里親決定!part7 | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。


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その日は、朝から目まぐるしい一日だった。



土曜日で、子供たちの学校はお休み。

朝ごはんを食べさせて。
洗濯物を干して。

プリンターが壊れてるせいで、譲渡契約書を手書き。
すぐさまコンビニに行って、必要枚数をコピー。

ちゃかちゃかっと掃除。
居間と廊下、玄関を重点的に。

それから、お茶の準備。



そして。今日一番肝心なのが...!
押し入れの戸を開けっ放しにしないこと。



ある日。

押し入れの戸を開けたら、紙袋をまとめて入れてある袋の上で、
子猫たちが重なり合って寝ていた。

まあ。このサプライズが!
まあ。このみんなの姿が!

あまりにも可愛らしくて悶絶。
鼻血出るかと思ったわ。



狭い場所に入って行くことを覚えた子猫たち。

戸が開いていると、押し入れの奥まで入っていって、
ちょこちょこと遊んだ後、そのまま寝入ってしまうらしい。

そうなると、何時間も出てこないことも。

今日だけは、それじゃ困るのよ。
里親さんに子猫たちを紹介できない。

押し入れの戸を全開にして、中にあるものをどかしつつ、






「はい、どうぞ! 頭突っ込んで見てください!」






て。申し訳なさすぎるじゃないの。




こんなわけで。

この日の最重要ミッションは、実は何よりも
居間の押し入れ閉鎖をキープすることだった。

座布団は先に出しておくこと。

戸を開けるときは、子猫たちが
周りにいないか、ちゃんと確認すること。



結果。
ミッションコンプリート。



最後まで、どなたの頭も押し入れに
突っ込まれることはなかった。







午前11時の最初のお約束から、すでに6時間半経過。
この日最後のお約束は、午後6時。

お越し下さるのは富山の方。
わざわざ小矢部市から、県をまたいで来て下さる。




本当に有難いな...





こう思うのは、今日何度目だろう。

自然に湧き上がる感謝の念って、いいものだ。
どれだけ繰り返されても疲れることはないし、
却って、気持ちを新鮮で元気にしてくれる。





子猫の吸引力って、すごいんだな...





後からお訊きしたところ、
車で1時間半くらいの距離だとか。

早めにお宅を出て下さったようで、
うちへは、お約束よりも30分ほど早くにご到着だった。

車から降りていらっしゃったのは、年配のご夫婦。
運転してこられたのは、娘さんだった。





「○○さんですか?」






お人の好さそうなご夫婦。
お人柄がお顔に滲み出ている感じだ。

なんとも、お優しそうで。

おまけに。旦那様。
車から降りてすぐ、ご挨拶が終わるやいなや、





「サインしてあります。」





こうおっしゃって、手にしていた契約書を私に渡そうとする。





まだ子猫たちをご覧になる前なのに。
気合い入ってるなー。ははは。





微笑ましい方たちだわ。

譲渡契約書を交わすことが応募の条件だと知ったご夫婦は、
里親募集サイトにあった契約書のひな型を、きっと娘さんに
プリントアウトしてもらって、ご持参下さったんだろう。

まあ。サインして頂くのは、サイトにあった契約書でも、
私が書いたものでも、どちらでも構わないんですけどね。

私が書いたものは、サイトにあったものを参考にしてあるから、
要は同じようなことを簡素化して書いてあるわけで。

ただ。自分で書いたものなら、何を書いたか
一字一句まで把握しているのも確かだし。





そうだなあ...
やっぱり、他の里親さんと同じものがいいのかなあ...





ちょっとした立ち話の結果、お手数だけれど、
私が書いた契約書にサインして頂くことで落ち着いた。





誠実な方たちなんだな...






素敵なご縁を頂けるんじゃないだろうか。





ご夫婦と娘さんにうちに入って頂くと、
たまたまチェリーも居間にいた。

うちに来てしばらく経つチェリー。

始めの頃は、うちの中にいるだけで
びくびくしていたのに、今じゃもう。

初対面でも、うちに来たお客さんだと分かると、
脚にすりすりしてご挨拶をする。

この時も、ご夫婦にちゃんとご挨拶。




レディじゃないの。チェリーさん。





「これ、どうぞ。」





この方たちからもお菓子を頂戴した。
それだけでも申し訳ない。

それなのに。





「これもどうぞ。」





なんと。
氷見産の煮干しの大袋だった。





チェリーにもお土産を下さった...!





これにはたまげた。
何より、私は心底嬉しかった。
だって。チェリーのご飯代が助かるじゃないの。


そうだ。そうなのだ。

ママのチェリーが必死で産んで、毎日毎日一生懸命
育ててきたからこそ、今日ここに子猫たちがいるのだ。


そもそもチェリーがいなければ、出産しなければ、
今回のことはなかったと、ご夫婦はお考え下さったんじゃないだろうか。

きっと、チェリーに対して、労いの
お気持ちを持って下さったんだと思う。






なんて素敵なご夫婦なんだろう...






しばしの間、心中呆然。


多分、十数秒後。
我に返って、ぽんちゃんとゆめちゃんを紹介した。






「認知症予防に、猫を飼うのがいいって言われたもので...」






旦那さんに負けず劣らず、お人柄の良さそうな
お顔をなさった奥様だ。







確かに、猫のいる生活は張り合いあるもんなー。
うちは6匹いたから、張り合いあり過ぎて突っ張ったわー。







旦那さんとご相談なさりながら、しばらくお考えになった後、
奥様が決めたのはゆめちゃんだった。






ゆめちゃんか...






5匹の中で、紅一点だったゆめちゃん。
とても人懐っこい子だった。

誰かが寝ていると、すぐに背中や肩に
ちょこんと乗ってきて、一緒にすやすや。

ポケモンのぬいぐるみにも乗ってすやすや。




子猫たちは、肌のぬくもりが好きだったように思う。

人間も猫も、他の動物も、きっと赤ちゃんは
みんな同じなんじゃないだろうか。

5匹とも、よく私たちの脚やお腹の辺りに
乗ってきては眠っていた。

もしそこに毛布が掛かっていようものなら、もうご馳走。
大好物のフワフワの上に、5匹みんなでライドオン。

両脚の間に縦に長く3匹。お腹の辺りに横に2匹。

T字になってお昼寝が始まるものだから、
可愛らしすぎて動けない。

なんとも心地よい重たさよ。







寂しくなるけど、このご夫婦なら
きっとゆめちゃんを大事にしてくれる。





契約書にサインして頂いて、身分証明書を拝見して。

今日、4度目のお見送り。
夕暮れの坂を、ゆめちゃんを乗せた里親さんの車が下っていく。






ゆめちゃん。どうか元気で。幸せになってね。
いつか、また会えるかな。







やっぱり、ママのチェリーの顔が浮かぶ。
話したら、分かってくれるだろうか...







数日後、里親さんの娘さんからメールがきた。

ゆめちゃんが、横になっている男の人の腰の辺りに
ちょこんと乗っている写真が添えられていた。

きっと旦那さんじゃないだろうか。





〝元気に過ごしています。人見知りもせず動き回っています。”






ゆめちゃんらしい写真だった。

臆さず。怖がらず。疑わず。
自分の周りにいる人間を信頼している。




信頼されること。

これが、子猫たちからもらった
一番の贈り物だったように思う。





「この人たちは、自分を傷つけるようなことはしない。」





きっと、子猫たちはこんなようなことを考えて
くれていたんじゃないだろうか...?

信頼するということは、自分の心と体を預けるということ。
相手を尊重し、敬意を払うということ。

まだ離乳食を食べていた幼い子猫たちにも、
そんな凛とした気高い品性がちゃんと備わっていた。


そして。信頼されるということは、きっときっと。
「あなたには愛がある」と、お墨付きをもらうこと。



ああ。こそばゆい。
だからこそ、その気持ちに応えたい。



種族は関係ない。
言葉も関係ない。

心の仕組みや働きは、みんな同じなんだと
教えてくれた子猫たち。


みんなをお世話していたようで、
お世話してもらっていたのは、実は私の方だった。


みんな。ありがとう。






 笑ってるようなゆめちゃん。

 ゆめちゃんと花ちゃんは、そっくりで見分けがつかないけれど、
 シッポを見ればどちらか分かる。

 花ちゃんはママと同じカギしっぽ。
 この写真の子はカギしっぽじゃなさそうね...?

 だから、ゆめちゃんだ!

 いい夢見てるの? ゆめちゃん。






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