R5技術士予想問題の解答例[Q2 活性炭処理] | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

Q2 活性炭処理 600字

 かび臭物質対策として有効な活性炭処理を2種類以上挙げ、それぞれの特徴と導入時の検討事項を述べよ。

 

【解答例】

1 粉末活性炭処理(これ以降、「粉炭」と言う)

 粉炭は、粉末の活性炭を原水中に注入し、かび臭物質等を吸着・除去するものである。粉炭用の施設は、注入設備、貯蔵設備等で構成される。

 粉炭で使用する活性炭は、湿式と乾式に大別できる。2つの方式の維持管理性や経済性等について比較検討を行い、適切なものを採用する必要がある。粉炭の接触時間は、少なくとも20分以上、処理効果を十分に得るためには1時間程度確保する必要がある。これを踏まえて、活性炭の注入点を決定する。貯蔵設備は、連続注入の場合20日分以上、一時的な注入の場合10日分以上の容量を確保する。貯蔵設備を設置する建物は、防塵、防火対策を検討する必要がある。

 

2 粒状活性炭処理(こら以降、「粒炭」と言う)

 粒炭は、粒状の活性炭を敷き詰め、水を通過させることによりかび臭物質等を吸着・除去するものである。粒炭用の施設は、吸着設備、洗浄設備等で構成される。粉炭に比べて施設が大規模になることから、かび臭物質が恒常的に発生する場合に有効である。

 吸着設備は、かび臭物質を効果的に除去できるよう、活性炭層内の空間速度や接触時間等を設定し、活性炭の層厚、粒径等を決定する必要がある。洗浄設備は、処理の継続に伴い、低下した吸着機能を回復させるために実施するもので、逆流洗浄だけでは不十分な場合、補助洗浄を付加する必要がある。

 

【ポイント】

活性炭処理は、粉末活性炭処理と粒状活性炭処理に大別できます。

粉末活性炭処理は、20分以上の接触時間を確保できるよう、適切な注入を行うことが重要です。

粒状活性炭処理は、粉末活性炭処理に比べて施設が複雑で、施設整備費が高いです。

このため、カビ臭物質の発生が長期間に渡る場合に有効です。

解答を作成するに当たっては、活性炭の洗浄設備が必要になることに言及することが重要になります。

 

【上述以外で勉強するべき事柄】

・オゾン処理と活性炭処理を組み合わせた高度浄水処理

 

 

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