紅楼夢の女達 名場面集 その1 | 千紫万紅

千紫万紅

中国の文学、映画、ドラマなどの感想・考察を自由気ままにつづっているブログです。古代から現代まで、どの時代も大好きです。

またまた紅楼夢ネタです。

中国では沢山の紅楼夢グッズが売られています。トランプやら連環画やら。その中でも紅楼夢の主要キャラクターである金陵十二釵なんかは原作の印象的な場面がイラストにされることが多いです。というわけで、名場面特集です。



林黛玉

有名なのはやっぱり「黛玉葬花」。林黛玉が、散った桃の花びらを箒で集め、ひとまとめにして地面に埋めます。というのも、花びらがどこかへ飛んで行ってしまって、汚いものと一緒くたになってしまうのを嫌がったため。はかない存在に対する彼女の心情がうかがい知れる場面。ちなみにこれとセットで、葬花を手伝いにきた宝玉と一緒に「西廂記」を読む場面があり、これまた有名。というか彼女に関しては出番がいちいち取りざたされてて、名シーンじゃないところを探す方が難しい気もする。


薛宝釵

彼女は「宝釵撲蝶」が有名ですね。普段はしっかり者の宝釵が急に茶目っ気というか遊び心を起こして蝶を団扇で追い叩く場面です。ところで、原作の宝釵はデブもといぽっちゃり体系の娘なのですが、そんな彼女がのっしのっしと蝶を追いかけている場面を想像すると腹筋が……。ドラマやイラストの宝釵はみんなスリムなので、撲蝶の場面もお上品なものになっていますが。


史湘雲

酔った彼女が石ベンチで花に埋もれながら寝ている場面が一番知名度も高いのでは。とても絵になる光景だと思います。ちなみにこの石ベンチは後の宝玉の誕生日会などで黛玉にも揶揄されたりしてます。私的には、舌っ足らずぶりを見せつけてくれる黛玉とのやり取りも好き。ま、イラストとかにはしにくいでしょうが。


賈元春

帰省の場面しか出番が無いので、必然的にそのあたりがイラストに。まあ彼女の帰省話自体が名場面だからいいんだけど。


賈迎春

侍女達の喧嘩に嫌気がさして、逃げるように「太上感応篇」を読む場面でしょうか。迎春は出番が少なくて、出てくる度に不遇な扱いを受けているのが泣ける。個人的には、邢夫人にいびられて俯きながら帯をいじくっている場面も無力な迎春らしくて好き。


賈探春

要所要所で活躍している彼女ですが、これといってイラストの題材になるような印象的な場面は意外に少ないかも。私的には無礼を働いた王善保の女房をぶっ叩く場面が好きなんですが。


賈惜春
出家したりするシーンや、大観園の絵を描く場面ところかなあ。彼女も出番が少ない。とてもキャラは立っているのだけれど。そういえば中国の作家が彼女を主役にした小説を書いていたような。



王煕鳳

出番が多いので名シーンも沢山。まあ彼女はしゃべらせたりしてナンボのキャラクターなので、イラストとかだとあんまり魅力が伝わらないかもですね。ド派手な格好もしてるし描き甲斐はあるのかな。