里親決定!part2 | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

里親決定! part1


とりあえず。
メールを頂いた順に対応しよう。



まず最初の方から。

夕方5時過ぎに投稿した私の記事に対して、
6時半ちょっと前にメールを下さったのだが、

その第一声が、



“まだ大丈夫ですか?”




「まだ大丈夫ですかって...」




掲載してから、まだ1時間しか経ってない。




“まだ大丈夫ですよ!”




こう返信。

掲載した写真をご覧になって、
花ちゃんがいい」と決めていたご様子。




“それではお願いします!取りに行きます。”




とのご返信。

記事の紹介文に掲載した譲渡契約書等の内容について、
ご了承頂いているかを確認。




“まもりごとは全部了解です!”




とのご返信を見て、一安心。

数回メールをやり取りした結果、
翌日の朝11時に、うちまでいらして下さることに決定。

この方のお住まいは金沢。
うちまでは、車で1時間半から2時間はかかる距離だ。




「有難いな....」




里親になってくれる人がまったく見つからなかった
今までの状況からすると、なんて素晴らしい展開だろう。


それなのに。
台所で食器を片づけていると、涙がこぼれてきた。





「花ちゃん、おらんくなるんやね...」





気が付くと、こう口に出して、半ばしゃくり上げていた。
寂しさがこみ上げてきて、たまらなくなった。

誰かがいなくなることが、こんなに悲しくて
泣いたのは何年振りだろう。



5匹の中でも、一番人懐こかった花ちゃん。

一番最初に私の膝に上って来たのは花ちゃんだった。
私の目をしっかり見ながら、一生懸命に話しかけてきた。




「僕はみんなに可愛がってもらいたい。みんなと仲良く暮らしたい。」




花ちゃんはあの可愛らしい目をクルクルさせながら、
きっとこんなことを、何度も何度も言っていたような気がする。

一番最初にトイレを覚えたのも花ちゃんだった。

部屋の隅にトイレを置くと、私がトイレだと
教える前に、真っ先に入っていった。

その賢さには、本当に驚いた。




「はいはい。これがトイレね。分かったよ!」




まるでこうアピールしているかのように、
設置した瞬間から上手に使っていた。

ご飯の催促も実にスマートだった。

他のきょうだいたちは、お腹が空くと、ご飯が置いてある場所にやってきて、
鼻をクンクンさせてご飯を探すけれど、花ちゃんは違う。




「ねえねえ。僕、お腹空いたよ。ご飯が欲しいの。」




台所に立っている私のそばにちょこんとやって来て、私を見上げ、
自分が欲しいものを、きちんと話して伝えることのできる子だった。

不思議なもので、花ちゃんが私に話しかけてくるときは、
何となく「こう言ってるんじゃないか」と察しがついたように思う。

生まれつき、人間と暮らすことに適性のある子だったのだろう。
というより、まるでお利口な人間の男の子のようだった。

よく懐いてくれて、里親さんのお宅にもらわれていく数日前には、
毛布をかけた私の膝の上で、バンザイ!の格好をして、
可愛いお腹を丸出しにしてスヤスヤ眠っていた。




花ちゃんが産まれてから今日まで毎日ずっと一緒にいたのに、
いきなり明日いなくなるなんて...




里親になってくれる人が誰もいなくて、あんなに不安だったのに。
里親になってくれる人が、こんなにもあっさり決まったのに。

あまりの急な展開に、私の心はどうもうまくついて行けない。





「母ちゃん。やー(嫌)かったら断れば...?」





私が泣いているのを見て、半ばギョッとした様子の長男がこう言った。

長男が驚くのも無理はない。私も自分で驚いた。
まさか泣き出してしまうとは。

長男に続いて、次男も長女も同じことを言う。




実を言うと、この時、子供たちの言葉に心が揺らいだ。




“申し訳ありませんが、急に事情が変わってしまって、
 お譲りできなくなってしまったんです。
 誠に申し訳ございません。何卒お許しください。”

 



こんなメールを送ろうかという衝動に、本気で駆られた。






でもね...
やっぱりね。






「いや。それはできん。もう譲るって約束したから。」




この期に及んで、




“やっぱりやーめた。ごめんねー?”




なんてメールを送れるか。


それに、うちの住所も私の携帯番号も、すでに先方に伝えてある。
どこにも逃げるところはない。



第一、子猫たちを里子に出すことは、
冷静になって、ちゃんと考えた上でのことだ。

確かに、チェリー親子を離れ離れにするのは、私も忍びない。
でも、子猫はいつまでも子猫じゃない。

みんな日に日に大きくなっていく。

狭い家の中、決して楽ではない家計の中、チェリーに加えて
あと5匹、合わせて6匹の猫たちの面倒を見ていく余裕はない。

それでなくても、うちにはすでにもう3匹... 
いや。3人の子供たちがいる。

これ以上、生き物の面倒を見ることはできないのだ。






翌朝。10時過ぎにメールが来ました。




“おはようございます。30分早く着きそうです。”




今回、里親になって下さった方は皆さん、
うちまで引き取りに来て下さったのですが、

5組のうち2組の方は、約束の時間のちょっと前にいらっしゃって、
他の2組の方は、この方のように30分程早くにいらっしゃいました。




“うちは住宅街にありまして、初めての方にはちょっと
分かりにくい場所にあります。 もし迷われたりなどした時には、
お手数ではございますが、ご連絡ください。
分かりやすい場所までお迎えに上がります。”





うちにいらして下さる皆さんには、こうメールを差し上げていたので、
きっと「迷って遅れてはいけない」と、早めにお出かけ下さったんでしょうが、
それにしても、ずいぶんと早くにいらして下さいました。

これは私の勝手な想像ですが、きっと皆さん、里親になることを
真剣に考えて下さって、楽しみにして下さっていたんじゃないでしょうか。

もしそうだとすれば、本当に有難いことです。






「おはようございます。」





「すぐ近くまで来ている」との電話があったので、
うちの外に出てみると、自宅前の道路でその方を発見。

お名前を確認した後、ご挨拶。





「これどうぞ。」




何と。手土産をお持ち下さっていました。

驚いたことに、今回里親になって下さった方
皆さんがこの方同様、手土産をお持ち下さったのでした。






「もらってもらえるだけでも有難いのに...」





本来なら、こちらからトイレやらエサやらをつけて
里子に出さなければいけない立場だと思っていたので、
これには本当に恐縮しました。






「お気遣い頂いて、すみません。ありがとうございます...」






呆気にとられながらも、うちの中に入ってもらいました。



いつもの様に、5匹みんなでじゃれ合う風景。

とても仲の良いきょうだいで、
ケンカしているのを見たことがない。




この姿を見ることができるのも、今日で最後か...




そうだ。最後だ。
気持ちを切り替えねばならない。




花ちゃんを紹介しました。





「どうぞ。抱っこしてみてください。」





はじめから花ちゃんと決めていた方だったので、すんなり決定。




それにしても。

今回、実際にすべての里親さんにお会いしてみて、不思議に思ったというか、
人の心の機微とは面白いものだと、私が静かに感動したこと。

それは、程度の多少はあれ、身の上話を始めた方がいたこと。
もちろん、こちらから根掘り葉掘り訊いたわけじゃないんです。

もしかしたら、もらっていく子猫の顔を見てホッとしたのか、
それとも他に理由があるのか。

子猫が欲しかった理由はもちろん、中には、家族のことで
かなりプライベートなことまでお話しになる方も。





「そんなことまで言っちゃっていいの? 初対面よ...?」





聞いているこちらが、ちょっと戸惑うくらいの方も。





子猫マジックだな、こりゃ...





きっと、見ず知らずの人間だから、
却って話しやすいというのもあるんでしょう。




この方は、すでにメスの子猫を1匹飼っているけれど、
遊び相手にもう1匹飼いたいと思っていたとのこと。




そうか。それなら、きっと花ちゃんも寂しくないだろうな...





「お手数ですが、これをお願いします。」





プリンターが壊れていて印字できないという情けない状況のせいで、
その日の朝、私が手書きした譲渡契約書をテーブルに置いた。

1枚だけ書いて、あとは必要枚数をコンビニでコピーしてきた。

同じものが2枚。それぞれに里親さんと私が、
名前、住所、電話番号を書いて捺印する。

1枚はお渡しして、もう一方は私が保管する。
この方は印鑑をお持ちじゃなかったので、拇印を押して頂いた。





「月に1回でいいんです。写真を送ってもらえませんか?」

「はい。」




ところが。

「じゃあLINEで...」となって、いざ友達登録する段階になると、
私も里親さんもやり方が分からない。


ははははは... 


ええい。小憎らしい。この緑のアプリめ。
人間様に盾つくとは何事だ。

長男ならやり方を知ってるけど、あいつは今いないし。

かーっ! この大事な時に!
間の悪い息子だな。これから弁当抜き!

決して! 断じて! 絶対に!
事前にやり方を聞いておかなかった私が悪いんじゃなーい!



何だと? ふるふる...?



一体、何それ。お菓子? ゼラチンでも使っとんのか。
いい年した大人が「電話ふりふりしてお友達」ってか...?



いい女にそんな趣味はなーい!



いえいえ。

決してやり方を知らないからといって
八つ当たりしてるわけじゃあないんですよ?

ええ。全くの言いがかりですよ、そりゃ。



ところで。
私はぜひとも、この緑のアプリにお願いしたいことがあります。


相手が既読前なら、文章を訂正・削除できるようにしてもらえません...?
メッセージ送った後に、何度冷や汗かいたか分からんわ。

全く関係ない人に


“ すみません!”


なんてメッセージを送っちゃって、その後すぐに



“誤送信すみません!”



とメッセージを送る羽目に。


ええ。つい昨日のこと。



誤字脱字がどんなに恥ずかしくても、
一度送ったら、もうどうにもならんし。



“余計な心配までかけていまいまして...”



忌々して...?


詫びたいんだか。怒りたいんだか。
失礼な文章も、もう後の祭り。

ええ。これも昨日のことですよ。




そういえば、逆もあった。



“今年こそは頑張ります!”



何を...?

前後に何の脈絡もない、こんなメッセージがいきなり来たことがあった。
まあ。知り合いからだから、別にいいんだけど。

その後、やっぱり私と同じように、“すみません!” のメッセージが。


使っている人なら、誰でも一度はやらかしたことがあるはずだ。
あの緑のアプリで。


告白と別れ話は、ちゃんと相手を確認してからが必須!




ああ。
長い。もう無理。ダメ。


つづく。






 「あ! こんなところにハーモニカが落ちてる!」と、
 出会い頭にまったく身に覚えのないことを叫ばれ、いきなり私に拉致され抱っこされ、
 お腹にべたべた口をつけられ、「きらきら星」を丸々一曲完奏された挙句、

 「あれ? 何だかこのハーモニカ、生暖かーい!」と絶叫までされ、
 お腹中をヨダレまみれにされてもなお、平常心を保ち、良きに計らい、
 抵抗せずに解放を待った花ちゃん。

 「あんた。それでも人間...?」という哀れみの視線を私に向けていたのは間違いない。
 
 花ちゃん。偉かったねえ...
 私ならウルヴァリン並みに爪出して引っ搔いて、血、見せてるね。絶対。 





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