2021年10月1日
昼過ぎ。知事室でパソコンを開いた。食休みをしながら、ブログの続編をしたためている。
先日の県議会一般質問で、自民党の金井康夫政調会長が、知事への質問の冒頭に、「今回、総裁選に立候補した4人の候補者の方々は全員、素晴らしかった!」と話していた。この点は、全く同感だ。
次の総理となる岸田文雄新総裁には、ぜひ、新型コロナ対策を含む数々の難問を乗り越え、日本を力強く牽引していただきたいと思う。これまでに決定した党の主要な人事では、群馬県選出の小渕優子衆院議員(自民党県連会長)が国民運動本部長に、福田康夫衆院議員が党4役の1つである総務会長に、それぞれ任命されることが決まっている。
地元の知事としては、嬉しいニュースだ。次に上京した際には、ぜひ、優子さんと達夫氏の党本部の執務室をお訪ねしたいと考えている。
それより何より、党役員人事で最も気になった(残念だった)のは、河野太郎行革担当大臣が、党の主要ポスト(4役)に入らなかったこと。事前の予想に反して、岸田候補に連続(1回目の投票と2回目の決選投票)で敗れたものの、それでも党員票では河野候補がトップだった。マスコミの調査でも、国民の人気は断トツだ。
今回、河野太郎氏が党の広報本部長に起用されたことについては、ほとんどのメディアが「降格人事だ」と報じている。が、この際、「河野大臣が実質的に冷遇されたのかどうか?」は、大した問題ではない!
自分が驚いたのは、岸田新総裁の「現時点で最も国民からの支持が高い河野太郎氏を、あえて党や政府の要職(目立つ場所)に据えなかった」という判断だ。1ヶ月後(?)の総選挙を勝ち抜くために、河野太郎の人気を活用しないのは、あまりに勿体無いのではないかと感じたのだ。
総裁選で見事な戦いぶりを見せた高市早苗氏が、2度目の政調会長に任命されたのは良かった。が、一般国民の目線で見ると、党幹部は(幹事長を除いて)あまり目立たない。今回、最も存在感を高めた高市氏には、主要閣僚として活躍してもらうほうが、国民にはアピールするのではないか?個人的には、そんな感想を持った。
岸田総裁にも、様々な深謀遠慮があったに違いない。が、ここまでの人事を見る限り、次の衆院選挙には「あまり危機感を感じていないのでは?」と思ってしまう。いずれにせよ、来月の選挙に向けて、国民的な人気の高い河野太郎氏、小泉進次郎氏、石破茂氏を、政府与党の「重要な顔」にするという戦略は無さそうだ。
上記の3人(河野、小泉、石破の3氏)を政権浮揚のカードとして使わないということであれば、そもそも国民がハッとするような「目玉人事」(サプライズ人事)は、考えていないということだ。
そりゃあ、そうだろう。「目玉人事」というのは、国民的な知名度や人気のある人物を露出の多いポストに抜擢することだもの!ある衆院議員が電話でこうつぶやいていた。
「ここまでは堅実な人事だが、この顔ぶれで、どこまで選挙にインパクトがあるだろうか?」と。
サプライズ抜擢がないとしたら、岸田総理が狙うのは、「歴代で最も女性閣僚の多い内閣」かもしれない。もし実現すれば、それはそれでインパクトがある気がする。参院自民党にも、丸川珠代氏や三原じゅん子氏のようなスター性を持つ女性議員が複数、いる。
今の流れだと、10月中旬(?)に解散する可能性が高いようだ。すなわち、次の選挙の前に、新閣僚が答弁したり、政策を発信したりする機会はほとんどないということだ。これは選挙戦にプラスなのか?それともマイナスに作用するのだろうか?
いずれにせよ、(過去のブログでも触れたように)総裁選が自民党の主張や多様性を国民にPRする最高の舞台になったことは確かだ。岸田内閣は高い支持率でスタートすることになるだろう。
しかしながら、衆院選の投票日までは、まだ1ヶ月以上ある。前回のブログの最後にも書いたように、自民党に対する有権者(一般国民)の不満や不快感を、決して侮ってはならない!
今回、自民党が、1年前の総裁選において圧倒的多数で選んだ菅総理を、こんなにも簡単に見捨てたのは、「ここまで低い内閣支持率で選挙に突入したら、多くの議席を失うことになる」と恐れたからだ。
「総理の首をすげ替え、党の執行部を刷新し、新しい布陣の内閣を立ち上げれば、国民の好感度(=内閣支持率)が上昇する。そうすれば、選挙を有利に戦える。」
こうした思惑や計算は、国民から見透かされている。そのことを、絶対に忘れてはならない!何があっても再選を果たしてもらいたい「かつての仲間たち」にも、そのことをしっかり伝えておかないと!!
あ、そろそろ次の日程が始まる。