新聞や雑誌で取り上げられた水循環、水道、下水道に関する記事のうち、技術士試験で出題される可能性があるテーマや継続研鑚の一環として勉強するべきテーマについて解説します。
今日は1月6日付けの『水道産業新聞』からです。テーマは、「ハイブリッド式貯留管」です。
記事の概要は以下のとおりです。
名古屋市上下水道局はさきごろ、市内河川の堀川・
http://www.suidou.co.jp/
●ハイブリッドとは
そもそもハイブリッドとは、どんな意味か。
複数の方式を組み合わせた製品
例えば、ハイブリッド車は、ガソリンと電気、
最近では、いわゆるハイブリッド車は、
ちなみに、PHV車は、外部(プラグ)から電気を供給して、
●雨水貯留管とは
雨水貯留管は、大雨が降った際、雨水を蓄えるための貯留管です。
通常であれば、水路や小さな川に流れる水は、河川に流入します。
しかし、大雨が降ると、河川の水位が上昇し、
河川で飲み込めなくなった雨水が、河川付近であふれ出します。
河川の水位の上昇を回避するためには、
そこで、雨を一時的に貯水して、
これが雨水貯留管です。
ただし、雨水貯留管は雨水を貯めるので目的は1つです。
複数ではないのでハイブリッドではありません。
それでは、
説明の前に、まずは、合流式について説明します。
●合流式とは
下水の送水システムには、分流式と合流式があります。
分流式は、「雨水」と家庭から排出される「汚水」
「雨水」は河川に放流し、「汚水」は終末処分場に送水します。
一方、合流式は、「雨水」と「汚水」を1つの管渠で送水します。
「雨水」と「汚水」
終末処分場は雨水と汚水の両方を処理することになります。
さらに、合流式は、大雨が降り、管渠の送水能力を超過した際は、
これを「越流水」といいます。
越流水には、「汚水」が含まれていますから、
●ハイブリッド貯留管とは
通常の貯留管は雨水を貯留します。
ハイブリッド式貯留管は、大雨が発生した際、
これにより、雨水による内水氾濫を防止するとともに、「越流水」
つまり、1つの貯留管で、2つの目的を達成できるため、
名古屋市では分流式の普及を推進しているようですが、分流式の整備が完了した際は、
豪雨により雨水管の送水能力を超過する事態が発生した際、
これにより内水氾濫を回避するものです。
つまり、1つの汚水管で、2つの目的を達成できるため、
今後、下水道分野では、いろいろなところでハイブリッドの考え方を取り入れていくのかもしれませんね。
※ 前回の【技術士試験対策】を読みたい方は こちら をどうぞ。
●必須科目対策に必要な下水道の基礎
※マネジメントサイクルについては こちら をどうぞ。
※「持続と進化」については こちら をどうぞ。
※「資源の循環」については こちら をどうぞ。
※「水の循環」については こちら をどうぞ。
※「下水道による排除・処理」については こちら をどうぞ。
※「新下水道ビジョン加速戦略」については こちら をどうぞ。
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