一から学ぶ東洋医学 No.37とNo.48の追記 | 春月の『ちょこっと健康術』

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こんにちは ニコニコ

 

前回予告の件、本編への加筆は後ほど行いますが、とりあえず追加記事としてアップしますね。 加筆されるべき本編は、No.37 蔵象(4)脾 脾の病証No.48 蔵象(12) 臓腑の相互関係と協調関係です。

 

No.37 蔵象(4)脾 脾の生理と病理

2 脾陽・脾気の失調による病証

(1) 脾気虚証

(2) 脾陽虚証

(3) 脾虚湿盛証

(4) 脾胃湿熱証 虚実きょねつ 左矢印 これが加筆分

 

(a) 病態

脾気虚に湿熱の邪が混在し、脾胃の機能が失調した状態。

 

脾気虚と湿熱のどちらが先にあっても、双方が同時に存在するために、脾のみならず胃にも影響して、中焦の気機が滞ります。 病状としては虚実が入り混じり、熱も加わって、虚実挾雑熱証となりますが、湿熱による症状が前面に出やすい傾向にあります。 つまり、一見すると実証っぽい。 

 

脾には昇清喜燥悪湿という生理特性がありましたね。 胃は降濁喜湿悪燥と、脾と正反対の生理特性を持っています。 つまり、脾と胃は、互いの長所を活かし、短所を補い合う関係にある。 湿熱によって中焦の気機が滞ると、この脾胃のバランスが崩れてしまうのです。 このことについては、胃の生理と病理・病証をみてね。

 

脾胃湿熱とあるからには、これって臓腑兼証じゃないの? その疑問がわくのは当然です。 でもね、胆の生理と病理・病証に載せた肝胆湿熱とご同様で、表裏関係にある臓腑の場合、とくに脾胃と肝胆では、すぐ近くにあって、つながりも強くて、病的な状態になったとき、どっちどっち?なことが多いんです。

 

だったら、肝胆湿熱は胆の病証に入れているのに、脾胃湿熱を脾の病証に入れたのはなぜ? 肝胆湿熱は胆の症状が目立つからで、脾胃湿熱は脾気虚を伴うから。 というのは言い訳で、記事の構成上、便宜的にそうしたというか、わかりやすいかな~と思って。 決められた分類はありませんからね~。

 

(b) 原因

・ 脾虚湿盛や湿邪困脾が長引き、痰湿が鬱して化熱したため。

・ あぶらっこいものや味の濃いもの、甘いものなどの過食で、脾胃に痰湿がたまり、鬱熱が生じる。

・ 外感湿熱の邪が脾胃に侵入。

 

(c) 症状

 

① 運化の失調による症状

・ 食欲不振

・ 食後の上腹部の脹満感 、隠痛または圧痛

 

② 胃気上逆症状

・ 噫気、呑酸、悪心、嘔吐

 

③ 脾胃の不調+湿熱症状

・ 大便は粘稠性の軟便で、すっきり排便せず、においが強い。

・ 口は乾くが、水を飲みたくない。 口内の粘り、口内炎、口臭。

・ 熱が強いと、便秘、尿黄、口苦などが起こる。

 

④ 舌脈所見: 舌質淡または淡紅、舌苔膩または黄膩、脈濡(なん)数(さく)  

 

食欲不振や上腹部の脹満感、胃気の上逆症状は、胃鬱熱や胃陰虚などの胃熱証でもあらわれます。 胃熱証と脾胃湿熱証の違いは、脾気虚症状があるかどうか? なんですが、上腹部の痛みが圧痛になっていて、便秘や尿黄が出てしまっていると、鑑別はなかなかむずかしい。 

 

脾気虚があるなら、自汗があるはず。 でも、鬱熱があるので、汗をかくこともあって、自汗との区別はつきにくい。 ならば、易疲労や倦怠感は? これってよくある症状で、前面には出にくい。 ということで、↑上記に「気虚症状」を入れていないでしょ?

 

じゃぁ、どうするの? 臨床的には、とりあえず鬱熱を治療して、気虚症状が出てきたら、その手当をするという順序になりますが、弁証のポイントとしては、これまでの経過として、気虚症状があったかどうかを確認することになります。 つまり、圧痛以前に隠痛があったか、便秘以前に軟便があったかを聞く。

 

もうひとつ、経過の長さもポイントとなります。 そう、脾胃湿熱は、脾気虚があって、しかも湿邪がからんでいるので、慢性化しやすいため、経過が長いんです。 

 

(d) 進行と波及

・ 湿邪が強くなって陽気を損傷すると、脾陽虚証となる。

・ 熱邪が強くなって陰液を損傷し、同時に湿邪が残っていると、気陰両虚となる。

・ 湿熱が下注すると、肝胆湿熱証や膀胱湿熱証を起こす。

 

No.48  蔵象(12) 臓腑の相互関係と協調関係

1 生理物質に関わる五臓の相互関係

2 陰陽に関わる五臓の相互関係

3 情志に関わる五臓の相互関係 左矢印 これが加筆分

 

情志は、七情と五志の総称で、ヒトの感情の動きや外界からの刺激に対する情動反応。 情志の反応の出方と五臓の状態が互いに影響しあうことは、神の生理と病理にあるとおりですが、特に心と肝は情志の活動維持に重要です。

 

なぜ心と肝なのか? それは、情志を含む精神活動を統率・制御するのは神で、神を蔵するのは心、情志を調節するのは魂で、魂を蔵するのは肝だから。 また、平常な精神活動には、血による滋養も欠かせず、血を主るのは心で、血を蔵するのは肝だからです。

 

したがって、病理的には

・ 情志の失調は肝の疏泄を失調させ、気機を滞らせる。 疏泄の悪化は、情志の失調を悪化させる。

・ 心肝の血虚は、心神の滋養や情志の調節に不足を生じさせる。

・ 心肝の火旺は、心神を乱し、情志を失調させる。

 

4 六腑の協調関係

 

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

 

 

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