サルヒツの温泉めぐり♪【第191回】
滝沢温泉 滝沢館
℡)027-283-5711
往訪日:2025年7月12日~7月13日
所在地:群馬県前橋市粕川町室沢滝沢241
源泉名:滝沢の湯
泉質:カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩冷鉱泉
泉温:(源泉)23.8℃(浴室)42℃
匂味:金気臭・収斂性のある酸味、まろやかな甘味、苦味
色調:無色透明(加温直後は灰褐色に濁る)
pH:6.1
湧量:52.3L/min
その他:(源泉)掘削自噴・かけ流し
■営業時間:(IN)15時(OUT)10時
■料金:13,500円/人(税別)
■客室:15室
■アクセス:北関東道・駒形ICから30分
■駐車場:25台
■日帰り:あり
■日本秘湯を守る会会員
《冷たくても効能最高な冷鉱泉》

季節を問わず「温泉は激熱に限る」と豪語していたのも今は昔。ここ数年の加速度的な酷暑に音を上げて「夏は冷鉱泉」が恒例になった。ということで2025年の夏(というにはまだ早いが)の温泉第一弾。赤城山の山懐にある滝沢館にお邪魔した。
「おサルのリクエストなのち」

北関東道・駒形ICから扇状地を北に進み、小沼に続くクネクネ道に入る手前で右に逸れた。このあたりは赤城温泉郷と称して、玄人好みのいい宿が幾つもあったが、コロナ禍以降、後継者難も手伝い、多くの宿が畳んでしまった。

まもなく濃い緑の森の先に宿が見えてくる。この季節になると(冷泉を求めて)あたり一帯を訪ねる機会が増えた。そして、必ずと言っていいほどガスに覆われる。山の形状と湿度と気温のなせる業なのだろう。判っていながら懲りずに通っている。

日帰り利用もやっているので、到着時は宿の手前が塞がっていることが多い。一段下の沢の手前にも駐車場はある。

少し早かったがチェックインさせてくれた。

泉質の良さで知られる滝沢館だが、開業は1979(昭和54)年とその歴史は意外に浅い。

今回の僕らの部屋は二階の桜の間。二人で使うには広すぎるほどだった。

さっそく主婦はお片づけ。

間取りはこんな感じだ。15室あるが少し客の数を減らしているようだった。

前を流れる渓流の音がさわやか。

ということで温泉探検へ!
滝沢館はこんな宿
・赤城山南麓の静かな一軒宿
・鉄分豊富な炭酸冷鉱泉がすばらしい
・地産食材の素朴な料理がおいしい
・とてもリーズナブルな料金設定
温泉利用法
■浴場…内風呂・露天風呂(冷鉱泉つき)
※露天風呂は冬季閉鎖
■利用時間…15時~翌日10時
■入替利用…なし
■貸切利用…なし
■日帰利用…10時~15時(700円)
日帰り利用者とかち合うことはない。また露天風呂は沸かし湯で溜めるには半日かかるために湯の入替頻度は高くなく、加温泉のヴァージン湯にこだわる意味は然程ない。むしろ源泉かけ流しの水風呂にジックリ浸かるのが通の作法。

まずは体を洗うべく内湯へ。

サッと洗うだけ。

なかなかいい風呂だが、ここが目的ではない。

一階のラウンジに戻り(写真左奥の)靴脱ぎ場でサンダルに履き替えて外に出る。

建物の一段下に目当ての露天風呂があった。

最近やり直したのだろうか。やけに新しいが、脱衣場だけに奇麗に越したことはない。待ちきれない思いをかかえて外に飛び出した。だが…

「なによ。これ」
アブ対策なのだろう。カスミ網が張ってあった…。判るけどね。でもなんか風情が…。
「アブくらい追い払え!」
←登山で毒虫に強くなった
都会の人はそうもいかないよね(笑)。

その一方でこの湯の花の豊富さ。
「ホンモノの温泉である証しだニャ」
だが、一番の目当てはここでもない。

そうこれ。天然冷鉱泉。

小さい注ぎ口ながら毎分40㍑以上の湧量。ひとり入ればいっぱいの小さな壺湯だが、これが意外に深くて大のおとなでもスッポリ嵌まるから不思議。そして泡つきのいいこと!(※キチンと体を洗わないと泡を堪能できません)

金粉のように舞う鉄分由来の湯の花。飲泉できるので飲んでみる。鉄の匂いは想定内。収斂味、まろやかな甘み、マグネシウム由来の苦みと味に深みがある。つまり極上泉の証し。ただあまり飲み過ぎると歯のエナメル質によくなさそうだ(笑)。

渓流のせせらぎとエゾハルゼミの鳴き声が少し早い夏山の旅情を誘う。

実はここにも洗い場はあった。

撃退オニヤンマ君でやぶ蚊対策もばっちり。
(成分分析表)

なにかが突出しているわけではないが、全てにおいて豊富なイオン量。このあとは部屋でおサルとプチ宴会。そしてまた風呂。やはり夏場は冷鉱泉に如くはない。
=夕 食=

会場は別室。二組セットの割振り。

宿泊料13,500円でこの内容はなかなか。

まずは食前酒で乾杯。

量より質。派手さよりも丁寧さ。そんな心が籠った田舎料理だ。
(手前)セロリ醤油漬け、胡桃牛蒡、モロッコインゲン。
(奥)鴨ロースト、茄子真丈、生ハム、筍、蓮根、蕗の砂糖煮。

イワタバコ、ミズの天麩羅は初めて。
「揚げれば何でも食える」

刺身盛り合わせ。鮪にギンヒカリ(群馬の最高級ニジマス)。

酒は地元の結人・特別純米を。酸がすごい。結局ふたりで四合頂戴してしまった。

もう食えん。

最後の陶板焼き。

ご飯がつやつや。

充実の夕食だった。

最後に黒糖カスタード。つるりとして美味しく頂いた。
=翌 朝=
もちろんジョグ。但し急坂の往復。熊も怖い。怖いが、意識の高い人が鈴を付けてまでしてジョグしている。なので僕らもやめる訳にいかないのだった。

翌朝は小雨だったが、奇蹟の疑似晴天。(なので外の写真はほぼ二日目)汗を流して体の火照りをとった。
=朝 食=

朝食も同じ部屋で。

白味噌仕立ての味噌汁でホッと一息ついた。しかし、温泉宿の時間のたつのはなぜ早いのか。毎回読みたい本を持参するが読んだ例がない。老眼が進んでからはますますひどくなり、専ら酒に逃げている。それもまた愉しみのひとつであるのも違いないのだが。
既に隠居の身なのだろうが、矍鑠と館内を闊歩する先代は元バリバリの証券マンだったという。そして熱心な山ヤで、閑さえあれば登山に明け暮れていたとか。ロビーに架かった山の絵。もしかしたら先代が絵筆を振るったものかもしれない。そんな宿の“素顔”がまたひとつ旅情を誘うのだった。
「ベリー愉しかった!」
(つづく)
ご訪問ありがとうございます。