一から学ぶ生理学 No.3 細胞のしくみ(2) 核 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

「一から学ぶ生理学 No.1 生理学とは?」にも書いたように、私たちのからだには、およそ300種類で60兆個の細胞があります。その300種類は、それぞれの役割に合った形や働きを持っています。

形としては、扁平なもの、丸っこいもの、サイコロのような立方体、たて長で頭に毛がはえたものや、星のような形をしたもの、アメーバみたいに形を変えるものなど、さまざまです。

赤血球のように脱核した細胞は別として、ほとんどの細胞は、核と細胞質が細胞膜に包まれていて、「一から学ぶ生理学 No.2 細胞のしくみ(1)」にも載せましたけど、基本的には↓こんな構造になっています。


(東洋療法学校協会編『生理学』より)

↑こんな図だと、かなりシンプルな構造に見えますけど、実際は立体で、もっとごちゃごちゃしてるし、細胞小器官の数ももっとたくさんあります。Googleで画像検索すると、顕微鏡写真とか、立体的な模型とか、アレコレ出てくるので調べてみてね。

では、まず核について見ていくとしましょう。核は、言ってみれば、細胞の司令塔。ここに、細胞の遺伝情報がしまわれていて、その情報をもとにタンパク質をつくっていくためのスイッチがあります。

遺伝情報が刻まれているのは、DNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる高分子化合物。アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)という4種類の塩基、リン酸(P)とデオキシリボース(糖、S)でできたヌクレオチドが、鎖状につながっています。

ヌクレオチドの鎖は2本あって、互いの塩基同士が手をつなぐ形で、↓下図のようにらせん状になってます。これが、DNAの二重らせん構造ってヤツね。
 
(東洋療法学校協会編『生理学』より)

DNAが二重らせんをつくるとき、手をつなぐ塩基の組み合わせは決まっていて、必ずアデニン(A)にはチミン(T)、シトシン(C)にはグアニン(G)なんです。

DNAの二重らせんの鎖は、ふだんヒストンという核タンパク質にクシャクシャっと巻きついていて、ヌクレオソームと呼ばれる構造をしています。そのヌクレオソームが連なって、核の中に納まっているんですが、全体としてはボヤっと広がったクロマチン(染色質)になっています。

そのクロマチンが、いざ細胞分裂というときになると、ギュギュっと集まって、46個の染色体になるんです。その染色体上の遺伝子の位置を地図にしたのがゲノム。ヒトゲノムの解析は2003年に終わっているので、遺伝子チェックができるようになったんですね。

核の中には、真ん中へんに核小体があります。細胞をヘマトキシリンっていう物質で染めると、核小体は濃く染まるので、形がわかる。染色質も染まるんだけど、濃く見えたり薄く見えたりして、全体としてはボヤっとしてる。それが集まるとはっきりした形が見えて、染色体になるんですね。

ヒトの染色体は、およそ2,500万のヌクレオソーム、合わせて2mを超えるDNA鎖、約60億の塩基対から構成されています。2m以上のものが、クシャクシャっと集まって、直径20ミクロンかそこらの細胞の中の、それより小さな核に入ってるって、なんだか不思議。

で、私たちのからだにある細胞は約60億個でしょ?単純計算で2mx60億は120兆m。それってどれくらいの長さなんでしょうね?地球1周が約4,000万mだから、ざっと300万周分?すごいよね?

細胞の中で行われるのは、細胞分裂だけじゃありません。細胞ごとに決められたタンパク質の合成が、日々の仕事です。この場合は、DNAの必要な部分だけがほどけて、リボ核酸(RNA)が転写されるんですが、これについては次回。

分家の『養生訓』を読んでみる「巻第一(3) 養生は若いうちから始めよう」アップしました。
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