、お腹を触らせていただくことで
ふと「これはこの所見なのではないか」と思う瞬間が増えていくことに気づきました。

そして最終日に、健康な妊婦さんの脈を取らせていただく瞬間がありました。
それ自体もとても貴重な経験だったのですが
私が感じたその脈のイメージと、先生の表現する脈のイメージがピッタリと合い、
とても感動したことが強く印象に残っています。
私が理解した所見はまだまだほんの一部だとは思いますが、少しでも一端を感じ取れて嬉しい気持ちでいっぱいです。
もっとたくさんの診察をして早く先生方の感覚を掴みたいと思っております。

朝の抄読会で古典的な処方について勉強したり、
院外薬局で丸薬を作ったりするのも新鮮な体験でした。
難治性の疾患の中に実は体の冷えが隠れていた、という症例にたくさん出会い、
温めることが病気を治す力の一助になること、漢方薬にはそれができるということも実感しました。

そして何より、他県から来た私を温かく迎えてくださり、
2週間見守ってくださった漢方診療科のスタッフの方々にとても助けられました。
この場をお借りして感謝を申し上げます。
この実習を通して、たくさんの学びを得ることができ、そしてこれまで以上に漢方について勉強していきたいと強く感じました。
漢方診療科・部長の田原先生をはじめとする先生方、そしてスタッフの皆さん、
本当に素晴らしい経験をありがとうございました。

 

Hです。

実習の学生さんが続けてお見えになっています。少し賑やかさを取り戻してきました。

漢方医学のサークルで勉強されていますので、知識や質問への答えはプロ級でした。将来が非常に楽しみです。

 

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2週間と短い間でしたが、外来陪席、レクチャー、調剤実習など様々な経験をさせて頂きました。普段サークルで少し漢方には触れているのですが、机上での勉強が中心で、実際の臨床に触れるのは初めてでした。実際に効くのかと疑問に思う事もありましたが、外来陪席では「良くなりました!先生のおかげです!」という患者さんも多数いらっしゃり、本当に効く事を実感できました。私自身もエキス剤、煎じ薬、丸薬など試飲させて頂き、効果があったように感じました。
外来陪席では特に切診が印象的でした。2週間では細かな違いを把握する事は難しかったですが、温度や質感は感じる事が出来ました。経験が物をいう世界で、漢方の奥深さを知りました。

最後になりますが、今回はこのような貴重な機会を頂きありがとうございました。この経験を将来に活かせるよう、まずは西洋医学の勉強から取り組んでいきたいと思います。

Hです。
寒い日が続きますね。漢方医学では冷えは体調を崩す大きな原因の一つと考えます。今回は、体の冷えが睡眠に影響していた方の入院治療をご紹介します。

10代の女性。元来、めまいや朝起きられないなどの症状で通院していました。水分代謝を良くする漢方薬で落ち着いていましたが、ある年の冬に再び症状が出て薬が効かなくなりました。夜早く寝ても翌日は昼まで昏睡状態のように寝るため登校できません。午後からは動けるので登校して授業を受け部活動にも励んでいました。入院に際して冷えの検査をすると、自覚症状はないけれども体の芯が冷えきっているという結果でした。また、睡眠検査では浅い睡眠が続いていることがわかりました。
睡眠の研究では、夜更かしだけではなく、体温の変化も睡眠障害の原因になると考えられています。この方は体の芯の冷えと睡眠障害に関連があると考えて、烏頭(うず)という生薬を含む体を強力に温める漢方薬を選びました。副作用が出ないよう細かく量を調整しながら飲んでいただいたところ、次のような経過でよくなりました。
入院当初 看護師さんに起こされて2,3時間は動けませんでした。
1週間後 起こされて1時間程度で動けるようになりました。
     睡眠検査では深い睡眠がとれていました。
2週間後 起こされて30分以内に活動できるようになり退院しました。
     冷えの検査では正常近くまで改善していました。
漢方治療では、冷えや熱を重要視して治療を組み立てます。今回の例では、体の芯の冷えによって睡眠異常が起きていたと考えられました。これを温めることで、深い睡眠を得て朝起きられるようになり、通学もできるようになりました。

 

Hです。

本年最初の実習学生Iさんがお見えになりました。

大変落ち着いて、真摯な態度で実習に取り組んでいました。漢方医学に対する関心も高く頼もしく感じました。

 

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 この2週間は本当に充実した実習でした。必修科目ではないため学校の座学では学ぶ機会の少ない漢方ですが、2週間の実習を通して、医学の将来的に、漢方は患者さんの需要を満たし、西洋医学の至らないところを補うとともに西洋医学の限界を越える可能性を秘めていると実感しました。そんな漢方を学ぶ事ができて非常に嬉しく思うとともに、今後も学んでいきたいと思いました。
 漢方について全くの無知な自分でしたが、臨床での「望・聞・問・切」とレクチャーを通し、先生方のご丁寧な指導のおかげで、漢方に一歩踏み出せたように思います。外来やレクチャー以外でも先生方はもちろん、看護師の方々や事務の方々もとても優しく声をかけてくれたり接してくれたおかげでとても居心地の良い2週間でした。漢方科全体の雰囲気の良さを感じることができて、自分まで嬉しくなりました。
 改めて、楽しくもあり身になる時間をありがとうございました。また機会があればその際には何卒よろしくお願いします!

Hです。

現在、内科の先生が2週毎に研修においでになっています。外来陪席やカンファレンスへの参加を通して大変熱心に勉強なさっています。

ご感想を頂きましたので掲載させていただきます。

 

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北九州で内科医をしております、Hと申します。
この度は研修を受けさせていただきありがとうございました。
朝の輪読会に始まり、外来陪席、入院患者回診、症例カンファ、そして生薬庫の見学までさせていただき、貴重な勉強の機会を得ることができました。心から感謝申し上げます。
診察における舌診、脈診の浮沈、渋の捉え方や、西洋医学では扱えない裏寒、冷えの扱いとその影響の大きさなど、実際の症例を見ながら学べたことは非常に大きな経験になりました。
また、大筋の解釈は同じでもそこから導き出される方剤の選択肢の豊富さをつぶさに見て目指す先を再確認し、膨大な知識と経験を必要とする大変な道ながらも大変興味深いものだと改めて実感し、兜の緒を締め直した次第です。

今後も勉強を重ねて漢方診療の診断と処方の精度をあげていきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

Hです。研修でおいでになった先生から感想文を頂きましたので掲載します。

漢方愛あふれる熱い先生で、遠方から何度か研修にいらしています。

お忙しい中、素敵な文章をお送りいただいてありがとうございます!

 

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北海道で産婦人科医をやっております、Tと申します
過去にも何度か研修させていただいております
今回は私用も込みで飯塚病院に再訪となりましたが、短時間でもということで研修をお引き受けいただき、短期集中で勉強する貴重な機会を得ることができました
朝の輪読会に始まり、外来陪席に個人的なレクチャーと、今回も短時間ですが密度の濃い研修をすることが出来ました。過去にも何度か研修をさせていただいているのですが、(お前が忘れているだけじゃないのか?という至極真っ当な指摘には敢えて気付かないふりで)毎度まいど新しい発見や、診療で試してみたい知見を得ることができ、本当に「来て良かった!」と思える時間を過ごさせていただきました
産婦人科という診療科は、婦人科領域では月経困難や更年期、担癌患者さん、産科・生殖医療領域では妊婦さんや不妊・不育症患者さんと、多様な疾患背景を抱えた患者さんを診ることになるのですが、ときにガイドライン通りの診療では治療に難渋することがあります。そういったときに、漢方薬が治療の端緒を開いてくれることも数多くあり、そのようにして長年辛い思いをしてきた症状に改善があったときの患者さんの喜びようを見れるのは、やはり医療者としてのやりがいを感じるところでもあり、「ありがとう、漢方!」と叫びたくなる瞬間でもあります(笑)
今後も勉強を重ねて、産婦人科診療に漢方診療をより良い形で組み合わせていけたらと思っていますので、今後もご指導よろしくお願い致します!
(ちなみに、研修したのは6月です。掲載が遅くなったのは、私が連絡を忘れていたから…H先生、申し訳ありませんでした!)

 

Hです。

関東から研修の先生がお見えになりました。漢方に対してご熱心なのはもとより、たいへん気さくな先生で、すぐに当科に溶けこまれていました。お人柄が感想にもあらわれていますね。

ご都合が合えばまたお越しいただいて、入院治療もみていただきたいと思います。

 

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関東で漢方研修しておりますMと申します。この度は5日間という短い期間でしたがいろいろご指導頂き本当にありがとうございました。入院で煎じ薬を投与、というレアな環境に興味があったのですが、たまたま入院患者さんがおられないということで当初残念に思っておりました。しかし先生方の個性豊かな外来を拝見し、また予定レクチャー+時間が空いてしまった際に臨時レクチャーまで頂き、内容のマニアックな濃さと語りの熱さでとても楽しくためになる時間を過ごすことができました。最後には興味のある分野について、おみやとしてたくさんの発表論文も頂戴し、余韻に浸りつつ拝読しております。もし漢方に興味があるなら、診療の基本として学びたい人にも本格的に投与したい人にもとてもお勧めだと思います。アカデミックな厳しさを保ちつつも、医局のほのぼのした雰囲気がなんとも…
ほんとうにあっという間でした。機会があればまたお邪魔したいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

Hです。

当院の研修内容を聞き、遠方の大学から見学の学生さんが来てくださいました。

将来の専門資格取得も見据えて多く質問されていました。

是非研修においでいただきたいと思います。卒業後のご活躍が楽しみですね。

 

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少し遠くの大学から実習に参加させて頂いた医学科5年のHです。
東洋医学を勉強しているメンバーから飯塚病院の漢方診療科について教えてもらい、1日間の見学をさせて頂きました。

お話しに聞いていたとおり、大変教育的でたった1日間でありましたが多くのことを学ばせて頂きました。外来見学、カルテの記載方法についてのお話し、「傷寒論」についての講義、入院症例のお話しなど大変勉強になりました。また、薬剤部で実際に生薬から漢方を作る手順、保存場所などお薬が患者さんに届くまでの過程も見学させて頂きました。その中で、なんと水毒症がある私にあった苓桂朮甘湯をH先生がデモンストレーション用として選んで下さり、試飲させて頂きました。そのためか翌日は身体がとても軽かったです。

漢方診療による治療も行うことができる医師を目指し、まずは卒業そして国試を目指し精進して参ります。お忙しい中、このような丁寧で暖かいご指導をして頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

一日のみの短い見学でしたが、皆様本当にどうもありがとうございました。

 

Hです。
暑い日が続きますが、当科を受診する方には身体が冷えている方が多く、夏場でも附子や烏頭を使っての温補治療が必要になる方がおられます。今回は、最重症のアトピー性皮膚炎で長年苦しまれてステロイド剤も効かなくなっていた方が、当科を知って受診・入院されました。電気温鍼(でんきおんしん)という冷えの検査兼治療機器によって、身体の中心部の冷えが強いことがわかり、附子(トリカブトの根、強力に温める作用がある)を用いた方剤で治療することで急激に皮膚の状態がよくなりましたのでご紹介します。

30代の女性。幼少時から全身性のアトピー性皮膚炎を指摘されていましたが、仕事のストレス等でさらに悪化しました。顔面は全体が赤く、全身に苔癬化(皮膚に苔が生えたように厚くなった状態)がみられ掻痒感が強い。倦怠感も相当に強く、日中休憩して息を整えないと働くことができません。入院後は附子を用いた倦怠感の強い方に用いる煎じ薬を内服いただきました。冷えが強く冷房にあたれないほどなので通常よりも附子を増量して使いました。ステロイド軟膏は入院中も続けてもらいました。
1週間後 顔面の赤みが薄くなり、顔の中心、口周りが正常色になりました。
     足の腫れが引きました。
     皮膚回復と水分代謝を改善させる散剤(生薬を粉末にして服用)を追加しました。
2週間後 顔は全体が正常色で、うっすら赤みが散在する程度に改善しました。
     電気温鍼で熱さを感じ冷えの改善が示唆されました。
     退院して外来治療へ切り替え。
これまで、あまりに冷えていたためステロイド剤を塗布しても改善しなかったものが、深部を温めることで治癒促進しステロイドにも反応するようになったものと考えられます。

 

Hです。

先週1週間、2名の学生さんKさんTさんが実習にいらしていました。Kさんは実習中にも感想を書いてくださって前回記事になっています。朝8時からのレクチャーと外来見学、午後には講義と漢方三昧で過ごされていました。お二人とも大変熱心で、漢方に限らず今後の進路についても多く質問をして吸収していました。

 

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Kさん:

5日間、有難うございました。はじめての病院実習と言うこともあり、どう診察室で陪席してよいのやら、、、と分からないことだらけでしたが、T先生をはじめ暖かい先生方・スタッフ皆さんのお陰でとても充実した実習を受ける事が出来ました。
この実習の前は、他の科に興味がありましたが、この実習を受けて総合診療科に行って漢方を勉強するのもありだなと思い、進路について真剣に悩み出しました。
また今回の実習では、漢方のカバー範囲の広さに目から鱗でした。将来は、漢方がきちんと処方出来て、先生方の様に総合的に人を診る事が出来る医師になりたいと強く思うようになりました。短い期間でしたが、本当にお世話になりました。

 

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Tさん:

5日間という短い期間でしたが、薬局での漢方薬調剤実習、漢方外来の見学、漢方に関するレクチャーなど、飯塚病院の漢方診療科でしか出来ないようなことをたくさん体験させていただきました。
薬局実習では、漢方外来で処方される漢方薬がどのように作られるのかを学びました。製薬会社が販売しているエキス剤の漢方薬しか見たことがなかったのですが、エキス剤以外に煎じ薬、散剤、丸剤などがあるということを知りました。また、これらの漢方薬を構成する原料を実際に嗅いだり食べたり、説明を聞いたりして、それぞれに特有の香りや味、効果があるということを体感しました。
また、漢方外来では、先生が舌を見たり、おなかを触ったりして何を判断しているのかが初日はよくわからなかったのですが、わからないながらに先生の丁寧かつ素早く患者さんを診察している様子に感銘を受けました。レクチャーを受けることで、外来で何をしているかが少しわかってきたのですが、レクチャーでは漢方薬にも西洋医学の薬と同様に副作用があるということも学び、医師となったときに漢方薬の知識がないまま処方することの危険性も感じました。大学に戻ったら西洋医学の知識を増やしつつも頭の中に漢方も忘れないようにしたいです。
医学生として病院を訪れるのは初めてで不安なことも多かったですが、先生方のおかげで貴重な体験を得ることが出来ました。
5日間お世話になりました。ありがとうございました。