物理ネコ教室261(補)交流回路の理論〜微分積分による | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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 交流回路の理論は、コンデンサーの電荷Qの時間変化と回路の電流iが関係していること、そして、コイルの起電力Vが電流iの時間変化に関係していることのため、微積分を使わずに理解することが非常にやっかいな理論です。

 

 理系の3年生なら、ある程度微積分の知識がありますので、少しレベルアップした内容を知りたい生徒には、むしろ微積分を用いた説明をちゃんとしてあげたほうがわかりやすいですね。

 

 とはいえ、それを正規の授業でやってしまうと、大半の生徒はついてこれません。

 

 それで、これも補助プリントとして、配布して紹介するだけにしています。

 

 1〜3が微分を用いた説明で、4はそれと同じ作業を微分を用いないで行う説明です。

 

 4の内容は、実際の大学入試ではけっこう出題されますので、入試を物理で考えている人はマスターしておく必要がありますね。

 4はややこしい計算に見えますが、微分の定義df/dt=lim(Δf/Δt)(Δt→0)を実際に計算しているだけです。ここで、Δf=f(t+Δt)ーf(t)です。

 

 この関数fがサイン関数なので、事情がさらに複雑。加法定理などを駆使して計算することになります。

 

 プリントは計算をなるべく省略せず、ていねいに追っていますので、じっくり見てください。

 

 これで、おまけのプリントも一区切り。

 

 もうひとつだけ、本来は次の原子・原子核が終わってから扱うべき内容として、半導体と半導体素子のプリントがあります。

 

 半導体素子は、実質的に回路の部品として登場する事があるので、このあたりで触れておかないと、実際の入試問題に触れるときに困ります。

 

 そこで、教育的な順序は無視し、例年、半導体の基礎知識と半導体素子は、交流回路が終わったタイミングで扱っています。

 

 この半導体の本格的な理論については、戦後の日本の技術者が「まったく新しい理論が使われているらしい」と、われ先に研究し、なけなしのお金を集めてアメリカへ研究者を送ったという逸話があります。

 

 これこそ、初期の量子力学だったんですね。

 

 原子内でエネルギーがとびとびになっているとする新しい理論の応用が、半導体素子。それが電気機器の革命をもたらし、後の日本の繁栄につながるわけです。

 

 この辺のお話は、また、次の機会に。

 

 

※おまけ※今日、フェースブックで、知り合いの方から、紀伊國屋書店の科学書のコーナーに『いきいき物理マンガで冒険』が平積みになっている写真を紹介していただきました。素直に嬉しかったです。(写真は後で追加します)

 

 

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258交流回路と共振

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262半導体

263半導体素子

 

 

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