互換性の王子

雫井脩介 水鈴社 2023年12月




 


 準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。 彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。 半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。 そして実行は早恵里にも近付こうとしている。 「奪われたものは、奪い返さなければ」 成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。



志賀成功が別荘に監禁される話から始まるので、どんな事件かと思いきや、企業の話だった。


志賀成功は、半年後解放され、会社に戻るが、異母兄の実行が、自分のポストにおさまっていて居場所はなく、営業にまわされる。


そこから、成功の奮闘が始まる。

同僚らと共に営業の成績を上げていく様子や新製品の開発、また、ライバル会社との攻防戦など、目が離せない。


異母兄弟の関係はどうなっていくのか?

恋の行方は?

そっちも気になる。


とても面白かった。



英雄社長の思惑通りにことが運んだとすれば、すごいこと だな。




お気に入り度⭐⭐⭐⭐⭐

墨のゆらめき

三浦しをん 新潮社 2023年5月




 

 

都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。


 

ホテルマンの続は、仕事で訪ねた書家の遠田薫と親しくなり、代筆の仕事を手伝うことになる。


転校する友達への手紙。

交際相手の男と別れたくて出す手紙。


いじめっ子に対する絶縁状、すごい!

使わなかったけど……


続が遠田に振りまわされているうちに、次第に親しくなっていく様子がほほえましい。


ある出来事で、一度離れてしまったふたりだが、これからもいい関係が続きそうでよかった。


お気に入り度⭐⭐⭐⭐



情景の殺人者 Scene Killer

森博嗣 講談社ノベルス 2023年10月





 

 真っ白い雪の上、胸にナイフを刺され、血を流して横たわる美女。被害者どうしに接点はなく、時期も場所も異なるが、現場の状況には類似性がある一連の殺人事件。最初の被害者の夫が撮った映画には、事件を彷彿とさせるシーンがあった。女性二人の探偵事務所に持ち込まれた浮気調査は、映画監督で舞台演出家、作家でもある彼の二人めの妻に関わるものだった。浮気の証拠を掴むための張り込み中、都内では珍しく積もるほどの雪が降り始めた。



しぶりの森博嗣作品。

「XXシリーズ」って、いつから始まっていたの?

見落としてた。


加部谷恵美、雨宮純、小川令子といった以前からのメンバーにまた会えてうれしい。

彼女たちの会話にクスッと笑える。



プロローグで、白い雪に赤い血。

情景を思い浮かべると、ゾクッとする。


物語は、浮気調査で張り込みしていた探偵が、殺人事件に巻き込まれる話。

巻き込まれるというより、自ら 関わっていく感じだけど~


刑事の牛田って、今回初めての登場なのか?

いい感じだった。


加部谷恵美と雨宮純の友情にほっこり。

小川の探偵事務所のこの先が心配。


お気に入り度⭐⭐⭐

ナカスイ!海なし県の海洋実習

村崎なぎこ 祥伝社 2023年12月




 

 

栃木県立那珂川水産高校(ナカスイ)の食品加工コースに通う2年の鈴木さくらは、海洋実習が楽しみで仕方ない。というのも、実習先の茨城県立那珂湊海洋高校の関清斗に一目惚れしたから。海のありなしをめぐり両校の生徒がしのぎをけずるなか、さくらは実習のダイビングや手漕ぎボートで猛アピール、関の両親がデパートの水産加工食品フェアに出ると知れば、自らも出店を画策。ところがアフターコロナの経済難で、高校生活を脅かす危機が勃発。起死回生の策として、さくらはフェアの売上トップをねらい食品開発に奔走するが……。実習に料理に大奮闘! 大感動の青春物語。


ナカスイ!海なし県の水産高校」に続く第二弾。

私は、読んでないけど ~



水産高校って、こんなことしてるんだと知ることができた。


 

合宿、『キャラ立ちライバル校対決』の出演、デパートの水産加工フェアとイベントが多い。


その中に恋や転校生のことや、家庭の事情、コロナ後の経済難など、話は盛り沢山。


個性的な登場人物たちで、面白かった。


さくらが恋する相手は、実習先の茨城県立那珂湊海洋高校の関清斗。

さくらが、関に会うだけで、話をするだけで、ポーとなってる。

関の言動に一喜一憂する様子が、恋する乙女感が出てた。


爆笑ものだけど、感動ありの青春物語だ。



お気に入り度⭐⭐⭐


能登半島地震 で被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げます。


被災地の皆様が、少しでも早く、普通の生活に戻れますように、心よりお祈り申し上げます。

あけましておめでとうございます。🎍


このブログに訪問してくださる方、いいねをくださる方、 コメントをくださる方、とても感謝しています。


今年も、ぼちぼち、本や映画の感想を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。




今年は、初日の出を見に行けなかったので、昨年旅行に行った時の大洗磯前神社(茨城県)の日の出の写真です。



今年一年ありがとうございました。


どの作品も素晴らしく優劣つけがたいのですが……


105作品中




1  この夏の星を見る 




2  汝、星のごとく 


3 ラプカは静かに弓を持つ 



カタバミ 



月のうらがわ 



ゴリラ裁判の日 



宙わたる教室 








10  それは誠 






その意図は見えなくて

藤つかさ 双葉社 2022年6月




 

 

高校を舞台に、何かと同級生と比べてしまったり、将来に悩んだり、圧倒的な才能を持つ生徒を前に諦めてしまったりする高校生男女が、自分は何者なのか?
これから先の自分は?
と悩みながらも答えに行き着く姿を日常の謎を絡めて描く青春群像劇。


 

その意図はみえなくて

八津丘高校生徒会長に立候補した氷室に信任票の次に白票が多い。氷室はいじめられていた?


っているけど、合ってない

陸上部の部室が荒らされて いたことがあった。

誰が?なぜ?


ルビコン川を渡る

陸上の合宿中、新島が消灯時間になっても帰ってこない。

「お前らの絶対来られなねえところに行ってやる」とういう新島のメッセージ。

はたしてどこにいるのか?


その訳を知りたい

佐竹優希は卒業生講演に母校に行くが、以前、ちなつが合唱コンクールの時、孤立したことを知る。


真相は夕闇の中

文化祭のパンフレットが文化祭実行委員会室から持ち出される。

誰が?どのようにして?


 日常の謎を解いていく中に、

悩み多き高校生たちの姿がそこにあった。


真相を解き明かすだけにとどまらず、真相がわかったうえで、どんな行動して現実をかえるのかが大切なことだというところがよい。



白票の選挙の話がよかった。



お気に入り度⭐⭐⭐

月の立つ林で

青山美智子 ポプラ社 2022年11月


 

 

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。




それぞれが聞いていたタケトリ・オキナの「ツキない話」が優しくての心に残る。

人は、知らずのうちに繋がっているんだと思う。

暖かい気持ちになる話だった。




今年のまとめをしていたら、この本読んだのに、感想書いてないこと がわかった。


読み終わった直後は、すごく感動して書きたいこといっぱいあったのに、時間が経つと言葉が出てこない。

困ったものだ。



お気に入り度⭐⭐⭐⭐⭐

♯(ハッシュタグ)真相をお話しします

結城真一郎 新潮社 2022年6月



 

 

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……





マッチングアプリ、リモート飲み会、YouTuberといった現代にマッチした内容。



なにかがおかしいので、

こうなのではと予想する。

その上をいった展開にびっくり。


そんな

だまされて驚くことを楽しむ本。




そこまでするか?恐ろしかった。


お気に入り度⭐⭐⭐