フィゾーの実験とフーコーの実験は、実験物理の集大成のようなテクニックが詰まっている実験です。
教科書で紹介されているのは、残念ながら、基本的な部分だけ。
本当は、8キロも遠くにある鏡に当てた光をもとの場所に戻すための工夫を、きちんと書くべきでしょうが、高校生にはむつかしいという判断なのだと思います。(普通に鏡を置いて調整するなんて、やったことのある人ならわかりますが、まず不可能です!)
ちなみに、現代ならコーナーキューブという直交する鏡で作った反射鏡があり、それを使えば、適当にセットしても、光は必ずもときた方向に反射して戻ります。
前回のプリントで、実験の基本的なポイントは解説しましたので、自分の手で再現できるかどうか、試しておく必要があります。問題数は少ないですが、典型的な問題を用意しましたので、やってみましょう。
1と2は、
1は教科書に載っているとおりの問題です。基本通りにやれば解けます。
2はセンター試験(いまは共通テスト)に出題された問題です。共通テストは、それほど難問は出ませんが、本質的なところを出題するよい問題が多いですね。(ときとして、出題者が致命的なミスをすることもありますが)
教科書に掲載されているフィゾーの実験は視野が初めて暗くなったときの時間を用いて計算しますが、この問題では、一度暗くなったあと、再び明るくなるまでの時間を用いているので、フィゾーの実験の基本的な原理がわかっていない人には解けません。共通テストがどのような問題を選んでいるか、よくわかる例ですね。
詳しい計算は、書き込みを見てください。光の往復する時間tが(1)と(2)で2倍違うことがわかるでしょうか。
3のフーコーの実験も問題は原理通りですが、実験室でこの実験をやるためには、回転鏡から鏡までの距離を大きくする必要があります。鏡をたくさん用いて光の経路を長くしなくてはいけませんし、フィゾーの実験と同様、反射した光がちゃんともとの位置に戻るための工夫が必要です。
ここでは詳細は省きますが、鏡の前にレンズを置くことで、どちらの実験もコーナーキューブの代わりをさせています。
問題自体は、基本通りなので、一度自分でやっておけば、仕組みがわかるでしょう。
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