誕生日を知っていて当たり前に思うのは、現代の日本人だからです。

 

 「母子健康手帳」いわゆる母子手帳が交付されている国々も、未だに世界の中でも少ないのです。日本が最初でした。1942年、戦時中の法令による「妊産婦手帳」がその始まりです。しばらくして、1947年に「母子手帳」「母子健康手帳」と名称が変わっていきます。戦後の動きで、自治体によって早い遅いがありました。法律に基づいていますが、自治体ごとに管理されているのですね。各県様々な母子手帳が存在します。

 

 日本で始まった「母子手帳」、まずインドネシアが真似します。良い制度だと。

 

 私は昭和25年生まれですが、持っていません。母親はきっとそんなものがあったならば、取って置いた人です。小学校の通信簿はきちんと取り置いてありましたから。

 

 誕生日を知る人が如何に少ないか、少なかったのか。ましてや時間まで知っている人は、ほぼ皆無だったことでしょう。まず、カレンダーがありませんでした。いや、存在はしていたのですが、それを持つということは、お金が要るということです。政府の要人じゃあるまいし、町内の会合なんて、誰かが明後日やるよ、と会長が言えば駆け回って知らせる人が2~3人いればこと足りるわけです。カレンダーなんて要りません。

  

 時計はどうでしょうか? とても高価なものでした。江戸時代に、どれくらいの家庭に普及していたのでしょう? お殿様はいざ知らず、一般の家庭にあったのでしょうか?

 

 考えてみてください。私たちは誕生日を知っていますが、ご高齢の方は誕生時間を知りません。

 

 ここ100年ぐらいしか、誕生日と時間を同時に知っている人が多数存在する時代と国家は無かったのです。

 

 じゃあ、誕生日に基く占いが、ちゃんと発達してきたと言える確かな理由は…❓

 

 

 

 「サイン同士のアスペクト」が基本にあって、そこに惑星同士のアスペクトがあります。

 

 アブー・マシャーはアスペクトを考察するときに、クインタイル(72°)を持ち出します。360°は整数で割り切れ、整数の商を得ます。じゃあ、アスペクトなのか? そこで、次のような極端な考察をします。彼の頭の中には、「サイン同士のアスペクト」が在ります。

 

 「 ♌のサインの17°とちょうどアスペクトするクインタイルは、♎のサインの29°だよね。♌のサインの20°とアスペクトするクインタイルは、♏のサインの2°だよね。ということは、クインタイルは、♌のサインと♎のサインがアスペクトするのだろうか、♌のサインと♏のサインがアスペクトするのだろうか? おまけに、♌のサインと♎のサインがアスペクトするのは、セキスタイルだよね。♌のサインと♏のサインはスクエア・アスペクトする。ね。」

 

 「 アスペクトというのは、同時に2種類のアスペクトが成り立つことはないんだ。だから、クインタイルはアスペクトとは呼べない。」と退けます。

 

 

 

 古典的なアスペクトは、例えば♌のサインからアスペクトを観察してみると、同時に二か所を占めるアスペクトが存在しません。クインタイルは、♎のサインか♏のサインに落ちます。「サイン同士のアスペクト」が語れなくなってしまうのです。8、9、10で割る商についても、同じことになります。

 

 そして、何よりも、そんなアスペクトは効きません。もし効くと思ったなら、「この株を買って儲かりますか?」という質問で、(2ハウスのロードと8ハウスのロードの)クインタイルが完成したチャートで、この株を買ってみてください。きっと儲かると思い・・・

 

 マニリウスは、その占星詩『アストロノミカ』(1世紀)の中で、

 

 “アスペクトとは、サインが12あることから、360°と12サインを、1~12までの整数で割っ

  て、整数の商を得るもの” 

と定義します。すると、「1、2,3,4,6,12」という答えを得ます。これらは、点と線と幾つかの正多角形を得ることになります。12角形、つまり30°のアスペクトは、

 “それは、サインに他ならない” 

として、アスペクトから退けるわけです。

 

 

 大数学者ヨハネス・ケプラー(16~17世紀)が様々なアスペクトを提案する数世紀も前に、アブー・マシャーという占星術師(9世紀)は、クインタイル(72° の五角形)に付いて既に議論していて、それはアスペクトではないことを彼自身の考え方で否定しています。更にアブー・マシャーは、360°を8で割ることも、9で割ることも、10で割ることもできるけれども、それらは全てアスペクトではないことを理論的に否定し、退けます。結局は、アスペクトとは、古典的なアスペクトだけが有効であると力説します。

 

 様々なアスペクトが効くのであれば、どのような占星術のジャンルでも効くはずですが、ホラリー占星術で検証すれば話が早いのです。効かないのです。そのような理由もあるので、ホラリー占星術が先だよと述べています。占星術の法則を鵜呑みにして使うか、確かめてから使うかの違いが出てしまいます。

 

 

獅子のサインからは、各アスペクトが重ならずに構成され、対称性を保っています。

アブー・マシャーの理論は次回。