日本評論社の快諾が得られましたので、Amazonや日本評論社のウェブサイトで立ち読み作品として公開されている『いきいき物理マンガで冒険〜ミオくんと科探隊理論編』の第1話「天球と地球」をこのブログなどで全話公開できることになりました。
第1話公開にともない、『さりと12のひみつ』で行った各話の物理学的裏話の記事も、順治公開していきます。
なお、本を購入していただいた方はお気づきになったかもしれませんが、ブログ等に掲載している第1話の活字などは、書籍とは異なります。出版のさい、印刷所で活字をすべて別の書体で打ち直し、本全体のレイアウトも変更しています。
インスタやブログ等で公開するマンガは、自分の手持ちの書体活字で描いた形になります。
さて、この「天球と地球」は、ガリレオの相対性原理を本格的に扱ったマンガで、他に例を見ないものだと自負しています。
ガリレオは、科学史上では落下運動や慣性の法則、等加速度運動の解析で有名ですが、物理学的には、むしろ、相対性原理、つまり、等速度運動をしている人と静止している人が物理的に区別できないという原理を発見した人という位置づけです。
このガリレオの相対性原理から、アインシュタインが特殊相対性原理を作り出したという話は、物理関係の人には常識といっていいでしょう。
この「ガリレオの相対性原理」により、地球が動いているか静止しているかは、実験によって区別できない(あくまでも、近似的にですが)ことが確定し、物理学の基本法則が確立しました。アインシュタインの相対性原理は、それをさらに精密に考えたものです。
『冒探』では、物理学史上の重要なポイントをどう描くかを重要なポイントにしました。
物理学はガリレオで始まったといってもいいくらいですが、そのもっとも重要な物理学的発見は「相対性原理」ではないでしょうか。
天動説と地動説の論争も、ガリレオの「相対性原理」によって、どちらが正しいのかいえなくなったわけです。
ただ、ガリレオ自身は、地球の絶対運動を探すことには失敗しています。天才的な科学者とはいえ、間違いは犯すのですね。
地球の潮汐の原因として、ガリレオは自転しながら公転する地球の複雑な動きを原因にあげましたが、それは、ガリレオ自身が提唱した相対性原理と矛盾する結論でした。むしろ、ガリレオが宗教裁判にかけられたときの法王の方が、潮汐は月のせいだと看破しているくらいです。
そのときの法王は、じつは昔からガリレオとは懇意の間柄で、科学的な事象にも強い興味を持っていた人物です。いずれ、くわしい話を書きますが、ガリレオの宗教裁判は、科学と宗教の対決というような、単純な図式ではなかったのですね。
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