サインの意味は、サインの支配星、イグザルテーションの支配星、ときには、デトリメントとなる惑星やフォールになる惑星が意味を添えていることに気づかれていると思います。

更に加えるなら、サインにトピックは当てはめられていないのですが、デーカン、または、フェイスと呼ばれる部分に、特定のトピックが当てはめられていた事実(時代)も存在します。しかし、それは、恒星に関わる事柄なので、古代の文献通りに現在も効くということはなく、恒星が更なる意味を握ると解釈した方が良いと考えています。

どのような記述が過去にあったのかというと、ジェームス・H・ホールデン氏訳の、レトリウス(6世紀ごろの人)の著したCompendiumの付録に、バビロニア人テウクロスのものとされる黄道帯12サインの性質についての記録が載っています。これは、その後の多くの占星術師たちの素材になりました。

サインのデーカンにトピックが当てはめられていますが、それらは明らかに星座(コンステレーション)と関係があり、紐づけられています。今日の星座と名前も違います。例えば、♒のサインの記述に下記のようなものがあります。

  その最初のデーカンには、エリダヌス座の川と水瓶が上昇し、ケンタウルスの

  頭と、その手、または、広げられた右手と、ドデカオロスのトキ[Ibis]の頭が

  上昇する。(Appendix I. The Twelve Signs from Teucer of Babylon より)

そして、Compendiumの記述を重ねます。下記はホールデン訳のレトリウスのものです。

  ♒の第1デーカン、良い所の生まれで、充分な栄養を与えられる。
  妻との関係も良好である。(10.36)

そうありますから、トピックを表すと言えないわけではありません。現代でもそうなのかというと、残念ながら、エリダヌス座の星や、ケンタウルスの頭とされる恒星がどこか別の場所に移動しているわけですから、同じ意味をすでに持たないと考える方が正解です。

 

 ♒のサインは土星の支配するサインで、フィクスト・サイン(固定宮)です。イグザルテーションになる惑星はありません。すると、フォールになる惑星もいないことになるのですが、フォールの惑星を抱える♑のサインよりも、意味が単調に土星に傾くことになりますが、土星とのエレメントのバッティングが存在します。

季節では、コールドでモイストな冬。そして、サインに当てはめられたエレメントは、ホットでモイスト。ルーラーとなる土星は、コールドでドライですから、エレメントの反発や矛盾が見られるはずです。男性格のサインであり、下降しているサイン(南に傾いているので、北半球からは低い所にあり続ける)ですから、貧弱で時代遅れといった様相も呈します。

古典的な本には、だいたい、これくらいのことしか書かれておらず、あとはあなたが時に応じて考えなさいと言っているようです。それで、考察してみると・・・

風のエレメント(ホット&モイスト)は知性を表しながら、外へ流れ出る風であり、その風は固定されたサインから流れ出ています。土星そのものが、動く天球(惑星の天球)と、固定された天球(恒星の天球)の間にある、反対方向のエネルギーを司る惑星ですから、反逆、逆、矛盾、といった意味が直ぐに思い浮かびます。

また、♒のサインの形から、凸凹の道や、でこぼこの場所を思い浮かべている占星術師もいます。私もこれを経験していますから、象意、象徴性というのは、こういう所にも出るのかなどと思ったりします。偶然かもしれないと頭の片隅では考えながらチャートを読んでいます。

頭が良いとの意味が流布していますが、それはヒューマン・サインだからでしょう。常に頭が良いわけではありません。良い状態なら、どのサインでも良いことになりますから、♒のサインだけが突出しているわけではないでしょう。

♒のサインには、現在あまり光り輝く恒星はなく、アルタイル(彦星)が、♒のサインの2.03の所にあるだけです(3等星以下は幾つかあります)。勇敢さ、大胆さ、剛勇さを表す星で、命令する立場に立たされます。ですから、♒のサインの1.00~3.00ぐらいまでの間にアセンダントのカスプがある人はそうなるでしょう。

アセンダントのロードが、♒のサインのこの位置にあっても、同じような意味になります。ただし、木星と火星以外の惑星であるなら、大きく効かない可能性が高くなります。中くらいの効果でしょうか。何故なら、アルタイルは元々、木星と火星の性質を合わせ持つような恒星だからです。
 

♈のサイン

♉のサイン

♊のサイン

♋のサイン

♌のサイン

♍のサイン
♎のサイン

♏のサイン

♐のサイン

♑のサイン
♒のサイン
♓のサイン