学校体育の体力テスト
誰もが学生のときに
体育の授業で体力測定をしたことがあるでしょう。
~テスト項目~
①握力
②上体起こし
③長座体前屈
④反復横跳び
⑤持久走
⑥20mシャトルラン
⑦50m走
⑧立ち幅とび
⑨ハンドボール投げ
各項目に評価基準点があり、
総合評価しA〜Eの段階が用意されている。
一般的にAが多い生徒、
全部の種目が均等に高評価をとれている生徒が
運動能力が高いと思っているだろう。
たしかにそうだ。
中学校の部活動で活躍できる選手は、
この評価が高い傾向が強い。
この9つの項目で分かることは、
身体作りのベースが獲得できているかどうかということである。
評価が高い生徒は基礎となる部分が獲得されているということだ。
しかし、高校の部活動になると、
この評価だけでは運動能力が高いとは一概には言えない。
ましてや、プロのアスリートになりたいと思っている学生がいるとすれば、
体力テストの結果だけでは、
トッププレイヤーになるセンスを
持っているかどうかを判断することは難しい。
なぜなら、身体が発達し身体作りにも応用が必要とされるからだ。
その応用力を身につけるために必要なのが、ゼロ・グラヴィティ理論である。
ゼロ・グラヴィティ理論、7つの新法則
新著として4月に書店で発売される
「ゼロ・グラヴィティ理論」には7つの新法則を解説している。
これらを獲得することがトップアスリートになるための第1歩だと考えている。
①柔軟性
②正しい姿勢
③筋連鎖運動
④対角螺旋運動
⑤正しい重心移動
⑥脊柱と四肢の連動(リズム感)
⑦四足歩行
この7つを獲得することによって、
二足歩行で四足歩行の身体の使い方を体現できるようになる。
我々の祖先は250万年前、四足歩行から二足歩行へと進化した。
このときは、現代の私たちのように
肩こりや腰痛で悩まされている人はいなかったという。
動物を狩ったりしていたため、運動能力も高かっただろう。
なぜなら、二足歩行にはなったが、
四足歩行のときの身体の使い方をしていたからである。
このときの身体の使い方こそがトップアスリートになるために鍵だと考えている。
基礎的運動能力は、
この“体力テスト”と“7つの新法則”で構成されているといっても過言ではない。
体力テストで測ることが出来る普遍的な体力を獲得していなければ、
7つの新法則で行うトレーニング要素の獲得は最大化されない。
体力測定の項目だけでは足りないし、
ゼロ・グラヴィティ理論の分野だけ突き詰めても、
特定の分野でしか活躍できないということである。
トップアスリートを目指すのであれば双方の獲得が求められ、
両方を獲得しているか否かで、プレーの幅や奥行きが変化するだ。
学校体育だけではトップアスリートは生まれない
学生の体力や運動評価を体力テストの結果のみでみているようでは、
学生アスリートの将来は広がらない。
本来人間の運動は高度な運動機能によって行われている。
例えば、体力テストによって、
・早く走ることができるかどうか
・物を遠くに飛ばすことができるかどうか
・高く遠くに飛ぶことができるかどうか
・身体の柔軟性があるかどうか
上記のようなことが分かる。
これらも大事であるが、単純動作でしかない。
トップアスリートになるような子どもたちは、
姿勢調節やリズム感などといったことが本質的にできる。
本質的に持っていなくても、鍛えることはできる。
それを鍛え、獲得するために行ってもらいたいのが、7つの新法則なのだ。
体力テストはベースではあるが、
競技能力の向上は他の要素を必要とする。
今の小学生から高校までの体育の授業では補えないものがあると考えている。
彼らにとって応用トレーニングが必要であり、
さらなるパフォーマンスの向上のためには今の制度を大いに見直す必要がある。
その第一歩として、
ぜひこの「ゼロ・グラヴィティ理論」を取り入れていただきたい。
すべての学校体育の授業に盛り込むことは難しいかもしれない。
しかし、部活動、課外チームなどのトレーニングの一環として組み込むことは可能であろう。
身体の基礎能力を上げ、応用力が身につくゼロ・グラヴィティ理論。
パフォーマンスの向上に必ず役立つことだだろう。