R4技術士予想問題の解答例[Q4 微生物への対策] | 新見一郎

新見一郎

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

R4年度技術士二次試験の予想問題の解答例

 

Q4 水質管理(全体)(600字)

微生物に起因する水道水の健康被害を複数挙げ、その対策を述べよ。

 

1 クリプトスポリジウム等の混入による感染症

 原水中にクリプトスポリジウム等の耐塩素性病原生物が存在する水道水を摂取した場合、感染症が発生する可能性がある。このため、原水の指標菌検出状況及びその種別に基づくリスクレベルに応じ、施設整備、運転監視、原水の水質検査等の対策を実施する必要がある。

施設整備による対策については、原水が地下水の場合、ろ過処理の導入した上でろ過水濁度0.1度以下に管理徹底(これ以降、「ろ過処理の管理徹底)と言う)、又は原水への紫外線処理の導入を行う。原水が地表水の場合は、ろ過処理の管理徹底、又はろ過水への紫外線処理の導入を行う。

 

2 残留塩素濃度低下に起因する感染症

 残留塩素濃度が低下した水道水を摂取した場合、感染症が発生する可能性がある。このため、塩素注入設備の維持管理、塩素剤の品質管理を適切に実施し、必要に応じて、配水施設において追加塩素注入設備を整備し、残留塩素濃度の管理を徹底する。また、原水中の有機物や藻類により、塩素が消費されるため、これらの発生状況を監視した上で、適切に塩素注入を行う。

 

3 給水管の誤接続に起因する感染症

 給水管と汚水管の誤接続された場合、微生物を含む水を摂取することになり、感染症が発生する可能性がある。このため、指定給水装置工事事業者による施工、逆流防止装置の設置等を徹底する。

 

【出題者から一言】

この問題は、「水道における微生物問題検討会」が開催されたことを踏まえて出題したものです。

厚生労働省のトピックス欄に、2022年2月18日、この検討会が開催されたことがアップされました。

詳しくは、以下をご覧ください。

水道における微生物問題検討会|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

これを読むと、カンピロバクター、大腸菌、それから、クリプトスポリジウム、ジアルジア等が水道水に及ぼす影響について議論されています。

つまり、微生物によるリスクとしては、残留塩素濃度の低下、クリプトスポリジウム等の耐塩素性病原生物の混入が想定されているようです。

というわけで、微生物というキーワードを見たら、これら2つのリスクをピックアップすればいいわけです。

この問題については、こうした認識を持っているだけで、比較的容易に対応できると思います。

 

 

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