「また比べちゃった」
「やめたいのに、やっぱり落ち込んでしまう」
SNSを見たあと、心がざわざわする。
誰かの活躍を見たあと、自分がちっぽけに感じる。
そんなふうに、人と比べて自信を失ってしまう瞬間ってありませんか?
比べてしまうのは、あなたのせいじゃない
まずお伝えしたいのは、
「人と比べてしまう」のはごく自然なことだということ。
脳には「社会的比較」という機能があり、
自分の立ち位置を知るために、
無意識に周りと比べてしまうのは当然の反応なんです。
しかも人間の脳には、
「ネガティビティ・バイアス」という性質もあります。
これは、できていないこと、
足りないものに目が向きやすいクセ。
つまり──
人と比べちゃう
自分のダメなところばかり見える
…それ、あなたの脳が今日もちゃんと働いている証拠なんです。
でも、なぜこんなにしんどいの?
それは、比べたあとに──
「優劣のモノサシ」を自分に当ててしまうから。
- あの人より劣ってる
- 私はできていない
- このままじゃダメだ
こうやって、
無意識に勝ち負けを決めるクセがあると、
自信が奪われ、自己否定がぐるぐると回り始めます。
「優劣をつけるクセをやめたいのに、やめられない…」
そんな苦しさに悩む人は、本当に多いのです。
そのモノサシ、いつから持ってた?
子どもの頃、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
- もっと頑張りなさい
- 1番じゃなきゃ意味がない
- 〇〇ちゃんを見習いなさい
言葉だけでなく、
大人の態度や表情、空気の中にあった「あるべき姿」を、
わたしたちは無意識のうちに受け取ってきました。
その“他人のモノサシ”を、
いま大人になった自分が、自分に向けてしまっている。
──そう思うと、少し切なくなりませんか?
じゃあ、どうすればいいの?
「優劣をつけるのをやめたい」と思っていても、
頭の中で勝手に始まってしまう“比べグセ”。
ここからは、そんな習慣に気づき、
そっと手放していくための具体的な方法をご紹介します。
ステップ1:モノサシに「気づく」
「自分を責める言葉」が出てきたときは、
それが“モノサシのサイン”だと思ってください。
例:
- 私って何もできてない…
- あの人に比べて、全然ダメ
- もっと〇〇じゃなきゃ
→ その瞬間に、「あ、またモノサシ持ってきたな」と
心の中でつぶやいてみてください。
ステップ2:「言い換えフレーズ」で自分にやさしく
その後は、こんなふうに考え方をちょっとだけ言い換える練習をしてみましょう。
もとの思考 | 言い換えフレーズ |
---|---|
私って全然ダメだ | 今ちょっと落ち込んでるだけ |
あの人はすごいのに私は… | あの人にはあの人の道。私は私のタイミング |
また比べてる…ダメだな私 | 比べちゃうのは人間らしいこと。気づけてえらい |
ステップ3:「これは誰のモノサシ?」と問いかける
自分を責めそうになったときに、
こんなふうに問いを投げてみてください。
この基準って、本当に私のもの?
これ、昔お母さんがよく言ってたな…
“こうあるべき”って、誰が決めたんだろう?
気づくだけでも、モノサシの力はゆるみます。
実際に変わっていった人のストーリー
あるクライアントさんは、
いつも人と比べて「私なんて…」と口にする方でした。
SNSを見るたびに落ち込み、
職場でも「私には何の強みもない」と自信を失っていた彼女が、
ある日ふと、こんなことを言いました。
「このモノサシ、私のお母さんのだったんですね。
ずっと、あの人の“正しさ”を守ってきたんだって気づいて…」
気づいたからといって、
すぐに変われたわけではありません。
それでも、「また比べてるな」と気づく回数が少しずつ増えて、
自分を責める前に、立ち止まる余裕が持てるようになっていったんです。
彼女は今も「揺れる日」はあるけれど、
以前より、自分のペースで生きる選択ができるようになったと
話してくれました。
*ブログに書かせていただく許可をいただいてご紹介しています。
自己受容って、「あきらめ」じゃない
「今のままでいい」と言われると、
「じゃあ努力しなくていいの?」と感じる方もいるかもしれません。
でも、自己受容って──
「できない自分もいる」ことを認めながら、
それでも「進みたい自分」も大切にすることなんです。
行ったり来たりしながら、
ときには立ち止まりながらも、
そのすべてが、あなたの“等身大の歩み”。
完璧じゃなくていい。
完璧を目指さなくてもいい。
それでも、ちゃんと進んでいます。
わたしはわたし。
何者かにならなくても、しあわせになっていい。
優劣のモノサシを手放していくと、
少しずつ、自分の人生に目が向いてきます。
もちろん、
「比べてしまう日」「責めたくなる日」がゼロになるわけじゃない。
でもそんなときこそ、
自分に問いかけてみてほしいんです。
「そのモノサシ、本当にまだ必要かな?」
そう問い直すだけでも、
心のなかに小さな余白が生まれるはずです。
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