技術士合格法(8.3 技術士試験に特化した工夫) | 技術士を目指す人の会

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勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

8 記憶

 

8.3 技術士試験に特化した工夫

 

 

●解答に番号をつける

技術士試験において、記憶するのは自らが作った解答です。

「自分が作ったのだから簡単に憶えることができる」と思われがちですが、以外と、難しいものです。

そこで、工夫が必要になります。

ポイントは、自分で解答を作るわけですから、記憶することを前提に解答を作ることができる点です。

解答を作成する段階から、憶えやすく、思い出しやすくなるよう工夫をするのです。

具体的には、以下のことをやってください。

番号をつける。

 

問題点や対策を列記する場合、番号をつけることによって、それが全部で何項目あるのかわかります。

番号をつけることによって、全体像を把握できます。

また、番号をつけることで、全部で何項目あるのか記憶に残ります。

全部で何項目あるのか憶えておくことによって、思い出した問題点や対策の総数が、記憶していた項目数よりも少なければ、何か忘れていることがわかります。

漏れがないかどうか、チェックすることができるわけです。

 

 

ただし、問題点や対策の総数をわざわざ憶えるというのも面倒なものです。

そこで、問題点や対策を列挙する場合、全て同じ数に統一することをおススメします。

これならば何個あるか憶える必要がないからです。

 

●できるだけ同じフレーズを使う

解答を作成する際、1枚物、2枚物、3枚物で同じテーマを扱うことがあります。

例えば、1枚物でクリプトスポリジウム対策について解答を作成し、3枚もので水質汚染リスクについて解答を作成するケースです。

クリプトスポリジウムに関して記述する内容は、ほぼほぼ一緒になるはずです。

この場合、できるだけ記述内容に統一するべきです。なぜなら、憶えるのが楽だからです。

特に、「おわりに」の部分は、できるだけ水道界全体に関する将来的な課題、展望、対策等を論述しておくと便利です。

これにより、少しくらいテーマが異なる場合でも、同じ「おわりに」を使うことが可能になります。

それから、「おわりに」が何行構成になっているのかを記憶しておくことも重要です。

試験本番で解答を作る際、残された行数が少ないなら、「おわりに」を削減や丸ごと削除すればいいですし、少ないようなら、「おわりに」をひろげて記述量を調整することが可能になるからです。

 

●できるだけ早めに解答の記憶にシフトする

技術士の試験は7月中旬です。

早目に、解答作成という作業を切り上げ、記憶という作業ステップに移行するべきです。

たくさんの解答を作成しても、結局のところ、頭のなかに記憶している情報がなければ、試験で得点できないからです。

さらに、早い段階で記憶を開始した場合、大きなメリットがあります。

まずは、文章を十分に精査し、バッチリだと思っていても、それを憶えようとした時、意味がわかりにくいところが出てきます。記憶作業を通じて、文章の最終チェックを行うことができるわけです。

さらに、あるテーマに関する情報を記憶すると、そのテーマに関するセンサーの感度が高くなります。

ホームページや新聞等を眺めていても、自然とそのテーマのところで目がとまって、新しい情報を記憶することができるようになります。

既存の記憶に新しい記憶がくっついていきます。

このため、6月中旬になったら、記憶作業に移行してください。

完全移行が無理なら、記憶しながら、解答作成するというスタイルに移行してください。

とにかく、解答数が少なくても、勇気を出して、記憶作業を開始してください。

 

●記憶は維持できない

これまで技術士二次試験対策について述べてきました。

資格試験に合格する勉強法について説明したきたつもりです。

情報の整理、解答の作成方法、本番力の磨き方、ここに書いてあることは、全て、実際に僕がやってみて効果があったことです。

さらに、受験生を指導した結果、多くの合格者を輩出することができました。

このため、ここで示した勉強法には自信があります。

ただ、記憶については、少し課題があります。

試験勉強を通じて、いろいろな記憶法をチャレンジしました。

人によっては不向きな方法もあると思いますが、ちゃんと効果がある方法も紹介できたと自負しています。

しかしながら、これらは試験に合格するための記憶法です。

このため、どれだけたくさんのことを記憶しても、試験が終わっていまえば、かなりの部分忘れてしまいます。

試験に合格するために勉強をすることはいいことですが、勉強したことが知識化されないのはもったいないです。

知識化されなければ実力はアップしませんし、実力がアップしていければ実務で使えません。

このため、試験が終わった後も、憶えたことを維持できる記憶法というものが必要になります。

ところがです。

理想はそうなのでしょうが、僕らは天才ではないわけで、一度憶えたことを忘れない、なんてことはありえません。

凡人が天才になる、そんな便利な方法も存在しません。

つまり、試験に合格するための記憶法を使って合格した後は、また別の記憶法、つまり知識化するための記憶法が必要になるわけです。

 

●知識化するための記憶法

知識化するための記憶法、それは何か?

継続研鑚です。
記憶を長期的なものにして、知識化するためには、勉強を続けるしかありません。

残念ながら、特別な方法はなく、地道な努力を重ねるしかないんです。

 

一つ言えることは、

試験の合否もわかっていない現時点で、試験が終わった後も継続研鑚することを決めてしまうことが重要です。

試験勉強している最中に、勉強を続けることを宣言するわけです。

 

それから、もう一つ言っておくことがあります。

継続研鑽と言っても、資格試験の勉強を続けるわけではありません。

資格を集めることが趣味ならいいですが、知識化したいのであれば、資格に合格するための勉強を続けるべきではありません。

試験に合格するために記憶するべきことと、知識化するために記憶するべきことは、異なります。

記憶できる量には限界がありますから、知識化するべき情報を絞り込む必要があります。

では、何を記憶するのか?

まずは、全体像を俯瞰して記憶します。

具体的には、そのテーマを一言で説明すると、どう表現できるかを集約します。

そして、これを繰り返し、憶えます。

これが基本になります。

次に、ロジックを記憶します。

具体的には、課題と技術的解決策です。

課題を一言で説明して、解決策を3つくらいを端的に述べます。

なぜ3つなのかというと、3つあれば、優先順位をつけることができるからです。

こうしたロジックは、どの分野にも共通の本質的なものが存在します。

本質がつかめれば、様々なことに応用できます。

 

つまり、

知識化するための記憶法とは、全体とロジックに絞り込んで繰り返し憶えることを意味します。

 

試験が終わったら、これを意識してください。

繰り返しになりますが、試験が終わった後も、勉強をコツコツと続ける必要があります。

でも、天才でなくても、続けていれば、必ず見えてくるものがあります。

それを信じて、一緒に頑張りましょう。

 

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