75 新約33 エルサレム入城 Entry into Jerusalem
過越祭に来た大くの群衆は、イエスがエルサレムに来ることを聞いて、しゅろ(ナツメヤシ)の枝を持って迎えて叫んだ。「ホサナ。祝福あれ、主の名によって来られる方、イスラエルの王に」。イエスはろばに乗られた。(ヨハネ12:12-14)
The great multitude that had come to
the Passover Festival heard that Jesus was coming to Jerusalem. So they took
branches of palm trees and went out to meet him, shouting, "Hosanna! Blessed
is He who comes in the name of the Lord! The King of Israel!" Jesus rode
on a donkey. (Jn 12:12-14)
イエスは弟子たちを伴い、ガリラヤからエルサレムへ、決死の覚悟で上って来ました。エルサレムに近づき、オリーブ山のふもとの村ベトファゲにさしかかったとき、イエスは二人の弟子を村に遣わし、誰も乗ったことのない子ロバを借りてくるように命じました。彼らは自分たちの服を子ロバの上にかけると、イエスはそれに乗りました。時は過越祭で、ユダヤ人の民族意識が最高潮に高まる時期でした。群衆はイエスを熱狂的に迎え、上着を持つ者たちは自分の上着を、上着のない者たちはしゅろ(ナツメヤシ)の枝を取って来てイエスが進む道に敷きました。そして、群衆は口々に、「ホサナ、ホサナ!」と叫びました。人々は、ローマ帝国の植民地支配を打ち破る政治的な革命家のメシアを待ち望んでいました。
ユダヤ教の3大祭りは、過越祭、五旬祭(ペンテコステ)、仮庵祭です。それぞれ、旧約聖書の故事であるエジプトからの脱出、十戒の契約、荒野の天幕生活を記念します。過越祭はユダヤ教最大の祭で、その期間は一週間も続き、身代わりの小羊を料理して食べることがその頂点です。また、イエスが十字架にかけられる週を受難週と言います。エルサレム入城は日曜日だったため、「しゅろの日曜日」とも呼ばれます。
ホサナは「どうかわたしたちに救いを」(詩編118:25)という意味です。他に、ハレルヤ「主を誉めたたえよ」、アーメン「まことに」が有名なヘブライ語です。
エルサレムの黄金門、イエスが入城した門と考えられるが、現在は閉鎖されています。門の横の城壁から写真を撮っていたら、銃を持つ警備員に止めるようにと注意されました。
ドゥッチョ「エルサレム入城」1308-11年
テンペラ・板 100 x 57cmドゥォーモ美術館 シエナ DUCCIO di
Buoninsegna Entry into Jerusalem 1308-11 Tempera on wood, 100 x 57 cm Museo
dell'Opera del Duomo, Siena
パラティナ礼拝堂、パレルモ MOSAIC ARTIST, Italian Sanctuary, south wall 1140-70 Mosaic Cappella
Palatina, Palermo
ベンジャミン・ロバート・ハイドン「キリストのエルサレム入城」1814-20年 油彩・画布 396 x 457 cm マウント・セント・メリーズ神学校 シンシナティ HAYDON,
Benjamin Robert Christ's Entry into Jerusalem 1814-20 Oil on canvas, 396 x 457
cm Mount St Mary's Seminary, Cincinnati
DÜRER,
Albrecht Small Passion: 6. Christ's Entry into Jerusalem 1511 Woodcut British
Museum, London
このデューラーの木版本は、大英博物館の特別閲覧室で見せてもらったことがあります。写本は大英図書館の管理ですが、木版本は大英博物館の管理でした。