本書は、先日読書会に参加してくださった濱田麻矢先生が日本語で著した『少女中国 書かれた女学生と書く女学生の百年』(岩波書店)の中国語訳です。

 

本書は、清代以前の中国には存在しなかった「教養ある少女=女学生」が、近代女子教育によって実家と嫁ぎ先の間に新たなモラトリアム空間を得たことに着目し、その文学的表象を百年間にわたって追跡しています。

 

陳衡哲・凌叔華らによる民国初期の女学校像、魯迅の妻・許広平が直面した恋愛と社会参加の葛藤、沈従文が描く男性側から見た「理解不能な他者」としての女学生、張恨水・張愛玲による「清楚で鑑賞される女学生」像など、多種多様な中国の女学生像が描かれています。

 

魯迅が妻・許広平を外へ働きに行かせなかった事実をどう捉えるかは、評価の立場によって大きく異なります。それは、彼が妻を抑圧したのか、単に理解が不足していたのか、あるいは当時としては平均的な夫像にすぎなかったのかという問題に関わってきます。

 

本書の最後で、女子教育が中国の少女の未来を「与えられるもの」から「選び取るもの」へと変化させ、女学生表象が中国近現代文学において重要な意味を担ったことを明らかにしています。

 

日本語版を読んでいましたが、中国語版が自宅にあるのを思い出し、夏休みのうちに読み切ろうと手に取り、一気に読了しました。

 

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書  籍 名:『少女中国 「女学生」的一百年』

作  者:濱田麻矢 

訳  者: 高尚、喬亜寧 

出版社名:生活・読書・報知 三聯書店

出版日:2025年4月 北京第一版

    2025年7月 北京第二次印刷

自己評価:★★★★
文  字 数:176千字(仮)/計71,808千字
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