ぱんちゃんブログ -3ページ目

頑固なこころ。

どーもー。

 

 

「イニシェリン島の精霊」を観た。最初は笑ったりもしたけれどなかなかキツイ映画。


エイプリルフールにわたしはある決意をしたけれど、まさにこの映画の内容をそのまま体験したから決意が固まった。

 

生きた証を残したいと願い、悔いの残らない死を迎える為に決意したコルム。何かを深く考えることも無く、なんとなく毎日を過ごすことに疑問をもたないパードリック。

 

決意を固めた人しかコルムに共感できないし、決意を持ったことが無い人は頭おかしいと思うだろうな。わたしはもうここ1年くらいコルム状態だった。

 

女が好む、旅行・美食・美容などに興味が無い。ありきたりな世間話にも飽きた。わたしは一日中ニコ生見ながらブログ書きたい。自分の好きなことに執着しちゃうともうそれ以外がものすごい苦痛。だからコルムに感情移入した。

 

パードリックは自覚のない悪。しつこい。心の機微が分からない病気ようなもの。そして「何も無い自分」への怒り。かわいそうではある。精霊なんていないっていう一言が全てを表していた。

 

そんなパードリックと決別したけれど、完全に遠ざけることができないのは、コルムがまだ何も成していないからこそ。ちょっとパードリックの気持ちがわかってしまうのだ。遠ざけることに罪悪感も感じている。

 

「優しさ」は歴史に残らない、という言葉が心に残った。そうなんだよ、「優しさ」こそ悪魔。パードリックは「優しさ」を盾に「何かを成そうとする人」をとんでもない執着で邪魔する。そして、中途半端な「優しさ」はそういう悪魔を近づける。

 

結局コルムもパードリックも同じ穴の狢。どちらも頑固すぎる。

 

イニシェリン島での二人の戦いと、島の外側で行われる内戦。心と現実が交差していた。終わることのない戦いは小さな島でのできごと。島の外に出た姉はもう戻らないだろう。

ゆるせねーよ。

どーもー。急遽実家に帰ってました。もうね、決めました。自分の気持ちに正直に生きる。騙されない。そんなことは何度も考え言ってるのですが。とても静かな怒り。もう絶対に許さん。

 

そんなわけで弱さを盾にする傲慢さとはもうお別れ。さようなら。永遠に。弱者のふりをして強さを出すな。負けを認めろ。この世界には勝ちと負けしかないんだよ。生きるか死ぬかふたつにひとつ。

 

生きるか死ぬかを自分で選べないならAIに相談しろ。正しい答えをくれるから。よかったね、AIがあって。いい時代じゃん。

 

 

もう何もかもが楽しくなってきた。ついに春がきたよ。おめでとう。

ブラックホールは神。

どーもー。ちょっとこの記事みてください。

 

 

ブラックホールが「重ね合わせ」を破壊する!?

 

これ読んだけど、ボブおじさんの5年後の観測のはなしがイマイチわからんよー。もう少しわかりやすくたのむ。その後のブラックホールの中のボブおじさんのはなしはわかるんだけども、、、

 

ブラックホールの表面で観測されてるから、重ね合わせが破壊されるみたいだが、これって重力関係あるよね?

 

前にも書いたが、わたしは重力で重ね合わせが「収縮」すると思っていて、それは観測している自分が発生させる重力だとも思っている。

 

だとしたらブラックホールは全てを吸収する自己ではないか。そーか、ブラックホールが神だったんか、とすごく納得してしまった。やっぱ最上級は落ちたら抜け出せない闇だよね。

 

たとえばヴァンダービルド大学の理論物理学者アレックス・ルプサスカ氏は「宇宙がブラックホールを目のように使用して、常に自分自身の内部を観測している」とする表現はやや言い過ぎだと述べています。
 

一方、ローレンス・バークレー国立研究所の理論物理学者ダニエル・カーニー氏は「詩的に言えば、そのように考えることもできる」と肯定的な意見を述べました。

 

『ブラックホールを目のように使用して自分自身の内部を観測している』という表現が言い得て妙なのである。わたしのイメージする宇宙とぴったり。人間(わたし)は世界を見ているようで内側を観測している。人間(わたし)から見たらはるか宇宙の果てにあるブラックホールが人間(わたし)の目なのだ。

やきうおもしろいね。

どーもー。にわかだけどWBCの準決勝と決勝みてました。興奮。野球のルールをちゃんと調べたら、これまたパターン(元型)が現れているので日本が強いのも納得した。

 

9対9とか、3アウトとか、4ボールでひとつ進むとか、攻撃と守備を9回繰り返すとか、表と裏とかとか。

 

終わってみれば「まるで漫画の世界」とか言われてて、見ている人がパターン(物語)を感じているな、と思った。パターンらしい試合の流れだったからですが。けれど現実よりも意識が先なので、やはり「世界とはパターン」と感じているということ。

 

あと村上選手がなかなか期待に応えられなくてみんながヤキモキしていたのに、最後には素晴らしい攻撃をして「村上が生き返った」とか言われてたのは「死んでいた」という前提がある。『死んでから生き返って復活する』のもパターン。彼はトリックスターだった。

 

あと最後の大谷選手の投球が2009年のダルビッシュ選手とまるきし同じらしいよ。エンディングが同じなのもパターンですごいね。先輩から後輩へ。

 

あとこのツイートおもしろい。

 

 

大谷選手が主人公の物語が終われば世界は終了する。『モブになったら消えちゃう』パターンを理解しちゃう日本人つよい。『モブになったら消えちゃう』パターンは怖いからね。


最近パターンの話ばかりだ。

 

承認欲求の高まりをかんじる。

どーもー。chatGPT4がすごいらしいです。終わりの始まりだ。

 

人工知能のアプデスピードがどえらい。ここから5年とか経ったらどうなってんだろ、世界は。わたしには未来が見えた瞬間があったけど、それが急に現実味を帯びてきたのでワクワクしている。

 

そんな中、人間の承認欲求の高まりがピークを迎えているんじゃなかろうか。いやこれからがピークなのか?人工知能を意識していなかったとしても、わたしたちは無意識で「人間として何ができるのか」を探っている。

 

人間みたいなものができてしまって、しかもそれが優秀だったら、わたしたちの「存在意義」とは、、、?となってしまう。そんな無意識の心配が承認欲求の高まりを引き起こしている。

 

「わたし」を見て欲しい、「わたし」に注目してほしい、「わたし」は存在しているんだ!という気持ちからスシローで醤油差しをペロペロしてしまう。こまったね。

 

人間の最終目的は「人間存在」の意味を知ること。もう最終目的を目指さなくてはいけないような時代が来てしまったのだ。どーする人間。

 

「人間存在」の意味を知る為には自分を深堀するのが近道。いちばん身近な人間なのだから。自分を深掘りするには、他者と自分を区別して、違いを探す。それが目的への第一歩。

 

目的へ近づく為には自分の存在を確立していく必要がある。平凡な存在、その他大勢の中にいる存在のままであったら、目的に近づくことができない。

 

近年全ての迷惑系に言えることだが、彼らはめんどくさいことをすっ飛ばしてSNSで自分と他者との違いを表現し、自己を探そうとしている。それは単なる「承認欲求」に思えるが、時代の流れを感じ取り「わたしという存在」を表現するための行為。ちゃんと目的達成を目指そうとしている。

 

とはいえ、それで目的に近づけるかというと難しい。迷惑なことをしても他者との違いにはならないし、一瞬の炎上で自分を確立することはできない。

 

自分を確立しつつあると自然と人が集まってくる。例えばyoutubeで生放送しているコレコレとか、twitterのガレソとか。彼らは暴露系と呼ばれ、炎上しそうな情報を発信することで人を集めているが、そうやって自分を確立しているからすごい。わかりやすい食物連鎖が起きている。

 

人間には個性というものがあって、他者との違いを探せば探すほど自分の個性が理解できる。他者とは違う個であることをどれだけ自己認識できるか。唯一無二の個だけが、最終的に「人間存在」の意味を知ることができる。

 

答えに辿り着けない人はいずれ「個」であることを捨てるだろう。そして機械のように生きる。だからこそ、時代を感じ取ることができていれば「自分を確立すること(人間存在を探ること)」に必死になるのは当たり前。

 

現代における「生存戦略」は『どれだけ自己を確立できるか』。金だけ持っていても意味がない。「影響力を持つ人」のふるまいに苦言を呈する人々がいるが、「個」ではないことを嘆いているようなもの。他者との違いを見出し表現することが出来なければ、その他大勢の中に溶けていくだけ。

 

全の中に溶けていくことも心地よいのかもしれない。個など必要とせず、思考を捨て、区別や分別がない境界線が曖昧な世界を漂うのもまたひとつの生き方だ。

ウィローパターンはうちゅう。

どーもー。きょうはあったかかったね。

 

 

このお皿の柄、ウィローパターンって言うんだけど、ふとこの柄について最近ちゃんと調べたら、うちゅうだった。

 

わたしがこの柄に出会ったのは、だいぶ前、たしか二子玉川に買い物行った時。「イギリス人がイメージする中国の柄」みたいな説明書きがあって、ニセ中国な感じが良いなあと気にいって平皿とボウルを買った。それからずっと大切に使っている。

 

17世紀ごろからヨーロッパ貴族の間で大流行したという中国風の品々。その中でも陶磁器は人気だったらしい。この流行を「シノワズリ(中国趣味)」と呼ぶ。

 

そんな流れがあって、イギリスで作られたのが「ウィローパターン」の食器。「ウィローパターン」とは「柳模様」との意。白地に青の模様だからブルーウィローとも呼ばれてる。この中国風の柄は一般家庭にも浸透した。「ウィローパターン」のはじまりについて引用させてもらう。

 

ウィローパターンは、19世紀初頭イギリスで、ミントンの創始者トマス・ミントンにより東洋由来の陶器を模して発案されました。その後、この図柄は多くの窯が真似をして生産し、ブルー&ホワイトの陶器に多く取り入れられました。

 

 

「古陶器鑑定法」の著者は柳模様の案出者をトーマス・ミントンとしている。スポード社の創始者、ジョサイア・スポードが1790年頃案出したとされることもある。トーマス・ターナーが1779年にイギリスの窯業の中心地スタフォードシャーに隣接する県、シュロップシャーのコーリーで作り出したとされる事もある。

 

 

このように調べてみると、ウィローパターンのはじまりはちょっと曖昧なのかも。イギリスの多くの窯がそれぞれこのウィローパターンの食器を出していた。江戸時代末期には日本にも伝わって制作され、輸出されていたとか。

 

ウィローパターンの特徴

・柳

・橋を渡る3人

・天空にいる二匹の鳥(はと)

・小舟

・お城(邸宅)

・りんごの木

・垣根

 

これらが描かれているのだけど、この柄のもとになった物語がある。長いのでこちらのブログをリンクさせてもらう。めちゃ簡単にまとめるとこんなかんじ。

 

権力者に娘を嫁がせようとするお父さんに幽閉された娘をさらう青年。結局捕まってしまって二人で命を断つ悲しい物語。けれど神様が二人を鳥に変えて、永遠の愛をくれた。

 

この物語は中国にもともとあったものではなく、ウィローパターンを売る為に作られた物語だとか!なんてことだ。

 

この物語「元型」そのものすぎる。「元型」とは心の根底にある人類共通のパターン。やはり男2人に女1人。娘は心(精神)。二人の男は、善と悪または過去と未来。死の先には永遠の命があった。

 

全ての時間軸がウィローパターンに描かれている。3人の人間、見えない死、二匹の鳥で表される永遠。垣根で囲われる世界。これぞマルチバース。

 

これは人間が「信じたい」物語。前の日記で西洋(外)に対する東洋は内(こころ)と言ったけれど、外で(イギリスで)考えられた物語が見事に「内(こころ)」を表現している。


ウィローパターンは宇宙であり心である。人間が「元型」からしか創作できないっていう証拠です。出どころが曖昧で、「中国っぽく」作られた物語ってのも「元型」らしさ。

 

ということで、えらく感動したので今年の誕生日に食パンのせるサイズのウィローパターン皿を2枚買い足しました!それが写真のやつー。1970年代に作られた、ジョンソンブラザーズってとこのやつ。

 

日本のニッコーが作ってたやつも欲しい。元々持ってたやつはバーレイ社の黒いウィロー。現行でウィローパターン作ってるのはここだけ。毎年誕生日には買い足して、これからいろんなの集めていこうと思います!

 

ちなみに、ポーリッシュポタリー(ポーランドの陶器)のピーコックアイ柄もすごく好き。マグカップと小皿しか持ってないからこちらも集めてゆきたい。

 

 

 

 

おいしいえんとろぴー。

どーもー。「パラレルワールド(マルチバース)」の記事が1ミリも進まないとき、えんとろぴーについて考え始めるとなんかちょっとやる気出てくるふしぎ。だとしても進まないのですが、、、

 

久しぶりに調べ直すと新しい記事が生まれている。このマクスウェルの悪魔についての解説記事わかりやすくてすばらしき。えんとろぴーについてまた調べはじめたらわけわからんくなってきた。ちょっと休憩。

 

低エントロピー状態を一定期間保ち続ける生物がエントロピー増大の原理の例外であるかどうかという議論は,この原理の確立以来活発になされてきたが,この点に関してオーストリア生れの物理学者E.シュレーディンガーは《生命とは何か》(11の44)の中で,生物は外界から負のエントロピーをとり入れることによって体内で増加するエントロピーを相殺するとした。しかし,エントロピーはその定義からして負値をとりえないため,その議論には難点があると指摘された。

負のエントロピー(コトバンク)

 

生物は「負のエントロピー」を外部から取り入れて、体内で相殺するからエントロピー増大から逃れている。「負のエントロピー」は「ネゲントロピー」ともいう。

 

「ネゲントロピー」で検索したら、シン・ウルトラマンに出てきたメフィラスはネゲントロピーを利用しているんだってさ。だから攻撃しても体力を消耗しないらしい。ウルトラマンは人間と融合しているから体力を消耗する。そーかそーか。メフィラスは「神」でウルトラマンは「現人神」だ。

 

神とは空想の生き物なのだけど、人間は現実の生き物。人間(生物)は半分神の機能があるからすごい。低エントロピー状態を保ちながら種を(全体を)存続させ個は滅びていく、半分神システム。だけどそろそろただの神になりたい気もするね。

 

ところで、マクスウェルって世界で初めてカラー写真を撮影したんだって!すご。

趣味の手芸。

どーもー。

 

趣味でつくってるものをメルカリShopsで売り始めました。売れたらいいな〜。

HAPPY PANTS(felt art & design)

 

 いっかいBASEで店を開いたんだけど、メルカリ使い慣れてるし同じアプリでできるので移行してみました。匿名配送がいいよね。



このロゴはむかし友人が作ってくれたやつ。かわいい。アメブロの枠が合う、、、

 

作って売ってるひとって偉い。わたしはがんばるのムリなので適当にやっていきたいと思います。つくるのは好きなので。

クアントマニアと31の思い出。

どーもー。観てきましたよ。過去一ガラガラでした。平日といえどどうなの。

 

感想はまあまあ!アントマンファミリーはキャラとして好きなんだけど。あとモードックがなんだか気持ち悪くて集中できんかった。笑いどころなのはわかってるんだけど。

 

おもしろかったのはマルチバースの動力源?に近づいたとき分裂したとこ。バスキンロビンス店員な人生の可能性ってレアなのね。そこでホープと出会った瞬間、可能性がひとつに収束したシーンもよい。

 

あとあと、映画観てたときは見逃していたが、ロキで言う「神聖時間軸」がふたつあるってカーンが言ってたらしい!それってつまりドラマシリーズ「ロキ」最終話でロキとシルヴィの意見が食い違ったあの瞬間に生まれた二つの時間軸かも?「ロキ2」楽しみ。

 

フェーズ5はじまりとしての作品だからまあまあでちょうどよい。物語の始まりはいつも平凡な雰囲気、仲良し家族で悪を倒すという予定調和、けどラングが不穏さに気がついてるエンド。娘の誕生日じゃ無い日の誕生日パーティーこわい。流れとしては完璧かも。

 

クアントマニアはMCU31作品目なんだって!何年か前、町田東急地下にある東急ストアで旦那と買い物を終え会計中、わたしの手から小銭が落ちた。その時頭の中でずっと「サーティワンはやく食べたい」と思っていた。落ちた小銭は床で円を描いて回り始めたのだけど、その瞬間超絶スローモーションになった。その小銭が倒れて止まるまで時間感覚は引き伸ばされていた。そのあとアイス食った。わたしの31の思い出。

 

コインが回る原理は3点のバランス。外側と内側の力が同じ。

 

「クアントマニア」見る前に「ロキ」のおさらい。

どーもー。「クアントマニア」みる前にディズニープラスで「LOKI」みなおしました。やっぱおもろい。1話づつ重要キーワードを書き出してみた。その後「元型」を抽出しながらストーリーをまとめてみたいと思います。

 

第1話

四次元キューブでTVAへ、死をもたらすロキ、ロキは他の者(アベンジャーズ)の力を引き出す、ロキは王になれない、母殺し、サノスに殺されるはずだった、三匹の宇宙トカゲ、自分の死を知る、悪党であることを認める

 

第2話

ロキの変異体シルヴィ初登場(1985)、ロキは反抗的・頑固・予測不可能、タイムキーパーを知りたがるメビウス、ロキより賢いシルヴィ、ロキの承認欲求がシルヴィを捕まえる方法、TVA創設・時間の始まりと終わりは極秘、ラグナロク(滅亡)に変異体エネルギーなし、ラグナロク=水、滅亡では何もかも(時間軸)も破壊される、2050年ブルーベリーガム、ラヴォーナ(上司)とメビウス(分析官)、神聖時間軸爆破

 

第3話

肉体の接触から相手の記憶から幻を作り出すシルヴィ、ロキVSシルヴィ、最悪の大災害、愛とは短剣(鏡、空想、近づくと傷つく)、ロキとシルヴィは快楽主義者、ロキは快楽を楽しむ、シルヴィは快楽がストレス、世界の終わりを二人で見る

 

第4話

シルヴィ幼少期にTVAに捕まる、存在しない人物なのでどこにいても分岐が起きる・だから災害に隠れる、C20とラヴォーナは過去を知っている、自分に恋するロキ、TVAは全員変異体、タイムキーパーは心のないアンドロイド

 

第5話

いろんなロキ、虚無とアライオス、移送された分岐は虚無へ、全ての出来事が一点で衝突し合い分岐が成長しない場所、シルヴィ自分を剪定、死を偽装した老人ロキ、過去(こども)のロキ・未来(老人)のロキ・獣(ワニ)のロキ、アライオスの心を乗っ取る

 

第6話

カーンの城へ、最後に残るのは在り続ける者だけ、邪悪なミスミニッツ、探究の終わりの場所、ラヴォーナとメビウスの別れ、自分を恐れるカーン、31世紀宇宙は重なっていることに気がついて変異体に接触、アライオスを利用して時間軸をひとつにした(TVA創設)、境界線を超えた

 


重要事項だけ抜き出してみるとわかりやすくなる。以前の記事ではハリーポッターの物語を例にとり、「元型」は『トリックスター(自我)・男(生)・女(死)』の3つでいいと言った。

 

この物語のトリックスターは「ロキ」。神聖時間軸であるアベンジャーズが活躍する世界線では極悪人だったロキなのに、今回の世界線では善の側面が見え隠れする。悪と善をいったりきたりしながら自分自身を確立していくのがトリックスター。その過程が全6話に描かれている。

 

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第1話で中国のゴビ砂漠へ。世界を二つに分けると東洋と西洋であるが、内が東洋である。つまりそこは心の中。TVAは心の世界である。現実で死ぬはずだったロキはTVAに行くことで死を免れた。けれど生きたまま自分自身の未来の死を知ることにもなった。

 

ロキはTVA創設者「タイムキーパー」という心の根源にあるものを知る。彼らを「三匹の宇宙トカゲ」と表現するロキ。根源にあるのは悪。「悪」を蛇やトカゲやワニという『地を這う長いもの』で表現するのは東洋も西洋も共通である。

 

第2話で「元型」のひとつ「女」であるシルヴィが登場。ロキ(男)とシルヴィ(女)の出会い。第1話で自分自身の内に「悪」を見出したのなら次は絶対に「女」が登場する。「女」は「悪」そのもの。悪は女のひとつの側面に過ぎないけれど。

 

最初フードを被り正体を表さないシルヴィであるが、悪は謎めいていて恐ろしいもの。ロキはまだまだ「女(悪)」の正体を知らないということ。シルヴィはロキよりも賢いようであるが、そのことをロキは認められない。

 

女が男よりも賢いことは、ラヴォーナがメビウスの上司であることにも表現されている。TVAでは女キャラの方が強い。女(悪)はずる賢く生きるものである。

 

シルヴィ(悪)は逃げ続けていて、見つけることが難しい。けれどロキはシルヴィ(悪)が大災害に隠れていることを突き止めた。「悪」は大災害に直面したような精神状態でないと現れないということ。

 

ロキがメビウスに滅亡状態を説明する場面でサラダに水をかけていたが、水は全てを流すもの。滅亡が起きると全てはごちゃ混ぜになって消滅するのであるが、それを水で表現している。

 

思考の濁流の中から「悪(変異体)」を見出すのはとても難しい。人間は大災害のような混乱の中で精神状態をコントロールすることができないから。第2話の最後にはシルヴィによって「神聖時間軸」が爆破された。一度目の心の中の滅亡である。

 

第3話ではシルヴィの使う魔術が明らかになる。つまり女が幻想を作り出す存在であることが判明する。人の心を乗っ取り、操る。それが「悪(女)」のひとつめの正体なのである。

 

最悪の大災害が起きる場所でロキとシルヴィは戦う。「女」の正体が分かった上で、「女」と戦うことで見出せることがある。「女」とは男(ロキ)の鏡であり、近づいてしまうと傷つくものであるということ。

 

愛を「短剣」で表現していたロキであるが、それは悪の中(女の中)に善があることに気がついているから。女には「善」の側面もある、それが2つめの正体。第3話でロキは「女」の二面性に気がつきはじめるのである。

 

さらには男と女の違いも描かれていた。男性性は窮地に陥ってもそれを楽しむことができるが、女性性はそれを楽しめない。これは心(性)の性質である。そして、二度目の心の中の滅亡を二人で見届ける。

 

第4話ではシルヴィの出自が明かされる。つまりは「悪(女)」の始まりである。「悪」は人間社会の中では始めから「無いもの」とされている。わたしたちの社会は「悪」を無いものとしたいから法を作る。TVA(心の中)で「変異体(悪)」を排除するのと同じこと。

 

「神聖時間軸」とは『人間が苦しまず生きる為の世界』である。その世界にはアベンジャーズというヒーローが必要で、正義が悪を倒す世界。「神聖時間軸」として世界線を一つにまとめるのは『苦しみを避けたい』と願う人間のため。TVAは『正義が悪に勝つ』という人間の為の”正しい物語”を創り出しているのだ。

 

TVAによって幼少期に親元から引き離されてしまったシルヴィ。現実世界を生きるわたしたちは誰もが、卑劣で傲慢な「悪」をそうやって心の中から『無いもの(のけもの)』にしているはずだ。それでいいのだろうか?という問いかけをするのがトリックスターであり、のけものであるロキの重要な役割。

 

シルヴィが災害に隠れることにはふたつの意味がある。「悪」は大災害という心の緊急事態からしか見出せないものであることと、平和な精神状態であるときは「悪」を隠していること。滅亡で現れ、平和で隠されるもの。

 

C20とラヴォーナは女であるから、自分が「悪」であることを知っている。彼女たちが「神聖時間軸」を生きていない時、つまりTVAに管理される前の世界では「悪」の存在は当たり前だった。人間は「悪」を卑劣で恥ずかしいものとしているから日常ではそれを隠している。TVAの職員は「変異体」であったが、やはり人間はみんな「悪」。

 

「神聖時間軸」では「悪」の存在を隠すために「変異体」を剪定する。何かの間違いで、悪がヒーローになってしまったら大変だから。

 

「タイムキーパー」は心のないアンドロイドだった。機械の心は人間を苦しみから逃避させる為に「正義が悪に勝つ世界(神聖時間軸)」を創る。そんな真実が明らかになってしまったならば、もう後には戻れない。信じていた世界は崩壊するだけ。

 

第5話でついにロキは虚無の世界へ。そこは剪定された様々な自分に出会う場所。変異体の墓場である。

 

「全ての出来事が一点で衝突し合い分岐が成長しない場所」が虚無であるが、その意味について。「神聖時間軸」で正義と悪が衝突したとき、正義は生き残るが切り捨てられた悪は虚無に落ちる。正義の中からまた悪役が生まれるが、また切り捨てられる。

 

その繰り返しが起きるから虚無にロキたちが集合してしまう。物語は悪役だけでは話が展開しないから、虚無では分岐も成長しない。

 

虚無でアライオスから逃げ延び生きる彼らは、相変わらず権力争いをしている。けれど、子どもロキはロキに向かって「僕たちとは違う」と言った。トリックスターであるロキはシルヴィと出会い、悪の二面性を知ったからこそ、今までのロキとは違う。子どもは感がいいのである。 

 

シルヴィは自分自身を剪定し虚無に落ちた。この行為は、自分の運命を司る者を追うためにしたこと。つまり、女=悪とされた原因を知るために虚無へ。ここでまたロキと再開する。悪(ロキとシルヴィ)は存在が許されることがないから、虚無に行き着く。

 

シルヴィもロキも悪役としての自分に疑問を持ち続けるもの。同じ苦しみを持つもの。だからシルヴィの魔術は、ロキも使うことができる。過去の自分(子どもロキ)と未来の自分(老人ロキ)協力のもと、二人でアライオスを消滅させた。

 

アライオスとは何度も剪定されてきたロキたちの記憶の集合体。傷つきやすい心を守るために行った悪事が、さらに自分の心を傷つけてきた過去のこと。魔術で心のコントロールをすることで、また同じ悪事を行わないこと。シルヴィの魔術は他人を操るだけではない、自分の心を正しくコントロールするためのものでもある。

 

第6話ではついに探求の終わりの地、時間の終わりへ。探求とは「人間が悪について考えること」である。悪(女)に、二面性があることを発見したのならば、誰もが時の終わりを訪れることになる。

 

 カーンは普通の人間のように見える。けれど、31世紀という未来にマルチバースを見つけたから、運命を司ることができる。カーンはアライオス(傷ついた過去)を利用して「神聖時間軸」という、悪を虚無に送り続ける世界を創った。

 

「悪」という存在のために多次元間戦争が起きるのであるから『正義が悪を倒すという物語(神聖時間軸)』の中に人間を閉じ込める。傷ついた過去の記憶(アライオス)を利用すれば、人々を操ることができる。人間は傷つきたくない生き物。傷つきたくないから「神聖時間軸」に住まう。そこで、悪を剪定する業務を機械的に続ける。

 

傷つきたくない人間は、心をタイムキーパーという機械に捧げたのだ。機械は『正義が悪を倒すという物語』を人間に見せ続ける。それは幻想である。

 

『正義が悪を倒す』という物語を繰り返す世界。そんな流れる時間の中で、たまに災害を起こす。そして全てを忘れて、また同じことを繰り返す。

 

大災害は恐ろしいものだから人間は平和だけに注目する。傷つきたくないから、災害や滅亡のことを忘れたい。だからこそ、始まりと終わりが曖昧なものになってしまう。「悪」について深く考える人だけが「時間の終わり」に辿り着ける。そこで真実を知るのだ。

 

「神聖時間軸」は『正義が勝つ』という単純なシナリオであるからカーンは全てを決めておくことができる。そのシナリオの中で予想外の動きをするのがトリックスター。悪であったのに善を働くロキ。悪のロキと善のロキ 。それがロキとシルヴィである。

 

カーンの前に現れたのは予想外の二人。どちらも悪であるのに、新しい世界を望んでいる。だから境界線を超えた。一つであった世界が分岐を始めた。


終わりに辿り着くのも、始まりのきっかけも、『ロキとシルヴィという、のけもの』だった。時間の終わりで起きた始まり。

 

ロキが見つけた真実は、悪の内には善があったということ。悪だけだったはずの虚無から「新しい物語(分岐)」が始まるのである。三度目の心の中の滅亡が起きた。


第1話で根源は「三匹の宇宙トカゲ(悪)」と言ったが、孤独なカーンとのけものの2人がそれ。宇宙の果てで、「悪」をどうにかしようともがく3人が、やはり心(世界)の根源であった。

 

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とゆーことで、元型に注目した「ロキ」のまとめでした。トリックスターは必ず三度滅亡する。出雲大社の記事でも書いたのだけれど、日本のトリックスターはスサノオ。彼も三度滅亡した(死んだ)。子孫である大国主も同じく。三度目は死を偽装することになる。それは老人ロキも教えてくれたこと。


クアントマニアでカーンがどんな感じなのかが楽しみ。シルヴィが、女=悪とされた原因を知るのは「ロキ2」だろうか。シルヴィは納得できるかな。