かたばみ

木内昇  角川書店2023年8月





家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。



体の大きな、元槍投げ選手の山岡悌子が主人公。


前半

国民学校の 教員になるも、戦時下で、何を教えるのか悩む様子や、空襲での出来事など、戦争の影響が黒い影を落とす。

そして、幼なじみの清一のことも……


それでも、学校の吉川や下宿の人たちと一日一日を大切に生きる姿が心に残る。


挫折とはきっと、正しい扉を開くための尊いきっかけなんでしょう。)


後半、

山岡悌子が結婚し、養子として息子をむかい入れる。


好いた者同士の結婚というわけではなく、同志になる決意をする。

普通の夫婦とは違うが、お互いを尊重しているところがよかった。


そして、養子の息子とどう接するのか。


いい親じゃなくて、いい人間でいよう。

 ただ自分が懸命に生きている姿を見せればいい〉


いい子に育ってるよ。


表紙のキャッチボールの相手が誰なのか。

裏表紙見て納得。

微笑ましい気持ちになった。


カタバミの花言葉は……


個性豊かな登場人物たち。

笑いと勇気をもらった。


 


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