名建築シリーズ241
めぐりめぐらす
往訪日:2025年3月23日
所在地:長崎県五島市戸岐町1180
利用時間:(IN)15時(OUT)10時
部屋数:7部屋
料金:10,000円~30,000円/人
アクセス:福江港から車で30分
駐車場:あり
■設計:中村好文
■施工:不詳
■竣工:2023年
《一棟貸しはハードル高いよ》
半泊集落についてもうひとつ気になる建物が眼に入った。やはりここも人の気配がない。まるで映画「千と千尋の神隠し」の冒頭シーンのようだ。だが入り口に近づいてここが何なのかようやく判った。
建築家・中村好文氏が手がけた宿泊施設《めぐりめぐらす》だったのだ。
「泊まれるんだ」![]()
そう。
福江市立戸岐小学校半泊分校の文字がみえる。築52年の廃校を改修した地域おこしのコンバージョンだ。以前から興味はあったのだが、一棟貸しなのでなかなか手が出なかった。こんな場所にあったのか。
「たまたま利用者がいなかったのかもね」![]()
自炊室があるので企業や大学の研修に相応しいかもしれない。シングル×6室+ツイン×1室。一棟貸しなので全員での利用だと@10,000円/人程度か。我が家の様に二人だけだと@30,000円/人?。食事なしで?…ちょっと考えてしまうね。
「泊まりたい時は問答無用で泊まるじゃん」![]()
(参考資料)
(皆泊まってね。うちはムリだけど)
でもこの内装。心惹かれるよね。個室のサイズはラ・トゥーレット修道院と同じだとか。カマボコ型のヴォールト屋根。部屋毎に異なるル・コルビュジエ・カラー(個人的にはパステル調にみえる)。瞑想するのに相応しい設計だ。色違いの部屋にサイズが異なるポツ窓。なので夜はまた別の美しさが演出される。これはやっぱりみたいなあ。
「瞑想なんかできるのち?」![]()
興奮してムリだろうな。そもそも宿泊してジッとしたこと生まれてこの方一回もないし。
何にもないのが好い処だが、それでは時間を持て余すという人はベランダでBBQしたり、泳いだり、散歩したり、天体観測したり、磯ガニをつついたり。やろうと思えばなんでもできる。設計した中村さん自身も大の料理好きなんだそうな。
長らく住宅建築に携わってこられ、衣食住と建築、快適さとは何か、そういうテーマで自著も出している中村さんの想いが詰まった建築だと感じた。飽くまでコンセプトと外観だけの印象なのでまったく当てにはならないが。
ちなみにここの屋外トイレは一般客も利用可能。ありがたい。
個の空間を大切にする高級路線。近頃建築家の監修による一棟貸しが増えている。しかし、我が家のように二人だと単価的に厳しい。最近話題の藤森照信氏監修の小泊Fujiなんか74,800円から。多分週末だと10万円。それで撮影NG。SNS公開禁止。これはもう無目的に湯水のようにお金が使える人の道楽対象だね。
「なにも考えずにワインを好きなだけ飲みたい」![]()
体壊すよ。
(つづく)
ご訪問ありがとうございました。







































































































































