名指揮者の名盤・名演奏(88)/ カール・ベーム②/モーツアルトの交響曲1947-1956年録音
カール・ベームの名盤・名演奏ですが、前回はSP録音時代のザクセン国立歌劇場管弦楽団との録音を紹介しましたが、2回目として、ベームが録音を残したモーツアルトの交響曲について少し書いてみます。ベームの録音したモーツアルトの交響曲というと、多くの録音があり、1959年から1968年にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とによるグラモフォンの全曲録音や、後期の交響曲を主に録音したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との晩年のステレオ録音が良く知られていて名盤も多いですね。 これらについては次回紹介するとして、今回は1947年から1956年にかけてスタジオ録音した音源やライヴ録音について、HIROちゃんの手元にあるライブラリーから紹介します。 学生時代に初めて購入したベームのモーツアルトの交響曲は、フォンタナ盤のグロリアシリーズの900円盤LPでした。アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮した第39番、40番、41番を詰め込んだ疑似ステレオ盤で、見開きの厚目のジャケット、解説は村田武雄氏と前和男氏でした。(フォンタナFG-34)それまでモーツアルトの交響曲というと第40番や41番「ジュピター」は聴いていましたが、第39番については多分、この演奏が初めて聞いた第39番だった記憶があります。当時、この演奏を聴いて第39番の虜になってしまったと言っても過言でなく、とても大好きな曲になりました。このレコードの音はイマイチでしたが、何度も繰り返して聴いた思い入れのあるレコードです。その後、この900円グロリアシリーズは1,300円の「グロリア・ベスト20」となり、疑似ステレオからモノラル盤として再発されました。(フォンタナFG-210) 3曲とも荘重さがあり、厳格でスケールが大きい。そんな中、第39番は軽快さもみられ、第3楽章のメヌエットはチャーミングで特にトリオは美しい。第40番は少しぶっきらぼうなところもありますが、手堅い演奏で雄大、第41番もスケールの大きな演奏です。コンセルトヘボウの音色と響きも素晴らしく、HIROちゃんにとっては名盤です。こちらはCDとCDのBOXですが、上記のLPレコードとBOXでは、ダブっているものが多くなっています。■交響曲第25番ト短調K183・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1947) CD■交響曲第26番・コンセルトヘボウ管弦楽団(1955)CD■交響曲第32番・コンセルトヘボウ管弦楽団(1955)CD■交響曲第34番ハ長調K338・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1954) CD・北ドイツ放送交響楽団(1956ライヴ) CD■交響曲第35番ニ長調K385「ハフナー」・ベルリン放送交響楽団(1951ライヴ)LP■交響曲第36番ハ長調K425「リンツ」・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1950)LP&CD■交響曲第38番ニ長調K504・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1954))LP&CD■交響曲第39番変ホ長調K543・コンセルトヘボウ管弦楽団(1955)LP&CD■交響曲第40番ト短調K550・コンセルトヘボウ管弦楽団(1955)LP&CD■交響曲第41番K551「ジュピター」・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1949) CD・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1950ウィーン音楽祭?) 1944年? LP:VOX原盤・コンセルトヘボウ管弦楽団(1955)LP&CD 1950年のウィーン音楽祭でのライヴ録音の第41番「ジュピター」では壮大なスケール感と共にスタジオ録音では見られない熱気も感じます。(この録音は1950年ではなく、1944年の録音のももという話を最近聞きましたが??)また、1951年のベルリン放送交響楽団との演奏はめずらしい録音ですが、やや早めのテンポで勢いが感じられるライヴらしい演奏です。北ドイツ放送交響楽団との第34番も臨場感のある熱気があります。次回はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による交響曲全集から紹介する予定です。では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。