とりあえず、こちらも粛々と。。
淡々と、移動だけさせればいいものを、つい、見返しながらあ~だこ~だ、足してしまったり、表現をかえてみたり・・と余計なことをしています。(笑)
読まれていて、ちょっと違和感を感じたら、たぶん、そのせいです。
では、いつものご注意をば。
なお、本サイトは、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
当初より、秋から冬頃には『裏窓』に移動します、と予告済みだった、『劇場版 美しい彼』をようやく移し始めました。
基本、うちの資料室で、8月末から9月初旬にかけてアップしたものと内容は同じですが、マイナー手直しは入ってるかもしれません。
『劇場版 美しい彼 etarnal』
2023年(日本) 公式サイト
原作:凪良ゆう
監督:酒井麻衣
脚本:坪田文
前記事を未読の方は、こちらからどうぞ
Part.3
~ドラマの撮影現場~
雲行きが怪しくなってきた、というのは、比喩でもあり、現実でもあり。
“ひら”だけでなく、“清居会”のお姉さま方や、設楽もスタンバっているというのに、時間になっても、撮影は始まらない。
その時、スマホに流れてきたネットニュースを見て、ざわめくお姉さま方。
一斉に、スマホを取り出す面々。
安奈と、アイドル桐谷恵介との熱愛記事。
同じ業界の人だと言ってた「すっげぇ好き」の相手は、アイドルだったんだ。
パン姐さん「皆さん、止めましょう。今考えなければならないのは、安奈と同じ事務所の清居くんのことです。清居くんに飛び火しないように、私たちもむやみに騒ぎ立ててはいけません」
こういう姐さんの勘というか、指摘というものは、大抵、当たる。
パン姐さん「静観し、見守る。清居くんのために。安奈さんへの言及も止めましょう。カメラの前以外では、彼女も私たちと同じです」
おお、清居会の清居会たる所以が、いま、ここに!(笑)
普通の女の子ですものね、という会員の言葉を、二度ほど、呟く設楽。
普通の女の子だなんて、微塵にも思ってないくせに。。。
記事を見ないほうがいいのでは、という“ひら”に対し、「なんで? 僕のことはどうでもいいんだよ。安奈、大丈夫かな」と、安奈の身を案じるような発言をする設楽。
~潜伏先のホテル~
撮影も中断、ホテルに引きこもっている安奈。
菅ちゃんと共に、様子を見に来た“きよい”
安奈の体調を心配し、ルームサービスでも取ろうと、メニュー表を手に取った清居に、「ごめんね、せっかく来てくれたのに、こんなんで・・・」と謝る安奈。
安奈「事務所のみんなにまで迷惑をかけちゃって・・・」
迷惑じゃなくて、心配してるんだ、と諭す“きよい”
桐谷の事務所は、24時間体制で見張りがつき、絶対、わかれさせると息巻いているらしい。
スポンサーがついているということは、大きなお金が動くということ。
前の彼女と別れてから付き合ったとか、不倫じゃない、とか、一般的な倫理観を問われてるわけじゃない。
安奈「イメージが全てだから! これはもう、私と桐谷くんの問題じゃないと思う」
かなり、自分を追い詰めてるというか、追い込まれてるね。
少しでも安奈が口にできそうな、好物のフルーツをちゃんと持参してる菅ちゃん。
菅「じゃ、清居くん、そろそろ。(安奈の背中に)ちゃんと食べてね」
自分の前で涙をこらえている安奈をほうっておけない清居に対し、強めに「ほら、行くよ」と促す菅ちゃん。
舞台役者としての描写が主だった、ドラマ版の清居奏とは違い、今回は映像の人っぽい感じ。
それだけ、スキャンダルとか、芸能人のイメージとか、が、グンと近づいてくる。
どんなに世間に騒がれて、まことしやかに語られても、やっぱり、水面下では、なんとかして守ろうとして動いてくれる人たちの存在があって、表に出てないこともたくさんあるんだろうな、と思う。
ホテルの下で、車を回してくるから、と、菅ちゃんが離れたのが、フラグか。。
~二人の自宅~
撮影はしばらく中止か、と訊ねる“ひら”に、「安奈、人前に出られる状態じゃない」と説明する“きよい”。
すでに、広告が1本飛んだ、とか、主演映画の話も止まった、とか、一般人の間では、週刊誌の見出しのようなことが、現実にあるのだ、と聞かされる“ひら”。
平良に置き換えれば、「大学を退学させられ、野口のアシスタントもやめさせられ、俺と別れる瀬戸際って状況だ」と説明しながら、恋愛も仕事も一遍に失いかけている安奈を気遣う。
清居「騒ぎが落ち着けば、仕事は戻るが、問題は恋愛のほうだ。」
平良「え?」
清居「前からずっと悩んでた。あのまま、一人にしておいたら、メンタルが・・・」
平良「・・・しばらく、うちに来てもらうのは?」
清居「は? 安奈と暮らすのか?」
平良「いや、俺たちは外に出て・・・」
清居「ここに一人にするんじゃ、なんも変わん・・・」
平良「菜穂ちゃん」
“きよい”の言葉が終わらないうちに、かぶせる“ひら”
清居「は?」
平良「菜穂ちゃんに頼もう。」
劇場版の“ひら”は、やはり頼もしい。
表情もりりしい。
菜穂ちゃんに、この家にきてもらい、安奈の面倒を見てもらおう、というのが、“ひら”の意図でした。
菜穂ちゃんは口が堅い、マスコミが大っ嫌い。
彼女に一体なにがあった?・・・と思ったら、旦那の浮気は浮気でも、不倫疑惑で記事になった議員センセイの奥様だったとはね!!
〜ひらきよの自宅〜
そして、安奈が菜穂ちゃんと共に、“ひら”と“きよい”の家にやってきた。
この縁側に癒される人が、また一人増えた。。。
うん、ここに連れて来たのは、やっぱり、いいアイデアだったね。
お礼を言う安奈に、“ひら”のアイデアだと、ちゃんと、“ひら”を立てる“きよい”💘
頼りがいのある彼氏で羨ましいと言われると、「だまされるな、普段のこいつは、たちの悪いキモウザだ」と言い放つ“きよい”。
安奈「ちょっと!」
失礼すぎる、と眉をひそめる安奈。
平良「大丈夫です。高校の頃からずっと言われてきているので・・・」
清居から聞いていた通りの人物像で、思わず、笑ってしまう安奈。
平良「え? なんですか?」
安奈「いや、だって、すごいニコニコで話すから・・・」
平良「ああ、いや、あの・・誰に言われてもいい、とか、そういうのじゃないですよ、清居だけ。」
清居「は?」
平良「清居は特別だから」
いいなぁ・・・と遠くを見る安奈。
安奈「私も桐谷君の特別になりたかった」
清居「なんで、過去形?」
これ以上、迷惑はかけられない、こんな状況じゃ・・と、揺れまどう安奈。
平良「こういう状況だからじゃないですか」
“ひら”の、揺るぎない“きよい”への愛がさく裂しまくります。
平良「誰にも認められなくても、自分の中に、輝く星が一つあれば、生きていける」
安奈「星?」
平良「それが消えた時が、本当の終わりです。まぁ、俺は死に物狂いで、それを守る」
視線を感じ、「俺は・・・ですよ。な、なんか出しゃばってすみません」
安奈「平良くんの輝く星ってなに?」
平良「清居です」
即答!!
コンマ0もないくらいの即答!
迷いなし。
平良「清居がいてくれたら、俺は世界中から石を投げられてもいい」
圧倒されるくらい、“ひら”が眩しいよ。
菜穂ちゃんに呼ばれた平良が中座したあとの、“きよい”と安奈の会話もいいね。
「すごい彼氏だね」
「キモいだろ」
「うん」
「おい!」
「ごめん、ごめん」
でも、“ひら”の言葉は、確実に、安奈に響いたようだよね。
一時的に、家から退避する準備を整えた“ひら”と“きよい”
あれ、まだ、行く当てが決まってないの?
“ひら”は平良なりに考えて、パン姐さんの言う通り、清居の身辺に難が及ばないように、自分は野口のスタジオに泊まるつもりだったという。
平良「俺は、清居の一番のファンだから」
また、ファンという言葉が、“ひら”の口から飛び出した。
清居「さいあく!!」
平良「え? なんで、怒ってるの?俺、なんか変なこと言った?」
まだ、わかってないんですね、この人。
自分が、“ひら”から夜空の星と思われているのはわかってて(笑)、「平良の宇宙との交信には怒ってない、ってか、慣れた」そうです。
でも、だからこそ、きちんと怒りの本質を伝えたい。
清居「お前は、俺のファンなのか?」
平良「うん」
ぐっと、襟首をつかみ上げる清居。
清居「彼氏だろ」
平良「そうだけど」
清居「さっきの言葉はなんだったんだ? 俺がいてくれればそれだけでいいって言ってたのは、嘘なのか?」
平良「ウソじゃない。いてくれたらいいっていうのは、傍にっていう意味じゃなくて、地球のどこかに存在してくれてたらいいっていう意味。」
Wherever you are
あなたがどこにいようと・・・ ← 別にねらったわけじゃないっすよ。(笑)
でも、今年は、この曲も本当によく聴きました。
そういえば、今年、Spotify《2023個人》まとめで、とうとう、『水藍色情人』が1位から陥落してしまった。ここ2,3年ずっと首位だったんですよ。とはいえ、4位ですし、基本、“お気に入り”を流しっぱにして聴いてるので、私の中ではあまり順位は意味ないんですけどね。
あ、また、脱線してしまった。
平良「そりゃ、傍にいてくれたら幸せだけど、でも、いてくれなくたって、消えるわけじゃないから」
清居「たしかにな。今は離れたほうがいいかもっていうお前の理屈は理解できなくもない」
平良「よかった~」
良かったじゃないよ!
清居「でも、一つ聞いていいか?お前、ほんとに俺のこと、好きなの?」
平良「好きだよ」
清居「でも、抑えられる好きなんだろ? お前、変わった・・・」
平良「え?」
清居「俺のために、無我夢中で、城田に殴りかかったお前は、もういないのか?」
“きよい”が、どれほど、あの時の“ひら”に救われたのか、今でもそれがどれだけ支えになってるか・・・と思うだけで、泣けてくる。。
“きよい”の、ど真ん中は、“ひら”なんだって。
もう何年越しの“ひらきよ”の堂々巡りは、一朝一夕には、解決しない。
清居「ごめん、俺、やっぱ、変だわ」
荷物を持って、部屋を出ようとする“きよい”を、引き留める“ひら”。
清居「撮りたいもん、なくなったんだろ」
お前の中に、まだ俺はいるのか?
静かに、手を離す平良。
平良「・・・・・・」
清居「野口さんから聞いた・・・」
答えられず、引き留めることもできなかった平良。
ストーカーのように、なにかあれば、追いかけてきた“ひら”が、自分を追ってこなくなった時はある意味、サインだね。
私、あれ、好きなのよ。
「追いかけてもこねぇし、電話もしてこねぇ」って奴。(笑)
この後ろ姿は・・・辛いなぁ。
“きよい”は、実家とか帰らないのかな?
私、お母さんの再婚家庭のことも、実はちょっと気になってるんだよね。
いつものパターンと言えば、腑抜けのような平良も相変わらず。。。(笑)
~野口のスタジオの屋上~
寝袋に入り、星空を見上げてる平良。
この引きの画がなかったら、どういう状況か、わかんなかったよね。(笑)
平良:ああ、本当に、“きよい”が星だったらよかったのに・・・。
何言ってるの!!
星とじゃ、あ~んなことも、こ~んなこと
もできないじゃないの!!
互いのつり合いも ← 結局そこか。
芸能界のしがらみも ← 表に出る仕事の宿命だからね。
野村伊兵衛賞も ← それは、一旦、置いておこうか。(笑)
関係ない超空間。
そんな宇宙で出会えていれば・・・
無駄なのか、無駄じゃないのか、とにかく、悩んでる“ひら”に対して、かける言葉はないです。
そう思っているところに、階下から、ラーメン食べたい、と野口センセに、怒鳴られる平良。
飯のうまいアシスタントは、金のわらじを履いてでも探せ(笑)
どの業界も似たようなものですね。
野口「師匠を空腹から救うのも、アシスタントの役目だぞ」
平良「それは、どちらかというと、親とか、パートナーの守備範囲だと思いますけど」
野口センセ、口調は偉そうに言ってますが、親や恋人に、ふんぞりかえって、「飯!」なんて言おうものなら、鍋が飛んでくるので、圧倒的権力差のあるアシスタントにしか言えないんだそうです。
ここ、パートナーって言い方してるの、いいね。
自分はお皿を使わず、鍋ごと食べるのもアシスタントの役目なの? ← ううん、洗い物を少なくしたいだけ。
野口「あの書き込み、消えちゃったんだよな、野村伊兵衛賞、獲りたい大学生の・・・」
随分、こだわるねぇ。
平良「恥ずかしくて耐えられなくなったんだと思います」
恥なんてわかいときに死ぬほどかいておくもんだと思うけどな、というけど、そうかな。
私は、今だに時々、思い起こして、死んだほうがいいって思うときあるから、どんな恥をかいたのか、すべてはその程度問題だと思うよ。(笑)
野口「お前も、まったく写真見てくれ、とか言わないね」
平良「最近、撮ってないんで」
俺より、うまく撮れる人がいるから・・・
この時の、野口センセの表情、一瞬で、平良の言いたいこと、全部悟ったみたいな感じ、すごくいいね。
平良「なのに、諦めきれないんです。抑えなきゃってわかってるのに、自分が浅はかで、傲慢で恥ずかしいです」
野口「それを恋という」
へ? いきなり?どうした?
野口「とことん、惚れる対象に出会うと、自分にうまく写しきれるかどうか、怖いよな」
ああ、被写体への思慕か。
今の平良の状態は、被写体を崇め奉るあまり、道を見失ってる状況で、経験の裏打ちの無さからくる、一時的な自信の無さだと見抜いてるんでしょう。
野口「自信がついたら、撮りたいんだろ?」
逆説的ではあるけど、平良の、渇望をちゃんとわかってる。
野口「・・・って、目で言ってるけどね」
「両極端」は、同じ紙の裏表か・・・。
いいこと言うね。
野口「なにかのきっかけで簡単に裏返る」
平良「野口さんもそういうこと、あったんですか?」
野口「・・・・・・・」
風景画がだめで、喰ってくために人物に鞍替えしたって言ってたじゃん。
人生の・・・それも、自分が精魂込めた道での挫折は、方向を変えても、傷が癒えても、いつまでたっても、胸に剣がささったまんま。
まだ、平良には、その剣が見えなくてもしょうがないのか。
野口「忘れた」
うつむいた首筋と肩は雄弁です。
このひとと、とことん話がしてみたいな。
一転、大学生の書き込み、スクショ取っとけばよかった、と、まだ、絡む野口。(笑)
平良「ほんと、バカですよね」
野口「ああ、俺が失くして、二度と取り戻せないものだ」← これこそ、思慕と渇望だよね。
もしかして、野村伊兵衛賞を取った写真って、野口センセの席の背面にある、木立ちの写真?
ここで切ります。
★『美しい彼』Part.3 完結 雑感★
平良が頼りになる男だと、描かれるのは嬉しい。
常に・・じゃなくて、ここぞ、という時ね。
そう、“きよい”をめぐって、彼をライバル視していても、← この一方的な攻防は、ドラマ版の筋追いをお読みいただければ得心がいくかと。。。
彼とは同じ穴のムジナ(笑)
劇場版になっても、相変わらず、“ひら”と“きよい”は、距離を置かなきゃならないほど、揉めてしまうわけですが、← なかなか学ばない二人。
平良は、清居とギクシャクしてるようでも、視野が狭くなっている清居のことも含めて、ちゃんと、全体の動きが見えている。
(これで、“きよい”とのパワーバランスもちゃんと推し量れると、言うことないんだけど、そこは、“ひら”だから・・・)
とりあえず、どうすべきか、自分に出来ることはなにか、を考えて、野口に提案することもできる。
安奈の件に関しては、“ひら”のお手柄が続きます。
まぁ、凝り固まった平良の、清居への崇め奉りたい意識をそう簡単に、瓦解させるのはむつかしいし、それこそ、それが“ひら”だし、やりすぎて精神崩壊しても困るので、そこは慎重にしたほうがいいのかもしれないですね。
でも、人間的な伸びしろについては、“ひら”は、ちゃんと持ってます。
彼の、もう一つの問題である、プライドの高さをコントロールできない未熟さ。
そこを、恋愛面というより、師弟の関係から、自覚させていく・・・この運びとかもいいなぁ、と思います。
才能って、絶対的なものじゃなく、その才能を評価できる人がいて、相対的に基準がつくられていくものだと思うので、“ひら”の受けた衝撃の強さは、それだけ、野口の才能を理解できるからこそ。
今回、野口先生のことも、かなり気になってます。
変に、芸術家肌をひけらかさないところがいい。
「忘れた」の中身を、彼が話したくなるまで、とことん、付き合ってあげてもいいよ。