里親決定!part8 | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。


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慌ただしい一日が、ようやく終わった。

みんながいなくなった居間では、
ぽんちゃんがひとり、ちょこちょこと動き回っている。


一緒に生まれ育ったきょうだいを
失ったぽんちゃん。

毎日じゃれ合っていた仲間を
失ったぽんちゃん。


娘の足にちょっかいを出してみたり。
宿題のノートの上に乗っかってみたり。

今まで、ぽんちゃんが私たちに
こういうことをしたことはなかった。

じゃれ合う仲間を求めているのだろう。
まだ生まれてひと月半の子猫。当然のことだ。

今日は朝からずっと胸が痛む。

でも、ママやきょうだいたちとお別れして里子に行った
子猫たちは、もっと胸を痛めているかもしれない。





ぽんちゃんは、今どんな気持ちなんだろう...





一緒に暮らしてきた家族が、急に皆いなくなったのだ。
寂しくないわけがないと思う。






ごめんね。ぽんちゃん。
ひとりぼっちにしてしまって。







「この子、目にケガしてますね。」






そういえば。
ゆめちゃんの里親さんになってくれた
ご夫婦の奥様の方が、こう言っていた。

ぽんちゃんの顔を覗き込んで見ると、
確かに、向かって左側の目がちょっとおかしい。

瞼が傷ついているような感じだ。

今日の昼間はさして気にならなかったけれど、
夕方になってひどくなったみたいだ。






病院に連れて行かないとな...






夜はチェリーが居間にいた。

ぽんちゃんにとっては、せめてもの
救いだったんじゃないだろうか。

大好きなママがそばにいてくれるから。





台所の棚の奥まで入って行ったきり、
何時間も出てこなかったぽんちゃん。

ところが。

外からママが帰って来て、
軽ーくひと鳴きすると...

まるで手品。

あっという間に、台所奥某所から
ぽんちゃんが風のようにさっとお出まし。

文字通りの、びっくりぽん!





やっぱりママだなあ...





チェリーの母親としてのすごさを
改めて感じた瞬間だった。

この後、それぞれの場所からみんな集まってきて、
横一列に並んでママから給油。



私がチェリーの真似してひと鳴きしたところで、
誰も出てこないし、寄ってもこないわね。絶対。



この、ママの磁力。



子猫用のお高い離乳食を、
ぬるま湯に溶かしてから食べさせる。

トイレを日に数回掃除する。
みんなの寝床をきれいにする。
寝床の毛布を洗濯する。

こういうお世話をしていたのは、
ぜーんぶ私ですよ。

ええ。この私ですとも。



でも。

何をどう頑張ったって、
ママにはかなわないのね。

どんなに可愛がろうが、甲斐甲斐しくお世話しようが、
ママのひと声にすら及ばないのね。

私はただの世話焼きおばちゃんかー。
でもね。それでいい。



そういえば。
私の父も、それはそれは不満そうだった。






「どんなに可愛がっても〝ママ、ママ” って言うな...」






長男がまだ2~3歳の頃だっただろうか。

まあ。あの頃のことは、陽炎か蜃気楼。
あってない幻のようなものだったわね。

だって今じゃあ、あんた。

「このデブ」って悪態つかれる毎日よ。
あとはまあ。「ババア」とか「ブタ」とか。

母ちゃんがブタなら、母ちゃんから
生まれたお前もブタだ。このブタ。

泣かしたろか。
しばくぞ。このガキ。

いや。図体がでかくて、それは無理か。

それなら、寝ている最中にパンツ降ろして落書きか...
それとも、熱ーいキスを、もちろん唇にお見舞いか...

我ながら、なんて品がないんだろう。





小さい子供は、みんなママが一番好き。
人間も猫も、犬もたぬきも、きっと子供はみんな同じ。

ママは太陽。横綱。
子供にとっては、世界一のスーパースター。

傍から見て、理想的な素晴らしい
お母さんかどうかは関係ないし、意味もない。

お母さんだから。
ただそれだけで愛される。

どんなお母さんだろうが、
自分のお母さんだったら、それでいい。



こう考えると、大人より子供の方が
よっぽど無条件の愛を体現しているように思える。


理由も理屈もない。
ひたすら愛するだけ。




大人の皆さん。
これ、できます...?




正直なところ。
大人にとって、これほど難しいこともないと思う。

これに比べれば、出世したりお金持ちになる方が
ずっと楽なんじゃないだろうか。







ぽんちゃんは、ママがいるから大丈夫ね。

すべての家事を終えた後、
居間にチェリー親子を残して、2階の寝室に上がった。


ところが。

夜中の3時頃。
2階に上がってきたチェリーが、外に出してくれと言う。

それはいい。
ただ、それだと、ぽんちゃんがひとりになってしまう。

チェリーを外に出した後、
居間へ下りていって、電気をつけると。

案の定。
ぽんちゃんが部屋の中を、ひとりでウロウロしていた。






ああ。切ない。






「ぽんちゃん。一緒に寝ようか。」






ぽんちゃんを抱っこして、寝室まで連れて上がった。

初めての2階。
初めての部屋。

興味津々なのだろう。
部屋の中をあちこちと探検して回っている。






いいよ。ぽんちゃん。
好きなだけ見て回っていいから。

みんなここにいるからね。
寂しくないよね。

ただ、私は眠い。従って、寝る。
あとは、お好きにどうぞー。






どれくらい時間が経っただろう。

ふと気が付くと、横向きで寝ていた私の二の腕に
ぽんちゃんがちょこんと乗っていた。






あら。ぽんちゃんだ。
寝返りを打った時に、潰しちゃったら大変。






ぽんちゃんをそっと抱き上げて、私の枕元に降ろした。

私はまだまだ眠い。従って、寝る。
ぽんちゃんも一緒に寝ようね。







なんか鼻がムズムズするな....







まだ夜明け前の真っ暗な部屋の中、
ふと目を開けると、目の前にぽんちゃんがいる。






ああ。そうか。
今日は、ぽんちゃんと一緒に寝てるんだったな...






私の枕の上で眠っていたぽんちゃんの背中の毛が
隣で眠る私の鼻をくすぐっていたのだ。






ちょっと。ものすごーく可愛いじゃないの...






子猫が自分の枕元でスヤスヤ眠っている。

えらい無防備やね...?
ぽんの字さんよ。

へへ。えへへへへ....


いやいや。おばちゃん。
どんなに愛らしくても、襲いかかってはいけない。

人間だもの。
いや。ブタだからいいのか...?


何がどうでも。

ああ。エクスタシー。
神様ありがとう!





ぽんちゃんにも、素敵な里親さんを見つけようね。





隣で眠っているぽんちゃんを見ながら、
世話焼きおばちゃんは、こう誓った。






 生まれて、ひと月過ぎた頃。
 みんなで居間デビューの日。

 



 初めての場所。ちょっと怖い。
 でも、みんな一緒だから平気だもん!







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