🔶 Goodbye Jimmy, goodbye🔶
☘️☘️若い頃の思い出です☘️☘️
日帰り旅行のバスの中で、学生らしき女性が「ディーンを偲んで歌います」と前置きして歌い始めました。バスの中は静まり返りました。
歌には何だか心惹かれる力があり、みんな聴き惚れました。
何という歌だろう?
分からないままに時は過ぎて行きました。
そしてつい最近、その歌の題名が判明しました。
しかし題名にあるJimmyがディーンであるのかどうかは分かりません。
ただ、そうであってほしいと思っています。
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映画のクランクアップまで
ジョン・スタインベック
映画「エデンの東」の原作は、かのノーベル賞作家スタインベックの同名の小説です。1952年に発表されました。
スタインベックは1939年に出版された大作「怒りの葡萄」により注目され、翌年、ピューリッツァー賞を受賞しました。
さらに映画化されて二つのアカデミー賞を獲得し、その名声を不動のものとします。
小説「エデンの東」に出てくる双子の兄弟アロンとキャルは、旧約聖書創世記第4章のカインとアベルを髣髴とさせます。
スタインベックはこの小説を書くにあたり旧約聖書との相関関係の中で物語を形成したとみられています。
1962年、スタインベックはノーベル文学賞を受賞します。
受賞の理由は…「優れた思いやりのあるユーモアと鋭い社会観察を結び付けた、現実的で想像力のある著作に対して」でした。
エリア・カザン
映画「エデンの東」の脚本はポール・オズボーンが担当しました。彼はスタインベックの小説の終わりの3分の1の部分だけにしぼって脚色を考えました。
その脚本に基づいてこの映画を監督したのがエリア・カザンです。
エリア・カザンはトルコのイスタンブール生まれのギリシア系アメリカ人で、俳優であり、演出家であり、映画監督でもありました。
1947年、映画「紳士協定」を監督し、アカデミー賞で監督賞など三つの賞を受賞。この成功により彼はアメリカ映画界に確固たる地位を築きました。
さらに同年、彼はテネシー・ウイリアムズの戯曲「欲望という名の電車」を舞台演出し、大成功をおさめてピューリッツァー賞を獲得します。
その後も映画「欲望という名の電車」や「波止場」などの秀作を相次いで世に送り出す一方で、俳優養成のための学校アクターズ・スタジオを創設。
学校はマーロン・ブランドやジェームズ・ディーンなどの名だたる名優を輩出します。
東西両陣営の冷戦下にあって、ハリウッドにも及んだマッカーシー旋風はエリア・カザンにも辛い決断を迫り、それにより彼が受けた心の疵は彼の
その後の経歴や作風に少なからず影響を与えたといわれています。
その影響については、この「エデンの東」も例外ではないようです。
レナード・ローゼンマン
ローゼンマンはアメリカの作曲家で、多くの映画音楽の作曲でとくに知られています。
ディーンの7歳年長で、ディーンが映画界で活躍するようになってから親しくなりました。1955年、ディーンからエリア・カザンに紹介され、「エデンの東」のテーマ曲の作曲を依頼されました。
北カリフォルニアの海と大地、そこに棲む人々を優しく大らかに包み込むようなメロディは多くのファンを魅了しています。外国映画音楽の人気投票ではトップクラスの常連です。ワルツ調の穏やかで流れるような調べは日本人の心もとらえます。
ディーンの次作「理由なき反抗」(ニコラス・レイ監督)でも音楽を担当しました。
ほかに「続・猿の惑星」、「ミクロの決死圏」、「ザ・カー」、「ロボコップ2」、そして
テレビ「コンバット!」などでも知られています。
アカデミー賞については、編曲賞を二回受賞しています。
この「エデンの東」のテーマ曲については、ヴィクター・ヤング楽団の演奏が秀逸です。
映画のあらすじ
時代 第一次大戦中(1917年)
場所 米国(北カリフォルニア)
北カリフォルニアの暗い山脈を間に挟んだ
農地サリーナスと漁港モンテレーがある
その間、約25キロ (字幕より)
映画はこのモンテレーの街中から始まる。
緑色のドレスを着てヴェールを被った女性が銀行に行く。
その帰り道を若者が尾行する。
若者の名はキャル。女性の名はケイト。酒場を経営している。そこには娼婦もいる。ケイトは尾行されているのに気づいているが構わず自宅に帰る。
キャルはケイトの家に投石し、窓ガラスを割る。屈強な用心棒が現れる。
キャルはねじ伏せられながら、ケイトのことをアレコレと聞き出そうとする。
追い払われたキャルは貨物列車に乗ってサリーナスに帰って行く。
サリーナスは野菜類の栽培が盛んな土地だ。
木立に囲まれた農道で、キャルは兄弟のアーロンと彼の恋人アブラに会う。
当然のことながら二人は仲睦まじい。
キャルはひとり寂寥感に沈む。
アーロンとキャルはそれぞれ違った形で父アダムに支配されていた。
アーロンは模範的な息子で、父の愛を一身に受けていた。学校でも優等生。そして町の優しい娘アブラとつきあっている。
一方、キャルの方は厄介者でトラブルメーカーだった。
厳格なピューリタン(清教徒)であるアダムは、キャルの良くない面を受け容れることができない。
父に愛されたいと思うキャルの、父に対する愛情は、いつもチグハグで誤解され拒絶されてしまう。
キャルは死んだはずの母親が生きていることを知る。
モントレーの酒場のケイトだ。母親はキャルに会いたがらず、用心棒を使ってキャルを脅す。
朝帰りをした日の夜、キャルは父アダムと母のことで口論するが、母のことはアーロンに話さないと約束する。
一家をよく知る保安官サムがキャルにアダム夫妻の生き別れのいきさつを話してくれた。
母は父を撃ち、農場の単調な生活から逃げ出して行ったという。
アダムはレタスを栽培する農家の家長だ。
過去20年足らずの間、町はずれの農場で世間とは没交渉の冬眠生活を過ごしてきたという自責の念がある。
いま、一念発起して世間の進歩のためになる仕事をするのだ。
アダムはレタスを冷蔵保存して貨車で東海岸のマーケットに輸送し、消費者の利便に応えたい。それは決して金儲けのためではない。
この高邁な理念のもと、アダムは氷室(冷蔵倉庫)を大枚をはたいて購入する。
大事業のスタートだ。
キャルは父とうまくやっていこうと努める。
そして父の実験的な大事業をアーロンとともに手伝う。
しかし、その事業は失敗し、アダムはすべてを失う。
アメリカは第一次大戦の当初から中立を守ったが、この頃になって参戦の世論が高まりつつあった。
キャルはかねてから大豆の相場に関心があり、大戦により大豆の価格が上昇しているのを知っていた。
先物を買い、利益を得て父親の損失を埋めてやりたいと思う。
資金をどうするか。ケイトだ。ケイトに借金を申し込んだ。ケイトは若者の一途さに負けて小切手を切った。
アダムの誕生日。キャルは失意の父親を何とか救いたかった。
プレゼントとして相場で得た金を贈る。が、アダムはこれを拒否する。
農民を騙して得た金など受け取れない、農民に返せという。理不尽だ。
一方、アーロンのアブラとの婚約報告には何よりのプレゼントだと喜んだ。
修羅場になった。
キャルは父アダムに迫り、子どものように泣いた。
「あんたなんか、大嫌いだ」
キャルはアーロンにいう。これから俺が行くところについてこい。
アーロンは不安だった。
このところ自分とアブラとキャルの関係が微妙だ。
加えて何があるんだ。
二人が行った先はモントレーのケイトの店だ。
キャルはアーロンをケイトの部屋に導き、これがお前の母さんだという。
真面目なアーロンは自分の母の真実を知って衝撃を受け、やけになり、軍隊に志願して町を出る。
兵士を乗せた列車内で狂ったように笑うアーロンを見たアダムは、卒中の発作を起こして倒れる。
医師の診断は悲観的で深刻だった。
保安官サムはキャルに言う。
「”カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。かくしてカインは主の前を去ってエデンの東ノドの地に住む” お前もどこかに行け」
キャルは納得した。
アブラは、寝たきりで無表情なアダムにキャルの心情を切々と伝え、どうかキャルに彼を愛しているしるしを示してやってほしいと訴える。
枕元に座って父親に別れを告げるキャルの存在を感じて、アダムの表情が和らぐ。
何かを言いたそうだ。
アダムの口元にキャルが耳を寄せる。
アダムがか細く言う。
「お前がここにいて、俺を看護してくれ」
(終)
お待たせ
乙女椿が少し開花しました
可憐です
キャスト
🔶ジェームズ・ディーン(キャル役)
ディーンの演技は、第28回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされました。
ディーンはこの「エデンの東」の後、「理由なき反抗」、そして「ジャイアンツ」に出演しています。これら2作品とも1955年にはクランクアップしていましたが、日本での公開は翌1956年になりました。
🔶ジュリー・ハリス(アブラ役)
ジュリーは撮影当時、ディーンより5歳年長でした。
しっかりとした演技で知られています。
トニー賞(演劇及びミュージカルに関する賞)では5回も主演女優賞を獲得しています。
他の映画出演としては、「動く標的」、「刑事コロンボ 別れのワイン」、「愛は霧のかなたに」などがあります。
🔶レイモンド・マッセイ(アダム役)
カナダのトロント出身の俳優です。
第二次大戦後、アメリカ合衆国に帰化しました。
191センチの長身で、その風貌も手伝って映画「エイブ・リンカーン」(1940)に主演しました。
「エデンの東」では、演技をめぐってディーンとの考えの違いからしばしば確執が生じたといわれています。戦前からの正統派俳優の演技とアプレな若者の新しい演技に、歯車の合わない部分があったのでしょうか。
彼の名マッセイ(マッシーとも)を冠したカクテルがあるといわれています。
🔶ジョー・ヴァン・フリート(ケイト役)
「エデンの東」での演技でアカデミー賞の助演女優賞を獲得しました。また前年の演劇「バウンティフルへの旅」ではトニー賞の助演女優賞を獲得しています。
舞台女優としてのキャリアの長い女優です。
一方、テレビ出演も多くあります。
他の映画としては、「バラの刺青」、「OK牧場の決闘」などがあります。
🔶リチャード・ダヴァロス(アローン役)
ニューヨークはブロンクス生まれの俳優です。
娘も孫娘も女優です。
「エデンの東」ではキャルの兄弟という設定でしたが、実際もディーンの1歳上でした。
「暴力脱獄」では上記ジョン・ヴァン・フリートやデニス・ホッパーなどと共演しています。
🔶ところで、ご存じですか?
☘️キャルとアーロンの「きょうだい」問題☘️
このことについてはウィキぺディアの
エデンの東(映画)
の項目に記載されています。
今回もお付き合いをいただき
ありがとうございました