7話に入ります。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。![]()
『猟罪図鑑Ⅱ』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑)Ⅱ / Under the SkinⅡ
2022年(中国)Dec.10~ Dec.25, 2024
45分×全28話
脚本: Zhang Lai
演出: Liu Shu Qiao
『猟罪図鑑』前シリーズをはじめから読みたい方は、こちら#1-1から
第七集 魂锁峰都山(三)
#EP07-1
~北江分局 訊問室~
常楓の元に入ってきた沈翊。
手に、何枚か紙をもってます。
そのうちの一枚を、常楓に直接見せる沈翊。
最後に描いた、"正義の女神"の絵です。
常楓「この絵は・・何を意味しているのでしょうか?」
沈翊「これから君にある物語を聞かせたいと思うんだ。ギリシャ神話には、天上の神々が不和に陥り、世界は破滅の瀬戸際にあったという伝説がある。この危機的な瞬間、白い衣と金の冠をまとった女神が突如現れ、調停と審判の重圧を受ける役目を引き受けたんだ。片方の手には、秤を持っていた。もう片方には、剣だ。彼女の目は目隠しされていた。秤は選択を表し、剣は裁きを表している。目隠しは、公平性の象徴だ。
それ以来、彼女は正義の女神テミス(忒弥斯)として崇拝されるようになった」
常楓「・・・・・・」
じっと、絵を見つめている常楓。
ここで、沈翊が別の絵を、常楓に見せる。
登山家チームの一人を下から支えるために、後ろにいた妹の手を掴むことができなかった常楓の姿を描いた絵です。
沈翊「他人を支えている君のシルエットは、この目隠しされた女神と非常によく似ているよね。崖は、君にとって剣だ。そして、(道に立てられた)標識は、選択の秤を象徴している」
常楓「・・・・・・」
食い入るように、絵を見ている常楓。
そう、常楓は、沈翊が、妹の絵を描いてくれたことは知っていても、まさかここまで、実際に見てもいない光景を、人々の話の端々から、眼前で繰り広げられているかのごとく、再現できるなんて知らないからね。
沈翊「当時、君は、君自身の正義感から、ある人を救うことを選択した。だが、そのせいで妹は崖から落ちてしまった。そもそもこれが、君がいわゆる裁判官になろうとした動機だったんだね」
沈翊の問いかけに、しばらく、黙っていた常楓が、ようやく口を開く。
この少し挑むような目が、彼の本質なんじゃないのかな。
常楓「沈刑事さんは・・警察官として、この世では、理由もなく人が毎日突然去っていくということを、私なんかよりも、よく理解されてることでしょう。
・・・・答えが見つからない時、周りの人は皆、それは天の思し召しであり、運命だと私に言います。小娟の運命は8歳で終わる運命だったかもしれない。登山家チームがいなかったとしても、彼女は何か別の理由で去っていたかもしれない。だから、私はこの件を追及しないことにしたんです。なにか間違っていますか?」
もしかしたら、長い間ずっと、誰かに、これを問いかけてみたかったんじゃないかな。
沈翊「でも、あの事故は神の意思なんかじゃなかった。当時の、あの登山家チームの身勝手な行動が、あのような結果を招いたんだ。そして、誰一人として、君と共に、妹を探しに行くことを申し出る人間はいなかった。妹の死が、君の心の中で乗り越えられない永遠の結び目となり、君は今も彼らを憎んでいる。だから、君は自らを裁判官へと変貌させ始めた。自分の命だけを気にし、他人を顧みない者たちを罰したいと考えた。その思いで、君は、この(命の)選択の仕組みを綿密に構築したんだ」
常楓の什麼生(問いかけ)に対し、説破(完全論破)する沈翊。
常楓の目から、ポロリと涙が一粒零れ落ちる。
沈翊「そんな利己的な連中など、小娟の死に付き添っていればいいのだ、と望んだんだ」
常楓「・・・あの後から、私は、よくぼうっとした気分で考えるようになりました。もし妹を助けていたとしたら、むしろ、山から転落したのは自分だったんじゃないかって。
死んだのは私だった。だから、冥界への道をさまよう幽霊のように、山の中をぐるぐる回り続けているのだ、と。
・・・あんな利己的な連中なんて、大嫌いです」
事件から10年、はじめて、人前で語ることが出来た常楓。
~常楓の供述~
2014年9月3日
山登りの途中、激しい雨に降られ、協力し合いながら、なんとか、馬淮南の身体を斜面から引き上げた常楓。
次は、奥さんを引き上げる番だと、手を伸ばした時、
「私がやる」と、馬淮南が横から強引に制してきた。
もちろん、その時は、夫婦なんだから、と、特になにも不審に思うこともなく、その場を譲った常楓。
ところが、最初は、奥さんの柯灵の手を掴んでいたのに、途中で、す~っと力を抜いて離してしまう馬淮南。
滑り落ちそうになる柯灵の手を咄嗟につかんだ常楓が、必死に引っ張り上げようとする。
柯灵は踏ん張ろうにも、足場が悪く、すべってしまうだけ。
助けて、あなた!という柯灵の悲鳴、「馬教授、こっちにきて、私に手を貸してください。もう耐えられそうにありません!」と、腹ばいになった状態で、大声で馬淮南を呼ぶ常楓。
馬教授、と呼んだところを見ると、旦那さんも大学の教授だったのね。
その時、あろうことか、背後から、常楓の背中をドンと蹴る馬淮南。
なにしろ、登山用の靴ですからね。
痛くないわけがない。
あ・・と、あまりの激痛に、手を離してしまう常楓。
そして、見る見るうちに、柯灵の姿は、見えなくなってしまった。
なにがなんだかわからず、後ろを振り返る常楓。
常楓「なにするんですか!」
馬淮南「・・・・・・」
何も答えない馬淮南。
おそらく、この登山を提案した時から、そのつもりだったってことでしょう。
その時の常楓は、また、命を失ってしまった・・という思いだけで、
カッと血が上り、持っていた柴刀で、馬淮南に切りつける。
逆に、なぜ?という表情を見せ、
常楓に歯向かっていく馬淮南。
ぐっと、柴刀を抜いた反動で、後ろに勢いがついた馬淮南の身体が、さきほど、ようやく這い上がってきた谷へと落ちていく。
グゥオ~~という叫び声とその反響が、かなり下のほうに落ちていったことを物語っている。
~常楓の自宅~
柯灵は、下まで落下することなく、途中で留まれていたらしい。
足を負傷した柯灵を救い出し、山を下り、自宅に運び込んだ常楓。
(あの扉、勝手口だったんだ)
自分の携帯電話は電源が入らず、柯灵の電話を借り、救助を呼ぶことに成功。
昔の常楓、髪が短くて、別人みたいにイケメン。
かなりの土砂降りです。
常楓「さっき起こったことについては、あなたも全てご覧になったでしょう。」
柯灵「・・・・・・・」
声を出さない柯灵。
常楓「とにかく、今はこの世で、私は何にも気にすることもない。刑務所に入ろうが、撃たれようが、私にとっては同じことです」
世捨て人のようなことを言う常楓。
柯灵「・・・・・」
さっきまで、痛みで悲痛な声をあげていたものの、救急車を呼べたことで、少し落ち着いてきた様子の柯灵。
改めて、自分で、電話をかける常楓。
常楓「もしもし、通報します」
掛けた先は警察でした。
それに気付いたとたん、ものすごい勢いで、柯灵が、常楓から電話を取り上げようとする。
そして、何も言うな、と首を振りながら、今度は、自分が電話に向かって話しだす。
柯灵「もしもし、すみません。通報したいです。」
慌てて、止めようとする常楓を、手で押さえる柯灵。
柯灵「今日、私、峰都(フォントゥ)山に夫と一緒に登山をしていました。登山中に、私、山から落ちてしまって・・・それで、私・・・夫が・・・行方不明なんです。・・・・ええ、そうです。私・・・120番(救急車の要請)には電話しました。・・はい、ありがとうございます」
電話を切ると、すでに、なにかを決意したような柯灵。
常楓「どうして・・そんな・・」
柯灵「あなたは、ご親切な方だわ。私の命を救ってくださった。あの人の死は、あなたにも私にも何の関係もないわ。あなたに私の手を離すように強要した時、彼はすでに私の手を離す選択をしていたのよ」
あの時のことを思い返しても、そうとしか考えられない柯灵。
もしかしたら、他にも、自分の夫が自分に殺意を向けてきた理由に思い当たるふしがあるのかも。
それは、常楓も同じだったはず。
常楓「・・・・・・」
柯灵「彼は、私を殺したかったけど失敗し、ついには、自分自身の命を失う羽目になったのよ。これは、恶有恶报(悪いことをすれば罰せられる)よ」
※因果応報。自業自得。
常楓「・・・・・・」
柯灵「いい、覚えていて。これは、恶有恶报なのよ」
柯灵の“恶有恶报”という言葉が、いままでずっとモヤモヤと巣食っていた常楓の胸の内に、すとんと落ちてきたのかもしれません。
常楓「その後、彼の死体を、"天坑"(死者の谷穴)に投げ捨てました」
蒋峰「つまり、馬淮南を殺したことを認めるんだな?」
そんなふうに決めつけるのは、あまりにも理不尽すぎるのではないか、と不本意そうな顔をする常楓。
常楓「あれは、あの人自身の選択だったんだ。恶有恶报ですよ」
~北江分局 モニター室~
実は、隣のモニター室で、じっと、今までのやり取りを、杜城が聞いていたのね。
そこへ、段ボール箱を持って、李晗が飛び込んでくる。
李晗「城隊! 常楓の家で、これを発見しました。所持していたはずのスーツケースはありませんでした」
杜城が取り出してみると、真っ先に、身分証発見。
杜城「張思静・・・張思静?」
おもわず、聞き返してしまう杜城。
あの張思静なのか?って感じです。
頷く李晗。
李晗「遺書と一緒に、携帯電話もありました。そこには、30歳になってから、家族のからの結婚しろ、というプレッシャーに耐えられなかったので、自殺を決意した、と書かれていました」
とんでもないことになってきました。
灯台下暗しとはこのことです。
さすがの杜城も、混乱気味です。
杜城「大至急、携帯電話の情報を解読するんだ」
李晗「はい」
~回想 #5-1~
蒋峰「以前に、この人物を見たことは? 彼女の名前は小静。 フルネームは張思静(チョウ・シジン)だ」
首を横に振る常楓。
常楓「見たことないです」
あいつ、嘘をついてたのか・・・と、怒りを顔ににじませながら、
乱暴に訊問室に入っていく杜城。
なにごと?と、全員注目よ。
杜城「お前の家で、張思静の身分証を発見したぞ」
バン、と、証拠袋ごと、常楓の前に叩きつける杜城。
さすがに、沈翊も驚いて、目をこらして見ちゃいます。
杜城「以前に、彼女を見たことがあるか、と訊ねたよな。で、お前は、Noと言った。」
顔面蒼白とも取れるし、すでに、覚悟していた時がきた、とも取れるような常楓の表情。
杜城「彼女はどこだ?」
常楓「死にました」
沈翊「・・・・!」
さらに、驚きと衝撃が加速。
杜城「どうやって死んだ?」
常楓「私が殺しました」
思わず、見開いた目のまま、杜城の顔を見上げてしまう沈翊。
沈翊にむけて、小さく頷く杜城。
わかってる。常楓の供述は明らかにおかしい。
杜城「どうやって、彼女を殺したんだ?」
少し、声がトーンダウンしました。
ちらりと、身分証に目を落とす常楓。
常楓「この若い女性は、私のところに一人で来ました。で、“雲蒸霞蔚”を見せに連れていってほしいと頼まれたんです。でも、彼女は、高所恐怖症のせいで、途中までしか登れなかった。」
~回想~
崖の際の細い道を歩いていくうちに、恐怖で、反対側の斜面にしがみつくようになり、とてもまともに進めなくなる小静。
常楓「高いところが怖いのか?」
その問いかけに、まともに返事もできないのを見て、はぁ・・とため息をつく常楓。
小静「高すぎるわ・・・」
常楓「高いところが怖いとわかっていながら、それでも、山に登りに来たのか。とにかく、戻って下山しよう」
小静「いやよ、戻らないわ」
背面の斜面にしがみついて、腰砕けになってるのに、よく言うわ、ですけどね。
小静「どうしても、“雲蒸霞蔚”の見える崖の上に行きたいの」
常楓「今のペースで行くと、上に行きつくころには、“雲蒸霞蔚”はとっくに消えてるよ」
小静「それでも、どうしても行きたいの」
相当、頑固な都会っ子の困ったちゃんです。
常楓「・・・・・」
心の中で、悪態ついてるに違いないです。
小静「いいわよ、行けるわよ。案内して」
一応、自力でまっすぐ立ってみせる小静。
常楓「じゃ、行こうか」
ところが、進むどころか、一歩めで、悲鳴をあげて、ずるずると斜面を滑り、尻餅つきながら、情けなくて泣き出す小静。
聴取の途中ですが、ここで、切ります。
★『猟罪図鑑Ⅱ』Ep.07-1 雑感★
常楓が嘘をついていたことがはっきり分かった時、思わず、感情的になったように見えた杜城。
常楓に不審を抱きながらも、彼が、偽りなく、まじめに山暮らしをしていることは認めていたんだよね。
ただ、それがどこからずれてしまったのか、犯罪は犯罪として断罪しようと思っていたのに、どこか裏切られた気持ちになったのかな。
結局、馬淮南が、奥さんを殺したかった理由はなんなんだろう?
理由って出てきていた?
そもそも、もう一度、愛情を復活させたい・・・なんて、一度、壊れかけなきゃ、出てこない発想なんだから、絶対、なにか問題があって、揉めたってことだよね。
この夫婦の話は、殺されかけた柯灵が一方的に悪い、とは言えないような気がする。
この登山自体、ダンナの計画的な殺意(事故に見せかけて妻を殺害する)があったうえだと思うけど、自分より若くて頑強な常楓がガイドとして現れた時、そして、最期まで柯灵を救うことを諦めない常楓の背中まで、蹴り飛ばしていたけど、一体、どうするつもりだったんだろう。
ま、このドラマは、シーズン1の頃から、そういう犯罪ドラマ的なことは突っ込まないという不文律みたいなものがあったけど、← これ、犯罪ドラマじゃなかったんかい!
さすがに、もうちょっと話を詰めておいてもらいたかったな。
視聴後の納得感が違ってくるじゃん。
あと、このドラマでは、常楓のことを、ジャッジを行う側の“正義の女神”に重ねていましたが、私の“正義の女神”の認識とは、大きな違いがあるな、と感じて、そこも違和感だったなぁ。
“正義の女神”は悪意をさばくのではなく、冒した罪を裁く。
そのために、どちらに肩入れすることなく、目隠し(公正)をし、秤(公平)を使い、時として、剣(執行)をふるう。
常楓は、公正さという目隠しをせず、剣をふるうために、秤を利用した。
沈翊の言葉を借りるなら、
「妹の死が、君の心の中で乗り越えられない永遠の結び目となり、君は今も彼らを憎んでいる。だから、君は自らを裁判官へと変貌させ始めた。自分の命だけを気にし、他人を顧みない者たちを罰したいと考えた」
こうしてみると、常楓は、自分が神に選ばれたとも思ってないし、神に代わって剣をふるったわけではなく、裁判官の役割など担っているわけでもなく、あまりにも残酷な作為を用いて、ただ、妹の復讐を続けてきたにすぎないのがわかる。
妹ちゃんの事故死が発端だと考えると、心情的に致し方ない部分はあるのかもしれないけれど、だったら、あの登山家チームの四人に対して、行動を起こせばいいのに、常楓はそれをしない。
とにかく、運任せ、天任せというか、自分の関与があまりにも希薄で、その残酷な作為も十分、悪意の源なのに、そう捉えていないところが、なによりも問題点のような気がするんですよね。
この人が、なにを考えているのかわからない、一番不気味なところなのかな、と思います。
★『猟罪図鑑』Ep.07-2に続く★
























































