※2024/11/22 追加投稿(写真を追加しました)

 

 UZ-42という出力管ですが、昔からラジオの出力管や電蓄に良く使用されていました。家庭用のST管を使った5球スーパー・ラジオの出力管は6Z-P1(何故かロクゼット・ピー・ワンと呼んでいました。)が使用され、整流管は12Fか、12FKが使われていました。

また、少し高級なラジオや電蓄には出力の大きなUZ-42が使用され、整流管には80や、80Kが使われてきました。

どうしても42というと「ラジオ球」というイメージで、オーディオ・マニアの中には駄球扱いされる方もおられるのですが、42はパラ・プッシュプルで有名なオルソン・アンプで使用された6F6と全く同じ特性のST管です。オルソン・アンプでは6F6を3極管接続にしてパラ・プッシュプルにした回路です。

 

 この42ですが、これまで何台かのアンプを製作してきましたが、今回も42のシングル・アンプを作ることにしました。作ると言っても以前に製作した426Z-P1のコンパチブル・アンプを改造しただけです。改造前のコンパチブル・アンプは出力管を5極管接続と3極管接続にも切り替えができる回路として製作しましたが、B電圧の切り替えや、バイアス抵抗の切り替えの他に、第2グリッドのプレートへの3結切替など操作が多少面倒なアンプでした。そこで今回は、このコンパチブル・アンプを42専用のアンプに改造しました。

 

 改造前についていたシャーシ上面の切り替えスイッチ類は、取り外し、3か所の穴はビスとナットで隠しました。背面のNFBの切り替え用のスイッチは、取り除き帰還抵抗は固定しました。

 

改造が終了したアンプです。

 

 

 

 

 

 

 出力トランスは春日無線のOUT-54B-57です。このトランスはケース無しの裸のトランスですが、とてもクリヤーな音を出してくれるトランスで、特に中域はバランスが良く、高域に伸びがあるのが特徴だと思います。このクラスでは東栄変成器のOPT-5S、ゼネラル・トランス(旧ノグチ)のPMF-6Wと共に良いトランスだと思います。今回は100円ショップで購入した透明のキューブ・ケースを黒のスプレーで塗装したものを被せてみました。

 

 回路ですが、昔の5球スーパーラジオに使われた6Z-DH3Aを初段とした2段アンプです。使用した電源トランスのB電源の容量がDC80mA用なので、42のプレート電圧を少し下げ、電流も少なくしているので出力は2W位ですが、42の動作を軽くしているので古い球のためには良いと思います。

 電源部ですが山水のPT-80Bは、B電源部がブリッジ整流用のため、シリコン・ダイオードと整流管併用による全波(ブリッジ)整流としています。整流管は80ですが、今回使用したのはST管タイプではなく5Y3と同じGT管タイプで、足は4本のUXという珍しいGE製の80です。

見た目は普通の80を挿したほうが全てST管になるのでいいですね。 

 また、本来42の第2グリッド(スクリーン・グリッド)は安定化のためにデカップリング回路後に接続するのですが、今回はチョーク代用の1KΩの後に出力トランスのB端子につないでいますが、ハムは全く出ません。なお、この回路定数のままで42の弟のような少し小型の出力管41がそのまま挿し替えができます。挿し替えても各部の電圧は、ほとんど同じです。

 

 

  試聴の結果ですが、前述のように電源トランスのB電源容量の都合で42のプレート電圧と電流をかなり制限した回路設計でしたが、2W位の出力は出ますので十分です。ラジオ球の印象の強い42ですが、どのジャンルの音楽でもバランスが良く、ヴォーカルも素晴らしい。非常に心地よく聴けます。

 

2024/11/22 追加投稿(写真を追加しました)

 

整流管の80は、この形より・・

 

 

やはりSTタイプが良いですね・・・

 

 

少し聞いたらメルカリなどに出品しようかしら・・?

こんなアンプ・・出品したら購入される方はいるのかな~~?

そのうち、42のプッシュプル・アンプを作ろうとは思っています。

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。