「敵と味方」の無意識な分類
会社員時代のわたしの頭の中には、
部署ごとに名前リストがあった。
お願いごとをする時の「頼みやすい人」と「頼みにくい人」
今思えば、「味方」と「敵」に仕分けしていたわけです。
マーケティング部のSさんには気軽に依頼できたけど、
経理のMさんには話しかけづらい。
「表情が硬いから」と、勝手に判断していた。
数十年経った今思えば、
「頼みにくい人」たちは単に
飲み会などで接点がなかっただけかもしれない。
いい人もたくさんいたかもしれない。
頼めば気持ち良くやってくれたかもしれない。
…って、愛想のいい人を
「頼みやすい人=味方」と位置づけていた自分の未熟さ。
今となっては、ちょっと恥ずかしい。
──でも、これって、人間関係の多くで起きてること。
人は「敵か味方か」で
すぐに判断してしまう生き物なのです。
心の中のレッテル貼り
一度「敵かも」と思うと、
なかなか近づけなくなってしまう。
コーチとして様々な方と話していると、
この「敵か味方か思考」に悩んでいる人、多いです。
相手のちょっとした態度や表情で、
「もう関わらないほうがいいかも…」って
心のシャッターを閉めてしまう。
わかりますよ、その気持ち
最初に書いたように、
私も会社員時代はそうでしたから。
なぜ敵味方で分けてしまうの?
どうして私たちは
すぐに「敵か味方か」で判断しちゃうんでしょう?
それは、過去の経験から
「傷つきたくない」
「拒絶されたくない」
という気持ちが、
心を守るための“防衛策”になっているから。
心の自動反応=クセ
それ自体は悪いことじゃないんです。
ただ、この「クセ」のために
人間関係の幅を狭めることがあるのは確か。
思考パターンに気づく力
「思考グセ」に気づくだけで、
人間関係はもっと楽になります。
たとえば、
「あの人、冷たいなぁ」と感じたとき。
「ほんとにそうかな?」
「何か事情があるのかな?」
「単にそういう態度な人なだけかも?」
──そんなふうに、ちょっと立ち止まって考えてみる。
たとえば、「嫌われてるのかな」と感じて
一歩距離を置きたくなったとしても、
「いやいや、違う対応をしてみよう」と考え直す。
そうすると、相手との関係性も変わってくる。
それが、「敵味方思考」を手放す第一歩です。
――ここが変化の始まりなんです――
思考グセを緩める方法
長年の“思考グセ”は、
簡単には変わらないと言われています。
でも、緩めていくことはできます。
わたし自身もそうですし、
これまでに多くのクライアントさんをみてきました。
この思考パターンをもっと具体的に理解するために、
私は心の中の声を「キャラクター」として捉えてみました。
認知心理学では、
思考パターンをいくつかに分類しています。
それに私がわかりやすく名前をつけたのがこの「クセキャラ」。
誰の心の中にも、大なり小なりいるんじゃないかな。
心の中のクセキャラたち
たとえば…
べき子さん:「正しい・間違い」で判断する
バリアーノさん:「嫌われたくない」から本音が言えない
どうせさん:「どうせ私なんて…」とすぐ諦める
「敵味方思考」が強いときは、
べき子さんが「あの人は間違ってる!」と断定したり、
バリアーノさんが「嫌われたくないから距離を置こう」と囁いたり。
クセキャラたちが心の中で、いろいろ言ってくるんです。
人間関係の新しい選択
人生の後半、このクセキャラたちとどう付き合うか?
わたしは見直すタイミングだと思っています。
このまま、発言権を大きく持たせていれば、
人間関係は今のまま。
それとも、キャラたちと腹を割って話し合って、
少し、存在感を小さくしてもらうか。
──あなたの人間関係は、大きく変わるはずです。
年齢を重ねるほど、
人との関係が人生の味わいを深くしてくれる。
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