ドクターG クラミジア感染で熱が続く・肩が痛い | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

「ドクターG」「頭痛薬で出血」「ゴシゴシ歯磨きで感染性心内膜炎」「過激なダイエットでウェルニッケ脳症」と取り上げた『総合診療医 ドクターG』。前期放送の残り、「熱が下がらない」「肩が痛い」の2回は、いずれもクラミジア感染によるものでした。

クラミジアは、病原性微生物(病気を起こす微生物)のひとつで、細菌として分類されていますが、ブドウ球菌のような一般的な細菌のように培地で増殖することはなく、動物の細胞の中でのみ増殖するという特徴を持っています。

クラミジアには、性感染症やトラコーマの原因となるトラコマチス、オウム病の原因となるシッタシ、肺炎を起こすニューモニエの3種類があります。このうち『ドクターG』の「熱が下がらない」症例はシッタシによるオウム病、「肩が痛い」症例はトラコマチスによる性感染症でした。

「熱が下がらない」症例は、のどの痛みも咳も鼻水もなく、リンパの腫れも、髄膜の異常も見当たらず、吐き気や呼吸困難もなく、比較的元気なのに、熱だけが続いているケース。呼吸音を確認すると、特徴的な音があり、最終的にオウム病と診断されたもの。

なぜクラミジア・シッタシ(オウム病クラミジア)に感染したのか?というと、患者の女性は、巫女さんのバイトで神社の境内の掃除をしていて、クラミジアに感染したハトのフンで汚染されたチリを吸い込んだから。

オウム病クラミジアは、ペットの鳥(オウム、インコ、文鳥、十姉妹など)から感染することも多いようです。これらの鳥に口移しでエサを与えないようにと言われるのは、この感染を防ぐためなんですね。特に、子どもとお年寄り、免疫力の下がってる人は要注意です。

オウム病クラミジアに感染すると、10日ほどの潜伏期を経て、発熱します。咳や頭痛、全身倦怠感、食欲不振などを伴うことも。重症化すると、呼吸困難、意識障害、髄膜炎、肝臓障害などを起こすことがあります。

「肩が痛い」症例は、2日前からなんとなく感じていた肩の痛みが、夜中に目が覚めるほどの激痛となり、姿勢を変えることで何とか眠れたものの、翌朝から痛みが激しく、来診したケース。

肩は動かせるので関節痛ではなく、痛みが深呼吸で悪化することから、月経随伴性気胸も疑われましたが、生理周期と合っていないため、最終的に性器クラミジア感染症によるフィッツ・ヒュー・カーティス症候群と診断されました。

フィッツ・ヒュー・カーティス症候群というのは、骨盤臓器に感染したクラミジア・トラコマティスが腹腔内に広がって、肝臓の周囲に炎症を起こすもの。この症例の患者さんのケースは、その肝周囲炎が横隔膜に波及して、右肩に関連痛を生じたという結論でした。

肩の激痛を起こすまでに、性器クラミジア感染症のサインがあっただろうと思うんですけど、見逃しちゃったんでしょうかね。でも、ほとんど症状のないままで経過することもあるようなので、そんなこともありうるかとも思います。

性器クラミジア感染症は、フィッツ・ヒュー・カーティス症候群だけでなく、卵管性不妊症や子宮外妊娠、産道感染による新生児の喉頭炎や肺炎などの原因にもなります。若い人の間で増えているようなので、おりものが増えるとか、いつもとちょっと違うとか、小さなサインを見逃さないように気をつけて欲しいものですね。

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。


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